川崎フロンターレ VS 水戸ホーリーホック
〜 J2 第31節 〜
日 時 | 2001年9月10日 19:03 | |||
試合会場 | 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市) | |||
天 候 | 雨 | |||
観 客 数 | 1,169人 (おそらくJ2最低、台風接近じゃ致し方ない) | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 1 | 前 半 | 0 | 水 戸 |
0 | 後 半 | 1 | ||
1 | 延長前半 | 0 | ||
2 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
今野 章 | 44分 | 77分 | 北島 義生 | |
林 晃平 | 98分 |
リーグ戦3連勝後、2連敗(ナビスコ杯除く)と調子低落のフロンターレ。この日の対戦相手は、今期無失点と抜群の相性を誇る水戸ホーリーホック。
さすがのフロンターレも、水戸相手ならば楽勝だろう。だが、今の不調振りを考慮すれば、とても楽観視出来ないのが、一サポーターとしての本音である。
90分間での勝利が絶対条件。これすら実現出来ぬようでは、サポーターの怒りも再燃し兼ねない。
変則日程で土・日は回避され、十分な試合間隔が確保された。もう疲れなんて、言い訳にもならない。
大雨の等々力競技場は、不気味に冴える
大粒の雨に照明が乱反射し
一種の幻想的な風景を生み出している
場内はまるで廃墟のおもむき
屋根の下に観客が隠れていると思いきや
やはり、絶対数が少な過ぎる
台風では、止むを得ないのか
熱心なサポーターは、台風だろうと心配御無用
通常の平日程度の規模に膨れ上がった
豪雨に負けず、応援するぞ!
反対側には、僅かながらも水戸サポーターが
雨音に負けぬ絶叫で
フロンターレに立ち向かう
彼らの根性も、たいしたものだ
試合開始に近づくにつれ、雨足は厳しくなるばかり。場内は一面大粒の雨で、視界の確保すらままならない。
照明を支える巨大な柱からは、滝の如く雨水が流れ落ちる。2年以上等々力に通い続けたが、これだけの悪天候は経験すらなく、不安が募るばかりだ。
違う、2階席に立つ以上、どんな境遇でも全力で応援するのみ。ピッチに立つ選手たちは、遥かに過酷な戦いを強いられるのに、サポーターが挫けては何も始まらない。
台風などに屈服なるものか。やるぞ!魂を込めて、応援開始だ!!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜
開始早々は、水戸が若干押し込む展開。だが直ぐに、自力に勝るフロンターレが流れを掴む。
水戸ディフェンスの押し上げを狙い、ミドルシュートを放つ。更に若干の時間を置き、同じ狙いのシュートを放つ。
最悪の状況から脱した水戸も、決して負けていない。幸先良くフリーキックのチャンスを得、正面にふわっと浮き球が。
須藤選手(背番号9:FW)がフロンターレゴールを背に、ボールを受ける。かと思った瞬間、両サイドにチェックに行ったフロンターレディフェンスを振り切り、瞬く間にシュートが炸裂だ。
一瞬冷や汗をかくものの、ボールの勢いは死んでいた。笹原選手(背番号21:GK)が抑え、水戸のチャンスを断ち切った。
フロンターレの守備は、一瞬ほころびが
でも、良く見れば、守備に入ったのは
塩川選手(背番号24:MF)と
伊藤彰選手(背番号19:FW)
この2人では、ちょっと守備は期待薄か
フロンターレも直後速攻に転じ、瞬く間に水戸ゴールに迫る。盛田選手(背番号9:FW)のヘッドが水戸の選手に当たり、コーナーキックのチャンスが来た。
