アビスパ福岡 VS 川崎フロンターレ

J1 ファーストステージ 開幕戦



日   時 2000年3月11日 15:00
試合会場 博多の森球戯場 (福岡県福岡市)
天   候
観 客 数 10,383人
試  合  結  果
福   岡 前 半 川   崎
後 半
     
     
得   点   者
福岡:中払 大介(62分) モントージャ(73分)
川崎:鬼木 達(89分)



今シーズンからは応援に専念。よって内容はバラバラです(+_+)


Jリーグが遂に開幕!待ちに待ったその日が遂にやってきた。
我らがフロンターレのJ1初戦は・・・、何と’98年の入れ替え戦で死闘を繰り広げたアビスパ福岡ときたものだ。
ロスタイムの悪夢が脳裏を掠める・・・いや、我々は堂々とJ1に昇格したのだ。
過去の因縁を振り返る必要はない。初戦をきっちり勝って、巷の最悪な下馬評を吹き飛ばしてやるぞ。
そしてあのときの・・・あのときの涙の借りを必ず取り返す!!!
さらに、某アビスパのHPで「ウ×コ●ーレ」と書いたことを、一生の懺悔に追い込んでやるぞ!!
(本当は、あの時フロンターレに全く無関心でした。昨年来のサポーターなので・・・)

競技場も後わずか

競技場まで後わずか
ここまで来たんだから、絶対に勝利はもぎ取るぞ


サポーターが続々と

遠方にも関わらず、試合開始1時間前には
サポーターがほぼお出ましとなる



バックスタンドで、別のサポーターと会話を交わす。彼は’98年の入れ替え戦を体験しているので、一際この試合に対する意気込みが高いようだ。
ピッチに降りしきる小雨は止む気配を見せない。レインコートを着ようかとも思ったが、家から巻き続けたキャプテンマークが隠れてしまうのは嫌なので、雨に濡れながらの応援を決意する。
子どもたちのゲームを見つめながら、選手が登場するのを待つ。
やがて選手&コーチ陣がピッチに姿をあらわす。だが、チーム精神的な柱である中西選手(背番号14:MF)は見当たらない。
選手が多く入れ替わったので、探すのに手間取るのか?いや、どんなに探しても彼の姿はない。
そしてスタメン&控え選手の発表。中西選手の名前はなく、周囲からため息が漏れる。
非常に残念。けれども成長株の寺田選手(背番号6:DF)や、アントラーズから移籍した奥野選手(背番号4:DF)がやってのけるだろう。
そして試合開始のホイッスルが。選手が大幅に変貌したフロンターレは、我々の希望を抱いて、J1スタートをここに切ったのであります。

重い旗を振る

小雨を吸い込んだ応援旗は、いつもにましてその重さを増す
だが、負けずに精一杯振る
厳しい冷え込みのため声もかすれ気味だが
徐々にヒートアップするぞ!




受けて立つアビスパサポーター

「因縁の対決」を待ち受けるアビスパサポーターも黙っちゃいない
黒衣装とビッグフラグで
選手の応援&我々へのプレッシャーをかける



序盤、フロンターレの堅守が目を引く、寺田選手の長身を生かしたマークと、新キャプテンの奥野選手の的確なチェックで、アビスパの攻撃をしのぎ切る。
選手は入れ替わったが、守りの良さはなんら変化ないぞ。
よし、その調子だ、注意するのは中払選手(背番号10:MF)の左サイド突破と、モントージャ選手(背番号9:FW)の直線的な飛び出しだけだ。
他に恐れることはない。中盤からのパスの精度は相変わらず悪いし、連携が悪いのはアビスパの方だぁ。
さあ、新しい応援もできたことだし、寒さに負けず大声を張り上げるぞ!!
おーおおー、レッツゴー、かわーさーき!!
おーおおー、フ・ロ・ン・ターレ!!!
←新応援です。

