川崎フロンターレ VS 湘南ベルマーレ

〜 J2 開幕戦 〜



日   時 2002年3月3日 13:01
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 曇り
観 客 数 5,159人
試  合  結  果
川    前  半 湘   南
後  半
     
     
     
得   点   者
飯尾 一慶 75分   36分 パラシオス


待望のシーズンが遂に開幕。昨年の雪辱を晴らすべく、フロンターレの開幕戦の対戦相手は湘南ベルマーレ。
湘南は田中監督の体制も2年目。大幅な入れ替えを避け、チームも熟成の域へ達しつつある。
昨年の順位では下位ながらも、中心メンバーがJ2の経験を積んでいるだけに、決して侮れない相手である。
だが、フロンターレの戦力も充実。全てのポジションでバランスの良い補強を加え、昨年とは一味違うチームに変身している。
準備万端なもと、過酷なJ2リーグ戦に勝負を挑む。選手たちは必ずや結果を残してくれると信じている。
寒さも厳しい折ではあるが、キックオフが待ち遠しいばかりである。

等々力陸上競技場

等々力の地に到着
熱く、過酷な1年が
まもなく始まろうとしている



スタメン

フロンターレのメンバーは
各ポジションで新戦力がまんべんなく加わった
ヴェルディのマルキーニョス選手が1日限りの
レンタル移籍なのも、新鮮な限りだ
(・・・な訳ない、マルキーニョ選手の間違えだ)



阿部孝夫川崎市長

試合に先立ち、ささやかなセレモニーが
昨年まで現役だった向島氏に続き
阿部川崎市長がユニフォーム姿で挨拶
今回はそこそこ、気合を入れてきたなぁ



サポーターもボルテージが高い

1階席に集結した、12番目の選手たち
全44試合、長く厳しいシーズンのスタートは
すぐそこに迫っている


フローンターレ〜、フローンターレ〜
フローンターレ〜、オオー!

サポーターの熱気がほとばしる中、2002年シーズンの戦いは、火蓋を切って落とされた。
熱烈な声援に後押しされ、フロンターレが攻勢を仕掛ける。右サイドに加賀見選手(背番号13:MF)が大きく展開し、湘南のサイドを狙いにかかる。
湘南のゴール付近に迫るものの、オープニングゴールとはならず。すかさず湘南が反撃に移る。
左サイドでフリーキックを得て、早々にセットプレーのチャンスを迎えてしまう。フロンターレはクリアが中途半端ながらも、早々のピンチから脱出に成功。
ボールは左サイドの塩川選手(背番号15:MF)に託され、得意な位置で速攻に転ずる。
湘南のゴールライン付近に迫り、鋭いセンタリング。ボールに呼応する選手が不在ながらも、塩川選手は更に攻め立て、序盤をの引き立て役に徹している。

塩川選手の攻撃

序盤がやや硬い湘南に対し
フロンターレの動きはまずまずのようだ


フロンターレは右サイドを重点的に攻め、スローインのチャンス。ボールは久野選手(背番号8:MF)に渡り、そのまま強引に前線への突破を図る。
足元からシュートを放ったかにも見えたが、ボールはゴールラインを割ってしまう。その直後、湘南のカウンターが火を噴き、高田選手(背番号9:FW)が左サイドを駆け上がる。
フロンターレの守備も何とか追い付くも、湘南にコーナーキックを与えてしまう。鋭いキックはヘディングでクリアするも、こぼれ球をパラシオス選手(背番号4:DF)がボレーシュートで応酬。
緩やかな山なりのシュートは、浦上選手(背番号1:GK)がキャッチ。さあ、フロンターレもカウンターで逆襲だ!
ボールは左サイドの久野選手へ渡る。前に立ちはだかる選手もおらず、ドリブルで一気に前進を図る。
中央からパラシオス選手が懸命に追い付き、激しい接触プレーから両者が大きく転倒。
ここはパラシオス選手のファウルか・・・。んん??これは久野選手の反則と判定されたようだ。
これは主審を欺く行為(シュミレーション)と判断されたのか。今年から厳格に裁かれるだけあり、つまらない反則は努めて避けなければ。

