川崎フロンターレ VS アビスパ福岡
J1 セカンドステージ 開幕戦
日 時 | 2000年6月24日 14:04 | |||
試合会場 | 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市) | |||
天 候 | 雨 | |||
観 客 数 | 4,394人(ため息ばかり・・・) | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 0 | 前 半 | 0 | 福 岡 |
0 | 後 半 | 1 | ||
0 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
福岡:バデア(55分) |
J1セカンドステージも遂に開幕、J1残留に全てを賭ける川崎フロンターレの相手は、因縁のライバルアビスパ福岡。
過去J1参入を含め2回対戦しているものの、いづれも博多の森で涙をのんでいる。
この日はアビスパを、初めて等々力に向い討つ。あの時と変わらぬ雨模様のピッチで。
互いにJ1死守のため、意地でも譲れない試合。激しいつば競り合いを予感させる。
過酷な連戦を乗り切るためにも、フロンターレは90分間で確実に勝利を奪い、勝ち点3をものにしたい。
貪欲な試合運びで、等々力に駆けつけたサポーターと共に勝利を分かち合いたい。
アビスパ戦の風物詩となった雨模様
等々力での対戦も例外ではない
バスで乗り込んだアビスパの選手を静かに迎え撃つ
これまた風物詩?の、人が疎らな観客席
成績不振が集客動員に
ストレートに反映している
応援席ではゲートフラグコンテストが開催中
取材のためにテレビクルーも見参
ふろん太君も交わり、旗を一斉に掲げる
力作揃いの旗が観客席を彩る
一月ぶりのゲーム、皆応援に飢えている。選手が練習のためピッチに登場すると、感極まったのか、試合にも勝らない応援が。
フローンターレ!フローンターレ!!
勢いは半端じゃない。この日をどれだけ待ちわびていたのか。
まだ試合はおろか、スタメン発表すらまだなのに
盛大な声援がこだまする
盛大な応援と、小雨がピッチを舞う中、キックオフのホイッスルが鳴り響く。
序盤はアビスパペース。動きの鈍いフロンターレイレブンを尻目に、シンプルな縦パスからの突破で、いきなり先制点を狙いにかかる。
守備も落ち着きに欠ける。奥野選手(背番号4:DF)の何でもないロングクリアも、サイドラインを割り込んでしまう。
フロンターレも序盤の猛攻を耐え切り、反撃開始。鬼木選手(背番号7:MF)と我那覇選手(背番号27:FW)のブロンズコンビ?が縦横無尽にグランドを駆け回り、アビスパの選手を幻惑させる。
相手ペナルティエリア内で選手が倒された!PKだ・・・いや相手ボールのプレー再開で、残念無念。
アビスパは直線的なパスワークで
フロンターレゴールを崩しにかかる
ファーストステージと比較して
戦術面での大きな差異はないようだ
フロンターレの選手が倒れているものの
何故かアビスパボール
サポーターからの強烈なブーイングが
ピッチに響く
プレーは再開するものの、その後もオフサイド・ファウルなどで、フロンターレに厳しい判定が続く。サポーターからは審判に対する不満と、怒りのブーイングがとどまるところを知らない。
アビスパの選手の上がりは早い。背面からの縦パスで一気に繋ぎ。フロンターレゴール前の混戦に何度も縺れ込む。
フロンターレも指をくわえてばかりじゃない。流れるようなカウンターで攻め上がり、コーナーキックのチャンスを得る。
だが、鋭いコーナーキックを基点とした攻撃は、潰えてしまう。その後も中盤からボールを奪い、一気に前線にパスを送るものの、ボールばかりが先走り、誰も追いつけない。
そう思いきや、右サイドラインからサイドチェンジが成功し、細かいパスワークで前線に迫る。
だが、最後はGK小島選手(背番号30)の手中に収まってしまう。
意地と意地のぶつかり合い
中盤での激しい攻防が
試合開始から10分を過ぎても、流れはフロンターレ。鬼木選手が右サイドと駆け上がり、小島選手を引き寄せる。
ゴールはがら空きだ!・・・しかし詰めは甘く、得点は奪えない。
対するアビスパもミスが目立つ。攻撃にリズム感がなく、フロンターレの選手の密着にあいながらも、強引に突破を図ろうとするが、最後はゴールラインを割り込んでしまう。
とは言えゴール前の小競り合いで
フロンターレのファウルが頻発し
やすやすとチャンスを与えてばかり
フロンターレは押され気味だ。アビスパの正面からのフリーキックから、グラインダー気味のシュートを放たれ、死角になりながらも、浦上選手(背番号1:GK)が右に飛んで何とかピンチを逃れる。
この状況を打破するには・・・もちろん応援以外考えられない。
気持ちを入れ替えて、大声で張り叫ぶぞ!!
