マッチーズFC VS 川崎フロンターレ

〜 第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会 1回戦 〜



日   時 2002年12月1日 13:00
試合会場 大津市皇子山総合運動公園陸上競技場 (滋賀県大津市)
天   候 曇り
観 客 数 753人 (天皇杯初戦は、こんなもの)
試  合  結  果
マッチーズFC 前  半 川   
後  半
     
     
     
得   点   者
      42分 ベンチーニョ
      44分 我那覇 和樹
      48分 ベンチーニョ
      76分 今野 章
      80分 ベンチーニョ
      81分 小林 康剛
      89分 ベンチーニョ


真冬の風物詩、天皇杯の季節が遂に到来。昨年4強進出を果たしたフロンターレの目標は、元旦の国立決戦&天皇杯制覇。
初戦の相手は滋賀県代表のマッチーズFC。滋賀県一部に属し、着実に力をつけたチームとの噂。
相手の実力はともあれ、フロンターレは歴然たるプロチーム。アマチュア相手で苦戦を強いられるようでは、プロの冠を汚すのみ。
確実に勝利を挙げ、地元等々力での第2戦を迎えたい。

ふな寿司

琵琶湖名物の鮒ずしが登場
たったこれだけのボリュームなのに
3,000円もする代物だ



食すものの・・・

早速食すものの・・・
「酒が欲しくなる・・・」の一言で言葉を失う
以後、箸は全く動かずじまい



味噌汁の味?

興味本位で皆チャレンジするも
一口でギブアップ
そこで子どもが鮒ずしにチャレンジ
感想は「味噌汁みたいな味」
一体どんな味なのだ???



絞首刑?

鮒ずしで精神状態が崩れたのか
首しめのせっかんを受けるサポーター
余りに危険なので、目線入り(笑)



応援開始

何はともかく、応援開始
名古屋・大阪からもサポーターが駆けつけ
芝生席は事前の予測以上の賑わいに


マッチーズの選手紹介と同時に、フロンターレサポーターが盛大なブーイング。鮒ずしの影響なのか、果てまた何の影響なのか??。
何はともあれ試合開始。小さなタンバリンを棒で叩き、軽妙な金属音が小さく響く。
プロ相手にマッチーズの選手は気合満点。ボールを得るやフロンターレの選手をなぎ払い、果敢な突破を試みる。
サポーターの応援は相変わらず意味不明。突如岡山選手(背番号32:DF)コールをするなど、試合は完全に非同期だ。

林選手の突破

フロンターレはアレックス選手(背番号4:MF)から
右サイドの林選手(背番号19:MF)へパス
ここは楽々突破と思いきや
マッチーズの守備も想像以上の厳しさ


林選手が得意の突破を披露・・・。だが、マッチーズDFも毅然と立ちはだかり、林選手の行く手を完璧に封じる。
マッチーズの中盤は実に固く、フロンターレは想像外の抵抗に苦しむ。
しかも攻撃面も積極的。鮮やかなスルーパスを中盤から繰り出し、どちらがプロなのか勘違いしそうだ。
マッチーズの気迫にたじろいたのか、フロンターレは攻撃を小休止。早くもマッチーズの出方をじっくりとうかがう作戦か。

フロンターレは不用意なバックパス。マッチーズは松山選手(背番号10:FW)が俊足を飛ばし、大胆にもボールを奪取に入る。
一瞬緊迫感が走るものの、フロンターレは奇襲を冷静にかわす。一呼吸つく間もなく、左サイドに流れるようなパスを繰り出す。
ベンチーニョ選手(背番号9:FW)がパスを受け、マッチーズゴールへと一気に迫る。マッチーズから早速の先制点か?。
ベンチーニョ選手がシュートの体制に入る。ここはマッチーズの足が入り、先制ゴールは奪えない。

続けてのショートコーナーは、ベンチーニョ選手に戻す。ゴールライン付近からシュートを繰り出すも、ボールは芯を捕らえなかった。
転々としたボールは、GK杉本選手(背番号23)の手中へ。フロンターレは直後右サイドを突き、再びコーナーキックのチャンスを掴み取る。
ベンチーニョ選手が繰り出したボールが、ゴール前の選手にジャストミート。鋭いヘディングシュートが、マッチーズゴールを襲う!。
・・・と期待感が一気に高まるも、シュートは敢え無く外れてしまう。その後もフロンターレが一方的に攻めるが、攻撃の精度が甘く決定的なチャンスは到来しない。