せっかくのコーナーキックも、水戸ゴールから遠く流れてしまう。こぼれ球を鬼木選手(背番号7:MF)らが押し返し、水戸ゴール前に胸元のボールを送り込む。
だが、これは水戸がクリア。すかさず右サイドのオープンスペースに、長いパスを送り込んだ。
北島選手(背番号13:MF)が追いつくも、ボールはタッチライン・・・。あれ?特にプレーが中断する事無く、水戸の攻撃が続行だ。
これはこの後訪れる、波乱の序曲に過ぎなかった。後半、審判の判定が無限地獄を招くなんて、この時点で誰が予想したのだろうか。
先に述べると、これ程までに
審判の判定に疑問を呈したくなる試合は
過去も未来も記憶に無いのでは
よくよく見ると、タッチラインを割っていると
思うのだが、何故かインプレーの判定
大雨が微妙な影響を及ぼしたのか、早々に飯島選手(背番号31:DF)が警告を受ける。まだ序盤だから、冷静に試合を運ぶべきだ。
笹原選手から、左サイドの塩川選手(背番号24:MF)へ。そこからサイドチェンジが成功。
左サイドを駆け上がり、センタリングを放つ。盛田選手が加入した前線の連携がいまいちなのか、ボールはそのまま大きく流れてしまう。
更に攻撃を仕掛けるも、盛田選手が孤立気味。ならばと本間選手(背番号1:GK)の飛び出しを見計らい、中盤からロングパスを放ってきた。
これは水戸に通用せず。逆に水戸が逆襲に転じ、右コーナー付近に申選手(背番号30:FW)が迫る。
センタリングは流れるも、今度は左サイドを一気の突破。フロンターレの選手が追いつく間も無く、クロスボールがフロンターレゴールを襲う。
だが、ここは笹原選手が冷静にキャッチ。申選手のスピードの速さに、味方での筈の水戸の選手すら、全く追いつけなかった。
水戸が誇る、韓国人トリオの一人
スピードと突破力が魅力の申選手(左)
フロンターレもお返しとばかりに、鬼木選手が右のオープンスペースにロングパス。パスを受けた選手がじりじりと後退しつつも、水戸ゴールを目掛けてセンタリング。
だが、逆にフロンターレも応対する選手がおらず。更に水戸ディフェンスの隙間を縫い、素早い縦パスを送るのだが、最前線の薄さ故に、これも合わせる選手が不在だ。
狙いは悪くないのだが、どうも先走りが強過ぎる。それでも駄目なら、細かくパスを繋ぎ前線へ・・・。
これも効果無いどころか、逆にバックパスの処理を誤る。中途半端なクリアボールを水戸の選手に奪われてしまい、水戸のシュートを浴びてしまう。
これは失点を免れたものの、フロンターレの動きはちぐはぐだ。長橋選手(背番号20:MF)のサイド突破も勢いが欠き、中盤にて水戸の選手に行く手を阻まれてしまう。
怪我から復帰明けの長橋選手だが
どうも従来のスピードに乏しい気が
まだ本調子に遠いのか
それとも予想外にJ2のレベルが向上し
相対的に速度が低下したのか
それでもフロンターレは久野選手(背番号23:MF)を軸に、右サイドを効果的に突破。久々にコーナーキックが巡って来た。
久野選手のキックに、盛田選手が対応し、再びコーナーキックへ。続けてのキックも水戸ゴール前で混戦となり、三度コーナーキックのチャンスを迎える。
水戸の不意を突く狙いか、ショートコーナーを試みる。だがこれは水戸に奪われ、逆効果に終わってしまう。
一度は水戸ゴール付近に詰めるものの、申選手のドリブルがフロンターレを急襲。鳥羽選手(背番号5:MF)とのコンビネーションでサイド突破を狙うものの、ここはフロンターレが踏ん張った。
が、水戸の粘りも相当だ。中盤でのチェックも厳しく、予想外に前進が図れない。
パスを受けた伊藤彰選手の判断も遅く、縦パスは水戸に読まれてしまう。
