大分トリニータ VS 川崎フロンターレ
〜 J2 第17節 〜
日 時 | 2002年7月10日 19:04 | |||
試合会場 | 熊本県民総合運動公園陸上競技場 (熊本県熊本市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 3,094人 | |||
試 合 結 果 | ||||
大 分 | 2 | 前 半 | 0 | 川 崎 |
3 | 後 半 | 0 | ||
5 | 計 | 0 | ||
得 点 者 | ||||
ファビーニョ | 15分 | |||
アンドラジーニャ | 31分 | |||
吉田 孝行 | 68分 | |||
アンドラジーニャ | 88分 | |||
小森田 友明 | 89分 |
リーグ戦再開後最初のゲーム、鳥栖に先制されるも、逆転勝利で昇格戦線に辛うじて踏み止まるフロンターレ。
過密なスケジュールは、選手達に勝利の歓喜と休息の間を与えない。灼熱の大地阿蘇熊本で、大分トリニータとの激戦が待ち受ける。
大分の快進撃にをストップすべく、フロンターレに秘策はあるのだろうか。
台風6号の影響で、天候面でも厳しい一戦になりそうだ。サポーターも劣悪な舞台での応援を強いられるのは確実。
だが、贅沢は一切不要。大分の首位独走を断固阻止すべく、如何なる場面でも気力の応援を尽くすのみだ。
最寄駅から競技場まで、タクシーで10分
山間の一角にある競技場は
立派な外観を誇っている
W杯の会場かと錯覚しそうな
素晴らしいスタジアムだ
しかし、運営費も結構高額そうなので
絶対赤字運営だろうなぁ
何気なく、電光掲示板を撮影
この時点では、後で発覚する
悪夢の事態に気が付かず
平日&遠方ともなれば
応援も精鋭部隊に限定される
大分サポーターと比較すると
人数では明白に劣る
だが、熱意では絶対に負けてなるものか!
心配された台風も過ぎ去り、戦いの舞台は整った。競技場を覆う巨大な屋根から、サポーターの拍手がこだまする。
選手たちがピッチに登場するぞ・・・。あれれ?サポーターが電光掲示板を指差し、しきりに怒声を発している。
ふざけんな!旗が上下逆だ!!掲示板上のフロンターレの旗を確認すると・・・、確かに上下逆に掲げられている(爆)。
単純な取り付けミスであろうが、多くのサポーターは怒り心頭。ピッチ周囲のボールボーイに対し、強い不満を示している。
中には大分トリニータの事務局に、抗議の電話をする者まで。残念ながら受付時間外につき、連絡不能であったようですが。
それが証拠の決定的?瞬間
個人的にはどーでも良いと思ったが
「証拠写真を撮れ!」と
周囲の後押し??で撮影
旗ばかりにこだわっても始まらない。試合開始のホイッスルが間近に迫る。
私自身発熱の影響で、意識が多少もうろう。だが、熊本まで駆け付けた以上、決死の応援に専念せよ。
やるぞ!風邪で挫けてなるものか。キックオフと同時に、W杯会場で入手したチアホーンを、盛大に吹き鳴らす私である。
オーオオー、レッツゴー川崎〜
オーオオー、フローンターレ〜
立ち上がりは両者様子と思いきや
大分が右サイドを突破し、鋭いセンタリング
突如訪れたピンチも、フロンターレは先ず守り抜く
フロンターレはやや抑制気味の展開。ベンチーニョ選手(背番号9:FW)が中盤から前線にパスを繰り出す。
ここは誰も呼応せず、目立ったチャンスには至らない。
守備面では早くも不安をのぞかせる。大分のイージーなフリーキックを、伊藤宏樹選手(背番号2:DF)がヘッドで後ろに反らし、サポーターは冷や汗を流す始末。
頼むぞ!単純なプレーだけに、確実性は重要だ。
・・・と、大分の守備に隙が生まれた。フロンターレはそれを逃さず、大分ゴール前で細かいパス回し。
長橋選手(背番号20:MF)が倒され、ボールはタッチラインを割る。ここはファウルの判定では無く、フロンターレのスローインでプレーが再開。
ボールはペナルティエリア内の選手へ。大分の選手に取り囲まれるが、すかさずオーバーヘッド気味の浮き球を繰り出した。
残念ながら、ここはシュートは放てず。フロンターレは序盤のチャンスを、惜しくも逃してしまう。
大分のアンドラジーニャ選手(背番号11:FW)を
フロンターレの選手が取り囲む
フリーにさせては、危険な選手だ
序盤の流れは、多少フロンターレが勝る印象。しかし立ち上がり故か、攻撃の基点がパッとしない。
