横浜F・マリノス VS 川崎フロンターレ
J1 ファーストステージ 第13節
日 時 | 2000年5月17日 19:04 | |||
試合会場 | 横浜国際総合競技場 (神奈川県横浜市) | |||
天 候 | 曇りのち雨 | |||
観 客 数 | 8,951人 (これしか来場しないんじゃ、トラックが無い 三ツ沢の方が良かった−晴天ならば) |
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試 合 結 果 | ||||
横 浜 | 2 | 前 半 | 1 | 川 崎 |
2 | 後 半 | 0 | ||
4 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
横浜:エジミウソン(8分・23分),外池 大亮(75分) 永山 邦夫(81分) 川崎:ペドリーニョ(7分) |
まるで人口比の得点差???
J1残留に向け後がない川崎フロンターレの相手は、いつしか首位に踊り出た、横浜F・マリノス。
マリノスは強豪でありながら、何故かチャンピオンには縁遠い。悲願のJ制覇に向けて、確実に勝ち点3を狙いに来るだろう。
相手が強かろうと、フロンターレに負ける余裕は無い。J2の足音がそこまで迫っている。
勝利・・・最悪でも勝ち点を得なければ、待ち受けるは過酷な下位リーグだ。
最上段の席からピッチを見下ろすと・・・
収容人員が多いのは魅力ですが
選手が豆粒サイズじゃ面白くない
試合開始30分前でありながら
観客席はご覧のとおりガラガラ
平日の悪天候を考慮しても
厳しい客勘定と言わざるを得ない
応援の輪に加わるものの・・・
現在の成績では、熱心なファン層の拡大すら
遠く険しい道である
嘆いてばかりもいられない。観客が少ないなら、それ以上の声援でカバーする以外考えられない。
体調が悪いなんて理由にならない。気力を尽くし、力の限りの応援で選手を後押しするぞ!
おおフロンターレ、おおフロンターレ、俺達の誇り〜
進め、進め、威風堂々、青と黒の戦士達〜
声援が天井に反射して、何重にも増幅されてピッチに送り込まれる。
人数以上の熱い声援がうねりを起こす。なかなかの雰囲気である。
選手がピッチに登場するや、手製の小旗
(何て呼ぶのか忘れた>ゲートフラグです)が多数登場
シンプルなデザインが主流のようだ
さあキックオフ。選手が遠く、視界が予想以上に悪いが、一生懸命声援を続けるぞ!
・・・て、いきなりマリノスの猛攻が展開される。右サイドを盛んに突いてくるぞ。
まずい・・・、とにかくまずい・・・、何とかしてくれい〜。
※この後はF型ウイルス?による体調不良の影響で、手抜きの写真オンパレードです。
またピンぼけが多くご迷惑をお掛けします。この競技場の撮影はかなり難しい。
(昨年大宮戦を撮影したら、ピンぼけの嵐だった)
マリノスの選手が起き上がれず試合が中断するや
サポーターから半端じゃないブーイングが
別のサポーターが手を掲げて
「抑えろ!」と自制する羽目に
右サイドの森川選手(背番号29:DF)は
動きが鈍く、精細さを欠ける
試合巧者のマリノスイレブンは
急所を突き、幾度と無く攻撃を仕掛ける
競技場内は多湿高温。その影響かフロンターレの選手には序盤からキレが無く、連携も疎である。
どうもバラバラだ。また悪い癖が復活したのか。
と思ったら相手ゴール前の混戦にもつれ込む。フロンターレは何度も押し込みを図り、ボールはゴール正面に戻される。
そこにペドリーニョ選手(背番号5:MF)が走りこみ、ミドルシュートを炸裂!低い弾道はマリノスゴールに吸い込まれ、いきなり先制点だ!!!
見事なピンぼけですが、皆大喜び
得点ほど嬉しいものはありません(当然か)
さあ、この調子でマリノスに一泡二泡吹かせるぞ。
・・・あれ!?声を上げる間もなく、フロンターレのゴールネットが揺れている。リスタートから瞬く間に攻め込まれ、エジミウソン選手(背番号30:FW)に体勢を崩されながらも決められてしまった。
何と言う悲劇!息もつかぬ間に同点になってしまった・・・。
一瞬の同点劇
先制点で油断したとは信じたくないですが
こんなのでヘコたれるな、勝負はこれからだ。声を更に振り絞り、もっともっと奮い立たせるぞ!
