横浜FC VS 新潟大学
第79回天皇杯 第1回戦
日 時 | 1999年11月28日 13:00 | |||
試合会場 | 平塚競技場 (神奈川県平塚市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 1903人 | |||
試 合 結 果 | ||||
横浜FC | 4 | 前 半 | 0 | 新潟大学 |
4 | 後 半 | 0 | ||
パベル (1分) 有馬 堅二 (5分) 渡辺 一平 (36分) パベル (43分) 稲垣 博行 (62分) 松田 正俊 (67分) 有馬 堅二 (81分) 松田 正俊 (89分) |
得点者 | |||
8 | 計 | 0 |
観客数と得点時刻は、競技場で発表されなかったため、横浜FCのホームページより抜粋しました
今後一部変更が加わる可能性があります
リーグ戦も終了し、いよいよ天皇杯のシーズンに突入する。
天皇杯神奈川県予選、マリノスユースに快勝した横浜FCは、平塚競技場で新潟県代表の新潟大学との一騎打ちを迎える。
この試合は快勝して、真の市民チームに向けてのアピールしたいところである。
相手は格下の大学生とは言え、油断は禁物である。
前半立ち上がり、横浜は右サイドの幸田選手(背番号5:DF)がオーバーラップを図り、前線の増田選手(背番号11:MF)にボールを集める。
左サイドにサイドチェンジ。そしてゴール前の混戦となり、新潟大学ゴールキーパー清水選手(背番号1)がボールをファンブル。
そこを付け込み、パベル選手(背番号10:FW)が蹴り込み先ず1点。僅か一分足らずの瞬間芸で幸先の良いスタートを切る。
リスタート後は新潟大学が速攻を展開。横浜ゴール付近まで再三迫る。
しかし横浜のディフェンスは慌てない。手薄な攻撃は真中(背番号4:DF)・渡辺(背番号20:DF)両選手らの安定した守りでいとも防ぐ。
高めのセンタリングも、大石選手(背番号1:GK)がキャッチ
すると流れは直ぐに横浜へ。
一気に前線に流れ込み、コーナーキックのチャンスを得る。
左コーナーから放たれたボールは、ゴール前ヘッドで繋ぎ、最後は有馬選手(背番号15:FW)がゴール右隅に叩き込む。
早くも2点目。格の違いを存分に見せつける。
得点後はまたまた新潟大学の速攻。橋本選手(背番号10:MF)が中央突破を図る。
しかしそこには、渡辺選手の姿が。体を入れて、難なくボールを奪い取る。
横浜は更に攻め続け、鋭い左クロスからパベル選手が豪快にヘッド。
新潟大学のディフェンスは身動きできず、相手のゴールキーパーは必至に弾くのに精一杯である。
中盤以降は完全に横浜が支配。元Jリーガーぞろいの貫禄を見せ付けまくり、新潟大学を寄せ付けない。
だが10分を過ぎると、横浜は嫌な時間帯を迎える。
新潟大学も激しいプレーで応酬し、プレッシャーをかけて、横浜のパスを奪いにかかる。
横浜のパスミスを見逃さず、ドリブルで一気に前線へ。市川選手(背番号15:FW)がひとり俊足を飛ばす。
中盤の激しい攻防が続く
横浜も黙ってはいない。反撃を試みサイドを再三えぐりにかかる。
中盤の選手はそこに向けてキラーパスを放つ・・・はずがボールは大きく、ゴールラインを割りつづける。
今度はゴール前、パベル選手が個人技で巧みに突破。相手ディフェンスに倒されて、フリーキックを得る。
だが、薮田選手(背番号13:MF)のキックは、惜しくもゴールポストの上を通過する。
横浜は幸田選手と増田選手が前後にパスを続け、攻撃の機会を覗う。
そして薮田選手に繋ぎ、左にサイドチェンジ。チャンスを作るが公文選手(背番号6:DF)がいないためか、やや手薄な感じは否めない。
そう見るや今度はワンツーパスで相手を振り切り、左クロスを放る。有馬選手が頭で合わせるが、惜しくもゴール枠から外れる。
薮田選手のフリーキックは、曲がりが足りず
前半20分過ぎになると、横浜は一転してピンチを迎える。
攻撃参加をしていた守備が手薄になり、新潟大学に中央突破を食らう。
ゴール前橋本選手がゴールキーパー大石選手ともつれながらシュート。これは勢いがなく、ゴールラインに向けてボールは転々と転がる。
直後横浜もカウンターを仕掛け、鋭いゴロのセンタリングをゴール前に送り込む。
惜しくも相手ゴールキーパーが一瞬早く飛び出し、シュートには至らない。
