横浜FC VS 大塚FC(ヴォルティス徳島)
JFL 3st 第8節
日 時 | 1999年11月3日 13:00 | |||
試合会場 | 綾瀬市民スポーツセンター (神奈川県綾瀬市) | |||
天 候 | 晴れのち曇り | |||
観 客 数 | 2112人 | |||
試 合 結 果 | ||||
横浜FC | 0 | 前 半 | 0 | 大塚FC (徳 島) |
2 | 後 半 | 0 | ||
パベル (46分) 有馬 堅二 (52分) |
得点者 | |||
2 | 計 | 0 |
久方ぶりの、JFLの大一番。
横浜FCは前節で水戸ホーリーホックに破れ、優勝を逃すと共に水戸のJ2昇格を目の当たりにされている(もっとも水戸の昇格は大変うれしい話題です)。
この日90分間で勝利をおさめると、最終節を待たずに優勝が決まる。
なんとしても勝利をもぎ取り、祝杯をあげたいところである。
あわよくば、一気にJ2昇格へ・・・果たしてどうなることやら。
優勝を信じて・・・
試合前、会場の入り口には、チームのテーマソング「Wings of Freedom」を歌うTHE
ALFEEから届いた、優勝祈願の花束が。
結成25周年、この心遣いは本当に憎いばかりです。
実際に撮影したのは、試合終了後です
さあ、試合開始。90分で夢の優勝へ一直線だ。
立ち上がり、大塚は古賀選手(背番号6:MF)にボールを集め、左サイドの突破を図る。
対する横浜は、真中選手(背番号4:DF)が冷静なディフェンスで、大塚の攻撃を防御する。
動きの固い大塚を尻目に、横浜は鋭い押し上げを見せる。
素早い攻撃から、ゴール前の松田選手(背番号25:FW)にキラーパスが通り、完全にフリーとなる。
ここは、相手GK監物選手(背番号1)が僅かに早く、スライディングでボールを蹴りだす。
横浜は、この日MFの薮田選手(背番号13)がボールを受け取ると、左ライン際をオーバーラップした公文選手(背番号6:DF)にパスを渡す。
大塚は不意をつかれ、公文選手に一気の突破を許してしまう。
横浜は、守備面でも安定。危なげない守りで大塚の攻撃を防ぐ。
公文選手(中央)が盛んに攻撃に参加
この日は、ディフェンスのオーバーラップが目立って多い
横浜の攻めは、リズム感に長けている。
中盤、ワンタッチパスでスピード感あふれるボール回しで、大塚の守りを翻弄する。
更に真中選手も右サイドを盛んにえぐる。これには大塚ディフェンスも度惑い、全体の動きが安定しない。
そのためか、横浜サイドに攻め込むことが、ままならなくなる。
大塚のフリーキック後、横浜は一気に攻め立てる。
後藤選手(背番号7:MF)が右足で、続けて有馬選手(背番号15:FW)がヘッドでゴールを狙う。
ともにGK正面となったものの、試合の流れは横浜から完全に動かない。
だが、ふとしたことから、横浜は危機を迎える。
公文選手の不用意な前線へのパスが、大塚の横瀬選手(背番号8:FW)にカットされ、中央の片岡選手(背番号11:FW)にパスを送りシュート。
ボールは大きく枠をそれた。
続けてのプレーで林選手(背番号9:FW)に至近距離から強烈に打たれ、横浜GK大石選手(背番号1)がはじくものの、ボールはゴール枠一直線。
しかし、ポストの上部にあたり、難を逃れる。
優勝を直前としながら、それにふさわしくない甘い守りに、横浜サポーターからも怒声が響く。
横浜も悪いなりにカウンター攻撃をするも、オフサイドの旗が。
すると、前半25分ごろから大塚の猛攻が。容赦なき攻撃の嵐が連続するも、最後は大石選手が何とかセーブ。
横浜は序盤のオーバーラップがたたったのか、ディフェンスが定まらずバラバラである。
大塚の攻撃に、二人がかりで止める
攻撃を防ぎきった横浜は、大塚サイドに攻めあがり、ゴール前で混戦を展開する。
こまめにパスを繋ぐものの、ボールのスピードが速すぎてトラップに失敗し、シュートまでなかなか持ち込めない。
そして、コーナーキックのチャンスを迎える。サポーターから大きな「ゴール!」コールが溢れるも、キックは大きく流れ、チャンスを潰す。
優勝へのプレッシャーか、横浜の攻めは落ち着きがなく空回りしてしまう。
攻撃のリズムを変えたのか、遠方から前線へ大きくパスを繰り出すが、大塚のディフェンスに動きを読まれ、トラップ中に体を回しこまれてボールを奪われる。
対する大塚は、林選手の鋭いドリブルによるカウンター。これは大石選手がボールをセーブする。
バランスの悪いプレーに、見ている方もだんだんいらいらが募る。
大塚の林選手(左)に対応する、横浜の渡辺選手(背番号20:DF 右)
渡辺選手の前所属チームは、水戸ホーリーホックです
水戸のJ2昇格を、どのように受け取っているんでしょうか
横浜FCも終了間際の40分、左コーナーキックから続けてシュートを放ち、跳ね返りから混戦に持ち込む。
