清水エスパルス　ＶＳ　セレッソ大阪

〜　第８１回天皇杯　決勝　〜

2002年の到来と共に、天皇杯もクライマックス。激戦の末、強敵清水を粉砕したフロンターレは、宿敵浦和レッズとの対決を迎える！
赤い悪魔なんて怖くない！石崎監督の下団結したフロンターレであれば、向うところ敵無しだ！！
天皇杯はフロンターレが頂戴した。Ｊ１に復帰出来なかった無念を、今ここで晴らしたぞ！！

・・・のつもりが、元旦決戦に駒を進めたのは、清水エスパルスとセレッソ大阪。多数の観客で膨れ上がった国立競技場で、決戦の火蓋が切って落とされようとしている。
天皇杯を手中に収めるのは、果たしてどちらのチームだろうか。激戦を前にして、興奮の度合いが、高まるばかりである。
中立的な立場の私であるが、自然に身震いが。体中に熱い血が充満し、熱戦が待ち遠しいばかりである。

天皇杯の決勝戦とくれば
競技場は混雑間違えない
予想通り、門の前はご覧の人だかり
行列の最後尾を探し出すも
中々発見出来ない





一番空いてあろう、セレッソ側の行列に加わる
それでも30分前後は、並んだであろうか
何とか場内に辿りつくと
清水のゴール裏は満席寸前
素直にセレッソ側に並んで、正解だった





清水のゴール裏は、早くも凄い賑わい
マスコットのパル君が、機敏なアクロバティックを披露し
サポーターも大いに盛り上がる





セレッソのマスコット、ロビー君が登場
パル君とは対照的に
観客席に愛嬌を振舞う程度で
至って大人しい彼である





が、セレッソのサポーターも黙っていない
ロビー君に掛け声を浴びせ、パル君に対抗して
アクロバティックな技を要求する
当初は消極的なロビー君も
反動をつけて、側転の体勢に入る





ロビー君も見事に成功！
中のお兄さま（笑）、ご苦労様です





決戦の時が、ひたひたと迫る
冒頭、財団法人日本サッカー協会
会長の岡野俊一郎氏が壇上でご挨拶





演歌歌手の氷川きよしさんが、突如壇上へ
キックオフに先立ち、「君が代」を熱唱
よっつ、日本一・・・てかぁ？





日本一を決める戦いが、間近に迫る
清水のゴール裏は
オレンジ一色で埋め尽くされる
ああ、アレがフロンターレであれば・・・





対するセレッソも負けてはいない
サポーターひとりひとりの声援は大きく
清水に匹敵する勢いだ

清水のキックオフで、熱戦の火蓋は切って落とされた。
清水が一旦右サイドへボールを叩き、ボールを中央へ戻す。一度はセレッソにボールが渡るも、清水すかさずが奪い戻す。
左サイドへ展開を図り、セレッソゴール前へセンタリング。久保山選手（背番号15：FW）がボールに合わせるも、これはセレッソのGK下川選手（背番号1）がキャッチ。

直後セレッソが速攻に転じる。サイドから中央の田坂選手（背番号4：MF）を経由し、ボールは右サイドへ。
鮮やかなサイドチェンジを経て、ボールは逆サイドへ。そのまま清水のゴールライン付近へと迫り、低いクロスボールが繰り出された。
清水のゴール正面めがけ、森島選手（背番号8：FW）が一直線に駆け上がる。セレッソのシャープな攻撃を見ると、これが本当にＪ２に陥落するチームなのか、目を疑いたくなる限りである。
こんな強敵と今季対戦するなんて・・・、先々が思いやられそうだ。

森島選手の縦の動きは
実に素早くシャープの一言

セレッソの優位がなおも続く。前後左右にパスを回し、じわじわと清水サイドを侵食する。
浮かしたパスを清水ゴール前へとしきりに繰り出す。清水のクリアはやや単調で、セレッソは更に圧力を加える。
尹選手（背番号6：MF）の足元へ鋭いパスが。ボールを受けるや否や、鋭い切れ込みで清水ゴールを狙う。
清水ゴール直前には、森島選手と大柴選手（背番号9：FW）の姿が。清水も彼らにボールを渡さぬと、必死の守備で序盤の危機を耐え凌ぐ。

