「ヴァンフォーレ甲府の存続を求める会」
総決起大会突撃?レポート
日 時 | 2001年1月14日 10:00〜10:41 | |||
場 所 | JR甲府駅南口 信玄公銅像前広場 (山梨県甲府市) |
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天 候 | 曇り | |||
観 客 数 | 沢山の県民が駆けつけたぞ! |
1992年に輝かしく発足したJリーグ。当初はW杯予選とあい重なり、サッカーブームも手助けし、競技場には黒山の観客が訪れ、プロのプレーに熱狂し酔いしれた。 だが、それも長続きはしなかった。景気減速・各チームの経営努力の甘さも災いし、Jリーグ発足当時の熱気は冷め、長きに渡る厳冬の時代へと突入した。 この8年間、人気・経営力が劣るチームは存続の危機に瀕してきた。 強豪チームですら例外ではなく、横浜フリューゲルスが突如消滅した事件も記憶に新しい。 愛するチームを喪失せざる得なくなったサポーターは驚愕し、絶望感に打ちのめされた。 リーグの危機は未だ脱し切れていない。規模の多少はあれど、大多数のチームは観客数の低迷に喘ぎ、もがき苦しんでいる。 そして悲劇は繰り返された。J2のヴァンフォーレ甲府(法人名:(株)ヴァンフオーレ山梨スポーツクラブ)が、リーグ2年連続最下位による成績不振で観客動員数が伸び悩み、更には地元・自治体のサポート不 足、メインスポンサーの不在で累積赤字が蓄積し、経営危機に陥った。 問題が表面化した当初、チームの存続が危ぶまれる空気も漂ったが、自治体・企業・サポーターの尽力により、当面は存続可能な流れが生まれつつある。 私も若輩ながら、事態浸透を目的に、ヴァンフォーレ甲府を応援するページを作成した。 だが、時間が経過し、チーム存続をかけ必死に奔走する関係者らの姿を知るにつれ、他山の石とは思えず、言葉で表現出来ない「何か」にを感じるようになった。 そうだ、甲府に行こう。サッカーを愛するサポーターの一員として、ページで語るだけではなく、自ら現状を確認したい。 「真実を掴みに・・・」、ただその一心で。 −お断り− 来賓者のコメントは、意味が改変されない程度で要約・抜粋しています。実際のコメントとは異なるケースも多々あるのでご了承願います。 なお、氏名は識別可能な範疇で表記を行い、役職等はヴァンフォーレ甲府の存続を求める会(現在は「ヴァンフォーレ甲府の支援を求める会」に改称)HPより引用させて頂きました。 当ページに登場する組織名・人名等は、すべて2001年1月時点のものです。 |
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鈍行列車を乗り継いで、甲府駅北口に到着だ! メチャクチャ寒い〜、北風は強く、粉雪が舞っている。 周囲には人影が疎ら。まさか決起大会は人員が集まらず中止されたのだろうか・・・。 |
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心配ご無用、単に私が場所を勘違いしただけ。 南口に回ると、かの武田信玄公像を、黒山の人が囲んでいる。 地元TV局(YBS)もスタンバイ完了。後は開始を待つばかり。 銅像の真下には、スタジャンを纏った深澤 孟雄氏(チーム代表取締役社長)が控えている。 |
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凍てつく寒さの中、大会は盛大な拍手で幕を開く。 雪は降り止んだが、気温は! おお、寒いよぉ〜。 |
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冒頭、会の幹事渡辺 登氏(山梨県青少年団体連絡協議会会長)が挨拶。 「予定以上の人が来て、ありがとうございます。」 |
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<渡辺氏コメント抜粋> 「(天野山梨県)知事のコメントでは、平成13年度中の存続を決心したようだが、私の認識ではまだまだ厳しい。」 「県民の支援が低いと受け止めている。山梨スポーツ文化のヴァンフォーレを、健全運営させたい。」 「(幅広い)協力の中、(支援の)輪を広げたい。」 |
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続けて来賓者の挨拶へ。 トップバッターは、山梨県会議員、宮島氏。 広島に出張した際の話題(地元では問題出張視されている・・・)を交え、広島東洋カープを例えに、「市民がスポーツを育ててきた」と語る。 同時に県議員有志の支援グループが結成され、議員42名中40人が加入している事を公表。 「一生懸命やろう!」気合を込めて挨拶終了。 訂正:宮島氏の氏名が間違えていました。 |
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<宮島氏コメント抜粋> 「(山梨県)プロ唯一のチームとして、サポートしたい。」 「民間企業ならとっくに倒れているかも知れないが、倒れそうな今こそ支え、(多くの方に)知ってもらいたい。」 |
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2番手は同じく県会議員、皆川氏。 しっかりと、かつ力強い口調で、ヴァンフォーレの存在意義をアピール。 |
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<皆川氏コメント抜粋> 「(武田)信玄・甲府城は(県民・市民の)遺産。(ヴァンフォーレ)も同じく、市民団結の象徴であり、そういう存在が無ければ、都市は発展しない。」 「ヴァンフォーレ発展のため、力を尽す!」 |
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この方は樋口 滝人(山梨県PTA協議会会長)氏。 冒頭、「おさむごいつ」と地元言葉で、場内を賑やかす。 熱っぽい語り口調で、周囲も熱気むんむん。 う〜ん、熱いゼ!! |