福岡の攻撃は相変わらずミスだらけだ。フロンターレのディフェンスは磐石なので、後は反撃だけだ。
・・・あれ??どうも変だ。よく見るとどうも攻撃にぜんぜん転じてないようだが。
特にペドリーニョ(背番号5:MF)よ、さっきから何してる?ディフェンスから受けたパスを、単純に前に送っているだけじゃないか。
いったいどうしたいのだ?攻撃の基点になるべく役割を忘れているのか。
おまけにどこを見てるんだ、送る先といえば、アビスパのディフェンスばかりじゃないか。
これでは、前線が機能しないぞ。マジーニョ選手(背番号10:FW)にパスが届いていないぞ。
おかしいのはそれだけじゃない。長橋(背番号20:DF)・久野(背番号23:MF)から繰り出されるクロスに、誰もあわないじゃないかぁぁぁ!!!
クロスにギド(アルバレンガ選手のこと 背番号18:MF)が合わせ、FWにフィード・・・のはずが、その場所に走りこんでいない。
この連携の悪さはどうしてだ!?現役パラグアイ代表って本当かいな???。
「パラグアイの背番号10は俺しかいない」なんて豪語しながら、この程度の仕上かぁ??
これじゃチラベルト選手がカンカンだぞ。

ファウルが多い

中盤の攻撃参加も悪ければ、守備も良くない
再三にわたり、ピンチを迎える
サポーターのブーイングも最骨頂だが・・・




度重なるピンチ

フリーキックの形まで持ち込むのは
例外なくアビスパ
相手のミスに、感謝する場面の連続




孤立するシーンも・・・

連携の悪さは随所に
フロンターレ大塚選手(背番号16:MF)と
アビスパ山下選手(背番号14:FW)競り合いにも
誰もフォローをしない




我々にできるのはただひとつ。選手に向かって発煙筒を投げる・・・じゃなくて、全力で応援し尽くすこと。
雨も小康状態。大声で叫ぶぞ〜〜。
おーれ、おーれ、フーロンターレをおーれ!!
俺達のフロンターレ、いまそこに〜
福岡を倒すんだ、さーいーこーおー!!


しかし、今日はサポーターにも元気がないなぁ。声も小さいし、いつもは小さくまとまっているのに、今日はばらけ気味だぞい。
寒さのためか?でも丸亀(昨年の天皇杯)よりはずっと暖かいし、団結した方がおしくらまんじゅう効果?も期待できる。
なんて思っている間に前半終了。フロンターレはチャンスらしいチャンスが全くない。
・・・てか、中盤から先にボールが転がらない。グランドの半面でプレーをしても、点は取れないぞーーーーぃ。

散らばり気味のサポーター

後半開始直後に撮影したもの
サポーター同士の密度の高さがこの日は見られず
私も後方、やや外れ気味でしたが




帰ってしまうアビスパサポーター

天気の悪さと試合内容からか
ハーフタイムで帰路に向かうアビスパサポーターも多数
競技場スタッフの「ありがとうございました」の
威勢の良い声が、虚しく響く
ちょっと寂しい光景



さて後半開始だ。スピード感あふれる攻撃でアビスパゴールを突き破るぞ。
・・・てしたいところが、連携の悪さが一朝一夕で解消するわけもない。前半同様センターラインからボールが全く前に出ない。
中盤よ、この有様はなんじゃあ!!。守備陣が一生懸命やっているのに、その恩に報えないとは。
特にマジーニョ選手よ、ボールを受け取っても何でバックパスばかりなのだ。
鹿島時代のボールを受けてからの威圧感は何処へ吹き飛んだのか。カモシカの如き俊敏な動きはどうしたんだ。
確かに鹿島時代のような、精度の高いパスを受けるのは期待できない。それにしても立ち向かう姿勢が足りなすぎるぞ。
前方にルーズボールが転がっていても、負いかけようとする意思が見受けられない。
ちょっとひどすぎる。これでは、「角を切って、金×を去勢したカモシカ」じゃないか。