清水もカウンターで大逆襲。最前線のバロン選手（背番号18：FW）へパスが放たれるが、ここはオフサイドの判定を受けたようだ。
セレッソは中盤で優位な試合運び。自在なパス回しを軸に、清水の一瞬の隙を突いて、縦パスを何度も繰り出してくる。
その狙いは清水ディフェンスの背後。セレッソは更に攻勢を強め、清水のペナルティエリア付近に迫り立てる。
尹選手がペナルティエリアに侵入し、左の位置からラストパスが。ふわりと浮いたボールは清水のGK黒河選手（背番号20）の頭上を通過し、森島選手の足元へ。
森島選手がトラップし、シュートの体勢へ。清水もディフェンス陣が懸命に戻り、辛うじてボールをゴールラインに蹴り出した。

尹選手が滑らかなラストパスを披露
黒河選手もボールを見送るのが精一杯で
清水ゴール直前へボールが落下





ボールは森島選手へと繋がった
だが、清水DFも懸命に戻り
ボールをカットして失点の危機を防ぐ





コーナーキックのこぼれ球を、尹選手がシュート
更にルーズボールを狙ったものの
清水も懸命に守り抜いた

清水も直後カウンターに転ずる。右のオープンスペースに久保山選手が攻め込むも、セレッソも田坂選手が密着マークで対抗。
更にサイドチェンジから平松選手（背番号13：MF）へ。豪快なドリブルで前進を図るも、セレッソDFも体を入れて、平松選手の突破を封じ込める。
平松選手のファウルを誘い、セレッソもカウンターで対抗。左サイドに大きなパスを繰り出す。
一度は清水に奪われつつも、直ぐに奪い戻して前線へ。大柴選手がすかさずセンタリングを繰り出し、ゴール正面の森島選手へ。
至近距離から強烈な一撃！誰もがセレッソの先制点と思ったが、ボールは黒河選手の足に接触し、清水のディフェンダーが懸命にボールを蹴り出した。
クリアボールを更に一撃。セレッソの勢いが圧倒的で、清水は苦戦を強いられる展開だ。

これは完璧に決まったと思ったが
清水の守備も懸命にクリアした
（さっきから清水のゴール前の
写真ばっかりのような気が・・・）





セレッソは守備面でも充実
澤登選手（背番号10：MF）を
田坂・杉本（背番号24：MF）が
一瞬にして囲い込む
澤登選手もクロスを放ったが
プレッシャーの余り、コースが乱れた

清水の攻撃も僅かな時間に留まる。セレッソは濱田選手（背番号32：MF）から尹選手へとボールを繋ぎ、一直線のドリブルで清水ゴールに迫る。
その勢いに清水の守備も圧倒されたのか、痛恨のファウルを喫してしまう。
場面はセレッソのフリーキックへ。清水の選手が壁を作り、セレッソの選手も前方を凝視する。
が、ボールは低く蹴り出され、意表を突いて逆サイドへ。森島選手が鋭く抜け出しを図り、フリーの体勢で豪快な一撃！
・・・のシナリオは崩れ、豪快な空振り（笑）で幕を閉じる。清水もセレッソサイドへと押し戻し、三都主選手（背番号8：MF）が得意のロングスロー。
スローインとは思えぬ鋭いボールが、セレッソゴール正面へ。セレッソの守備もクリアするも、清水が直ぐに奪い戻す。
バロン選手から澤登選手へと繋ぎシュート。続けて右サイドのオープンスペースを、平松選手がドリブルで前進を図る。
セレッソも田坂選手が対抗。ゴールライン付近で互いに粘った末、平松選手が耐え切れず、セレッソのゴールキックでプレーが再開する。

三都主選手のスローインは
とにかく凄いの一言
私が普通にボールを投げるより
絶対に鋭いボールだ（爆）

清水は縦パスから、バロン選手が突破を仕掛ける。セレッソの選手がバロン選手押し倒し、場面は清水のフリーキックへ。
三都主選手が放ったボールは、大きくぐっと左に旋回。バロン選手の足元に見事に通った。
すかさずヒール気味のシュートを放ものの、ここは下川選手が押さえ込む。清水が更に攻勢を強め、三都主選手が得意のサイドアタック。
が、清水の攻撃は今ひとつ中途半端。三都主選手は食い止められてしまい、続けて中盤後方からパスを繰り出すも、前線の選手へ全然繋がらない。
やや押されがちのセレッソであったが、大柴選手がドリブル独走からシュートを放つ。豪快に右足を振りぬいたものの、清水のゴールを捕らえなかった。