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<樋口氏コメント抜粋> 「ヴァンフォーレは山梨の文化。」 (周辺都県の事情と比較し、山梨県が沈着気味なのを指摘のうえ)「だが、山梨が間もなく燃え上がる!」(会場から拍手) 「ヴァンフォーレの火を消す事は、文化を消す事だ!」(会場から「そうだ」の掛け声) 「皆で訴えよう!!」 |
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来賓の挨拶が一巡し、車椅子の男性が舞台へ。 彼の名は、羽中田 昌氏。地元韮崎高校OBであり、県職員経験後、スペインにサッカー留学をした経歴を有す。 バイク事故で下半身不随となり、以後車椅子生活である事が紹介。 地元では、ちょっとした著名人らしい。 |
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緊張の影響か、慎重な言葉運び。 ヨーロッパ留学で影響を受けた、FCバルセロナの話題から始まり、サッカーの大切さを力説する。 最後にはしっかりと、主催者に注文をつける事を怠らない。 |
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<羽中田氏コメント抜粋> 「サッカーは僕に勇気を与えてくれた、かけがえのないもの。(そのおかげで)事故からサッカーの世界に戻る事ができた。」 (スペイン留学時代の話)「FCバルセロナは、地域の人で盛り上がり、(心を)ひとつにした。」 「サッカーは地域の人を結ぶ、素晴らしいスポーツ。サッカーで山梨もひとつになれると思う。」 「盛り上がれば(心は)ひとつになり、感動を呼ぶ。」 「ヴァンフォーレの炎を消してはいけない。手を取り合い、盛り上げよう!。皆で力を合わせ、頑張っていこう!」 ・チームに対する注文 「うまく言えないけれど、どんなビジョンを目指すのか、地域に示すべき。」 |
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興奮が冷め遣らぬ中、舞台は次幕へ。 地元の小学生、立沢 光祐君による、作文朗読。 彼は元々サッカーには関心なかったそうでしたが、幼稚園時代にヴァンフォーレの選手から指導の機会があり、以後サッカーに関心が高まったとのこと。 お年玉を全て、ヴァンフォーレ支援募金に回したそうです。 小学生でこの熱意、泣けるなぁ・・・。 |
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<作文内容要約> 「幼稚園で(ヴァンフォーレの)選手にサッカーを教えてもらい、(ホーム)ゲームを見るようになりました。」 「ゲームを見るようになってから、小学校でサッカークラブに入りました。」 「12/26の(地元紙)新聞で、(ヴァンフォーレの)存在ピンチを知り、ショックを受けました。」 「お父さんと一緒に署名活動・募金活動を行い、今年のお年玉は募金しました。」 「1/13の新聞で(ヴァンフォーレの)存続(注:天野県知事談話)を知り、ほっとしました。」 「僕も応援したいです。」 |
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終幕に差し掛かり、深澤球団社長が挨拶に立つ。 支援の輪が広まり、感極まりない面持ち。 フロンターレの松本前社長と比較すると、カリスマ性は然程無く、人の良さそうなおじさまタイプ? |
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<深澤氏コメント抜粋> 「県民の力添えに、感謝したい。」 「(チームが)続ける方向が見えてきた。不安もあったが、職員・選手が一丸で来季(注:今季のこと)に臨みたい。」 「県民・チーム・企業(だったと思う)が三位一体で盛り上げたい。」 |
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話の途中、来季のチーム構想が飛び出す。 「プロ意識をもった、若手(具体的には23歳以下)中心のチーム構成で、半分を勝ちたい」とのこと。 先ずは最下位脱出と2桁勝利を目指して欲しいものです。 「(今回は)新たなスタート。そういうのは何度かあったが、今回は最後の気持ちで臨む。」 最後は聴衆に向かい、深々と一礼。 |
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間もなく閉会・・・の前に飛び入り。 彼女は小林県会議員。 全くの飛び入りなので、コメントも飛び入り口調。 「燃えてきました〜!」 「私達も皆さんも頑張ろう!」 議員の方々は、もう少々具体的提案があればなぁ・・・と思った。 |
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最後の大会宣言採択へ。 サポーター代表の川手 正人氏が舞台に登場。 「ヴァンフォーレはJの理念に一番近いと思ったら・・・これだった」と無念のコメント。 直ぐに元気を取り戻し、「みんなでヴァンフォーレを育てよう!」と明るく締めくくる。 |
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大会宣言を採択、はちきれんばかりの拍手に包まれ、決起大会は終了。 と、サポーターからコールが沸き起こる! 「ヴァーンフォーレ!」 「ヴァーンフォーレ!」 チームの存続には、サポータの力が絶対に欠かせない。 その勢いで、ヴァンフォーレ再興を期待しているぞ! |
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そしてサポータは二手(甲府駅と韮崎駅)に分かれ、募金活動へ。 それを手伝うか迷っていたら、携帯電話にシステムトラブルの一報が入り、止む無く現地に直行する事に。 残念ながらタイムアップ。最後に募金活動の輪に向かい、署名と募金をすると同時に、フロンターレのサポータである事を明かした。 彼らは温かく迎えてくれた。チームの存続を願い、小瀬に赴く事を約束し、最後は固い握手を交わす。 頼むぞ!甲州の熱き魂よ。チームを絶対に存続させ、山梨にサッカー・・・いや、確固たる地域文化の成立を期待するぞ!! |
− ヴァンフォーレサポーターの募金活動(甲府駅南口) −
サポーターの熱心さは、フロンターレと双璧
募金活動は既に終了しています