左サイドをドリブルで細かく繋ぎ、スローイン。前線では大分の堅い守備に阻まれ、目立ったシュートチャンスに至らない。
ならばと右サイドから、長橋選手が駆け上がる。センタリングはファビーニョ選手(背番号10:MF)にかすったのか、コーナーキックのチャンスが到来だ。
キッカーはお馴染み(悪評高い?)の、ベンチーニョ選手。悪い予感が的中したのか、ボールは大分のヘッドに阻まれる。
逆に大分のカウンターが炸裂。瞬く間にフロンターレゴール付近へと迫り、小森田選手(背番号28:MF)が軽快にミドルシュートを放つ。
大分のカウンターには、くれぐれも要注意。精度が極めて高く、油断大敵だ。
試合中、フロンターレの旗が降ろされる
サポーターの猛抗議が、通じたのか
今は旗に構う暇は無い。これを皮切りに、試合の流れは大分に傾いてしまう。
中盤からボールをじわじわと繋ぎ、支配率も上昇の気配である。
大分は一瞬の隙を見逃さない。緩い縦パスを繰り出し、前線の選手が直線的に突破を図ってくる。
フロンターレも寺田選手(背番号6:DF)を中心に、3人がかりで食い止める。すかさずカウンターに転ずるも、ここは単発で終わり、大分に脅威を与えられない。
大分の優位は揺るぎ無い。更に悪いことに、主審の判定もフロンターレに素っ気無い。
大分のパスをインターセプトと思いきや、不可解なファウルの判定を受ける。フロンターレのフリーキックも、岡中選手(背番号1:GK)が余裕のキャッチで、前回対戦時の後逸(ベンチーニョ選手のミドルシュートを後逸し、フロンターレが同点になった)など、再現の気配も乏しい。
電光掲示板の上には、フロンターレの旗が再度掲載。上下を正し、堂々たる勇士だ。
が、ピッチに目を戻した瞬間・・・フロンターレの守備が崩壊しているでは!大分の速攻から守りが乱れ、ファビーニョ選手をフリーにしてしまう。
豪快なボレーシュートが炸裂し、フロンターレのゴールに突き刺さる。旗の悪夢は現実と化してしまった・・・。
主審の上川さんに対し
マルキーニョ選手(背番号10:MF)が異議を唱える
やや不可解な判定であるが
上川さんはW杯を裁いた実力者
きっと彼の判定が正しいのだろう
フロンターレの旗が、上下正しく戻された
さあ、ここから気分一新と思いきや・・・
視線をピッチに戻した瞬間・・・
あっけなくゴールを割られていました(泣)
まだ試合は始まったばかり。気持ち更に高め、大声で応援するぞ!
オ〜〜〜、バモかわさ〜〜〜
かわさ〜〜、かわさ〜〜
バモかわさ〜〜〜
リスタート直後は、大分が先制ゴールの勢いだ。フロンターレの守備も不安定で、大分が盛んに攻め立てる。
フロンターレもようやく猛攻を断ち切り、右サイドにロングパスを繰り出した。長橋選手がボールを受け、一直線に大分のゴールライン付近に迫る。
ファビーニョ選手のマークも巧みに振り切り、鋭いクロスを放って来たぞ!。だが、これは岡中選手がキャッチし、ムードも敢え無く断ち切られる。
フロンターレは続けて大分に圧力を加えるが、目立った得点のチャンスには至らない。ゴール前の連携の乏しさは、正直否めない。
ボールは一旦、中盤まで戻される。それでもアンドラジーニャ選手へのパスを、見事に奪い取った。
そしてドリブルで前線に一直線。しかし、フォローに入る選手が不在で、折角のチャンスも見殺しに終わる。
フロンターレは続けて中盤でボールをキープ。だが、パスのスピードが極めて遅く、大分の選手には脅威に映らないようだ。
もっと早く動け!フロンターレの判断力の鈍さには、観ている方もイライラが募ってしまう。
それでもフロンターレは、じわじわと押上げを図る。そしてようやく、フリーキックのチャンスを掴む。
大分ゴール前正面のボールは、ベンチーニョ選手が強烈な一撃。ボールは大分の壁に激突する。
こぼれ球を長橋選手が拾い、すかさずシュート。しかし、この場面も同点には至らない。
大分の守備は実に固い。失点数がリーグ唯一の1桁だけあり、その防御力は侮れない限りだ。
ベンチーニョ選手のフリーキックは
大分の壁に弾き返される
それにしても、大分の横断幕
「どんなに強い男でも、独りでは闘わせない」は良い
ウチもその姿勢は、是非見習って欲しいものだが
しかし・・・ウチの選手は何でこんなに遅いのだ!。
ゆっくりとパスを回す間に、大分にポジショニングの時間を与えてしまう。これでは相手の思う壺だ。
しかも当たりも実に弱い。大分のボールキープに対し、どうして積極的に奪いに向かわないのか?