お・お・お・おお、お・おおーおお、おおおおー、そーれ川崎
お・お・お・おお、お・おおーおお、おおおおー、そーれ川崎
川崎!川崎!川崎!・・・ヘイ、ヘイヘイヘイヘイ!
う〜ん。流れは完全にマリノスだ。守りも落ち着いているし、攻撃にも余裕の中に、個人能力の高さが光る。
ディフェンスはバックラインでボールを回して、前線の選手の疲労回復を図る。
そして前線にフィード。体力の戻った攻撃陣は、動きの鈍いフロンターレの選手をよそに、縦横無尽に動き回り、再三なくゴールを奪いに掛かる。
カウンターも見事である、一直線に駆け上がり、フロンターレは何度もピンチを迎える。
対するフロンターレはパスミスが目立ち、マリノスに安々チャンスを与えてしまう。
攻め上がりも遅く、ボールを受け、球出しに迷った選手は、たちまちマリノスの選手に囲まれる。
攻撃の糸口が見出せない。ただでさえ格上なのに、これでは太刀打ち出来ないぞ。
組織化されたプレーを披露するマリノスと、乱雑でまとまりに欠けるフロンターレ。両者は余りにも対照的である。
マリノスの選手に攻め込まれる
ここは西澤選手(背番号31:DF)が
体を張って防ぐ
どうしたことか、森川選手に精彩が全くない。センスに卓越した普段の彼からは、信じ難い姿である。
マリノスは弱点を見逃さない。容赦なく右サイドをえぐりかかる。
あ!森川選手が簡単に振り切られた。低いセンタリングがゴール正面に送られたのを確認する間もなく、またエジミウソン選手にやられてしまうとは・・・。
結局森川選手は、失点直後に
長橋選手(背番号20:MF)と交代
逆転されたがまだ1点差。声を振り絞り、選手と共に奪い返そう!
おおおおお川崎、フロンターレをオウオウ!!
・・・やっぱり動きが悪い。マリノスの選手に押され気味だし、中盤より前になかなか進めない悪いリズム。
数少ないシュートも、川口選手(背番号1:GK)の高度な反射神経に阻まれる。
守りも今ひとつ。頼みの中西選手(背番号14:MF)の苦し紛れのクリアがサイドラインを割り、サポーターからは不満の声が沸き起こる。
それどころかマリノスに何度も反撃を食らう始末。バックラインから右→左の見事なサイドチェンジが決まるや否や、得意のドリブルで一気にフロンターレサイドを崩しに図る。
マリノスは攻撃が一段階済むと、ディフェンスラインでボールを回す。フロンターレの選手がプレッシャーを与えないので、その間に前線の選手は体力を復活させる。
元気を取り戻したマリノスイレブンは、心機一転猛攻披露・・・強豪チームの典型的な試合運びである。
盛んにシュートを放つマリノスの選手
試合運びの上手さには脱帽
40分も過ぎると、フロンターレの選手の運動量は突如ガタ落ち。それにつられて応援のテンポすら遅くなってしまう。
前にボールが出ない、本当に前にボールが出ない。業を煮やしたサポーターからは「前へ!、走れ!」コールが自然発生する。
ロスタイムに入れど、ボールはどうしても前方に向かわない。長橋選手のドリブルでさえ、ゴール前で簡単に潰されてしまう。
マリノスの選手が川口選手にバックパスをしたと同時に前半終了。同時にサポーターの間から「何で走らないんだ〜」と嘆きに近いボヤキがあちこちで聞こえる。
確かに湿度は高く、運動には辛い。でも動かなければ得点は奪えないが・・・。
果たして後半を乗り切る体力は温存されているのだろうか。他会場の途中経過を見ると、下位チームが軒並みリードを得ているようだ。
あちらこちらから「ヤバイ」と言う叫びが聞こえる。これ以上勝ち点が差が拡大したら取り返しがつかない・・・。
苛立ちと不安ばかりが募ってしまう。
悪い事ばかり考えても意味がない。後半頑張って、点を奪い返せばいいのだ。
あるのは勝利のみ。それを信じて、精一杯の応援で選手達を迎えるぞ!