両者互角な展開と思いきや、事態は突如変動を迎える。
清水が左サイドを攻め返す。セレッソの守備の綻びを狙い、三都主選手が前線に攻め立てる。
三都主選手の個人技が炸裂。パスを受けるやセレッソの選手を何人も振り切り、一瞬の隙を突いてシュート。
ボールはセレッソゴールに突き刺さる。三都主選手の芸術的なテクニックに、オレンジ一色の清水ゴール裏も俄然盛り上がる。

三都主選手がセレッソの選手に挟まれるも
卓越したテクニックで鮮やかに振り切った





先制ゴールを決めて、満面のポーズ
彼が日本代表の隠し球なら
極めて心強い限りだ
（こんなに絶好調で
本当に体調不良なの？？）

リスタート後も清水が依然として優位な状況。右サイドにすかさずロングパスを繰り出し、久保山選手が一直線に走り込む。
セレッソは杉本選手が辛うじて追い付き、ボールを大きく蹴り戻す。無理な体勢が災いしたのか、敢え無くゴールラインを割ってしまう。
三都主選手のコーナーキックは、セレッソゴール真正面へ。バロン選手が長身を生かし、強烈なヘディングシュートをお見舞いする。

清水の猛攻も一段落し、セレッソもようやく反撃開始。清水のボールを奪い取るや、尹選手らが俊足を飛ばして清水のペナルティエリアに一気に詰め寄る。
最後は森島選手へボールを託す。清水ディフェンス陣のミスを誘発し、逆にコーナーキックのチャンスを掴む。
鋭いボールが放たれるも、ボールは黒河選手の手中へ。清水は三都主選手が余裕のドリブルで、中央突破から一瞬にしてセレッソゴールへ押し戻す。
一旦は田坂選手がクリアするも、清水は澤登選手を中心に、大きなワンツーを交えて攻め立てる。
再びコーナーキックの機会が訪れ、澤登選手がキックを担当。綺麗に放たれたボールに対し、久保山選手がヘディングシュート。
清水の鮮やかな個人技が眩いばかり。高度なテクニックが花開いた瞬間でもある。

清水がドリブルとパスを巧みに交え
澤登選手がミドルシュート
下川選手のこぼれ球を
久保山選手が押し込みに入るも
下川選手も懸命に追い付いた

清水の一方的な展開が続く。三都主選手がセレッソの選手の動きを計算し尽くした、ロングパスを繰り出した。
セレッソの選手が懸命に足を伸ばすも、ボールは逆サイドの澤登選手へと繋がった。
ドリブルでセレッソのゴールへ迫り、きつい角度ながらもシュートで締めくくる。
三都主選手の天性の感性には驚嘆の一言。今のパスも視線を前に集中させながら、横方面へのロングパスが完璧に決まったからだ。

清水の時間帯が長く続くも、セレッソもようやく逆襲へ転じる。右サイドにパスを繰り出し、前後のパスを交えて前進を図る。
久々の反撃に清水のDFも反応が鈍ったか、セレッソの速攻を止められない。ラストパスが最前線の選手に繋がり、セレッソは待望の大チャンスが。
ここは清水の守備陣が守り抜く。一度は清水に反撃を許すものの、セレッソは大柴選手にパスを繰り出し、カウンターを仕掛けて来た。
しかし、これも清水の守備陣に囲まれてしまい、攻勢はあっさりと途絶えてしまう。逆に清水が左右にボールを回し、三都主選手が斜め角度から、セレッソゴールへ大接近。
飛び出しを図った下川選手もあっさりと振り切り、緩いラストパスを繰り出す。セレッソゴール真正面にはバロン選手が待ち受け、清水の2点目は確実かに思えた。
だが、セレッソにも意地がある。ディフェンスが必死のスライディングを披露し、絶体絶命の危機を耐え抜いた。

バロン選手がシュートの体勢に入るも
セレッソも懸命のスライディングで
失点を免れる

セレッソも直後は速攻から反撃へ。しかし長時間の守備で好守の切り替えが鈍ったのか、全然チャンスへと繋がらない。
清水は左サイドを機軸に攻める。セレッソも何とか防御に入るも、充実した清水の選手を止められない。
ボールを巧みに繋いで、センタリングを繰り出す。バロン選手がヘディングシュートの体勢に入るも、このボールはコースが乱れ、清水にしては珍しいミスである。