相変わらずファウルが多い

後半に入っても、ファイルが多くイエローを食らってしまう
サポーターのブーイングも留まるところがない
ちなみに、浦田選手(背番号13:FW)がセンタリングを上げた際に
ゴールラインを割ったという判定で
容赦ないブーイングの嵐が
あれは完全に割り込んでましたが・・・



フロンターレの連携の悪さは、修復の兆しがない。攻撃の糸口が全くなく、一見クロスのようなパスも、受ける選手がいないので、意味をなしていない。
中盤は特に駄目。サポートにはいる選手がなく、個人能力で劣ってもおかしくないアビスパの選手にたやすく奪い取られる。
それを尻目に、アビスパの攻撃の型が徐々に調いつつあるようだ。あれだけ固かったフロンターレのディフェンスに、隙が生まれつつある。
まずい、相手は大して強くないとは言え、プレッシャーが無しも同然じゃ、いつかはやられてしまう。
選手たちよ、無理は承知だが一致団結してくれ。我々も応援を怠らないぞ。
お、お、お、おおおおお、川崎オレ!オレ!!
しかしこの展開じゃ、私であっても評価しようがない。攻撃をしない(できない)サッカーなぞ、サッカーと言えないぞ。

連携がそろわないフロンターレに対し、勝利の女神はまたしても冷たかった。
後半15分過ぎ、フロンターレの選手が自陣ゴール付近で痛いファール。ゴール正面脇からのフリーキックを与えてしまう。
プレーが再開され、アビスパの選手が一気に押しかかる・・・守備陣に遂に綻びが。
中払選手の右足が、フロンターレのゴールネットを豪快に揺らす。
そしてその直後、完全に崩壊したフロンターレのディフェンスを突いて、モントージャ選手が2点目を奪い取る
博多の森は、アビスパサポーターの黒い渦と歓喜の叫びで、一気に埋め尽くされる。

ゴール表示

見なくもない「GOAL!」の文字が
うつむき気味でセンターサークルに戻るフロンターレの選手が
痛々しい




湧き上がるアビスパサポーター

2点を立て続けに奪い、湧き上がるアビスパのサポーター
比較的静かな雰囲気が一変することに



空気は一変、雨が強く降りしきる中、アビスパの押せ押せムードとなる
守備は崩れ気味、アビスパの選手にロングシュートを再三狙われる。
アビスパの守備は安定している・・・というか、フロンターレの選手が脅威に映らないようだ。
フロンターレの少ない反撃も、ゴール正面にクロスを送り込むと、ボランチ気味の小島(光)選手(背番号4:DF)に簡単にクリアされてしまう。
右クロスから縦パスが送られても、河口選手(背番号2:DF)がキープ、タチの悪いことにすぐ後ろのマジーニョ選手がプレッシャーをかけないに等しいので、楽々クリアされてしまう。
ゴールキーパーの小島(伸)選手(背番号30)も余裕しゃくしゃく。ペナルティエリア外でのプレーがなければ、怖くもないのでしょう。
ゴールキックをなかなか蹴らない小島(伸)選手に対して、フロンターレサポーターが容赦ないブーイング。
でも、百戦錬磨の彼からすればそんなの何処吹く風。
おまけにアビスパは、この場に及んで攻守万能のバデア選手(背番号11:MF)を投入。てことは完全に勝ちを確信したようだ。