だが、最後は大塚の小井戸選手(背番号4:DF)に大きくクリアされ、得点ならず。
大塚に守りきられた形で、前半を終える。横浜は薮田選手を中心としたホットラインが、どうも機能していない。
横浜は後半の立ち上がり、相手の隙をついて得点するパターンが多いが、この日はどうか・・・。
そう思った矢先、いきなりやってくれました。
開始直後、大塚がまとまり切らないうちに、猛攻を仕掛ける。
そして後半1分、パベル選手(背番号10:FW)が大塚ゴールに叩き込み、先制点を挙げる。
横浜サポーターも、喜びを爆発させる。
このプレーの直後に、先制点が生まれた
待望の先制点に、サポーターも気勢を上げる
ゴール後は、大塚に反撃を食らうものの、あっさりと防ぐ。
試合の流れは、完全に横浜へ。パベル選手の動きも俄然輝きを増してくる。
負けじと有馬選手も豪快にシュート。これは相手GK正面。
だが、後半7分、右サイドを突破した増田選手(背番号11:この日はMF?)のクロスボールを有馬選手が再度蹴りこみ、ボールはゴールに突き刺さり、2点目をゲットする。
得点後も有馬選手はノリノリ、更にシュートを連発する。
ばらつく大塚の選手をよそに、横浜は波状攻撃を展開する。
クロスボールを蹴った直後のパベル選手
増田選手(右)も負けじと相手DF小井戸選手(左)と競り合う
結局センタリングは上げられず、
「あー」という大きなため息が
後半15分過ぎになると、打って変わり静かな試合運び。
しかし、じりじりと大塚に押し込まれ、嫌な時間帯を迎える。
フリーのシーンを与えたり、中盤でボールを奪われ、手薄な横浜ディフェンスをかわし、がんがん攻め込む。
それでも決定的な場面でミスが目立ち、ゴールチャンスは生まれない。
完全にフリーになったり・・・
中盤でボールを頂戴されてしまう
25分過ぎると一転して、横浜のカウンター攻勢が。
パベル選手がゴール前で倒され、フリーキックのチャンスが。
これはふかし、点にはならず。
続けて増田選手が右クロスを放り込むも、大きく流れる。
だが横浜は攻撃リズムを取り戻す。
そして、刻一刻その瞬間が近づいてくる。
パベル選手が倒される | ゴールを伺う | シュートは残念 |
横浜は守りも安定。大塚の突破も真中選手の鋭いタックルで粉砕する。
攻撃も更に充実。パベル選手が左を突破し、有馬選手にクロスボールを。
それをヘッドで合わせ、大塚にとどめの一撃を狙う。
パベル選手も、最後まで詰めつづける
大塚も最後の反撃を見せるが、動きがおぼつかず、ミスを連発する。
横浜も疲れを感じさせるシーンがあったものの、薮田選手を基盤に怒涛の攻めが。
そしてそして・・・・・・試合終了のホイッスルが競技場に響き渡る。
やったー優勝だ!!!競技場は歓喜の渦に巻き込まれる。
試合終了直後
選手達はまだ実感がないのか、いつもとあまり変わらず
サポータ席からは、「優勝おめでとう」のパネルが
選手達ははじめおとなしかったのですが、時間がたつにつれ喜びをあらわし始める。
そしてついに歓喜の胴上げが!、1回・2回・・・とリトバルスキー監督が中に舞う。
監督のインタビューが終わり、競技場をウイニングラン。優勝トロフィーがサポーターの前を練り歩く。
そして最後に、奥寺ゼネラルマネージャーの胴上げが。選手・スタッフの皆さん、喜びが満面です。
はじめはいつもと変化なしだが・・・
テント付近に戻ると、監督の胴上げが
宙に待ってる姿が見えず、どうもごめんなさい
やがてウイニングランがはじまる
家族と一緒の選手の姿も多数あり
行列の最後に、優勝トロフィーを携えた大石選手の姿が
この優勝は、トロフィーの大きさ以上の価値があります
優勝トロフィーを携えた、大石選手が
サポーターに胴上げされるシーンも
優勝おめでとう!苦節から1年、短い間で見事な結果を出してくれました。
でもこれは、まだほんの序曲。J2そしてJ1への道のりは始まったばかりです。
最強(フロンターレを除いた)のチーム、そして真の「市民リーグ」を目指して、これからも驀進しつづけることでしょう。
私もはぐれフリエの一員として、サポートし続けます。
明日の未来に向けて・・・フリエー!!!
試合前の選手達を撮影
表情が硬い人、辺りを気にする人など
ややプレッシャーが感じられる
サポーターの背中を見ると、青文字のサインがちらほら
青文字でサインをするのは、横浜FCサポーターが
主流なようです
会場の片隅には、こんなものが
中をのぞくと、空っぽでした
もしかしたら、何も不満はない???
<まったくの余談>
どうでもいいことですが、「大塚」と聞くと、この曲を歌いたくなってしまいます。
おおつかしーんじ、らーらららら おおつかしーんじ、らーらららら
横浜FCが優勝しても、頭の中はフロンターレな私です。
以上、大変失礼しました。