両者動きが素早くなり、その反面守りが甘くなり、隙間が目立つようになる。
横浜は有馬選手とパベル選手のワンツーで、新潟大学サイドを攻め立てる。
しかし、ディフェンスが執拗にまとわりつき、ボールを自由にコントロールできない。
クロスボールも上げられず、シュートの体勢もなかなか作れない。
おまけに30分過ぎになるとミスが目立ちだし、稲垣選手(背番号19:MF)のパスを新潟大学にカットされる。
ディフェンスが戻りきらないうちに、右サイドを一気に攻めあがる。ここは大石選手が飛び出して、難を逃れる。
横浜はちまちましたパス回しが、災いを呼んでしまう悪いムードに陥る。
左サイドの突破を図ろうとするも、新潟大学の守備に阻まれ、右サイドを上がってきた幸田選手に向けて、大きなパスを送る。
だが、ボールはゴールラインを割ってしまう。
更に中央でパスを受けた後藤選手(背番号7:MF)が、新潟大学のディフェンスにパスコースを防がれ、苦し紛れに左にパス。
そんなプレーが続くうちに、新潟大学にカットされ、チャンスをものにすることもままならない。
格下相手のふがいないプレーの連続に、横浜サポーターからはブーイングが沸き起こる。
ゴールキーパー大石選手(左端)が中央付近まで飛び出し、ボールを蹴り出す
新潟大学市川選手(中央の赤い選手)の強引な中央突破を
何とか幸田選手が防ぐ
疲れが見え始めた新潟大学の選手は、動きが徐々に鈍くなり、遂に横浜に得点のチャンスが。
前半35分過ぎ、横浜攻撃陣は新潟大学の守備陣をすり抜け、右クロスを送り込む。
それを渡辺選手がシュート。またまた相手キーパーがファンブルして3点目をゲットする。
そうなると流れは、俄然横浜に傾く。
新潟大学の選手は、横浜の選手の動きに追いつけなくなり防戦一方。
対する横浜はノリノリ。面白いように波状攻撃を展開する。
今度は右クロスを、パベル選手が鋭いヘッド。
切り裂く空気の波動が聞こえるか如しの鋭いボールは、惜しくも外れるがいい締めとなる。
新潟大学も相変わらずの中央突破でドリブルを図るが、サークル付近で重松選手(背番号7:FW)がもたつく間に横浜の後藤選手が詰めより、ボールを奪い返す。
そこから前線に迫り、雨あられのシュート攻勢を披露する。
新潟大学の各選手は、完全に足が止まり、何もすることが出来ない。
前半終了間際、パベル選手が右足で豪快に蹴り込み、低い弾道はゴールネットに突き刺さる。
そして前半終了。横浜FCは充実した攻撃で新潟大学を圧倒する。
ピッチから引き上げる途中
2点を挙げたパベル選手(中央)は、余裕の笑顔でサポーターに応える
後半開始直前、横浜FCのリトバルスキー監督は
大石選手に細かい指示を送る
後半開始、横浜は幸田選手に代え、重田選手(背番号2:DF)を投入し、攻撃の布陣をより強化する。
序盤も横浜のペース。疲労が抜け切らない新潟大学の選手を尻目に、余裕の攻撃を披露する。
相手のプレスも少なく、小野選手(背番号18:MF)も 前半以上のプレーを披露 新潟大学の守備陣を、強行に突破する |
新潟大学も時折反撃を試みるも、前線に繰り出す選手が少なく、横浜ディフェンスの餌食と化してしまう。
・・・が余りに余裕が有り過ぎたのか、中央に縦一本のパスが通り、新潟大学の選手が一気に走りこむ。
フリーになってシュートを放つ。これは大石選手の正面に飛んでしまう。
対する横浜は、シュートを2連発。
始めにパベル選手が、次に有馬選手がヘッドをお見舞いする。
続けてゴール前、後方からの高めのパスをパベル選手が頭で落とし、左サイドフリーの小野選手へ。
これはオフサイドになってしまうが、いい形でプレーを締めくくる。
パベル選手のシュートは、ポスト右にそれる
新潟大学もゴールキックなどから、チャンスを覗おうとするも、中盤以降に選手が踏み込めず、横浜にどうしても潰されてしまう。
後半10分過ぎても、横浜の流れは続く。ここは新潟大学がゴール前横一直線にディフェンスを配し、シュートコースを作らせず。
小野選手も再三の突破を図ろうとするが、守りを固めた新潟大学守備陣に封じ込まれる。
新潟大学も、体を張って守り切る
横浜の猛攻を防ぎ切った新潟大学は反撃に移る。中盤で小刻みにパスを繋ぎ、後方から走りこんだ選手に向けて、クロスボールを送る。