ベンチーニョ選手のパス

ベンチーニョ選手がロングパスを繰り出すが
誰にも合わなかった


マッチーズも僅かなチャンスを見逃さず、反撃に転ずる。右サイドをしつこく繋ぎ、フロンターレの選手を振り払う。
岡山選手が守備に入るも、痛恨のファウル。主審からはイエローカードが掲げられ、不穏な雰囲気が周囲に漂う。
その後のフリーキックは容易く弾き返すも、この警告は痛い限り。嫌なムードを払拭すべく、フロンターレも懸命に反撃開始。
マッチーズのバックパスを、林選手がカット。右サイドのフリースペースにベンチーニョ選手が走り込み、鮮やかなパスが彼に渡る。
ベンチーニョ選手のクロスボールに、林選手が果敢な飛び込み。マッチーズも体を張った守備で、辛うじて失点を免れる。
実力ではフロンターレがプロの面目。可能な限り早い時間帯に、先制ゴールを決めたいものだ。

林選手のシュート

林選手のシュートは、マッチーズの果敢な守備に阻まれ
ゴールを割るには至らず



茂原選手のドリブル

マッチーズのスライディングを
茂原選手(背番号14:MF)が鮮やかにかわす


芝生席はほのぼのムードが漂う。サポーターは楽観視しているのか、のんびりと応援に興じる。
反面、マッチーズの闘志は高度なまま。フリーキックの場面が到来すると、マッチーズの選手が大胆な飛び込み。
マッチーズの抵抗を凌いだフロンターレは、ディフェンスラインを中盤まで押し上げる。マッチーズの一瞬の隙をつき、塩川選手(背番号15:MF)がシュートを放つ。
小気味よいミドルシュートであったものの、ゴール枠には収まらず。フロンターレの優位は明白であるが、試合開始からシュートの精度がまるで向上しないのが気に掛かる。

いや、それ以上に消極性が目に余る。マッチーズの奮闘にたじろいているのか、積極性の乏しい試合運び。
ゴールを守る吉原選手(背番号17:GK)も、思わず絶叫。「行こう!プレッシャーかけよう!!」
だが、フロンターレは控えめなまま。再び様子見の展開に逆戻りし、猛然たる気配は乏しい限り。
吉原選手の苛立ちも頂点に達したのか、盛んに叫び声を上げている。

マッチーズの突破

マッチーズのフリーキック
フロンターレの壁をぶち破るが如く
凄まじい突破を試みる


ピッチ上では関西なまりの声が響く。掛け声ひとつ比較しても、マッチーズが勝っている。
フロンターレは左側から高いボールを放つ。ゴール前のこぼれ球を林選手が押し込むが、ゴールラインを割ってしまう。
フロンターレのリズムは悪くはないが、結果が伴わないのも事実。こう着状態を何とか打破しようと、選手同士が懸命に声を掛け合う。
程なく左サイドを強烈突破。マッチーズのファウルを誘い、待望のフリーキックが到来だ。

今度こそ決めてくれよ・・・。待望の中ベンチーニョ選手がシュートを繰り出すも、ボールの勢いは弱く、杉本選手が容易くキャッチする。
茂原選手とベンチーニョ選手が連続シュートを繰り出すが、どれも外れてしまう。続けてマッチーズのゴールキックを奪い、ラストパスを受けたアレックス選手が、至近距離の一撃。
だが、マッチーズの抵抗も侮れない。プロ顔負けのディフェンスで、ゴールを意地でも許さない。

中盤の攻防

マッチーズの選手が、岡山選手のユニフォームを掴む
相手がプロだからこそ、遠慮も無用
堂々たる戦いで、フロンターレのリズムを断ち切る


フロンターレの猛攻が途切れるや、マッチーズが起死回生のドリブル。右サイドを強引に突破し、フロンターレのファウルを誘う。
今度は鬼木選手(背番号7:MF)が警告を受ける。先々の試合を考慮すると、この判定は実に痛い。
マッチーズのフリーキックは、吉原選手が押さえた。渡辺選手(背番号30:DF)を足がかりに、フロンターレは繊細なパスワーク。
右サイドからパスが繰り出され、ベンチーニョ選手が身を崩してのアシスト。そしてゴール正面の鬼木選手がシュート!。
だが、これもタイミングが合わず、弱々しいボールは杉本選手がしっかりと抱え込む。

