川崎フロンターレ VS ジェフユナイテッド市原

J1 セカンドステージ 第10節



日   時 2000年8月19日 19:00
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 晴れ
観 客 数 5,739人
試  合  結  果
川   崎 前 半 市   原
後 半
     
     
得   点   者
市原:井幡 博康(65分)






J1も残すところ、僅か6試合。2連勝と調子が上向き気味のフロンターレ。
今日の対戦相手は下位に低迷する、ジェフユナイテッド市原。フロンターレと同様、監督更迭も実を結ばず、J2陥落の岐路に立たされている。
フロンターレとジェフの年間勝ち点差は6。この試合で90分でフロンターレが勝利を収めれば、その差は僅か3。射程圏内でオリンピックの中断期間に突入。
J1死守の為には、貴重なこの一戦。互いに苦しいが、絶対に譲れない。
勝つぞフロンターレ!自らを信じ全力で勝負を尽くせば、結果は必ず付いて来るぞ!

沖縄名産フェア

試合開始前、5番ゲート前では
沖縄県の名産フェアと舞踊が披露
傍らでは我那覇選手(背番号27:FW)の個人展も開催
少年時代の彼に、興味津々のサポーターも多数



ゴーやジュース

名産の一つでもあるゴーヤジュースを一杯
甘味が加えられているとはいえ
苦味は強烈で、かなりきつい
隣の千円札は、おつりが濡れていたので
単に干しているだけ
豚の角煮を食べ損ねたのは残念



伊藤彰選手

試合前のピッチに目を向けると
伊藤彰選手(背番号19:FW)が汗を流している
彼のプレーを見たのは、だいぶ前のことだなぁ・・・



ふろん太君にチャレンジ

ズームレンズで追った
「ふろん太君にチャレンジ」のひとコマ
しかし、何故沖縄フェアの後が西部劇なの?


二子玉川方面で花火が上がっている。間もなく試合開始なのに、多くのサポーターは花火に釘付けだ。
おーい、選手達が入場するぞ〜。その心配もご無用で、選手がフィールドに登場すると、皆元の位置に集結する。
さあ、応援開始だ!市原を打ち破りJ1維持に弾みをつけるぞ〜。
おーおおー、レッツゴ−かわさきー
おーおおー、フロンターレー

二子玉川の花火

浴衣姿の観客も多いと思ったら
この花火大会が要因だったらしい



中盤での競り合い

序盤は両者控えめながらも
目を凝らすと激しいつばぜり合いも
この試合の重要さがひしひしと伝わる


序盤はフロンターレが押し気味の展開。それでもフロンターレ連携は今ひとつで、選手間の呼吸は今ひとつ。
プレーもやや荒く、市原の選手が倒れこむシーンも。気持ちがやや先走っているようだ。
そんな中、中盤で市原のスルーパスを奪い、イジドーロ選手(背番号35:FW)が自ら持ち込み、シュートを放つ。
ボールは枠外ながらも、幸先の良い攻撃である。

イジドーロ選手のシュート

この時間帯は、イジドーロ選手がひとり火を吐く


市原はボールの繋がりが悪く、単発の攻撃が目立つ程度。そこでフロンターレの優位・・・としたいのだが、折角のフリーキックのチャンスすら、前にボールを出せない場面もあり、試合の主導権を握るには至らない。
市原も黙ってはいない。連携が乱れながらも、時折奇襲攻撃を披露。フロンターレは決して安心できない。

場面はフロンターレのフリーキックへ。今井監督が最前線で指示を送ると、フロンターレサポーターからは「今井下がれ」と野次が飛び交う。
今井監督に対する不信は、根が深いばかり。気の毒としか言いようがない。
(采配の曖昧さは否定できないが)

その後のプレー、フロンターレの選手がペナルティエリア内で倒され、PKのチャンスだ!
・・・のもぬか喜びで、相手のボールでプレー再開。何であれがフロンターレのファウルなんだよ〜。

佐藤選手のシュート

市原の佐藤選手(背番号25:FW)のヘディングは
GK浦上選手(背番号1)が冷静に裁く



酒井選手のドリブル

市原の酒井選手(背番号6:MF)のドリブルは
サイドラインを切れる
やすやすチャンスを殺し、大助かり


市原は依然落ち着かず、プレーに余裕がない。押し気味のフロンターレ、はこのチャンスを逃す筈もない。
だが、フロンターレも頂けない。時間が経過しようと、選手の動きは鈍いまま。
市原のボールを奪取し、一気に攻勢に乗り出すも、攻め手が足りない(焦ってパスを送っているだけ?)悪いパターンに逆戻り。
後方からロングパスで前線に繰り出すも、市原のDFに対するプレゼントボールとなり、攻撃は潰えてしまう。
試合の流れは、徐々に市原に傾く。左サイドから逆サイドに鋭いクロスを送り、最後は頭に合わせてくる。
これはフロンターレの中谷選手(背番号22:DF)が競り勝ち。ピンチを逃れる。