それでも個人技の違いで、コーナーキックまで持ち込んだが、水戸の守備も崩れない。ゴール前で堂々とヘッドで競り合い、最後はスライディングでタッチラインに逃れた。
フロンターレのスローインからプレーが再開も、ここは水戸が守り切る。逆にフロンターレはクリアボールの判断に誤り、水戸の逆襲を許してしまう。
一気に左サイドを駆け上がり、スローインから河村選手(背番号14:MF)がシュート。ボールはフロンターレの選手にぶつかり、コーナーキックの大ピンチ。
だが、続けての攻撃は失敗に終わる。相手のミスに、フロンターレも命拾いだ。
いくら水戸でも、イージーミスは見逃さない
うっかりすると、シュートを浴びてしまう
フロンターレもサイドから鋭いクロスを放ち、前線の盛田・伊藤選手へ。だが、肝心のフィニッシュが一瞬遅く、決定的な場面が中々訪れない。
サポーターも苛立ち気味なのか、カ・ワ・サキ!カ・ワ・サキ!と尖った声援。場内の湿度も高く、フラストレーションも蓄積するばかり。
逆に水戸にセットプレーのチャンス。中盤斜め前で小池選手(背番号26:MF)が、冷静なキックを披露する。
ボールは絶妙のカーブを描き、水戸の選手がヘディングシュート。一瞬危機を覚えたが、ここは笹原選手がセーブする。
試合の流れは明らかに身水戸だ。フロンターレの選手は動きが重く、試合を支配するに至らない。
ホームの地の利を全然生かしていない。これだけの悪天候ならば明らかに有利と思いきや、どうもそのパターンに該当しない様子だ。
水戸のスピード(山形あたりと比較すれば遅いのだが)に手を焼いているのか、無用なバックパスが頻発する。消極的な試合運びに、2階席も不満が鬱積気味だ。
伊藤宏樹選手(背番号25:DF)が
ロングパスを放つも、水戸がカット
それでもフロンターレは右サイドにパスが渡り、コーナーキックのチャンスが。久野選手の狙いは、ズバリ!盛田選手ただ一人。
彼の頭にドンピシャ・・・と思いきや、ボールの底を叩いてしまったらしく、ボールは高く浮き、無常にもゴールラインを割ってしまう。
直後水戸が逆襲に転ずる。北島選手が豪快なドリブルで、塩川選手らを交わして一気に前進。
ボールは申選手に渡り、センタリングが。フロンターレも飯島選手(背番号31:DF)が首元にボールをぶつけ、意地でもチャンスを作らせない。
水戸の攻勢はなおも続く。河村選手に対し、フロンターレも鬼木選手がまとわり付くが、ペナルティエリア付近で痛恨のファウルを受けてしまう。
主審に対し、フロンターレの選手が猛烈に抗議。止めろ!無駄な抗議をするよりは、守備に集中せよ。
その瞬間、場内には大粒の雨が。周囲は一瞬にして、スコールと思しき豪雨に包まれる。
雨足に歩調を合わせてか、水戸の攻撃も厳しさを増す。セットプレーを基点に、意欲的にゴールを狙いにかかる。
抗議はほどほどに、守備を集中せよ
余計な警告を受けては、元も子もない
水戸のコーナーキックを迎えると
場内は土砂降りの世界
トラックには波が流れるほど
猛烈な嵐がピッチを襲う
水戸の攻撃は厳しくなるばかり。中央のセンタリングから、申選手がヘディングシュートを狙う。
フロンターレも笹原選手が懸命クリア。ぎりぎりのところで、失点を免れる。
ロスタイムに近づくと、フロンターレも若干の反撃。だが、前線の連携は悪く、得点の形は程遠し。
水戸は更なる攻撃を仕掛け、フロンターレゴール前にハイボールが。笹原選手が抑えたものの、蹴り出したボールが何故かオフサイド。
ううむ、劣勢のまま前半を終了か・・・、そう思い始めた矢先、フロンターレに突如チャンスが到来。
最後の最後で速攻に転じ、水戸ゴール前で混戦へ。最後は今野選手が押し込み、先制点をゲットしたぞ!
ロスタイムで貴重なゴールを叩き出した。嵐も味方に、後半の大爆発を期待するぞ!