前半も25分は経過したのか、実力差は明快であれど、フロンターレに得点の気配は一向に訪れない。
中盤の消極性は相変わらずだ。マッチーズがボールをキープすれど、誰も奪いに向かわない。
「早く取りに行け!」吉原選手の絶叫が、メインスタンドに反響する。
そんな間にフロンターレの左サイドには、ぽっかりと隙間が生まれてしまう。静寂を打ち破るが如く、マッチーズが右サイドを猛然たるドリブル突破。
ペナルティエリア内に侵入を許し、緊迫感は一気に高まる。吉原選手が果敢に飛び出し、間一髪で失点を免れた。
やれやれ、一体どちらがプロなのか・・・。

マッチーズのサイドアタック

マッチーズが鮮烈なサイドアタック
一歩間違えれば、あわや失点の危機であった



マッチーズのカウンター

フロンターレのフリーキックを
マッチーズが奪い取り、カウンターに転ずる
そのまま真正面の突破を仕掛け
フロンターレゴールに急迫する



応援に本腰を入れる

のんびりと構えるサポーターも
この攻撃に慌てて、本格応援開始
初戦で負けるようでは、プロとして最大の屈辱だ


オーオオー、レッツゴー川崎〜
オーオオー、フロンターレー

サポーターの応援にも関わらず、フロンターレの選手はパッとしない。左サイドからの突破を図るものの、パスが雑で繋がらない。
マッチーズが低いパスですかさず反撃。左サイドから攻撃を組み立て、逆サイドに滑らかにボールを回す。
最後はミドルシュートで締めくくる。フロンターレは林選手にスルーパスを託し、右サイド攻撃で活路を開く。
マッチーズのファウルを誘い、フリーキックの場面。混戦からベンチーニョ選手がシュートを放ったようだが、勢いに失せた一撃だ。

フロンターレはドリブルで中央突破。力ずくでゴールを奪うつもりも、最後は杉本選手が冷静に抑える。
更にボールを繋ぐ。繋ぎに繋いで、ベンチーニョ選手がおあつらえの位置から、鮮烈な一撃!。
・・・のつもりが、空振り同然のボテボテシュート(笑)。余りのボケっぷりに、サポーターは・・・コケた。
そしてベンチーニョダンスが飛び出す。ああ、この試合はある種の喜劇なのか??。

コケるサポーター

芸術的なボケっぷりに、サポーターはコケまくり


全く嘆かわしい・・・。お、フロンターレがスルーパスを繰り出し、杉本選手をゴール前から誘発する。
ゴールはがら空き同然だ。後はシュートを放つのみだが、マッチーズの果敢な守備が、フロンターレのシュートを断固阻止。
マッチーズのクリアボールをすかさず奪い、岡山選手の元へ。前線に負けじとシュートを放つものの、敢え無く杉本選手の手中。
前半も残り時間は僅かだ。フロンターレ突如勢いを増し、マッチーズを一方的に攻め立てる。
鮮やかなポストプレーから、我那覇選手(背番号27:FW)が右足を振り抜く。しかし体が宙に浮き、シュートに勢いは無かった。
これだけシュートをお見舞いするのに・・・。1本も決まらないとは、恥ずべく事態だ。

だが、その心配もようやく終焉。ベンチーニョ選手と我那覇選手が連続シュートを決め、2点リードで前半を折り返す。
マッチーズの健闘に手を焼いたが、結果的にはフロンターレが、プロの実力を見せ付けた格好だ。
いや、やっと安心したのが、偽りなき本音でもありますが。

ゴールを決めたベンチーニョ選手

一瞬の得点劇につき、シュートを撮影し損ねた
ゴールを決めたベンチーニョ選手が
余裕の表情で引き上げる



ゴールを喜ぶサポーター

やきもきが続いたサポーターも
歓喜の声をあげる
さあ、後は何ゴール楽しめるかな?