久野選手がドリブルするも・・・

フロンターレもカウンターで湘南ゴールに迫る
しかし、右側からパラシオス選手が追い付き
このチャンスは潰えてしまった


フロンターレの攻撃はそれなりに鋭い。アウトサイドのボールに対し、湘南ゴール前に選手が飛び込む。
が、湘南は攻守の切り替えがかなり早い。フロンターレからボールを奪った直後、左サイドを速攻で攻め立てる。
フロンターレの選手は中盤より後方は手薄だ・・・。やばい!湘南の選手に、ドリブルで飛び出しを許してしまう。
浦上選手が果敢に飛び出すも、あっさりと振り切られシュートを放たれた。ああ、まさかの先制点を喫してしまうのか・・・。
失点を完全に覚悟するも、シュートはゴール枠に収まらず。ここは湘南のミスに運良く救われた。

試合は明らかに湘南の時間帯。両サイドをバランス良く攻め立て、ミドルレンジからセンタリングを盛んに繰り出してくる。
バックラインから梅山選手(背番号2:DF)が積極的に攻撃参加。フロンターレの守備は多少ぎこちなく、湘南のリズムに翻弄されているのだろうか。

浦上選手のセーブ

湘南のセンタリングは、高田選手の頭上へ
フロンターレも浦上選手が確実なセーブで
手薄な守備をフォローする


湘南の攻勢を耐え凌ぎ、フロンターレもようやく反撃に転ずる。
右サイドに大きく展開し、湘南のファウルを誘発。マルキーニョ選手(背番号10:MF)のフリーキックに、岡山選手(背番号32:DF)が、湘南ゴール付近でヘッドで競り合う。
岡山選手の奮闘はここでは実らず、湘南がクリアに成功。フロンターレも更に攻撃を仕掛けるも、湘南の守備は落ち着き払い、着実なポジショニングで対抗する。
湘南の堅守を前にして、フロンターレは前線で思ったようなパターンに持ち込めない。

岡山選手のヘッド

岡山選手が長身を生かし
最前線でヘッドの応酬


湘南が低いスルーパスを繰り出す。フロンターレも伊藤宏樹選手(背番号2:DF)がクリアするも、再び湘南にボールが渡り、ミドルレンジから浮かしたパスが放たれる。
栗原選手(背番号8:FW)と高田選手が、果敢に飛び出す。一瞬冷や汗をかきそうな場面も、オフサイドに救われた。
フロンターレも反撃への機会をうかがうも、中盤の組み立てが乱雑で、パスがうまく繋がらない。
逆に湘南は、梅山選手が右サイドをオーバーラップ。フロンターレは塩川選手が一度は食い止めるも、左サイドの守備が手薄であった。
湘南はそこをたたみ掛ける。フロンターレの守備も振り切られ、クロスボールがフロンターレゴール正面へ。
高田選手がフリーの体勢でヘディングシュート。至近距離ではあったものの、浦上選手の真正面で、救われた気分である。

高田選手のシュート

高田選手らしい、貪欲さが滲み出た
ヘディングシュートであった


前半も20分近く経過。サポーターの燃え盛る熱気とは裏腹に、フロンターレの動きは冴えが乏しい。
特に中盤で詰まったような感じで、その後の攻撃へと転じられない。右サイドを深く切れ込む場面もあるが、個々の選手が孤立してしまう。
茂原選手(背番号14:MF)が倒され、フリーキックのチャンスを掴む。これも湘南にあっさりとクリアされ、試合の主導権をどうしても掴めない。
中盤から細かくパスを繋ぐまではともかく、ゴール前の連携が実に悪い。やがて両者の動きは鎮静化し、若干の小休止の時間帯へと突入する。

湘南は栗原選手と高田選手のコンビネーションで前へ。フロンターレもこれはしっかりと防御。
中盤で湘南のファウルを誘い、素早いリスタート。右サイドのベンチーニョ選手(背番号9:FW)へとボールが渡り、すかさずシュートをお見舞いする。
が、これは大きく外れてしまう。湘南のプレッシャーも甘く思えたので、ここは確実に決めて欲しかった。
中盤では互いの選手が転倒する場面が連続。それ程激しい展開とは映らないが、身にこたえる寒さが、選手たちの動きに、微妙に影響を与えているのだろうか。

フロンターレは個々の選手がボール保持時間が長く、連携の乏しさは相変わらず。中盤で攻勢が行き詰まるパターンが延々と続く。
塩川選手がサイドを飛び出し、鋭いクロスを放つ。しかしこれも呼応する選手がおらず、ギクシャクしたリズムを払拭出来ない。
応援する方も実に寒い。体はひっきりなしに震え、手がしもやけになりそうだ。