ほらぁ〜、そんな間に大分にボールを奪われた。しかもミドルシュートを許す始末。
いや、我々も反省せねば。声量がかなり少なく、応援面でも明らかに劣っている。
大分サポーターのテンションが異常に高い。特にバックスタンドの連中は、実に凄まじい限りだ。
行け行け大分!行け行け大分!
押せ押せ大分!押せ押せ大分!
い〜〜〜け!お〜〜〜せ!
おおおおおおおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜
太鼓をガンガン叩き、人数からは想像し難い絶叫。しかも応援のバリエーションが多彩で、全然途切れない。
完全なる応援マシーンと化している。彼らの勢いを前に、フロンターレサポーターも圧倒されつつある。
実にまずい状況だ。何とかこの劣勢を、覆さねばならないのだが・・・。
彼らの応援は、とにかく凄まじい
これを聴くだけでも、熊本に行った甲斐があるものだ?
フロンターレは攻撃も単調の一言。長橋選手へのロングパス>ドリブル突破も、大分に完全に読まれている。
逆に大分の反撃を喫してしまう。左サイドから効果的に攻め立てられ、ボールはゴール正面に至るや、至近距離から強烈な一撃。
大分のコーナーキックを迎えてしまう。直後再びシュートを許し、浦上選手(背番号1:GK)が、必死の体勢から懸命に弾き返す。
こぼれ球を大分が執拗にシュート。フロンターレはタッチラインに逃すのが精一杯で、もはや防戦一方の局面だ。
大分のスローインから、マルキーニョ選手が守備に入る。足の入れ方が悪かった為か、大分にフリーキックを献上する。
西山選手(背番号7:MF)が、危険なフリーキックを放つ。ピンチはしばらく続き、サポーターもどれだけ冷や汗をかいたことか。
(余り記憶が無いので、順序が多少間違えているかも知れません。)
大分の猛攻に対し、懸命に堪える時間帯
観ている方としても、気が気でない
試合はまだ1点差。なのに大分からは、得点差以上の余裕を感じる。
前線の選手は必要最小限に留める。反面、中盤付近に選手を集中し、攻撃の隙を虎視眈々と狙っているかのようだ。
この作戦に対し、フロンターレはまんまと引っ掛かってしまう。突如左サイドjから有村選手(背番号23:DF)の突破を許すや、マークが途端にガタ落ちだ。
ゴール正面にボールを折り返えされるや、大分が素早いボールコントロール。フロンターレのDFは足元が乱れ、守備は完全に崩壊した。
アンドラジーニャ選手にフリーの体勢から、2点目をプレゼント。この失点にサポーターも、一気に意気消沈。
一同がっかりの表情を浮かべ、観客席の一角は沈黙に包まれる。
大分の緩急自在な攻撃に
フロンターレの成す術が無い
ここも有村選手のオーバーラップを許し・・・
DFもマークが乱れ放題
最後はアンドラジーニャ選手に
楽々一発決められてしまった(涙)
だが、まだ諦めてなるものか!サポーターが諦めてしまったら、試合放棄も同然だ!!
