ヴァンフォーレ甲府 VS 川崎フロンターレ

J2 第27節

日   時 1999年9月19日 14:00
試合会場 韮崎中央公園陸上競技場 (山梨県韮崎市)
天   候 晴れ
観 客 数 1360人(涙 あまりに少な過ぎる・・・)
試  合  結  果
甲  府 前 半 川  崎
後 半
金子(11分) 得点者  ツゥット
(35分)
浦田(69分)






人口33,000人あまり、武田信玄にゆかりがある甲府盆地の小都市での一戦。
フロンターレは前節、鳥栖に苦杯を喫しているので、得意とする甲府相手に90分できっちり勝利したいところ。

韮崎駅を降り立つと・・・目立つのははイトーヨーカー堂とサッカーの銅像といったところ。
辺りは閑散とし、商店街は店を閉じ、歩く人の姿も少ない。
本当にここでサッカーがあるのかと、一瞬疑ってしまう雰囲気である。

駅前の球児の像

駅前に聳え立つ、高橋剛という人が作った「球児の像」(1976年建立)
韮崎は少年サッカーが盛んだそうです
良く考えたら、ペルージャ中田選手の出身地だった、失礼しました
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街中の風景

昼間近いというのに、街中は誰もいない


試合前、小学生による前座試合が行われ、その審判は何とヴァンフォーレの選手が担当。
さすがに動きはおとなしかったですが、このサービス精神は他のチームも見習いたいところです。

主審を務める土橋選手

前座試合の主審を務めるヴァンフォーレ土橋選手(背番号12:MF)


盆地特有の湿度の高い中、試合開始のホイッスルが山々にこだまする。
立ち上りは選手層の厚いフロンターレが攻勢にでる。
開始草々、ツゥット選手(背番号9:FW)が強烈なシュートを放つものの、惜しくもゴールポストに跳ね返される。
また、桂選手(背番号12:MF)も得意の位置からゴールを狙うものの、惜しくも相手キーパー正面。
フロンターレは長橋選手(背番号20:MF)を中心とした、熱い攻撃を見せ付ける。
一方のヴァンフォーレは、フロンターレの圧力に押され、いまひとつ攻め上がることができない。

小松崎選手の守り

久しぶりにスタメンの小松崎選手(背番号4:DF)が、ヴァンフォーレの攻めを防ぐ
※正確には「今年初」らしい



だが、盆地の気候が味方をしたのか、前半10分ごろ、ヴァンフォーレが隙をついて左サイドから攻めあがる。
そしてフロンターレの弱点である左サイドから、金子選手(背番号4:MF)がミドル気味のシュートを放ち、カーブを描いたボールは、フロンターレゴールに吸い込まれてしまう。
得点後もヴァンフォーレは攻撃の手を緩めず、フリーキックのチャンスからゴールを狙う。

それでもその流れは長く続かず、またもやフロンターレの支配に。
ヴァンフォーレゴール前に鋭いパスを連発し、怒涛の攻めを見せ付けるものの、ヴァンフォーレの必死のクリアで、得点までは至らない。

長橋選手を基点に攻めるフロンターレ

フロンターレは長橋選手を基点とした攻撃パターン


しかし15分過ぎになると、フロンターレに連携のミスが目立つようになり、またもやヴァンフォーレの流れに。
しばらくフロンターレサイドでのプレーが続き、観客をいらいらさせる。
少ないチャンスは、必ずゴール前までは持ちこむものの、最後のパスがふかし気味となり、いつものつなぎの良さが見られない。

ゴール前の競い合い

ゴール前で交錯するヴァンフォーレ堀井選手(背番号14:FW)と
フロンターレ浦上選手(背番号1:GK)


ティンガ選手のプレー

レベルの高い個人技を見せるティンガ選手(背番号10:FW)
それでも東京戦で痛めた足が完治していないのか、
やや精彩さを欠ける(後半途中で交代)


だが、フロンターレも何とか我慢を続け、30分過ぎ(だと思う)にティンガ選手(背番号10:FW)からツゥット選手へのラストパスが綺麗につながり、右足で豪快に蹴りこみ、同点に追いつく。
こうなるとフロンターレの攻めのオンパレードが全開に。ティンガ選手は強烈なシュートを連発し、相手ゴールキーパ坂本選手(背番号1)をかきまわす。
続けてコーナーキックを4連続。土居選手(背番号15:DF)のシュートは惜しくも相手ディフェンスに当たる。
更にツゥット選手も続くが、これはゴール枠を外れる。
ここで前半終了。フロンターレはムシムシした陽気の中、良い流れをつかみかける。