清水の最終ラインは、中盤付近まで引き上げている。試合の主導権を完璧に握ったと、自負の念であろうか。
セレッソはドリブルとパスを交えて中盤まで進むも、清水の分厚い守備を打ち崩せない。
清水はあっさりとボールを奪取し、豪快なドリブルで逆襲に転じる。最後はゴール正面のバロン選手へ。
セレッソも懸命にスライディング入るものの、バロン選手が一足早く、軽快なシュートが炸裂する。
下川選手のセーブも遠く及ばない。これも確実にゴールかと思ったが、浮いたボールはクロスバーに嫌われた。
清水の選手に動揺の素振りは無く、平松選手が後に続く。セレッソも彼をラフプレーで倒し、警告で止めるのが精一杯の窮状だ。

バロン選手の鮮烈な一撃が炸裂
今度こそ完璧に決まったと思いきや
ここはクロスバーに嫌われた

フリーキックは澤登選手が担当。ボールはセレッソの壁に激突し、タッチラインを割った。
清水はスローインから、澤登・久保山選手が連携で攻め立てる。だが、澤登選手が珍しくもボールコントロールに失敗し、セレッソのゴールキックでプレーが再開。
が、ボールは直ぐに清水の選手へ。中盤でボールをじりじり回し、高い縦パスを繰り出す。
ボールは宙を舞い、セレッソゴールへ一気に迫る。セレッソDFも届く術が無く、頭上のボールを呆然と見送る限り。
鮮やかなパスは、最前線の久保山選手へ繋がった。セレッソは斉藤選手（背番号3：DF）がプレッシャーを浴びせるも、コーナーキックに逃れるのが精一杯。
コーナーキックのこぼれ球は、清水がミドルシュート。直後セレッソもカウンターに転じ、左サイドを攻め立てる。
センタリングまで持ち込むも、黒河選手が冷静にキャッチ。セレッソのチャンスは極めて限定されるだけに、連携の乱れは惜しまれる限りだ。

清水の平松選手（左端）が
体を折り曲げながらもセンタリング
滑らかなボールコントロールは
鍛えられた個人技の成せる業だろうか

前半も残すは僅かな時間。清水の圧倒的な勢いを前に、セレッソは必死の守備で耐え凌ぐ。
セレッソは無我夢中で前進を図るものの、充実した清水の守備に対し、通用する術も無い。
清水の攻撃は余裕すら感じられる。ゆっくりと左サイドを攻略し、スローインから中央に戻す。
最後はバロン選手が得意のヘッド。程なくロスタイムに突入し、電光掲示板には１分と表示される。

ロスタイムは極めて短く、このまま清水が優位なまま、前半戦を終了するのか。
だが、セレッソも最後の逆襲。右サイドでフリーキックを掴み、キッカーの尹選手（だったかな？）が全神経をボールに集中させる。
選手とサポーターの願いが託されたボールは、最前線の選手へ鮮やかに繋がる。清水ゴール前で混戦に突入するが、残念ながらシュートは放てなかったようだ。

サポーターの大声援にかき消されるも、主審が前半終了のホイッスルを吹く。
清水の鍛え抜かれた個人技に対し、セレッソはスピードで対抗。前半に限って述べれば、清水の勢いが圧倒していた。
セレッソは序盤のチャンスを逃したのが痛かった。仮に1点でも先制していれば、展開に多少は変動があったのかも知れない。
このまま清水が実力差で逃げ切るか。それともセレッソが劇的なドラマを演出するか。
決勝戦に相応しい、手に汗握る好ゲーム。腰掛けて観戦する私であるが、体中の血は熱く煮えたぎっている。

セレッソもロスタイムでチャンス到来
ここは清水が分厚い守備で対抗し
前半戦は清水が1-0で折り返す





ハーフタイムに突入すると
係員が柵を持って登場
その用途はもちろん・・・





興奮した観客が乱入阻止するのが目的
でも、清水・セレッソ両サポーターとも
ボルテージは高揚しているが
節度ある応援を心得ているので
余りぴりぴりする必要は無いかも

後半開始のホイッスルが、ひたひたと迫る。場内の空気は熱気を帯び、ゴール裏のボルテージは高揚の一途。
盛大な声援と熱気が溢れる中、真の日本一の座を賭けた、残り45分が開始される。
セレッソが先制パンチのパスを繰り出す。立ち上がりの隙を突く公算は、試合巧者の清水には通用しなかった。
逆に清水が右から切れ込みを仕掛ける。最前線の選手にスルーパスが通り、瞬く間にして、ペナルティエリアへと進入を図って来た。
セレッソの守備は慌てたのか、田坂選手が背後から引っ掛けてしまう。
清水の選手が豪快に倒れ伏せる。清水のPKか？いや、辛うじてペナルティエリアの外だったようだ。

