川崎フロンターレ VS 柏レイソル

J1 ファーストステージ 第14節



日   時 2000年5月20日 16:04
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候
観 客 数 3,965人
(試合を重ねる度に観客は減る一方だぁ)
試  合  結  果
川   崎 前 半
後 半
     
     
得   点   者
川崎:西澤 淳二(60分),浦田 尚希(82分)
柏:ホン ミョンボ(2分),北嶋 秀朗(43分),
砂川 誠(53分),萩村 滋則(80分)






川崎フロンターレは連敗街道から脱出ならず。5月に獲得した勝ち点は僅か1と、極めて深刻な状況に追いやられている。
この日の相手は柏レイソル。西野監督の代表監督騒動による混乱が原因で、優勝戦線からは離脱したものの、選手の能力は極めて高く、難敵であるのは述べるまでもない。
苦戦を強いられるのは、誰もが予想することだ。だがこれ以上上位と勝ち点差が広がれば、J1残留に向けて致命傷を負う結果となる。
そのためにも、負けは許されない。ファーストステージのホーム最終試合、駆けつけた多くのサポーターに夢と感動を与えて欲しい。

芸に勤しむふろん太君

ふろん太君の手に掛かれば
中国ン千年の芸などお手のもの
小雨の中をご苦労様



こんなものが

会場の片隅にはこんな物が露出
おーい、今日の主役はフロンターレだぞ〜



観客数が少ない席

それ以上にがっかりなのはこの客数
悪天候とは言えども
J2時代の観客数に逆戻り
寂しい空気が競技場を支配する


小雨の影響で肌寒い。観客の熱気も少なく、体調不良の身には極めて過酷なコンディションだ。
おまけに空を見上げると、僅かに閃光が覗かせる。
こんな状態だからこそ、じっとしてはいられない。寂しいのは否定できないが、更なる声援でピッチを熱くさせるぞ!
おーおおー、レッツゴー川崎!
おーおおーフロンターレ!!

・・・て声援も送る暇も無い間に、柏が立ち上がりに不意打ちを展開。
瞬く間に攻め寄り、ゴール前にパスが横切り、ホンミョンボ選手(背番号20:DF)にゴールネットを揺らされるがオフサイドだ。
??いや違うようだ。予想外の失点に出鼻を挫かれる。
くそー、開始直後でありながら・・・何だぁ??バックスタンドから黄色い集団が1階観客席を駆け下りてくるぞ。
そのままピッチ脇に整列し、喜びのダンスを始めてしまう。いったい何なんだ???

ホンミョンボ選手のゴール

がら空きのゴールに簡単に蹴りこまれる



観客席になだれ込むレイソルのサポーター

その直後に、黄色い軍団が
空席ばかりの観客席に
突如なだれ込む



歓喜のガッツポーズ

勝利のガッツポーズを決めるや
肩を組み歓喜のダンスを踊る
・・・(コメントのしようがない)


下品な踊りを見てもしょうがない、気分を入れ替え応援に専念せねば。
お・お・お・おお、お・おおーおお、おおおおー、そーれ川崎
お・お・お・おお、お・おおーおお、おおおおー、そーれ川崎
川崎川崎川崎!・・・ヘイ、ヘイヘイヘイヘイ!

フロンターレも正面からドリブルで持ち込み、アルバレンガ選手(背番号18:MF)がミドルシュート。惜しくも相手ディフェンスに当たってしまい、同点にはならず。
しかし、柏の攻撃は本当に素早い。足元が滑りパスが流れる嫌いはあるも、鮮やかなパスワークでフロンターレを圧倒している。
いかんぞ、1点に飽き足らず貪欲に攻めて来る。渡辺選手(背番号13:DF)のヘッドがフロンターレのゴールを突き破りそうになる。
フロンターレはその跳ね返りを、ペドリーニョ選手(背番号5:MF)が奪い、ドリブルで一直線でレイソル陣内に駆け上がる。
チャンスを生み出すも、最後はコンビネーションがつまづき、オフサイドとなってしまう。