試合の流れは急展開。市原の猛攻を浦上選手がファインセーブで凌ぎ、フロンターレが一気に反撃。
と思いきや、突如市原がペースダウン。バックラインの選手がボールを回し続け、前線の選手の体力が戻ったところで、前線にフィード。
試合の運びぶりでは、フロンターレと比較して一日の長は否定出来ない。

ボールを追う鬼木選手

フロンターレの鬼木選手(背番号7:MF 中央)も
険しい表情を浮かべ、髪をなびかせ
豊富な運動量でボールを追いまわす


フロンターレも市原の真似をしたのか、相手陣内に攻め込んで、ボールを左右に回し、攻撃の機会を窺っている。
だが、フロンターレの場合は単に攻めあぐねるのみ。そんな間に市原の守りに囲まれて、結局は攻撃の芽を潰す。
うかうかしていると、すかさず市原の反撃が。サイドチェンジから前線にパスを送り、それをフロンターレのダニエル選手(背番号36:DF)がヘッドでクリア。
そこに市原の選手が詰めより、浦上選手の動きを計算しながら、こぼれ球をループシュートされる。
ボールはネット上面を揺らす。やられたか・・・、いやボールはネットの上にのっただけだった。
続けて市原のコーナーキック。今度は選手が頭から突っ込み、強烈なシュートに。
これもサイドネット。フロンターレは市原のミスに感謝するばかりである。

茶野選手のサイドチェンジ

フロンターレのピンチは、このパスからだった



市原の猛攻

前半30分付近は、市原の猛攻
こぼれ球を素早く拾い、すかさず攻め返す
そして、市原のコーナーキックが連発
フロンターレは苦しい局面へ


このピンチを何とか切り抜けるも、フロンターレは試合の主導権を握れない。
攻撃の切り替えも遅く、ラフプレーも目立つ。これではリズムを掴みようがない。
頼りといえば、前線のイジドーロ選手とリカルジーニョ選手(背番号37:MF)の個人技頼り。極めて寂しい限りである。
おまけに守りも安定せず、市原の縦パスをクリアミスし、直後フリーの体勢でシュートを放たれる。
押されてばかりじゃつまらないので、中央に低い縦パスを送り、抜け出した今野選手(背番号28:MF)の足元へ繋ぎ・・・オフサイドでがっかりだぁ。

これはオフサイド

残念ながらオフサイド


フロンターレのチャンスも数少なく、その後は市原のプレッシャーに屈し、前線に攻め込むことも容易ではなくなる。
市原の攻撃も単調だが、フロンターレの守りはポイントがずれているのか、予想外に攻め込まれるシーンも珍しくなかった。
鬼木選手のキックを、市原のGK下川選手(背番号1)が掴んだと同時に前半を終了。フロンターレにとっては、勝利が絶対条件でありながら、いまひとつ切迫感が見て取れない。
いや、単に選手の疲労が蓄積し、運動量が低下しただけのようだ。
しかし、試合は残り半分。相手は市原ながら、この状態で後半戦を乗り切れるかが、ただ心配である。

沖縄の踊り

ハーフタイムでは、沖縄の踊りが
さすがのふろん太君も
両腕を挙げて踊るのは不可能か?


沖縄舞踊の熱気が冷めぬ間もなく、後半の火蓋が切って落とされる。
得点がないのはいささか不満ではあるが、残りは45分。その間にきっちり勝利は頂きだ!!
おーおおー、レッツゴ−かわさきー
おーおおー、フロンターレー

試合開始と同時に、フロンターレの奇襲攻撃が。中央のリカルジーニョ選手がボールを叩き、右サイドの鬼木選手にボールが渡る。
これは鬼木選手がゴールライン脇で折り返したものの、チャンスはお預け。
ただ、選手の間に自信がないのか、フリーキックからのセットプレーに前向きさを感じられないのが、残念なところだ。

サポーターは信じているぞ

前半のうちに先制したかったのは、皆本音
だが、試合が再開された以上は、懸命の応援だ!



我那覇選手は自由にならず

我那覇選手は市原の選手に掴まれて
自在なプレーの余地は少ない


市原はプレーの精度がもう一つ。フロンターレはそれに乗じ、一気に試合の流れを掴みたいが、連携の悪さが顔を覗かせてしまい、反撃はもろくも空中分解してしまう。
拙攻の連続に、フロンターレサポーターも呆れ顔。不満の声が交錯する。
市原は中西選手(背番号2:MF)が盛んに攻撃参加。フロンターレの守りが棒立ちの間に攻め込み、中央へセンタリング。
これは浦上選手ががっちり抑える。サポーターも黙っていないで、応援で盛り上げよう。
オオーオオオオオー、フォルツァーフローンタレー