田坂選手がプッシングか何かの反則
遠目からでは清水のPKに思えたが
ギリギリでペナルティエリアの外であった





セレッソゴールとの距離は僅か
清水の充実したFKのスペシャリスト達は
どのコースを狙うのだろうか

清水の鮮烈なフリーキックが炸裂。セレッソのゴールを僅かに掠め、超興奮状態のゴール裏。
セレッソも速攻から左サイドへ。杉本選手が険しい表情からクロスボールを繰り出すも、その前にボールはゴールラインを割っていた。
セレッソはミドルレンジから盛んにパスを繰り出す。だが、ボールの精度は低く、目立ったチャンスは生まれない。
試合に変動が乏しいので、ちょこっとトレイ休憩（笑）。これがフロンターレ戦であれば、死んでも我慢していただろう。

大急ぎで席に戻ると、試合展開は先程までと変わらぬ模様。セレッソは左サイドに狙いを定めるも、清水の堅守が立ちはだかり、思った展開に持ち込めない。
それでもセレッソにコーナーキックの場面が。ショートコーナーから中央にボールを戻すも、清水の選手が一気に詰め寄って来る。
その勢いに驚いたのか、セレッソの選手はバックパスで逃れる。清水の選手は更に詰め寄り、執拗にプレッシャーを浴びまくる。

セレッソのバックパスに対し
清水の選手が一気に距離を詰める
これだけ厳しいプレッシャーが相手では
バックパスが精一杯か





セレッソは田坂選手から森島選手へ
更に左サイドの杉本選手へ繋ぐも
清水も古賀選手（背番号3：DF）が
スライディングで対抗する

セレッソは左サイドを攻略するも、結局は杉本選手がファウルを犯す。判定に不満なセレッソサポーターが、盛大なブーイングを浴びせる中、清水のフリーキックでプレーは再開。
清水が速攻に転じ、一瞬にしてセレッソゴールへと迫る。混戦からループシュートが繰り出され、清水が2点目をゲットしたか。
いや、ここは副審の旗があがり、オフサイドの判定が下された。清水の2点目は、またも幻と消えた。

プレーは黙々と続行される。三都主選手が接触プレーで倒れ、苦悶の表情を浮かべもがき苦しむ。
清水のゴール裏からは盛大な「アレック！」コールが。登録名が三都主に変更されど、愛称はアレックスそのままらしい。
三都主選手は中々立ち上がらず、セレッソのゴール裏からはブーイングが。リスタート後はセレッソが左のフリースペースを攻略し、細かく繋いで右サイドへと流す。
更にボールを繋いで、清水ゴール正面から尹選手がシュート。セレッソらしいスピード感溢れる攻撃ではあったが、肝心のシュートはゴールを捉えなかった。
直後セレッソは、選手を2名交代。大久保選手（背番号15：MF）と岡山選手（背番号25：FW）を投入し、攻撃性を一層高める狙いだろうか。

セレッソは速攻から、再度決定的な場面が
ゴール前には絶妙のボールが放たれるも
最後の詰めが甘いのがネック

選手交代が効果を発揮したのか、セレッソが優位な時間帯へ。中央で清水のボールを奪い取り、左サイドへ展開を図る。
濱田選手へ縦パスが繰り出されるも、清水も森岡選手が先回り。それでもセレッソは攻勢を強め、タッチライン付近でフリーキックのチャンスを掴む。
が、突如場内が騒然の嵐。ゴール前で平松選手が乱暴を働き、一触即発寸前へ。
フラストレーションが蓄積した、セレッソのゴール裏からは、強烈なブーイングが交錯する。

ボールとは無関係な場所での
平松選手のご乱心

しばらく混乱が続いたものの、平松選手が警告を受け事態は収拾へ。セレッソのフリーキックと思いきや、実際にはスローインでプレーが再開。
清水がボールを奪い取り、右サイドのオープンスペースへパスを繰り出す。セレッソの守備は手薄なエリアで、パスを受けた清水の選手が、一気にセレッソゴール前へと迫り来る。
だが、セレッソの選手も踏ん張った。最後方の選手が懸命に後を追い、清水の選手からボールを奪い戻す。
そして両者が激しい攻防へ。大きなパスを盛んに繰り出し、ボールの位置は目まぐるしく変動する。