アヴァンティーおお、川崎おお、ららーらららーららーら!!!
ひと月のインターバルのおかげか
応援のテンポは快調そのもの
後はピッチ上の選手が頑張るのみ
アビスパもコーナーキックで得点を狙うものの
西澤選手(背番号31:DF)の身体能力に阻まれる
20分を過ぎた辺りだろうか、フロンターレのオフサイドが輪をかけて頻発する。アビスパのボールをインターセプトしてからの切り替えは早いものの、パスに対する選手の抜け出しが僅かに早い。
アビスパのディフェンスも、最終ラインが浅い。巧みにオフサイドトラップを誘っているようだ。
フロンターレも攻撃パターンを変更。一気にパスを送るのではなく、一瞬ためを置いてから、前線にパスを送るようになる。
アビスパもミスの多さは相変わらず。それに乗じボールを奪い取り、滑らかな切り返しで、サポーターを魅了させる。
最後は鈴木選手(背番号8:FW)がシュート。惜しくも相手GK正面。
得点の期待が高いのか、我那覇コールがピッチを包む。
フロンターレのチャンスは多いものの、どうしても決定力に欠ける。久野選手(背番号23:MF)の弧を描くフリーキックは、ゴールポストを僅かにかすめる。
その後も伊藤彰選手(背番号19:MF)や我那覇選手が決定的なチャンスを掴みシュートを放つものの、完全にふかしてしまい、ボールはゴール枠から大きくそれてしまう。
得点が奪えそうで奪えない。中盤からの展開は申し分ないものの、いざシュートシーンになると、固くなってしまうのか。
判定の不満も手伝ってか、余りにふがいないシーンの連続に、サポーターからはイライラの声が上がる。
守備はまずまず
アビスパが執拗に縦パスを送るもの
奥野・西澤両選手がラインを読んでカット
セレッソから移籍の原田選手(背番号34:MF)も
連携面での不安はそれほど感じさせない
その後もフロンターレの優位は続く。シャープな動きでアビスパの選手を密着し、ボールを奪うと滑らかなドリブルや、意表を突くサイドチェンジを組み合わせて、相手ゴールを脅かす。
だが、点が入らない。どうしても点が入らない。幾度と無くフリーの場面になったことだろうか。
時間の経過と共に、プレーに荒さが目立つようになる。
焦りのためか、ボールを無我夢中で蹴ってばかりだ。ボールを大事に扱う場面が影を潜めてしまう。
ロスタイム近くになると
アビスパのバデア選手(背番号11:FW)が
フリーになるシーンが目立つ
これが後に致命傷になるとは
誰が予想したことか
そのまま前半終了。フロンターレは雪辱に燃えるべき、優位な試合運びではあるが、決定的な得点シーンを何度も潰してしまっている。
オフサイドも非常に多い。アビスパのミスに助けられているにも関わらず、どうしても点が奪えない。
ファーストステージの決定力不足は、短期合宿で修正されたのか、不安が過ぎってしまう。
ピッチの湿りが影響してか
引き上げる選手の足は重い
試合はまだ半分。残りは45分もあるぞ。
不安が先走ってもしょうがない。右腕を突き上げ、唸り声をピッチに送り込む。
そうすることで、サポーターの魂を選手と共有するのだ〜(でいいんでしょうかねぇ?)