ほんの一瞬の得点劇であった
諦めかけたその瞬間
貴重な先制点が生み出された
悪天候の影響で、ハーフタイムイベントは中止
台風の最中、応援に訪れた観客に感動したのか
DJ氏が長々と、感謝の気持ちを表す
雨も小康状態となり
ピッチにふろん太君が登場だ
さあ、後半も頑張るぞ!
さて、後半開始だ。前半に負けぬ勢いで、盛大な応援だ!
オーオオー、レッツゴー川崎〜
オーオオー、フロンターレー
中盤から伊藤彰選手が飛び出し、ボールは彼の足元へ。水戸の守りも手薄なので、ここは一気に突撃だ!
が、不覚にもオフサイドの判定。続けて盛田選手にも縦パスが送られるものの、これは本間選手に抑えられた。
だが、勢いではフロンターレが一歩上手。右サイドの長橋選手にパスが渡り、得意のドリブルからセンタリングが放たれる。
更に左サイドにもパスが。塩川選手が猛然と追いかけるが、ボールは長過ぎて、本間選手が蹴り出してしまう。
詰めの甘さは否めないも、フロンターレのサイド攻撃は止まらない。水戸の選手を巧みに振り切り、ペナルティエリア内に突入だ。
ラストパスは流れるも、逆サイドから長橋選手が追いついた。得意のドリブルをここでも披露し、更にセンタリングを放ってくる。
フロンターレの猛攻に、水戸も防御が精一杯。今度こそはと、得点の期待も高まるばかりだ。
おお、気合満点の盛田選手に、新たな応援歌が加わったぞ!
もりた〜、ゲットゴール!もりた〜、オオオオー
もりた〜、ゲットゴール!もりた〜、オオオオー
水戸のバックパスは、GKの本間選手へ
フロンターレも盛田選手が迫り
盛んにプレッシャーを与えてくる
しかし、水戸も受身一辺倒とはならず。左サイドにロングパスを繰り出し、申選手がサイドを駆け上がる。
タッチライン付近で、水戸がフリーキックを得た。と、同時に、選手交代を仕掛けてきた。
プレーの中断が微妙に影響したのか、フロンターレの守備は散漫となる。続けての水戸の鋭いキックは、フロンターレゴールをすっと横切る。
誰もクリアに入らず、水戸のヘッドが猛然と襲う。あわやゴールを奪われそうになり、一瞬血の気が凍る。
フロンターレも水戸のゴール斜めから、フリーキックのチャンス。水戸の壁がジャンプするのを計算してか、低いライナーを放って来た。
フロンターレの選手がボールに応対するも、僅かにタイミングが合わなかった。フロンターレのチャンスは直ぐに途絶え、水戸が反撃を試みる。
ピッチを広大に用い、サイドチェンジを交えて攻撃を仕掛ける。水戸のファウルから一度は食い止めるも、どうも試合を支配し切れない。
ファウルから水戸にセットプレーを与えてしまう。小池選手が放ったボールは、大きく弧を描いて、フロンターレゴールに迫って来る。
ヘッドで競り合い、水戸のスローインからリスタート。ドリブルとパスを巧みに交え、じわじわと水戸が攻め立てる。
しかし、最後はタッチラインを割った。さあ、ここから一気の逆襲だ。
盛田選手に鮮やかなパスが繋がった。が、またもやオフサイドの判定だ。
自らのミスに、悔しさが募る。だが、まだ時間は十分にあるぞ。
更なる攻撃を繰り広げ、水戸を突き放すぞ!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜
盛田選手へのパスは、またもやオフサイド
彼も顔をしかめ、しきりに悔しがる
観客は僅か、おそらくリーグ戦最小記録だろう
が、猛烈な台風の接近を考慮すれば
あながち健闘とも言えるのか・・・は微妙か
危険を顧みず、勇気を持って
駆けつけたサポーター・観客に拍手!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜
サポーターの熱気は、嵐に勝るとも劣らぬ迫力だ。が、肝心のピッチでは、ぱっとしない試合運び。
自力で勝る筈のフロンターレが、中盤でもがき苦しんでいる。水戸のチェックが予想外に厳しく、前進突破がままならない。
水戸の勢いは収束する気配すらない。右サイドでフリーキックを与えるや、ゴール前に精確なセンタリングが襲う。
水戸のドリブルすらまともに止められない。須藤選手のドリブル突破をまんまと見逃し、最後はシュートを許してしまう。
フロンターレも中盤まで戻し、スローインから伊藤彰選手へ。だが、水戸の選手に瞬く間に囲まれ、あっさりとボールを奪われてしまった。
が、水戸にも僅かなほころびが。ボールを取られた悔しさをばねに、伊藤彰選手が切れ込み、バランスを崩しつつもシュートが炸裂だ!