フローンターレ!フローンターレ!!
序盤はフロンターレのいい流れだ、多少動きがぎこちないが、マリノスサイドに攻め込んでいる。
しかし応援の殺気は・・・。奥野選手(背番号4:DF)が相手選手と絡み倒されると同時に、これでもかと言わんかばかりのブーイングを、ピッチ上に浴びせ掛ける。
ここまですると、さすがにやり過ぎではないか、サポーターの一人として恥ずかしい。興奮のあまり、試合が中断しているのに応援を始めてしまう愛嬌ならば、幾らでも許せるのですが。
応援は前半にもまして力強い
フロンターレの攻める時間帯が長い
小気味よいシュートも多数披露
この日復帰のマジーニョ選手(背番号10:FW)に
ボールを集中
フリーキックのチャンスがあり
彼の頭に合わせるも得点ならず
川口選手がボールを蹴ると同時に
激しいブーイングの嵐
本日のブーイングは
ちょっと度を過ぎたのでは
私が聞いても怖いほど
フロンターレは攻めるものの、決定的な形に持ち込めない。マリノス側からすればスピード不足に映るのか、ゴール前では磐石の守備で攻撃を粉砕する。
もたつく間にマリノスも虎視眈々と反撃。正確なパスワークでフロンターレの守備を崩し、またもやゴールを割られてしまう。
これは運良くオフサイド。失点されたと勘違いしたフロンターレサポーターの声援は熱を帯び、より緊迫感を増す。
マジーニョ選手に対するコールのシーン
声援に怨霊が纏わり付いたのか
迫力は尋常じゃない
2階席の横断幕の紐がほどけて垂れ下がり
係員に注意される一幕も
20分頃に我那覇選手(背番号27:FW)を投入
前節の得点の再現を期待するサポーターから
我那覇コールが炸裂する
フロンターレは我那覇選手にボールを集中させるも、得点はどうしても遠い。それ以上に時折覗かせるマリノスの余裕溢れる攻撃が気になってしょうがない。
何か悪い予感が・・・遂に的中してしまった。外池選手(背番号19:FW)に右足で押し込まれてしまい、遂に3失点を喫す。
雰囲気が悪くなってきた・・・無心で応援して、何とか逆転劇を呼び寄せたいばかりだ。
おおーおおおおお、フォルツァーフローンタレー!
白熱する応援とは裏腹に、フロンターレの攻撃は空を切るばかり、もはや手も足も出ないのか。
そして4点目も奪われる、周囲に怒りの声が盛んに交錯し、尋常とも表現し切れない、異様な世界が形成されてしまう。
太鼓とスネアドラムの打音は
大地を激しく切り裂く
怒っていても元も子もない。悲しむ暇があるならば、必死の応援以外ない。
まだ諦めるのは早い。1点でも取り返し、気概を見せ付けねば。
おーおおー、レッツゴー川崎!
おーおおーフロンターレ!!
最後の最後まで、この応援を貫き通す。が、サポーターの願いは天に通じなかった。
点差を埋めることなく、そのまま試合終了。首位と最下位のレベルの差を直視させられ、厳しい現実を再認識する結果となりました。
選手が挨拶に近づくと
「もっと近寄れ!」と両腕で指図サポーターが
罵声にも激励にも受け取れるが
・・・やはり怒りなのだろうか
拍手・怒声・ブーイング・嘆き・脱力感・・・そこに存在したのは、サポーターの様々な思い。
試合に負けた悔しさもそうだが、私自身気持ちの整理が付けられない。
一体どうすればこの事態から逃れられるのか・・・寂しさ以上に空しさがこみ上げる。
試合後の「マリノスのJ通算500得点ならず」という場内アナウンスが素通りするばかり。小雨が降りしきる中、うつむいて家路に向かう以外、何も出来ませんでした。
J2陥落という危機が、より現実味を帯びてくる。この悪夢を払拭するには、何か手段が残されているのか。
勝利以外の何者でもないのは、重々理解しているつもりだが・・・。