薩川選手の攻撃

柏の薩川選手(背番号3:DF)も
果敢に攻撃参加
ディフェンスの攻撃意識が強いのは
西野流の采配か


試合の流れは柏である、だが足元が安定せず、パスミスなどで体が流れる傾向も。
そこにつけ込んだフロンターレは反撃を披露。豪快なシュートを放ち、柏のネットを揺らす。
が、線審の旗がオフサイドを示している。多くのサポーターは得点と勘違いし、喜びに浸りきる。
その後に待っていたのは、柏の強烈なカウンター。余りの圧力に、ゴール前で競り合った菊地選手(背番号21:GK)が地面に伏してしまう程である。

オフサイドを信じられないサポーター

状況を察し、興ざめしたサポーターは
やや不満の様子である



北嶋選手のシュート

北嶋選手(背番号9:FW)のシュートに
菊地選手も堪えきれず
この後地面に崩れかかる


20分近くとなると、安定感の増した柏の独壇場となる。滑るピッチをもろともせずに、左右無尽に正確なパスを回しに回し、フロンターレを翻弄する。
時間を与えぬ間に、ゴール前に詰め寄り、フロンターレのゴールを割りにかかる。
またゴール前が薄くなり、今度は加藤選手(背番号11:FW)にやられた・・・これはオフサイドで何とか助かる。
シャープで切れの良い柏の連携は見張るものがある。フロンターレにバラツキと余裕の無さが目立つため、余計に強調されるのである。
対するフロンターレの攻撃では、アルバレンガ選手の運動量が豊富で、ボールの読みが的確な点と、久野選手(背番号23:MF)の中盤からのドリブル以外は、これといって特筆できる個所はなく、得点の気配すら覗えない。

久野選手の守備

柏のフリーキックからのチャンスボールを
久野選手が一足早く追いつきクリア
攻撃の芽を封じ込む



30分近くになっても柏のワンサイド。渡辺選手?の至近距離からのシュートも、菊地選手が右に飛び、何とかゴールラインに逃げる。
続けてのプレーで、フロンターレの選手がクリアミスを犯す。それを柏の選手がシュートを放つが、クロスバーに弾かれ、九死に一生を得る。
柏の攻撃は容赦ない。フロンターレのディフェンスがクリアしたボールを、柏ディフェンダーがカットした瞬間から攻撃が展開。
フロンターレの体勢が整わぬ間に、鋭いパスを前線にフィード。それを?選手(誰だったか忘れた)の頭に集中し、貪欲にゴールを狙う。
フロンターレは、西澤選手(背番号31:DF)が懸命のマンマークで逃れるのが精一杯である。

西澤選手の守備

菊地選手と交錯しているのが西澤選手
この猛攻を凌いだ立役者


雨もさることながら、応援も湿り気味である。この調子ではますます沈み込んでしまう。
おおおおおおおお、川崎オレ!オレ!

フロンターレも相手のパスミスに乗じて、一気に柏ゴールに駆け寄る。だが各選手の足並みが揃わずに、どうしても決定的な形に持ち込めない。
選手の動きが直線的過ぎて、攻撃の発想が窮屈なためか、柏の守備も慌てていない。
動きを先読みされ、余裕で防御。何もなす術がないのだろうか。

それでも40分付近になると、フロンターレはゴール脇で待望のフリーキックを得る。
が、浮いたボールは相手GKがキャッチ。セットプレーが実を結ばない。
その他のプレーも連携が乏しい。故に余裕がないのか、ボールがラインを割ったりなどで、チャンスは潰れる一方。
柏のマンマークはきつく、ゴールに背を向けたプレーを強いられるようになる。