が、惜しくも枠に収まらない。続けて鬼木選手が果敢に攻め立てて、水戸ゴールの斜め位置からセンタリング。
低いボールが転がり、反対側にアイルトン選手(背番号10:FW)が詰める。しかしこれも届かず、最後の形まで、どうしても導けない。
アイルトン選手も積極果敢に攻撃参加
が、途中交代の悲しさ故か
他選手との連携の乏しさは否めない
後半も30分ぐらい経過すれど、試合は依然流動的。
水戸がコーナーキックを得て、ボールはニヤサイドへ。水戸の選手がバックヘッドで繋ぎ、得点への意欲を強くアピールする。
フロンターレも中盤まで戻したと思いきや、水戸の厳しいマークに遭遇。プレッシャーに耐えられぬと判断したのか、バックパスで逃げてしまう。
伊藤宏樹選手がロングパスを繰り出すも、これまたオフサイドの判定。水戸のオフサイドトラップを過度に警戒してか、フロンターレの攻撃意欲はまるで盛り上がらない。
フロンターレの攻撃は余りにちぐはぐだ。鬼木選手対するパスも、敢え無くオフサイドを受けてしまう。
鬼木選手が両手を掲げ、懸命のアピールするも判定は覆らず。更に右サイドを攻め立てるも、これもオフサイドの判定だ!
どうしてなのだ・・・、非情なるオフサイドの続出に、判定に対する疑問よりも、自己嫌悪の念が先立ってしまう。
そして遂に悲劇が。水戸はフリーキックから右に展開し、豪快なオーバーヘッドが炸裂だ!
ボールは斜め角度からフロンターレゴールに迫るも、誰もクリアに入らない。最後は北島選手に押し込まれ、痛恨の失点を喫してしまった。
度重なるオフサイドの判定に
鬼木選手も異議をとなえる
が、裏返せば、水戸には絶好のチャンス
ボールを静かに構えつつ
密かにゴールを凝視する
ボールはフリースペースに放たれ
水戸の選手が豪快なオーバーヘッド!
ボールの勢いは弱いながらも
フロンターレのディフェンスは
一同、金縛りにあったのか
皆、棒立ちになってしまった
最後は反対側から
北島選手が押し込んで同点にされる
度重なるミスから生まれた失点は
余りに痛過ぎる
いや、自業自得の極みなのか
勝負は振り出しに戻っただけだ。まだ諦めるなんて、全然早過ぎる。
さあ、ここから気持ちを入れ替え、一気呵成な応援だ!
オオオー、オオオオオー、フォルツァーフロンターレー
オオオー、オオオオオー、フォルツァーフロンターレー
フロンターレはアイルトン選手にパスを繰り出す・・・、えぇ?またもやオフサイド??