プ〜〜〜〜 私はチアホーンを手に取り、盛大に吹き乱す。ピッチ上の選手達に、怒りと後押しの念を込めて。
フロンターレもようやく発奮したのか、大分ゴール前に猛然と迫り立てる。ボールを小刻みに回し、長橋選手のセンタリングからコーナーキックのチャンスを掴む。
そして連続で、コーナーキックの大チャンス。サポーターも期待も高揚するも、2本目は敢え無く、大分ゴール前を横断。
最後はゴール前の混戦から、我那覇選手(背番号27:FW)がシュートを放った・・・らしい。こっちは応援がただ精一杯で、プレー云々は記憶に無い。
大分が逆に攻め戻し、スローインの場面を迎える。ここはマルキーニョ選手がうまく体を入れ、奪取に成功。
そしてすかさず右に展開し、鬼木選手(背番号7:MF)が中央に折り返す。絶好のチャンスと思いきや、このパスは誰にも合わなかった。
選手達もようやく尻に火がついたのか。サポーターも懸命の応援で、ピッチに熱い魂を注ぐ。
大分のシュートも怖くな〜い。黄川田選手(背番号16:MF)の気迫溢れるドリブルに、応援もますます意気盛んだ。
オ〜〜〜、バモかわさ〜〜〜
かわさ〜〜、かわさ〜〜
バモかわさ〜〜〜
黄川田選手が渾身のドリブルで前へ
最後は大分の守備に阻まれるも
ハートが燃える熱いプレーに、サポーターも大興奮
気が付いたら、前半もロスタイムに突入。両者目立った展開も乏しく。2点ビハインドで折り返す。
大分はあらゆる意味で磐石だ。安定性抜群の守備と、カウンターを軸にした鋭い攻撃に、成す術も無いのが正気な所。
フロンターレはとにかくフィジカルが弱過ぎる。ボールを積極的に奪いに向かっているのは、黄川田選手ぐらいではなかろうか。
・・・にしても、黄川田選手がトップ下のも?。前線の2人にラストパスが供給されず、得点の形が、殆ど出来ていなかった。
黄川田選手の気迫にすがりたい気持ちは理解出来なくも無いが、選手器用に疑問が残る采配と言わざる得ない。
ただ、それ以上の脅威は、大分のバックスタンド部隊。末恐ろしい勢いを45分間、そのまま保ち続けてしまうとは。
火の国熊本が生んだ、ある種のバケモノなのだろうか(失礼)。
大分人?阿蘇人???
とにかく奴らは凄過ぎる!
あきれ返る程の大絶叫&ド迫力
彼らに敬意を表し、特別に動画を公開するか
実際には拡声器以上の、凄まじい声援だ
(MPEG1形式:ここからダウンロードし
勝手に参照せよ)
サポーターは前半で体力を磨耗。焦燥感が滲み出ているのは、誰の目にも明らかだ。
だが、ここはとにかく頑張るのみ。諦めるのは簡単だが、それでは全てが終わってしまう。
もうやるだけだ!、ここは気持ちを一新し、精一杯の応援だ!
フローンターレ!フローンターレ!
太鼓担当の大仏様も
前半の応援だけで手にマメが出来てしまう
痛み故か、苦悶の表情を浮かべる
私も試合開始直前に壊れた
チアホーンを手に、盛大に吹き鳴らす
この写真は何?
大仏様が疲れていたので
私が太鼓役を買って出で
太鼓を叩くシーンを、某サポーターが撮影したもの
ただ、手ぶれの影響から
意味不明の写真の出来上がり
(夜間の撮影は、難しいのです)
太鼓を手にし、ガンガン叩く私。その間は応援に専念し、撮影を半ば放棄。
初めて手にするだけあり、勝手が全く分からない。一生懸命叩いているつもりだが、ピッチに全然響かない。
しっかり固定し力強く叩かないと、駄目なようだ・・・と、大分の選手がピッチに倒れ、顔を手で覆っている。
両者の選手が激しく詰め寄る。何でもマルキーニョ選手が手を出した・・・らしい。
主審の上川さんはそのシーンを見逃したらしく、副審に状況確認に向かう。
見ていな〜い、見ていな〜い。世界級主審でも、見ていないものは見ていな〜い。
・・・の気持ちも空しく、上川さんがマルキーニョ選手に対し、問答無用にレッドカードを掲げる。
なんてこった!ただでさえ劣勢なのに、逆転へのチャンスは遠のく一方だ。
ああ・・・、マルキーニョのバカぁ〜。
大分の選手が、ピッチ上に倒れている
その犯人は・・・マルキーニョ選手だった
主審の目は欺けても、副審の目は欺けない
やってはならぬ最悪の事態
この結果に、サポーターは失望、そして愕然
声を落とし、椅子に崩れ落ちる
諦めの境地が、周囲を深く覆う
もう駄目なのか・・・。フロンターレは左サイドから久野選手(背番号8:MF)がセンタリングするも、大分の選手に敢え無く激突。
後方からは、伊藤宏樹選手が積極的に攻撃参加。しかし1人少ない影響は如実であり、大分の守備も慌てる素振りを見せない。
そして、大分の速攻がフロンターレを襲う。守備も手薄なのは明白で、センタリングを体に当て、弾き返すので精一杯。
即座にこぼれ球を、大分が豪快にシュート。これはゴール枠に収まらず、天に救われた気分だ。
行け行け大分!行け行け大分!