セレッソは再び左サイドを攻略。清水の厳しいマークを掻い潜り、鋭いセンタリングを繰り出す。
清水ゴール斜めの位置で、セレッソの選手（森島選手か？）が胸でトラップ。ボールは後方へ反れてしまうも、後方から選手が一気に駆け上がり、強烈なミドルシュートを放って来た。

セレッソは左サイドを重点的に攻める

セレッソの攻撃も一段落し、清水が攻勢を強める流れへ。中盤の混戦からサイドチェンジを試みるも、右サイドへのボールは誰も届かない。
だが、清水は更に攻め立てる。右サイドでフリーキックのチャンスを掴み、澤登選手が冷静にキックを繰り出す。
セレッソのクリアボールは、清水の選手へと渡る。折り返しを図った所で、セレッソの選手が痛恨のファウル。
先程と殆ど同じ箇所で、清水が再度フリーキックの場面。澤登選手が再び身構えるや、高精度なボールがセレッソゴールに迫る。

セレッソのゴール前では、両チームの選手がせめぎ合う。森岡選手が僅かな隙を割って入り、ボールを軽く頭で合わせる。
鮮やかなヘディングシュートが炸裂だ！ボールはセレッソのゴールに突き刺さり、清水は待望の2点目をゲット。
これで清水の優位は、より一層決定的になった。

森岡選手が完璧なタイミングで
セレッソゴール前に飛び込んだ
セレッソゴールのネットを大きく揺らし
森岡選手は会心のガッツポーズ





そのまま地面に倒れ伏せ
味方の手荒い歓迎を受ける
セレッソ相手に、これで2点差
清水の日本一が、徐々に見えて来たぞ





オレンジ一色の清水ゴール裏も
盛大に揺れ、はちきれんばかりの歓声が響く

セレッソには致命的な2点目が。その直後から選手には焦燥感が漂う。
中盤ではラフプレーが頻発する、選手達からは冷静さが、明らかに影を潜めつつあるようだ。
それでもセレッソはフリーキックのチャンスを掴む。左サイドへの展開を図るものの、清水のプレッシャーが非常に厳しい。
無謀にもセンタリングを放つものの、敢え無く失敗に終わってしまった。

セレッソサポーターの声援も、徐々に悲壮感が漂い始める。セレッソは中盤から体勢を立て直し、前線へパスを繰り出してはいるのだが、清水の守備を崩すには至らない。
セレッソの焦りをあざ笑うかの如く、清水は三都主選手がサイドアタック。セレッソのペナルティエリアに侵入を図るものの、セレッソも室井選手（背番号36：DF）が対抗する。

時間が経過するにつれ、セレッソの焦りは増加の一途。中盤から盛んにパスを放つも、最前線に構える選手は全くおらず、清水の選手にボールは渡ってしまう。
無駄なパスを繰り返すばかりで、活路が全く見出せない状態。2点差の重圧が重くのしかかり、セレッソは窮地に追い込まれる一方だ。

セレッソが中盤からパスを繰り出すも
最前線には味方が不在
セレッソの窮状を物語るプレー

対する清水は余裕のプレー。中盤では巧みにパスを繋ぎ、個人技を交えて右サイドを展開。
余裕から生まれる軽快なパスワークは、セレッソ側からすれば恨めしい限り。セレッソも中盤まで押し戻し、両サイドの突破を仕掛けるも、思ったように前進をはかれない。
選手の苛立ちは、誰の目にも明白だ。紳士的な森島選手が主審に対し、珍しく強い口調で抗議を唱えている。
セレッソのフリーキックでプレーが再開。一転して中央突破に切り替えるも、清水も戸田選手（背番号4：MF）らが立ちはだかり、この攻撃も実を結ばない。

岡山選手のプレーに対し
清水も戸田選手が執拗にマーク
分厚い清水の守備に対抗し
中央突破を図るのは
かなり厳しいと言わざるを得ない

セレッソはそれでも必死に食い下がる。左サイドで清水のファウルを誘発し、フリーキックのチャンスを掴む。
ボールは大きく弧を描き、清水ゴールへと迫る。斉藤選手がヘディングシュートを狙うも、詰めの甘さに泣かされる。
逆に清水が怒涛のカウンター。右サイドでセットプレーのチャンスを掴み、セレッソゴール前で混戦へともつれ込む。