ミスをあざ笑うかの如し、水戸がドリブルで攻め立てる。最後は水戸のミスにも助けられ、フロンターレも果敢に反撃に転ずる。
長橋選手のセンタリングは今野選手へ。水戸の選手と交錯し、ペナルティエリア内で倒される。
あわやPKと期待するも、アドバンテージの判定だ。今野選手も異議を唱えるが、主審が聞き入れる余地も無い。
ならばと長橋選手がドリブルで切れ込む。続けて今野選手にラストパスを放つも、力が入り過ぎたのか、ボールの勢いは強くなり、決定的な場面を逃してしまった。
逆にフロンターレはピンチを迎える。水戸のフリーキックがフロンターレの選手に接触し、コーナーキックの危機。
すっと沈んだボールが、フロンターレゴールをかすめる。再び水戸のコーナーキックで、試合は一気に緊迫する。
このキックはフロンターレがクリアし、前線のアイルトン選手へ。しかし水戸も本間選手が飛び出し、豪快に蹴り返す。
中盤では接触プレーの応酬が。フロンターレの選手が水戸の選手を引っ張ったのか、選手が倒れこんでしまう。
警告を覚悟した場面も、ぎりぎりで免れた格好。再三のオフサイドに泣かされたものの、ここばかりは命拾いだ。
試合時間は刻一刻と減少
中盤の攻防も、厳しさを増す一方だ
フロンターレは低いパスを繰り出し、水戸ゴール付近に迫る。続けてのセンタリングは水戸の選手に接触し、ゴールラインを割り込んだ。
さあ、コーナーキックの大チャンス・・・。が、蹴ったその直後、副審の旗がすっと挙がる。
何故だ!どうしてオフサイドなのか。度重なるオフサイドの判定に、サポーターからは嵐に劣らぬ猛烈なブーイングが沸き起こる。
場内は騒然とするも、水戸のキックでプレー再開。フロンターレは中盤で繋ぎ、アイルトン選手にパスを繰り出す。
が、これも非情のオフサイド!判定に疑問を呈す暇も無く、水戸の反撃がフロンターレを急襲する。
右コーナーから小野選手(背番号20:FW)が中央に折り返し、続けてミドルシュートが放たれる。
水戸の速攻を耐え凌ぎ、フロンターレも素早く切り返す。中盤から林選手(背番号33:MF)がパスを繰り出すも、ボールの勢いが余りに強く、前線の選手は耐え切れずに、ゴールラインを割ってしまった。
林選手が素早くパスを繰り出すも
その勢いは強過ぎた
後半も時間が殆ど無い・・・。そう思いかけたその矢先、とあるプレーが発端となり、ピッチ上が騒然と混乱に包まれる。
中盤からアイルトン選手に渾身の縦パスが。瞬間的に水戸の守りは手薄となり、危険を察知した本間選手が、ゴール前から猛然とダッシュする。
本間選手は勢い良くペナルティエリアを飛び出し、アイルトン選手と激しく交錯。が、その直前にボールを手で撥ね退け、明らかなハンドリングだ!
しかし、主審はアイルトン選手にイエローカードを掲げたのみ。判定に不服を覚えたフロンターレの選手が、興奮の面持ちで主審に真意を問い正す。
2階席のサポーターも、極度に興奮。度重なるオフサイドに対する不満も加わり、野次とブーイングの嵐。
幾ら何でも、この判定は納得出来ない。どうしてアイルトン選手が、一方的に悪者扱いとなるのか、全く持って理不尽だ!!