押せ押せ大分!押せ押せ大分!
い〜〜〜け!お〜〜〜せ!
おおおおおおおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜
大分のバックスタンドは、意気盛ん。フロンターレの窮状を、手玉に取っているかのようだ。
劣勢の場面続きであるも、フロンターレはようやくフリーキックの場面を迎える。
ベンチーニョ選手は外側に蹴り出し、伊藤宏樹選手が大きなセンタリング。
「あの」期待も空しく、岡中選手が楽々キャッチ。後逸の再現はかけらも無く、心憎い限りである。
そもそもセンタリングに対し、フロンターレの選手は誰も飛び込まない。ゴールを奪う姿勢が実に乏しく、嘆かわしい限りだ。
岡中選手も余裕のキャッチ
ゴール裏から何処と無く
「ファンブル岡中!」コールが響くが
当の本人は、意に介していない模様
時間の経過につれ、フロンターレの劣勢が強調される。疲労と1人少ない影響からか、守備にほころびが目立つ。
正確なサイドチェンジ、細かいパスワーク・・・。大分が披露する基本に則った攻撃は、フロンターレに想像以上のダメージを与えている。
もはや大分の一方的展開。フロンターレの選手から生気が失せ、厭世観が漂うばかり。
場面は大分のショートコーナー。フロンターレは珍しく奪取に成功するが、その後の反撃は中盤を前に、無残にも息絶えてしまう。
・・・と思いきや、フロンターレはここで個人技を駆使。ベンチーニョ選手が中盤から前線に低いパスを繰り出し、敵の目を欺くスルーを披露。
そしてすかさずシュートの体勢・・・のつもりも、小細工は大分に通用しない。ボールを持った選手が一瞬にして取り囲まれ、非情のTHE
ENDを迎えてしまう。
だが、まだ攻撃は続いている。ベンチーニョ選手がミドルシュートを放ち、岡中選手の後逸再現に、僅かな望みを託す。
更にフェイントとスルーを交え、大分の乱れを誘う。それでも大分の守備はどっしりと構え、決定的な場面には遠く及ばない。
コーナーキックからヘディングシュートを試みるも、これもゴール枠から外れてしまう。天も運も、フロンターレを見放しているのだろうか。
寺田選手も長身を生かし、空中戦に挑む覚悟
大分のDFもしつこくまとわり付き
そうは問屋は卸させない
フロンターレの悲痛な攻撃が続く。大分の守備は嘲笑うが如く、守備に一矢の乱れも無い。
そして大分が怒涛のカウンター。フロンターレゴール前に一気に迫り、シュートの危機を迎えてしまう。
・・・と、遠方ではちらりと赤いカードが。フロンターレの選手が頭を抱え、ピッチから静かに立ち去ってゆく。
え!?一体何があったのか。電光掲示板を確認すると、寺田選手の名前が消えているでは無いか!。
寺田選手の退場劇を
遠目から見つめるサポーター
そして、電光掲示板からも
寺田選手の名前は消え去った
11対9の危機的状況だ。サポーターも一同腰を下ろし、降伏同然のムードが観客席を覆う。
直後放たれた、飯尾選手(背番号26:FW)のシュートも焼け石に水。ふわっと浮かしたフリーキックも、岡中選手がしっかりと抑える。
そして大分が怒涛のカウンター。得点狙いのフロンターレは守備が手薄で、防ぐ術は皆無であった。
大分のラストパス対し、浦上選手は一か八かの飛び出し。吉田選手(背番号9:FW)は落ち着いて動きを読み、冷静な一撃を放つ。
無人のゴール右隅に、ボールが深く突き刺さる。致命傷とも言える、3点目を喫してしまった・・・。
一方的な展開に、大分のサポーターも大喜び
ああ、くやしぃ〜
もうヤケくそだ!力の限り怒鳴り散らし、自己喪失寸前の応援に励む。
オ〜〜〜、バモかわさ〜〜〜
かわさ〜〜、かわさ〜〜
バモかわさ〜〜〜
フロンターレは岡山選手(背番号32:DF)を投入し、好守の両立を図って来る。しかし交代の隙から、大分に再び決定的場面を与えてしまう。