セレッソは再び窮地に立たされるのか・・・。嫌な予感が漂い始めた矢先、難波根性が突如大爆発。
清水の猛攻を耐え凌ぎ、セレッソが一気に前線へフィード。真中選手（背番号33：FW）らを経由し、ボールは森島選手へ。
清水ゴール前は混戦になりつつも、森島選手が一足早く胸でトラップ。
そしてシュートが炸裂！。ボールは清水ゴールの角に吸い込まれ、セレッソが1点を取り戻したぞ！

森島選手の余りのスピードに
カメラが追い付かなかった
圧倒的に不利な状況を覆し
セレッソが1点を取り戻した





森島選手も冷静を装い
急いでセンターサークルに戻る
後半も残りは限られた時間のみ
目先の1点を喜ぶよりも
先ずは同点に追い付くのが先決だ

この1点でセレッソの選手が蘇る。先程までの劣勢が嘘のように、怒涛の攻撃を繰り広げる。
清水ゴール前にボールを集中させ、もはや一方的な展開だ。清水の選手からは余裕の表情が失せ、セレッソの猛攻を懸命に耐え凌ぐ。
セレッソがフリーキックのチャンスを掴んだ。ヘッドでボールを繋ぎ、清水ゴールへとひた迫る。
清水ゴール前にはこぼれ球が。森島選手がそれを見逃すはずも無く、素早く飛び込むや否や、鮮烈なシュートをお見舞いする。
ボールはギリギリで外れるものの、セレッソの勢いは圧倒的。ゴール裏のサポーターも、大いに沸き返る。

セレッソの攻撃は更に続く。左サイドから中央に折り返し、縦パスからシュートの体勢に入る。
清水の守備陣も防戦一方で、ゴールラインに逃げるのが精一杯。セレッソのコーナーキックは、一度は清水がクリアするも、場面はセレッソのスローインへ。
大久保選手のポストプレーを交え、セレッソが更に圧力を強める。清水はここでも守備一辺倒で、再度セレッソがコーナーキックを迎える。
最後は黒河選手がキャッチするも、サポーターのボルテージは最骨頂。割れるような大声援が、場内に盛大に響き渡る。
森島ゴールがみたーい、みたーい、みたーい
森島ゴールがみたーい、ラララララーララーラー

セットプレーからセレッソが怒涛の攻撃
清水の守備も余裕が失せ
単発のクリアすらおぼつかなくなる

セレッソの猛攻は止まらない。一度は田坂選手が判断に迷い、清水の反撃を受けてしまうも、すかさず断ち切って、中盤から左サイドに展開する。
ゴール正面に高いボールを放つ。ゴール前に大久保選手が詰め寄るも、清水は黒河選手が辛うじてキャッチ。
ならばと尹選手が右角度からシュート。これは逆サイドに流れるも、流れ球を味方の選手が追い付き、清水ゴール正面へ高いボールを折り返す。
岡山選手と黒河選手が、激烈な空中戦を演じる。岡山選手がキーパーチャージを犯してしまうも、セレッソの押せ押せムードには、何ら変動が見られない。

岡山選手と黒河選手が
壮絶な競り合いを演じる

セレッソサポーターの盛大なブーイングの中、黒河選手のキックでプレーが再開。セレッソは即座にボールを奪い戻し、ぐんぐん前へ突撃を図る。
大久保選手へ鮮やかなパスが。清水も黒河選手らが懸命に守り抜くも、セレッソが猛然と攻め立てる。
セレッソの選手がミドルシュートを放ったのか、黒河選手がボールをキープし切れない。こぼれ球がペナルティエリア内を転々とし、それを目掛け、尹選手が突進を図る。
清水の選手がたまらずファウル。主審が尹選手の元へ駆け寄り、地面を堂々と指差した。
※訂正とお詫び：実際に倒されたのは大久保選手でした。

セレッソは待望のPKをゲット！！清水の選手が主審に詰め寄るも、判定は覆されず。
それと同時に、電光掲示板にロスタイムが3分と表示。最後の最後で、劇的なドラマが待ち受けるなんて。
チーム全体で掴んだ、同点のチャンス。セレッソのサポーターも尹選手をコールし、期待は高まるばかりだ。