「俺達のフロンターレ・・・」コールを
「オオオオオー」で代用
私と同じ事をするサポーターも約一名(笑)
唸り声が響く中、後半開始。
ピッチから一瞬目を離し、ふと顔を上げると、鬼木選手が右サイドを果敢に駆け上がっている。
相手DFに片腕を突き出され、地面に伏してしまう。
頼む!立ってくれ!!今のフロンターレには闘志を前面に剥き出す、鬼木選手の姿勢がなにより大事なのだ。
この直向きさこそ、フロンターレの魅力であったはず
その姿勢に触発されたか
直後のプレーでは激しい競り合いが
フロンターレの攻撃が遂に爆発。選手が貪欲に駆け上がり、豪快にシュートを放つ。
・・・であるべきはずなのに、悲しいほど点が奪えない。フリーでパスを受けた鈴木選手がオフサイドになり、我那覇選手のシュートはゴール左脇に飛んでしまうなど、前半の決定力不足を引きずっている。
何故!?オフサイドなのじゃ〜
写真では、相手の選手は
前方に一人しかいないぞ
どうして反則になるのだ???(爆)
タオルマフラーをぶん回す応援も健在
やがて流れはアビスパに傾く、フロンターレの攻撃を中盤で押え込み、フロンターレの執拗なマークも一足早く振り切り、パスをこまめに繋ぎながら攻撃の機会をうかがう。
右サイドにアビスパの選手がドリブルで駆け上がる。フロンターレの選手は誰もマークに付いていない。
攻め手は薄いものの、何かいやな予感がよぎる・・・、魔が差した瞬間、クロスボールが放り込まれ、はるか遠方でアビスパの選手がボールを押し込んでいる。
何が起きたのだ・・・少数のアビスパサポーターが旗を振り、歓喜の雄叫びを上げている。
時既に遅し、マークが甘かったバデア選手に遂に殺られてしまった・・・。
ここぞとばかりに喜ぶアビスパサポーター
そう言えば、ビッグフラグは
何処にあるのですかぁ
(私も1000円ばかり寄付したぞ〜)
残り時間はまだあるぞ。大きな応援で一気に逆転を狙うぞ!!!
おーおおー、レッツゴー川崎
おーおおー、ふろーんたーれ!!(ひらがなバージョン)
だが、俄然勢いづいたのはアビスパの選手達。束縛が解けたの如く、メリハリのある動きでピッチを駆け回る。
対するフロンターレの選手は・・・完全に意気消沈。
諦めるのはまだ早いぞ!J1死守のためには、今踏ん張らなくて何があるというのか!!
アビスパは守備も充実
高さも上回り、フロンターレの空中攻撃を封じ込める
沈み込むフロンターレの選手をよそに、アビスパは息の根を刺しにかかる。安定したドリブルと縦パスの組み合わせといった単純な攻撃パターンながらも、フロンターレは防御するのがやっとである。
ルーズボールが、フロンターレゴール前を転々と横切る。ディフェンスの足が止まり、誰もクリアに入らない。
あーーーーーっ!!!!思わず悲鳴を上げてしまう。
後半も20分近くに差し掛かる。フロンターレは中盤より前方に攻める術がなくなり、アビスパの守りに余裕が生まれる。
ここで伊藤彰選手に代えて、向島選手(背番号11:FW)を投入。流れの転換を図る。
すると右サイドにフリーのパスが通り、前線の鈴木選手に繋がる。
前と周囲には誰もいない、打て!シュートを打つんだ!!