前半終了に近づくと、柏が分厚い攻撃を披露。ゴール前で巧みにボールを回し、キーパーの飛び出しを誘い、ホンミョンボ選手がシュートを放つ。
ゴールはがら空きだ!、だが奥野選手(背番号4:DF)が正面に立ちはだかり、ボールを蹴り出す。
その後柏のコーナーキックが3本続く。何とか耐え凌いで欲しかったが。最後は北嶋選手がキックにあわせて、2点目を喫す。
フロンターレは攻め手に欠ける。動きがガクンと落ち、パス出しにすら迷う始末。
攻められ放題のまま前半終了。この劣勢下で逆転劇は起きてくれるのだろうか。

北嶋選手のシュート

セットプレーからの得点が多く
高度な連携能力を物語る


休憩時間に入ると、ふとした法則?を発見。
それは・・・相手と同じチームカラーのキャプテンマークを巻くと、必ず試合に負けるようだ。
過去、以下の組み合わせでは、例外なく全敗している。
  市原−黄色 浦和−赤 横浜−青
今日も黄色を巻いている(もちろん中西選手の意志を受け継いでいるつもりだから)。このままでは・・・勝てない。
失礼を承知で、黄色のキャプテンマークを取り外し、赤に変更。今更縁起担ぎもどうかしているが、勝利のためならば手段を選ぶ暇はない。

赤のキャプテンマーク

黄色を外した直後に
中西選手(背番号14:MF)がピッチから去る
これも何かの偶然か


さあ後半開始だ。声の状態は悪く、かすれて途切れがちだが、懸命の応援だ!
・・・(何の応援か忘れた、すいません)

ここ数試合の傾向通り、後半序盤はフロンターレが主導権を握り、じわじわと攻め立てる。

我那覇選手のシュート

後半から投入の我那覇選手(背番号27:FW)も
惜しいシュートを放つ


続けてアルバレンガ選手がセンタリングを頭でシュート・・・しようと試みるが、タイミングが合わずに残念。
だが攻撃の手は緩めない。今度は森山選手(背番号9:FW)が中盤の縦パスから抜け出し、シュートの体勢に入る。
これは相手GK吉田選手(背番号22)が好セーブ。徐々にではあるが、得点を予期させてくれる。
選手は諦めていない。それに応えて決死の応援だ!
フローンターレ!フローンターレ!

が、柏も指をくわえているばかりじゃない。動きが穏やかと見せかけ、一瞬の隙を見逃さず、折りたたむ攻撃を展開。
フロンターレのパスを奪い取り、ゴール前に急接近。互いの選手同士が交錯し、菊地選手がボールをキャッチ・・・するはずが、またもや誘い出されている。
そこにループシュートを決められ、3点目。勝利は遠のくばかりである。

ブロードウェイと勘違い?

ブロードウェイじゃないんだから
キャッツみたいなダンスは止めてくれ



沈み込むフロンターレのサポーター

盛り上がる柏の応援に対し
沈み込むフロンターレのサポーター
両者の表情は余りにも対照的


静寂の後、応援が再開されるも、精気が失せている。
緩やかなテンポと重い声援が、周囲を支配する。
おーおおー、レッツゴー川崎!
おーおおーフロンターレ!!

もはや駄目なのか・・・、いや前線の選手はよく動いている。
そんな中、コーナーキックを得る。蹴ったボールは相手GKが雨で滑りファンブルする。
それを見逃さずシュートを炸裂!相手のディフェンスに当たってしまうが、混戦の中、最後は西澤選手がヘッドで決めて、1点返したぞ!!!

西澤選手のシュートが決まる

遂に1点返したぞ!!!


応援を息を吹き返す。この勢いで同点、更には逆転するぞ!
おーおおー、レッツゴー川崎!
おーおおーフロンターレ!!