高田選手のドリブル

湘南の高田選手が、ドリブルで前へ
フロンターレの守備は悪くも無いが
取り立てて優れているとも思えず
なんて判断したら良いのやら



フロンターレの警告

湘南のサイドの早いパス回しに
フロンターレの守備も崩れがち
つまらない警告は、努めて避けなければ



フロンターレのピンチ

湘南にフリーキックを与えてしまい
絶体絶命のピンチを迎える
白井選手(背番号5:DF)がヘッドで繋ぎ
最後は鈴木選手(背番号7:MF)がシュート
この攻撃は、かなり厳しい


鈴木選手のシュートに危機を覚えるも、浦上選手が辛うじてボールを抑える。
さあ、フロンターレも負けじと、怒涛のカウンターだ!
ボールは最前線のベンチーニョ選手へ。ピッチの左寄りを前進し、マルキーニョ選手も攻撃に絡む。
湘南のファウルを誘発し、フリーキックのチャンス。だが、ゴール前の押しが足らず、湘南のゴールにどうしても届かない。

湘南は両サイドを積極的に攻撃。フロンターレも素早くマークに入り、ゴール前へのパスを許さない。
フロンターレも負けじと速攻だ!中盤の細かいパスワークから、右サイドのフリースペースにボールを送る。
サポーターもヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!と掛け声を上げ、選手たちを後押しする。茂原選手が外側からボールに追い付き、起死回生のクロスを放つ。
・・・が、バランスを崩したのか、ボールは大きくぶれてしまう。逆サイドのベンチーニョ選手が、ゴールラインを割りゆくボールを、恨めしそうに見送っているかのようだ。

しかし、フロンターレは諦めない。立て続けに左サイドに展開し、中央の鬼木選手(背番号7:MF)へボールを託す。
そしてベンチーニョ選手へパス。湘南ゴール付近で混戦の中、誰かが飛び出してシュートを放つ。
ボールは湘南ゴールへと転がった。やったぞ!待望の開幕戦初ゴール!!
・・・あらら?副審の旗があがり、オフサイドの判定とは。

ベンチーニョ選手の攻撃

いまひとつパッとしないベンチーニョ選手だったが
ここは懸命に奮闘する


いや、どれどころでは無い。湘南がフロンターレゴール正面、絶好の位置でのフリーキックを得ているでは。
この位置は危険過ぎる。パラシオス選手が大きな助走を付け、強烈な一撃が襲い掛かる!
浦上選手のダイビング及ばず、ボールは大きくネットを揺らす。まさか先制点を献上するとは・・・。

パラシオス選手のシュートが決まる

しかし、事態は暗転直下
パラシオス選手の弾丸シュートが
フロンターレゴールに突き刺さる
等々力改修後、公式戦初シュートは
惜しくもフロンターレが挙げられず


試合はまだ半分にも達していない。フロンターレの反撃はここからだ!
オオオー、オオオオオ〜
フォルツァ〜フローンタレー!

リスタート後はフロンターレが右サイドを攻め立てる。湘南の守備のミスを誘い、絶好のコーナーキックが到来した。
低いキックは湘南がゴールラインに逃がし、再びコーナーキック。跳ね返りのこぼれ球に岡山選手が後方から追い付き、湘南ゴール目掛けて大きく放り込む。
だが、これは繋がらない。結局ボールは中盤まで戻されてしまい、マルキーニョ選手が強引なドリブルで押し返すも、湘南の選手に捕まってしまう。
中央突破が駄目ならサイド攻撃を披露。しかし湘南のマークも的確であり、中盤から前に中々進めない。
逆に湘南の鈴木選手へボールが渡る。フロンターレも塩川選手が守備に入るも、敢え無く振り切られる。
柔らかな体勢からクロスボールが放たれる・・・直前、岡山選手が懸命の守備で、危険な場面を何とか断ち切った。

鈴木選手に塩川選手が入るも・・・

鈴木選手の攻勢に、塩川選手が入る
が、あっさりと外されてしまう
そして鋭いセンタリングが・・・



岡山選手が辛うじてクリア

ぎりぎりの位置で岡山選手がカット
鈴木選手は昨年、高校卒ながら
(確か)全試合フル出場を果たしたツワモノだ
ボールコントロールも柔らかで、将来が嘱望される
(来年でも良いから、ウチに来てぇ〜)
※実際には43試合です、訂正します
・・・にしても、凄い記録だ