中西選手のセンタリング

中西選手は完全にフリーとなり
的確なセンタリングを放り込む
フロンターレの守りは、後方からの飛び出しに
対応する術がいまひとつ


応援の甲斐あってか、フロンターレもようやく反撃を開始する。しかし疲労が抜ける術もないのか、はつらつとしたプレーは微塵もなく、動きは鈍重なままである。
これでは主導権を維持できる訳もなく、流れは市原に逆戻り。しつこくゴール前にボールを集めて、フロンターレゴールを危機に陥れる。

市原の猛攻

市原の猛攻は容赦ない
浦上選手が接触プレーで倒れ
しばらく起き上がれない場面も


試合の判定も、フロンターレに厳しいもの。しかしながら粗雑なプレーが多いのは事実であり、徐々にフロンターレの重荷となる。
市原の攻撃に耐え忍んだが、遂に結界が破れる時が。ゴール前で市原の井幡選手(背番号15:MF)にボールが渡り、体を左右に揺らして、強引にフロンターレの守備網を突破。
シュートはゴールに吸い込まれ。禁断の失点を喫してしまう・・・。

ゴールを喜ぶ井幡選手

喜びを満面に表す井幡選手と
うなだれるフロンターレの選手


リスター後も市原が充実したプレーを披露。対するフロンターレは戦意が失せつつあるのか、魂が抜けたようなプレーばかりだ。
うぬぬ・・・、まだ試合時間はあるのに、この有様じゃ・・・。あれ???カメラの調子が悪いぞ。
ピントが全然合わなくなり、しばし調整する羽目に、頼むからこの間に調子を取り戻してくれ。
何とかカメラを調整し、ピッチに向けシャッターを切るも、フロンターレの拙攻に変化は見られず、愕然としてしまう。
後半30分。余裕のある動きの市原と、焦燥感が際立つフロンターレ。余りに対照的な両者である。

縦パスも・・・

バックラインからの縦パスも
市原のGK下川選手の手中へ
中盤の動きが鈍く、止むを得ない選択なのか


フロンターレもここで切り札、伊藤彰選手を投入。久々の登場にサポーターも熱くなる。
おお、いとーあきら、ゴールね・ら・え、シュートは・な・て!!
おお、いとーあきら、ゴールね・ら・え、シュートは・な・て!!

その直後両者がめまぐるしい展開へ。前へ後ろへ押しつ押されつの、激しいプレーの応酬となる。
オーバーラップを図った中谷選手が倒され、同時にコーナーキックのチャンスを得る。
さあ、決めてくれ・・・どうして、市原にあっさりクリアされるのだぁ・・・。
だけじゃなく、強烈なカウンターまで食らう始末。嘆きは深くなる一方だ・・・。
以後は市原のぶ厚い攻撃ばかり、2列目の選手が盛んに飛び出し、フロンターレは浦上選手のファインセーブで凌ぐのが精一杯になりつつある。

伊藤彰選手のプレー

伊藤彰選手(右端)の懸命なプレーも空回り
これだけ控えが長かったようでは
実戦感が喪失しても不思議ではない



リカルジーニョ選手のセンタリング

その後フロンターレの反撃も
リカルジーニョ選手もセンタリングを送るものの
結局はプレーが雑で、得点は遠し



コーナーキックも・・・

チャンスはなお続き
伊藤彰選手がパスを受け
市原の選手の足にボールをぶつけ
ゴールラインを割らせてコーナーキックをゲット
だが、キックは、下川選手があっさりセーブ
セットプレーは、殆ど得点に結びつかない


フロンターレも向島選手(背番号11:FW)を投入。最後の反撃を試みる。
焦りのためか、伊藤彰選手がイエローカードを受けてしまう。あざ笑うか如く、市原の時間稼ぎが露骨になるものの、ロスタイムは4分。同点は夢ではない。
ディフェンスラインを押し上げ、最後の攻撃。だが余力は残されておらず、挙句無常のオフサイドを受けてしまう。
そして試合終了。勝利が必須条件のこの一戦、最悪の結果で幕を閉じることとなりました。

引き上げる選手達

力ない足取りで、ゴール裏に向かう選手達
リカルジーニョ選手は、頭を抱えている



選手を迎えるサポーター

サポーターもショックを隠せない
小規模なブーイングが発生する程度


「終わった」、「J2で出直しだ」、近くのサポーターからは、こんな声も漏れる。
年間通して、14位の市原との勝ち点差は9に拡大。残り試合を考慮すると、絶望に近い局面。
もはや、J1残留の望みは断ち切れたか・・・、いやまだ決まってはいない。
心境的には諦めの境地。だが、最後の最後まで、どんなドラマがあるかは誰も予期不能。
この試合をもって、2ヶ月今日の中断期間に突入。その間にJ1残留に何が必要かを改めて問い、一からやり直す他ありません。
・・・と書くのも空しいばかり。悲しすぎて涙が流れそうだ・・・。

試合終了後の競技場

時は無情に流れ、皮肉に過ぎ去る
試合終了後の閑散とした空気は
悔しさを倍増させるだけ・・・



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