守備が手薄と化すや否や、大分が一気のカウンター。浦上選手が飛び出したところを、アンドラジーニャ選手が心憎いループシュート。
これは幸運にも、ゴールポストに嫌われた。九死に一生の言葉も空しく、大分が一方的に攻め立てる。
私もチアホーンを吹きまくり、妨害するのが精一杯。下品な応援なのは重々承知だが、もはや手段は残されていない。
フロンターレも久々にセットプレーの機会到来。ベンチーニョ選手のフリーキックから空中戦を仕掛け、続けてスローイン。
岡山選手もヘッドで勝負を挑む。これも大分に全く通用せず。直後、皮肉のカウンターを浴びてしまう。
戻れ!死んでも戻れ!大分は楽々中央突破を図り、失点しなければ単に幸運の場面。
大分がフリーの体勢でシュートを放つ。シュートは珍しくゴール枠から外れ、サポーターも開き直って万歳三唱。
サポーターの声援も途切れがち。懸命な応援も傍目には、悲痛さが漂うばかりだ。
オ〜〜〜、バモかわさ〜〜〜
かわさ〜〜、かわさ〜〜、バモかわさ〜〜〜
試合状況は悲惨の一途
大仏様のお面をかぶってはしゃぐ
地元サポーターの光景でも
フロンターレはベンチーニョ選手が一撃を放つ。ボールは跳ね返ったものの、誰もシュートに入らない。
選手の運動量もめっきり低下。2人欠けた影響は、計り知れないものがあるのだろうか。
それでもフロンターレは攻め続ける。両サイドを軸に大分を攻め立て、1点を返そうと必死である。
ディフェンスの選手達も、後方から必死に攻撃参加。大分ゴール前でボールを回し、貴重なコーナーキックを獲得する。
起死回生のキックが放たれた。黄川田選手が低い身長をもろともせず、果敢なヘディングシュートを炸裂だ!
入れ!ゴールに入れ!サポーターの必死の願いも空しく、シュートはゴールに吸い込まれず。
黄川田選手の気迫に、沈黙気味のサポーターも発奮。諦めムードを振り絞り、最後の応援だ!
オーオオー、レッツゴー川崎〜
オーオオー、フローンターレ〜
大分ゴール前には、岡中選手が立ちはだかる
もう、後逸の過去は忘れ
がむしゃらに攻める他無い
サポーターも必死に声を枯らす
大仏様もマメだらけの手の痛みを我慢し
太鼓を力強く叩く
サポーターも必死の形相で応援。せめて、せめて1点でも決めて欲しい・・・。
ささやかな興奮も、敢え無く粉砕されてしまう。終了間際にカウンターから、立て続けにゴールを許してしまう。
夢も希望も、完全に絶たれてしまった。大分の独走を阻止するどころか、逆に発奮材料を与えてしまった。
ただ完敗の一戦であった。それ以上でもなければ、それ以下でも無い。
最後に簡単に感想を述べると、実力差は歴然過ぎて、フロンターレにJ1昇格の資質が疑問に思えてしまう。
もちろん最後の最後まで、諦めないつもりだ。今諦めてしまったら、夢も希望も失せてしまう。
ただ、この結果を突きつけられると、「今年ももう駄目なのか・・・。」と、ある種の失望の境地に至る。
台風の危険を顧みずに、熊本まで乗り込んだだけに、ショックも人一倍。試合終了と同時に、風邪がぶり返してしまった。
市街に戻り、微熱を押して熊本焼酎でヤケ酒。何ともやりきれない一戦でした。
現実は何処までも厳しかった
ロスタイムに立て続けの失点を喫し、万事休す
強豪同士の拮抗した対戦どころか
一方的なまま終焉を迎える
試合後、サポーターの元に歩み寄る選手たち
ある者は涙がこぼれたのか、顔を覆い
ある者は悲痛の表情を浮かべる
箕輪選手(背番号5:DF)が
深々と頭を下げる姿は、実に痛々しい
やり切れなさばかりが残る、屈辱の一戦でした
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:浦上 DF:伊藤(宏)・箕輪・寺田 MF:鬼木・久野・マルキーニョ・黄川田・長橋 FW:ベンチーニョ・我那覇 SUB:相澤・岡山・茂原・加賀見・飯尾 |
<フロンターレの選手交代> |
我那覇>飯尾(52分) 久野>茂原(56分) 長橋>岡山(70分) |