このピンチを脱したものの、湘南の優位には変化なし。前半も残りは僅かな時間。
フロンターレも攻め返してはいるものの、ゴール前の連携は乱れたまま。塩川選手も精彩を欠き、湘南ゴールを背にしたプレーが続く。
それでもロスタイムに突入すると、フロンターレは攻勢へ転ずる。左サイドから右へボールを流し、続けて大きなセンタリングを湘南ゴール前へ繰り出した。
そして激しいヘッドの応酬。フロンターレはコーナーキックを掴み、最後のチャンスがめぐって来た。

だが、これは伊藤選手(背番号1:GK)が敢え無くキャッチ。ロスタイムも1分少々と短く、程なく前半終了のホイッスルが鳴り響く。
予想外に振るわなかった前半戦。後半の奮起を期待し、寒いハーフタイムを過ごすばかりだ。

KAWASAKI SPORTS NEWS

従来の派手なハーフタイムイベントの代わりに
「KAWASAKI SPORTS NEWS」なるコーナーが
地元川崎のスポーツニュース・・・と言われても
私には余りピンとこないのですが(笑)



ふろん太君

去年までの主人公、ふろん太君は
控えめにトラックを一周
ま、これはこれで良いのかも


いいお〜、いいおゴ〜ル〜!
いいおゴ〜ル、ウォウォウォウォ〜ウォ〜!

飯尾選手のコールと共に、後半開始のホイッスル。湘南は坂本選手(背番号11:MF)を軸に、速攻を仕掛けて来たぞ。
左サイドからボールを鋭く折り返すが、これは浦上選手が直接キャッチ。フロンターレも負けじと攻撃に転じ、右寄りの塩川選手へとパスが通る。
そして鋭い突破へ。湘南の選手が守備に入ると、塩川選手と接触して大きく転倒。
位置は湘南ペナルティエリア内。今度こそPK・・・どころか、主審の判定は塩川選手の反則だ。
これもシュミレーションと判断されたのか。不満が残るフロンターレサポーターの激しいブーイングの中、今度は飯尾選手が一瞬の隙から抜け出した。
しかし、残念ながらもオフサイド。「いいお〜、いいよ〜」と、洒落とも思えぬ大声が、サポーターから響き渡る。

パラシオス選手がクリア

その直後フロンターレにチャンスが訪れる
左サイドの飯尾選手にパスが渡り
湘南のファウルを誘ってフリーキック
パラシオス選手がヘッドでクリアし
更にコーナーキックのチャンスが到来



岡山選手がボールを追う

無常にもキックは大きく流れてしまう
だが!岡山選手が懸命に追いかける
残念ながらゴールラインを割ってしまったが
最後まで諦めない姿勢に
サポーターから盛大な拍手が沸き起こる


ピンチを凌いだ湘南が反撃に転ずる。中盤とゴール前で激しいプレーの応酬で、加賀見選手と箕輪選手(背番号5:DF)が、立て続けにピッチに倒れ伏せる。
幸いながらも直ぐに立ち上がり、プレーは速攻。フロンターレは加賀見選手が右サイドを突破。
湘南の選手を振り切ってセンタリングを放つものの、パラシオス選手が片足でクリア。
こぼれ球はフロンターレが拾う。ベンチーニョ選手から塩川選手に渡り、飯尾選手との連携で前進を図る。
右コーナーから飯尾選手がセンタリング。これもパラシオス選手が的確なポジショニングで、あっさりとクリアされてしまった。
続けてのチャンスもパラシオス選手がカット・・・。ううむ、なんて素晴らしいDFなんだ(爆)。

加賀見選手の突破

加賀見選手が前傾姿勢で
鋭い突破を披露
湘南ゴール前を目掛け、鋭いパスをお見舞いだ



パラシオス選手の守備

・・・が、パラシオス選手が立ちはだかる
マルコ選手(背番号4:DF)と引き換えに
是非ウチに来ておくれぇ〜(爆爆爆)


押し気味に試合を進めるフロンターレ。ここでフリーキックのチャンスが到来。
サポーターの視線が集中する中、ベンチーニョ選手がキック。・・・が、ボールは湘南ゴールに収まるどころか、大きく反れてしまった。
それまで熱狂的なサポーターも、一気に沈黙してしまう。時間をゆっくりかけてゴールキックの体勢に入る、伊藤選手にブーイングを浴びせるのが、せめてもの憂さ晴らし。

湘南ゴールキックからのリスタートなれど、攻撃に転じ切れない。連携ミスからボールはタッチラインを割り込んでしまう。
フロンターレはスローインから前進を図り、今度はコーナーキックのチャンスを掴む。飯尾選手のキックはふわりと浮き、箕輪選手が高い打点で競り合う。
だが、ここは湘南の伊藤選手ががっちりとセーブ。地面に倒れ込む伊藤選手に詰め寄るも、ボールを胸にしっかりと挟み、決して離さない。