この直前、本間選手とアイルトン選手が交錯
もがき苦しむアイルトン選手に対し
主審はイエローカードを掲げる
ピッチ上は一瞬にして異様な光景に
もがき苦しむアイルトン選手をよそに
緊迫かつ騒然した雰囲気に
主審が線審のもとに駆け寄り、プレーを確認。長きに渡る協議を経て、主審がペナルティエリア付近に戻ってきた。
本間選手の元に駆け寄り、レッドカードを高々と掲げる。その瞬間、本間選手は極度の興奮に陥り、激しいアピールを繰り返す。
線審のもとに本間選手が駆け寄り、猛烈な抗議に打って出る。本間選手の怒りは静まらず、露骨な激情をあらわにする。
調子に乗ったフロンターレサポーターは「さよならさよなら、本間! オフサイドオフサイド本間!」と、揶揄と皮肉を込めたコールが沸き起こる。
こらこら、余りに度が過ぎると、サポーターとしての素質が問われかねないぞ。
審判同士の協議は、かなりの時間を要した
その結果、導かれた判定は・・・
本間選手に対し、退場の判定
本間選手の怒りは一瞬にして頂点に達し
審判に対して猛抗議
しばらく混乱が続いたが
最後は本間選手もユニフォームを脱いで
アンダーシャツ姿のまま、ピッチを後にする
水戸は選手交代枠を使い果たし
フィールドプレーヤーがGKを兼ねざる得ない
苦境に立たされた
さあ、絶好の位置からフロンターレのフリーキックだ。正GKが去った今、最高のチャンスが到来した。
・・・どうしたのだ?今度はフロンターレの選手と審判がもめている。一体何が原因で、無駄な抗議をする必要があるのか。
状況ものめぬまま、アイルトン選手も退場処分。フロンターレのキックは水戸の足元を狙ったものの、ゴール枠にすら収まらず、勢い良くゴールラインを割ってしまった。
その直後、オーロラビジョンには「ロスタイム 5分」の表示が。水戸が相手である以上、90分以内の勝利をおさめねば、実質的には敗戦も同然だ。
さあ、ここから反撃開始・・・。が、ロスタイムの表示から僅か2・3分経過したところで、主審の長い笛が響き渡る。
短過ぎるロスタイムに場内は騒然。それでも直ぐに気持ちを入れなおし、フロンターレコールが沸き起こる。
が、水戸相手にまさかの延長突入。一時期は調子が戻ったと思えど、再びこれ程までに凋落するなんて・・・。
ロスタイムの表示は、異例の5分
まだ時間は沢山ある!
相手を考慮すれば、90分での勝利が絶対だ!
・・・が、フリーキックは
ゴール枠すら捕らえない
ゴールを守るのはGKでないのに
フロンターレの惨状が、如実になった瞬間
延長突入をアナウンスする、DJの声までも震えている。試合状況の冷静な案内に長けた筈も、異様な天候と試合内容にのまれてしまったのか、もう声の震えを隠せない。
気持ちを入れ直し、延長戦に突入だ。10対10の戦いなれど、意地でも負けられないぞ!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜
開始早々、我那覇選手(背番号17:FW)が至近距離から一撃!ボールは石川選手(背番号21:GK)の足元をすり抜け、水戸ゴールに迫る。
が、ゴールポストに嫌われた。跳ね返りをシュートを再三シュートするも、水戸も必死に守り抜く。
写真で振り返ると
相手GKを振り切っていた
が、決定的な場面も、ポストに激突
延長に突入すれど、フロンターレのオフサイドは頻発するばかり。水戸も速攻から一発逆転を狙うも、もう余力は残っていなかった。
フロンターレが個人能力の差を生かし、強引な攻撃に切り替える。左サイドのセンタリングから、水戸ゴール前でもつれにもつれる。
林選手がダイビングヘッドでVゴール。最後は水戸を力で封じ込め、辛くも勝利をあげました。
林選手のヘッドが炸裂
最後は強引に押し切り
水戸の粘りを突き放した
試合終了後は、両者それなりに和解ムード
一時期の険悪な雰囲気を
後々まで引きずって欲しく無いものだ
確かに勝利だ。だが、下位に低迷する水戸相手に、延長勝ちとは到底納得出来ない。
ホームでありながら、水戸のペースにはまってしまった。悪天候であればホームのチームがより優位と思いきや、今のフロンターレには、その力すら喪失してしまったのか。
これでは再び低迷しかねない。石崎監督就任以後、最大の試練はこれから訪れるのかも知れない。
この程度の実力では、今後対戦を控える鳥栖・甲府ですら勝利は保障出来ないだろうし、苦戦を強いられるのは、誰の目にも明らかだ。
現実を直視したくは無いが、これが今のフロンターレ。後味の悪さばかりが印象に残る、不満の一戦でした。