前線の選手は、ピッチを縦横無尽に駆け回る。柏のディフェンスがボールをキープすると、盛んにプレッシャーを与える。
森山選手の動きが一際目を引く。余り積極的とは言えなかった守備にも参加し、ヒールパスを交えてボールを粘り強くキープし、チャンスメーク役までこなしている。
がむしゃらさが懸命に伝わる。そんなに動き回り、攻撃の体力が温存されるか心配する程だ。

・・・が長続きはしない。柏の守備陣は落ち着いている。
細かいパスワークでフロンターレのプレッシャーを振り払う。
攻撃陣も一見ゆったりしているが、フロンターレのパスを奪おうと、虎視眈々とチャンスを伺う。
甘いパスがあれば、それを奪い取り一気に反撃・・・気を抜くことは許されない。

大塚選手のイエローカード

何だか判別しづらいが
柏の選手に大塚選手(背番号16:MF)が
スライディングするも
濡れた地面で勢い余り
イエローカードを受けてしまうシーン



前方を伺うホンミョンボ選手

ディフェンダーと言えども
ホンミョンボ選手を侮ると危険だ
本来無類の攻撃好きなのだ


この展開がしばらく続き、後半も30分近くにさしかかる。
フロンターレは我那覇選手や向島選手(背番号11:FW)にパスを渡し、決定的なチャンスに持ち込むものの、柏の思い切りの良い守備に阻まれる。
柏も左サイドをドリブルで一気に駆け上がる。角度の無いシュートを放ち、サイドネットを豪快に揺らす。
ゴールキックからはフロンターレが逆に攻め込み、左側の絶妙な角度から、フリーキックを得る。
キッカーは・・・もちろん久野選手。鋭い弧を描いたボールは、GK正面ながらも、徐々に精度が向上しているのが、誰の目にも見て取れる。

フロンターレはやや強引ながらも、攻撃の手を緩めず、得点を奪いにかかる。
ただ、柏の守備陣は余裕がある。特にハイボールに対しては、非常に強い。
高いボールが駄目とみるや、長橋選手(背番号20:MF)が怒涛のドリブルで駆け上がり、低いクロスボールを放り込むが、運悪く柏のDFに当たってしまう。

試合時間も残り僅か。柏のカウンターが炸裂し、フリーキックを得る。
蹴ったボールは、菊地選手の元へ。だが手を滑らせたのか、後方に逃げてコーナーキックとしてしまう。
コーナーキックを柏の選手がヘッドで合わせて、4点目をゲット。また点差が拡大してしまう。

その後の展開ですが、フロンターレの攻撃は乱雑であり(そんな感じに映っただけだが・・・)、各個人の単独プレーが目立つようになる。
それでも浦田選手(背番号13:FW)が2点目を奪い、一矢報いる。
選手は皆必死で、常に前を向いてプレーをしている。
だが焦りが目立ち、繋がりがない・・・。その為かゴール付近に攻め込んでも、フォローする選手が少なく、シュート直前で押し潰される。
長橋選手のドリブルなど、出色の出来ではあるが、絡む選手が少なく、攻撃が途切れてしまう。
かと思えば、中盤で団子状態になったりなど、各選手の役割分担が明確化されていないようだ。

ひとりで持ち込むも・・・

柏の攻撃と異なり
単独での特攻攻撃が多い


試合はこのまま終了。2点を返したものの連携不足は否めず、課題の解消には時間を要しそうです。
連携不足よりも、選手に迷いが残っているのだろうか。パスワークの悪さからは、そんな感じも受け取れる。
残る試合は1。最終節の相手は、優勝の可能性もあるセレッソ大阪。
全力で潰しにくるのは容易に想定されますが、スポーツは人がするものであり、予想外に事が進まないのもまた魅力。
最後の最後で相手を苦しめ、悪役に浸るのも悪くは無いかも知れません。
悲願のJ1残留に向けて、悔いの残らぬゲームを期待しています。

挨拶する選手達

選手達&サポーターもお疲れさま
それ以上にピントがずれて
申し訳ありません



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