その後フロンターレは飯尾選手がドリブルで中央突破。これは湘南の選手が二人がかりで食い止められる。
逆に湘南に速攻を許して、フリーキックのピンチを迎える。これは浦上選手がしっかりと抑え、ピンチを最小限に食い止める。
フロンターレも塩川選手を主体に攻勢を強めるが、強引なドリブルばかり。右サイドの突破は左と比較すると弱いままで、中島選手(背番号25:DF)を振り切れない。
自慢の連携がすっかりと影を潜め、力に頼った突破が目に余る状況だ。

飯尾選手と加賀見選手

飯尾>加賀見両選手の
元東京コンビネーション(チームは違うが)は
まあまあの気がするが
総合的には個人的なプレーが気に付く


フロンターレの煮え切らない攻撃に対し、サポーターからはイライラの声が。それでも梅山選手がファウルを犯し、紛れも無いフリーキックの場面へ。
マルキーニョ選手の低いキックは、左コーナー付近へ。しかしこれもゴールラインを割り込み、気が付けば伊藤選手のゆっくりとしたゴールキックと、盛大なブーイングが交錯する世界。
フロンターレは細かくパスを繋ぎ、両サイドの突破を図る。これも湘南には通用せず、逆にコーナーキックのピンチを迎えてしまう。

このピンチはクリアで逃れ、湘南のファウルからリスタート。中盤付近から懸命な攻撃が伺えるものの、選手たちの足取りはいささか重く、湘南の堅守を打ち破るに至らない。
サポーターも懸命に応援している。ホームの開幕戦、是が非でも勝利で飾りたい。
フロンターレー、フロンターレー、
フロンターレー、オオー!!

鬼木選手の攻撃

鬼木選手もペナルティエリアに侵入を図るも
選手の動きは鈍くなる一方
選手間の連携も鈍く
一人の選手がボールを持ち過ぎる嫌いが
とにかくボールを動かさねば
チャンスは訪れないぞぉ


フロンターレは攻撃に迷っているのか、ミドルレンジでボールを回し続ける。最後はベンチーニョ選手に渡るものの、湘南の選手がマークに入る。
ベンチーニョ選手が孤立無援。パスの供給先が無いと判断したのか、振り向きざまのミドルシュートを放つ。
苦し紛れの判断だったのか、これもボールの勢いは乏しい。これは伊藤選手が容易くキャッチ。
湘南の攻撃は前半の勢いは潜めたのか、フロンターレがボールを奪取する。左サイドから中央の加賀見選手にパスを託し、ベンチーニョ選手の足元にパスを放つ。
大きく足を振り抜くも、これもゴール枠には収まらない。ベンチーニョ選手の期待が高いだけに、サポーターも頭を抱えるばかりだ。
フロンターレは加賀見選手を下げて、今野選手(背番号18:MF)を投入。トップ下からパスを供給するだけでなく、積極的にゴールを狙って欲しい。

連携が悪いフロンターレ

それでもフロンターレの連携は悪いまま
このパスも湘南に奪われてしまうし・・・


煮え切らない展開が延々と続くものの、フロンターレに待望のフリーキックが訪れる。
左タッチライン付近からマルキーニョ選手がキック。あらら?キックの先には誰も選手がいないぞ。
箕輪選手が懸命に追い付くも、本橋選手(背番号28:MF)が立ちはだかる。タッチライン付近でボールをキープ仕切れず、結局は湘南のスローイン。
それでもボールは鬼木選手に渡るが、彼の動きも本調子に遠い。
本橋選手のマークも厳しく、彼本来の動きが発揮されない。鬼木選手が機能しないようでは、敗色が濃厚な気分だ・・・。

だが、選手たちはやってくれた!サイドから折り返したボールを、ベンチーニョ選手が豪快なヘディングシュート。
これは伊藤選手の正面ながらも、フロンターレの攻勢は止まらない。湘南のボールを一瞬にして奪取し、数人の選手が湘南ゴールへ、一直線に迫り立てる。
最後は飯尾選手が抜け出した。伊藤選手の動きを見計らい、軽くシュートを繰り出した。
ボールはそのまま転々と転がり、湘南ゴールへと吸い込まれる。待望の同点劇に、サポーターもどっと沸き立つ。