・・・のはずが、誰も走りこまず(というより足が止まっている)、横浜ディフェンスへのルーズパスとなってしまう。
対する横浜も攻撃の疲れが出たのか、動きが突如鈍くなる。
新潟大学の選手も動きが止まり、グランド内は水を打ったような静寂に覆われる。
その雰囲気もつかの間、横浜が打って変わり、素早いパス出しを見せる。
一気にカウンターを仕掛け、有馬選手が思い起こした如くのシュート。
これは相手ゴールキーパーが右に反応し、ボールをゴールラインに押し出す。
横浜は続けてのコーナーキック、ゴール前の混戦の跳ね返りボールを、稲垣選手が後方から矢のようなミドルシュートを放つ。
ボールは一直線にゴールへ向かう。相手ゴールキーパーは全く反応できず、ゴールネットを揺らす。
これで試合は完全に横浜のものに、この後も再三攻めまくり、新潟大学はただ防戦一方となる。
パベル選手も飽くなき攻めを続ける
その直後、パベル選手と後藤選手がピッチを去る。変わりに松田選手(背番号25:FW)と中丸選手(背番号23:MF)が投入。
そしてまたもやコーナーキックのチャンス。ゴール前押しに押し捲り、最後に入ったばかりの松田選手が蹴り込み、これで6点目。
横浜はこれでもかと、得点を奪い続ける。
これでもかっ! |
これでもかぁぁぁ!! |
ようやく決めてくれました |
横浜の流れは確定的となり、面白いような攻撃のオンパレード全開状態。
新潟大学はボールをカットしても、横浜のプレッシャーに負けてしまい。苦し紛れのパスを繰り出すのがやっとである。
ディフェンスも完全にふらふら状態。横浜の素早い動きに全く追いつけなくなる。
新潟大学のボールに対し、横浜の選手が素早くチェック
そのボールはフリーとなった有馬選手に繋がり
そのままセンタリング
その後の新潟大学のゴールキックの際に、謎の試合中断
審判が新潟大学サイドに集まり、控えの選手が怒っていました
後半を30分過ぎても、横浜の攻撃は一向に止まらない。
左コーナーキックを得て、薮田選手がキック。続けてのプレーから有馬選手が蹴り込み7点目をゲット。
横浜はどんどん攻めtづづけ、新潟大学にチャンスを全く与えない。
中丸選手がミドルシュート、更にドリブルでのカウンターと、多彩な攻撃を展開。
相手ディフェンスに迫られても、相手ゴールキーパーの動きを見計らいループシュートを放つ余裕すら見せる。
相手ディフェンスをもろともせず、容赦なき攻撃は続く
試合はロスタイムに突入。だが横浜の飽くなき得点欲は留まるところを知らない。
薮田選手が中央で、戦意を喪失した新潟大学よりボールを奪い取り、続けてのプレーで松田選手がとどめの8点目。
圧倒的な展開に、観客席からも絶え間なく拍手が沸き起こる。
試合終了直前まで、一方的に攻めまくる
もう誰にも止められません
そして試合終了。横浜FCは貫禄の勝利で1回戦を見事突破。
相手は格下とは言え、この点差は凄い、他会場の結果を見ても8点差など殆ど見当たりません(最高は丸岡高校対大塚の10点差)。
この日は他の試合でも、JFL・J2勢が順当に勝利をおさめて、この先が楽しみになってきました。
競技場内では「2連覇」などの掛け声も聞こえましたが、新生した横浜FC、この勢いが何処まで続くか見ものです。
順当に勝ち進めば、3回戦はヴェルディ川崎が相手です。薮田・増田・重田選手などが古巣相手にどんなプレーを見せるのか。
楽しみは留まるところを知りません。
試合終了後、タオルを手に勝利のソングが響き渡る
本当はあの中で応援する予定でしたが、入り口を間違えてしまい
応援はお預けに
準々決勝まで勝ち進めば・・・何と横浜F・マリノスとの対戦に
なる可能性も
この結果に、リトバルスキー監督も満足の表情を浮かべ
ピッチを後にする
本当にお疲れ様でした
<全くの余談シリーズ>
試合終了後、平塚競技場での天皇杯3回戦、前売りチケット販売のアナウンスが響き渡る。
そこでのアナウンスが、「ベルマーレ湘南対・・・」なるもの。
それは違う。ベルマーレは今期中は平塚ですし、来期の名称は「湘南ベルマーレ」です。
些細なことですが、間違えです、はい。
こうなると平塚の応援をしたくなってきた、最後にひと叫び
てっぺいゴール!!てっぺいゴール!!(ベルマーレ西山選手のコール)
最近のベルマーレを見ていると、得点のチャンスが少なく、歯がゆいので叫んでしまいました。
またまた失礼しました。