だが、何を血迷ったか、ボールをキープして動きが止まる。思い切りの良いシュートは披露されず。
ゴール前をボールが横切り、最後は向島選手に何とか繋がるものの、アビスパのディフェンスに囲まれて、絶好のチャンスを殺してしまう。
何故だ・・・シュートを放たなければ、得点は生まれないのに・・・。
思い切りの良いアビスパの攻撃に対し、フロンターレは遠慮がち。
とにかく前へ前へ・・・単純に攻めて欲しいと願うばかりだ。
この体制でシュートを直ぐ打たないとは
・・・ちょっと信じられない
アビスパもじりじりと反撃、フロンターレの選手が距離を保ち、詰め寄らないのを利用して、ゆっくりと左サイドをドリブルで持ち込み、攻撃の隙をうかがう。
巧みに焦らすアビスパに対し、フロンターレのサポータはいらつき気味。野次が盛んに交錯する。
フロンターレも瞬く間に反撃。我那覇選手に鋭いパスが繋がる。
GKをかわしてシュート!だが、無情にもサイドネットを豪快に揺らすに留まる。
時間はどんどん流れていく。1点が徐々に重くのしかかる。
角度がない位置からのシュートは、枠に収まらず
我那覇選手も天を仰ぎ、悔しさを剥き出しに
後半も30分を過ぎると、アビスパの選手にお得意の時間稼ぎが。小島選手のゴールキックは、遅延行為ぎりぎりで、見ているフロンターレのサポーターからは、容赦ないブーイングが。
フロンターレのプレーには焦りの色が。センタリングに前線の選手のタイミングが合わず、呆然とボールを見送るケースが目立つようになる。
力ない高い縦パスも、小島(背番号4:DF)・三浦(背番号5:DF)選手らが余裕をもってヘッドでクリア。攻撃の糸口が徐々に見出せなくなる。
アビスパの選手がピッチに倒れ込み
担架が用意されるものの・・・
ゆっくりと時間をかけて立ち上がり
担架は誰も乗らずに引き上げる
時間稼ぎの綿密さはこんなところまで
フロンターレの攻撃に連携が失せてくる。縦パスを盛んに送るものの、誰を目標としているのか、アビスパの選手に渡ってばかり。
それでもアビスパのディフェンスのミスに乗じ、ゴールライン際でセットプレーの機会を得るものの、得点には至らない。
ロスタイムに近づくと、競技場内に強風が吹き荒れる。アビスパの時間稼ぎは輪をかけて露骨になり、立て続けにイエローカードの洗礼を浴びる。
それでも執拗に時間を稼ぐ。ボールを適宜キープしし続け、サイドラインを割って、タイムアップを今かと待ちわびる。
フロンターレも最後に浦田選手(背番号13:FW)が目の覚めるようなミドルシュートを放つものの、ゴールから僅かに外れしまう。
そして試合終了。フロンターレは奇しくもアビスパに3連敗。
セカンドステージの大逆転劇はおろか、待っていたのは最悪の結果でした。
選手に近づく観客も少ない
これではJ2時代以下だ
人気凋落に歯止め策はないのか
勝つことが第一なのは自明なのだが・・・
サポーターからは暖かい拍手が
選手はどのように受け止めてくれたのでしょうか
極めて痛い一敗である。J1残留ラインはまたも遠のいた。
勝たなければならない相手に、またもや悔し涙を流す羽目に。因縁云々より、手立てが見出せないもどかしさばかりである。
追い討ちをかけるようにショックだったのは、帰り道に親子連れが何気なく交わした会話を耳にした瞬間。
「(フロンターレのサポーターを止めて)ヴェルディのサポーターに戻ろうかな」
このまま奈落の底に落ち、何もかも失ってしまうのか。それに対する手立てはもう残されていないのか。
自失呆然のまま家路に向のが精一杯。ただ悲しい一日となってしまいました。
おまけ:
このページでは触れていませんが、私もゲートフラグコンテストに参加させて頂きました。
デザインが気色悪かったためか、残念ながら入賞は逃しましたが、面白いのでまた参加させていただきます。
企画に携わった方には、重ねて感謝致します。