飯尾選手が前進する

厳しさを増す試合展開の中
フロンターレに突如チャンスが到来
湘南の選手からボールを奪うや
飯尾選手らが一直線に前進を図る



ゴールを喜ぶ飯尾選手

GKの伊藤選手を軽くあしらい
同点ゴールを押し込んだ!
今シーズンの初ゴールに
満面の笑みで喜びをあらわにする



ゴールを喜ぶサポーター

突然の同点劇に、サポーターも歓喜の渦
狭い一角に集中している分
去年よりも声援が増幅された気分だ


さあ、一気に逆転するぞ!リスタート直後に湘南が猛攻を仕掛けるも、フロンターレも落ち着いて対処。
フロンターレは黄川田選手(背番号16:FW)を投入。攻撃の姿勢を明確にし、逆転へと攻勢を強める。
フロンターレは左サイドから大きなセンタリングから、ベンチーニョ選手がヘッドで合わせる。フロンターレの選手に疲労は隠せないものの、試合の流れは完全に支配した。
湘南も焦っているのか、冷静さを欠きつつある。ピッチ上で飯尾選手が倒れ込むも、延々とプレーを続け、中断の気配は一向に見られず。
当然の如く、フロンターレサポーターからは強烈なブーイングが。フェアプレーの精神からして、速やかにプレーを止めて欲しかった。

ようやくプレーが止まり、マルキーニョ選手のフリーキックからプレーが再開。ボールは湘南の選手に渡ってしまうも、すかさず奪取し中央へ折り返す。
左サイドにスルーパスが放たれ、後方から選手が飛び出しを図る。若干雑な嫌いもあるが、フロンターレの勢いは湘南を圧倒している。
飯尾選手のドリブルも冴えている。パラシオス選手らをするするとかわし、巧みなテクニックを遺憾なく発揮する。

フロンターレの選手が飛び出す

湘南の守備を掻い潜り
フロンターレの選手が飛び出しを図る


後半も残り時間は少ない。が、湘南の伊藤選手が、不可解かつ貫禄の時間稼ぎ。
ゆっくりとしたゴールキックをする以上、まさか湘南は引き分け狙いだろうか?
ならばフロンターレが突き放すのみ。中盤の細かいパスワークを基点に、飯尾選手から鬼木選手へ。
今野選手も積極的に、湘南のゴール前へと飛び出す。湘南もコーナーキックのチャンスが巡るも、ボールは浦上選手が楽々キャッチ。

後はフロンターレが攻めるのみ。ベンチーニョ選手からオーバーラップの伊藤宏樹選手に繋ぎ、DFらしからぬサイド突破を見せ付ける。
湘南の勢いは完全に止まっている。さあ、残すは逆転ゴールを叩き込むだけだ!!

伊藤選手がオーバーラップ

伊藤選手が積極的にオーバーラップ
そういえば麻生の練習試合でも
このパターンを試していたような気が


・・・が、両者とも最後は力尽きたか、この後は目立った展開も無く、試合終了のホイッスル。
今シーズンからJ2は延長戦が廃止。よって開幕の神奈川ダービーは、仲良く?引き分けで決着。
フロンターレはやや消化不良の印象。特にベンチーニョ選手とマルキーニョ選手が今ひとつで、もう少しでも機能していれば、違った展開になったかも知れない。
もっとも開幕戦はこんなところか。44試合の長丁場なので、初戦からして焦りは禁物ですねぇ。

挨拶をする選手たち

1階席は「観戦しづらい」との声もあったが
選手との距離感は明らかに上
ただ、写真撮影をする上では
他のサポーターの影になるばかりでなく
焦点が合いにくい問題もあるので
次回からは応援の位置を多少変えるかな?


・・・と今年最初の観戦記(天皇杯決勝を除外すれば)ですが、どんな印象をお持ちでしょうか。
今年は比較的気楽な内容を目指しています。サッカーは楽しんで観戦するものなので、余りぐたぐた書くよりは、簡潔に観戦の感動を伝えたいのです。
とは言えども、それが実現するかは私次第。長い挑戦は、新たなスタートを切ったばかりです。
結局は何も進化が無いまま終わるかも知れませんが、それはそれで勘弁し、よろしくお願い申し上げます。

<フロンターレの出場メンバー>
GK:浦上
DF:岡山・伊藤(宏)・箕輪
MF:鬼木・塩川・茂原・マルキーニョ・加賀見・久野
FW:ベンチーニョ
SUB:吉原・マルコ・黄川田・今野・飯尾
<フロンターレの選手交代>
茂原>飯尾(45分)
加賀見>今野(70分)
久野>黄川田(76分)



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