セレッソのシュートを、黒河選手が弾く
そのこぼれ球を目掛け、尹選手が突進を図る
（私も興奮していたので、事実と異なるかも）





ゴール側面に抜け出した尹選手に対し
清水の選手が痛恨のファウル
清水の選手が異議を唱えるも
PKの判定は揺ぎ無い

サポーターの声援に後押しされ、尹選手がPKの準備に入る。清水ゴール前には黒河選手が構え、必死の抵抗を試みる。
尹選手のキックが炸裂！黒河選手は完全に逆を突かれ、ボールは楽々と清水ゴールへ滑り込む。
セレッソが土壇場で同点に追い付き、試合はそのまま延長戦へなだれ込む。真の覇者を決めるに相応しい激戦に、場内は興奮の渦に包まれる。
熱戦を制するのはサッカー王国の清水エスパルスか、それとも難波の勇者、セレッソ大阪か。
試合は一瞬たりとも見逃せない。インターバルの5分間が、異様に長く感じられる。

極度に緊張感が高まる場面ながらも
尹選手は憎らしいほど冷静であった
黒河選手を軽くあしらい
PKが清水ゴールに突き刺さる





選手たちは歓喜の表情を浮かべ
ゴール裏に駆け寄った
2点差の逆境をひっくり返し
全員で掴み取った同点ゴール





ゴール裏のサポーターも大興奮
Ｊ２に陥落するなんて
実は冗談じゃありませんか？？

さあ、延長戦へ突入だ！。立ち上がりは中盤が混沌とするも、清水が同点に追い付かれた素振りも見せず、徐々に実力を発揮しつつあるようだ。
セレッソサイドへと押し戻し、速攻からコーナーキックのチャンスを掴む。鋭いキックはセレッソのゴールを横切るも、セレッソはクリアし切れない。
再び清水のコーナーキックへ。ゴール前の混戦に縺れ込むも、ここはセレッソがクリアする。
セレッソはそのまま逆襲へと転じ、清水ゴールの前へ激しい競り合い。
岡山選手と黒河選手が、熾烈な空中戦を演じる。こぼれ球を押し込めば劇的Ｖゴールと思いきや、このチャンスは結局潰えてしまう。

岡山選手と黒河選手が
再び激しい空中戦を演じる

セレッソのパスが中盤で乱れ、清水が速攻へと転じる。更にゴール前でクリアミスを招き、絶体絶命のピンチを招いてしまう。
ここはセレッソが耐え抜いたが、もう彼らは力尽きる寸前であった。清水は更に攻勢を強め、セレッソの息の根を止めに入る。
素早いパス回しを基点に、前線の選手が一斉に攻め立てる。清水の圧力にセレッソの守備は耐え切れず、一気に崩壊の道を辿る。
何度もシュートを繰り返し（実際には三都主選手のアシスト）、バロン選手が止めの一撃。清水エスパルスが悲願とも言える、初の天皇杯王者に輝いた瞬間でもあった。
セレッソの選手がピッチに崩れ落ちる。最後の最後まで全力で戦い抜くも、王者の壁は厚かった。

清水が立て続けにシュートを浴びせる
最後はバロン選手が至近距離から
強烈なＶゴールを叩き込む





勝利と同時に、三都主選手がゴール裏へ
サポーターの元へ駆け寄り
勝利を共に分かち合う





感動の余韻に浸る中
表彰式が開催される
最初に審判団にメダルが授与され
準優勝チームのセレッソ大阪が壇上へと続く





続けて優勝チームの
清水エスパルスイレブンが壇上へ
表彰状や盾などを授与される
選手たちが振りまく満面の笑みは
真の王者に相応しい





最後に栄光の天皇杯を授与
森岡選手がゴール裏に向け
堂々と杯を掲げる





表彰式の後に、ゴール裏へと駆け寄り
杯を掲げる清水の選手たち
記者団にももみくちゃにされ
想像を絶する興奮に包まれる





セレッソの選手の健闘も光った
全力を尽くした感動の一戦に
改めて拍手を贈りたい

興奮と感動の熱戦だった。当初は第三者的な立場での観戦と思いきや、知らず知らずの間に血が熱く燃え盛り、場内と一体化してピッチを凝視していた。
その雰囲気と熱気はもの凄く、思わず声援を出したくなった位だ。
決勝戦の名に恥じない、白熱した大接戦は大満足。両チームの選手・スタッフ・サポーターなどなど、惜しみない拍手を贈るばかりである。

来年こそは国立の舞台に立てるよう、フロンターレをサポートし続けなければ。え？その前にあんな強敵が、本当にＪ２に陥落するのかって？？
開幕を前に恐怖が先立ってしまう。今年のリーグ戦はセレッソ大阪の参入で、壮絶なデットヒートになるのだろうか。
感動もそこそこに、恐怖心が先立つ。ああ、先が思いやられるなぁ。

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