後半は開始草々、フロンターレの一方的な攻めとなる。
土居選手が放った戦国時代の矢のごときのシュートは、残念ながら相手ゴールキーパー正面。
また、ティンガ選手はヘッドで再三ゴールを狙うが、タイミングが僅かに合わず、ポスト上にそれてしまう。
桂選手のシュートも、惜しくも枠に入らず。
しかしよい攻めのパターンが、しばらく続く。
ヴァンフォーレの少ないカウンター攻撃も、森川選手(背番号29:DF)を中心に、安定した守りである。

久野選手のセンタリング

久野選手(背番号23:MF)のセンタリング
逆足のためか、うまくいかず


中盤を上がるツゥット選手

中盤から攻めあがるツゥット選手
多湿のためか、やや切れが悪い


競い合う選手たち

激しく競り合うフロンターレ久野選手とヴァンフォーレ石原選手(背番号5:DF)


だが、森川選手のクリアより、ヴァンフォーレがスピード感あふれるカウンター攻撃を仕掛ける。
そして、ヴァンフォーレがゴールに蹴りこみまたもやリードを許す・・・と思いきやその前にホイッスル。
フロンターレ、事無きを得る。

試合展開は、シュートミスが目立つも相変わらずフロンターレのペース。
この日は気温が低いためか、選手の動きはとくに低下が見られず安定している。
中盤を巧みなパスワークで攻めあげ、相手ゴールから適度な間隔でのシュートを連発する。
そして後半20分過ぎ、フロンターレは久野選手の持ちこみから伊藤彰(背番号19:MF)へつなぎシュートを放つ。
ボールはポストに跳ね返されるものの、それを浦田選手(背番号13:FW)が落ち着いて蹴りこみ、ヴァンフォーレを突き放つ。

ゴール後のシーン

ゴールを決めて、抱き合って喜ぶフロンターレの選手達


その後は中盤での攻防が続くものの、すぐにフロンターレのペースとなる。
ヴァンフォーレも少ないチャンスを鋭いカウンターで生かそうとするが、浦上選手のセーブなどで阻まれ、得点は得られず。
最後はフロンターレのパスミスより、決死の反撃を試みるも、最後の詰めが甘く、同点には追いつけず。
そして試合終了のホイッスル。フロンターレは完全なコンディションとはいえないなかで、貴重な勝ち点3をゲットし、2位をキープした。

フロンターレは勝ちはしましたが、相手のレベルに合わせる悪い癖が出てしまったようで、キレとスピード感は今一つといったところ。
しばらく強豪とは当たりませんが、この癖を出さないように気をつけなければなりません。

純日本人のメンバーであるヴァンフォーレは、戦力的にはこれからといったところでしょうか。
試合運営も手作り的なところが多く、まだ試行錯誤の段階なのでしょう。
しばらく実績と経験を重ね、いつの日か素晴らしいチームになって欲しいものです。

少ないヴァンフォーレのサポーター

ヴァンフォーレのゴール裏は、これだけしか応援団がいない。
ホームゲームでありながら、何故???
フロンターレの方が断然数が多かったです


風林火山の旗

ヴァンフォーレの名物といえば、武田信玄をモチーフとした風林火山の旗
戦国時代を彷彿させる迫力はなかなかのもの
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さようなら韮崎

帰りのバスに飛び乗り、競技場を後にする
さようなら、韮崎の街よ
短い時間でしたが、いい思い出になりました


しかし観客数が1500人にも満たないとは・・・。
確かに立地条件は悪く(駅からバスもない絶壁の上にある)、J2ということもあるんでしょうが、これほどまでとは・・・。
悲しすぎて、何もいえません。

PS.試合のアナウンスをしていた方へ
フロンターレの久野選手は「ひさの」ではなく「くの」と読みます。選手の名前を間違えるのは私ぐらいにしてください。
あと、得点時間も教えてください。これはあなたの責任ではないのですが。
久野選手の呼び方を間違えたとき、フロンターレ側から文句があふれましたが、私はあなたを応援します。
だって、その声が色っぽいから(笑)。

自作J1昇格ロゴ


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