小島選手

小島(伸)選手は、平塚(現湘南)でおなじみの存在
ちょっとやそっとじゃ、へこたれませんよ




アルバレンガ選手も・・・

コーナーキックに向かうアルバレンガ選手
パラグアイの代表選手らしさが
この試合ではまるでなし



フロンターレは連係不足を引きずりながら、試合はロスタイムへ。ファイルが多かったためか、ロスタイムが6分と異様に長い。
頼む、少しは意地を見せてくれ。祈りをささげながらピッチの選手に声援を送る。
途中交代の森川選手(背番号29:DF)をはじめとして、フロンターレの選手がアビスパのゴールに迫る。
その甲斐あってか、最後の最後で感動の瞬間が。鬼木選手(背番号7:MF)が鬼気溢れるヘディングで、アビスパに一矢報いる。
やった!!あと1点だ!!・・・だが残された時間はあまりにも少なかった。
そのままタイムアップ。フロンターレは連係不足を解消できず、開幕戦を白星で飾ることはなりませんでした。

一礼する選手達

一礼する選手達
表情にも冴えが伺えない




落ち込み気味の寺田選手

そんな中光ったのが、寺田選手の気迫溢れるプレー
がっかりしないで、自信を持ってください




やっぱりばらばら?

控え室に向かう選手達も
なにかバラツキがあるように見えるのは不思議
それとも現状を如実に示したものか




敗因を分析しようにも、これだけ連係が悪くては何も始まらない。
ゼッカ監督は「試合を重ねるごとにまとまってくる」と言っているようですが、率直な意見とすれば、重傷ではないでしょうか。
確かに名古屋や横浜Mといったチームもそうした経緯があり、それを乗り越えた結果が、今の強いチームです。
しかし、フロンターレの場合は、他のチームと比較すると選手の能力ではどうしても劣ってしまう。
連帯が生まれる前に、J2陥落の危機が襲い掛かると感じるのは、私だけでしょうか。
某スポーツ誌の戸塚啓さんのコラムじゃないですが、連携不足に関する言い訳は、そろそろ通用しない時期に差し掛かっていると思うのですが。

さて、試合後はどうするか。あまりの負け方にショックも大きく、脱力感ばかりが圧し掛かる。
どうせ選手からサインを頂戴できそうもないし、そうでなくてもそんな心境じゃない。
ひとりサポーターの輪から抜け出し、そそくさと競技場を後にする。
・・・じゃあまりに素っ気無い。ここまで来たのだからアビスパのサポーターでも観察?するか。
競技場脇のテント付近では、アビスパのサポーターが笑顔で往来している。
その表情からは「入れ替え戦の因縁を果たした」ものではなく、素直に開幕戦の1勝を喜ぶものでした。
正直なところ、ほっとしました。妙なしこりが残らなくて何よりです。

競技場を後にするアビスパサポーター

博多の情の良さか、屈託のない笑顔が


入り口階段脇のテントに近づくと、スタッフ(ボランティア?)らしき人が大声で協力を呼びかけている。
何だろう?テントを除くと、アビスパのビッグフラグの義捐金呼びかけでした。
すかさず声をかけられる。「フロンターレのサポーターさんもご寄付ですよ〜」
その人柄の良さに、素直に寄付に応じる。「さすが〜フロンターレのサポーターですねぇ」
※フロンターレでビッグフラグの寄付があれば、もちろん応じます(笑)。

今日は完敗でやけくそだ。それと快く歓迎してくれた博多の人達に何かせねば。
そこで、即席応援団長に変身。応援するのは・・・もちろんアビスパです!!
みなさーん!!アビスパの勝利を祝ってバンザーイ!!
多くの人が輪をつくり、フロンターレ&アビスパの万歳賛唱と化してしまいました。
記念撮影をしながら、わいわい楽しむことに。短い時間でしたが、試合云々よりもずっと有意義な触れ合いとなりました。
お互いに健闘をたたえながら、競技場を後にしました。アビスパ−フロンターレの微妙な関係が少しでも解消されたのであればなによりです。

アビスパのスタッフと

地元の子ども達も交えて、記念撮影
戦い以外では共にサッカーを愛する仲間です



※またまたお詫び。
試合中に長橋選手が退場になったのに、全く気が付きませんでした。
しょっぱらながら、すいません。


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