お〜〜〜、フロンターレー
お〜〜〜、川崎オーオー!
前半終了直後の2得点で、サポーターも上機嫌。余裕たっぷりの声援と共に、後半開始のホイッスル。
マッチーズの直向さは揺ぎ無い。前半と何ら変わりなく、プロ相手に果敢な勝負を挑んでいる。
しかし2点リードを得た今、もはや脅威を感じない。さあ、後はどんどんゴールを決めろ!。
ベンチーニョ選手から塩川選手にパスが繋がり、怒涛のサイド攻撃を披露。塩川選手の鋭いクロスに、マッチーズも防戦一方だ。

フロンターレのゴールも間近な感触。ならばゴール裏に移動し、シュートシーンでも撮影するぞ。
ゴール真裏に到着するや、早速ベンチーニョ選手が追加点。シャッターチャンスを逃したのは残念だが、爽快な一撃にイレブンからは満面の笑顔。
サポーターは歓喜のベンチーニョダンス。関西バージョンの応援も飛び出し、存分に試合を楽しんでいる。
かわさき、かわさき、かわさき、フロンターレ!
かわさき、かわさき、かわさき、フロンターレ!
か・わ・さ・き、フロンターレ!

ベンチーニョ選手のゴールが決まる

バック側芝生席で観戦するも
フロンターレに大量得点の気配
ならばとゴール裏に移動たところ
早速ベンチーニョ選手がゴールを決めた



ベンチーニョダンスで喜ぶサポーター

遠くからサポーターを眺めると・・・
ベンチーニョダンスを決めてくれたとさ


ゲームはフロンターレが完全に掌握。軽快なパス回しから塩川選手に繋ぎ、流れるようなセンタリング。
ベンチーニョ選手が小気味よいシュートを放つ。更に続けと岡山選手が、積極的なドリブルでサイドアタック。
そのまま一直線に突進し、鋭いクロスを披露。更なるショートコーナーからは、小林選手(背番号21:FW)がヘディングシュートをお見舞いする。
至近距離の一撃は、惜しくもゴールポストに嫌われた。後が無いマッチーズはロングパスを繰り出し、起死回生の一撃に賭ける。

マッチーズも懸命なドリブル攻撃で、必死に対抗。しかし、フロンターレの守備網突破には遠く及ばす、流れは程なくフロンターレへと戻る。
安心して試合を観戦できる。マッチーズの数名のサポーターはやけくそになったのか、Jチームの替え歌で怒鳴りまくる。
神戸仙台C大阪などなど・・・。よくまぁ、そんなに応援歌をご存知なものだ。

岡山選手

攻撃大好き男、岡山選手が本性をあらわす
どうせなら、リーグ戦でもその積極性を見せ付けろ
あ、その前にしっかりと守ってくれ(笑)



林選手

逆サイドからは林選手が
鋭い視線でクロスを放つ


ここまで一方的であると、過度の説明はもはや不要。セットプレーから岡山選手がヘッドを放ち、小林選手が鋭い一撃を繰り出す。
マッチーズのゴール裏に、ボールがぽんぽん飛んでくる。私も安心し切って、ボールボーイのお手伝い。
ベンチーニョ選手も上機嫌なのか、巧妙なヒールパスでピッチを沸かせる。お、今野選手に絶好の縦パスが通ったぞ。
ゴールを背にボールを受けるや、素早く振り向き鮮烈な一撃!。ボールはマッチーズゴールに低く食い込み、リードは4点に広がった。

今野選手のシュートが決まる

今野選手本人が写っておりませんが
流れるような見事な一撃でした


大量リードにも、フロンターレにおごりの気配は無い。飽くなき姿勢で、積極的にマッチーズゴールを狙う。
リスタート後も一気に前線へフィード、小林選手が相手を振り払い、鋭い一撃を繰り出した。
今度こそ決まったか!?、いや、入ったようにも見えたが、またもやポストに嫌われたようだ。
続けてベンチーニョ選手がミドルシュート。鮮やかな弾丸ライナーが、マッチーズゴールに突き刺さる。

間髪を入れずに、小林選手が後に続く。一瞬の連続ゴールで、リードは遂に6点へと拡大。
もはや勝利は揺るぎ無い。相手がアマチュアであろうと、大量リードに思わずにや笑い。

小林選手のシュート

小林選手が至近距離から6点目を決める
ゴール裏で撮影の機会を狙ったが
一番マシなのがこの写真



ベンチーニョ選手のドリブル

フロンターレが大量リードのまま
間もなく試合終了を迎える
バック側芝生席に戻ると
ベンチーニョ選手がパスを受け、絶妙のドリブル



7点目を決めたベンチーニョ選手

・・・の僅か1秒後に、ダメ押しの7点目が決まる
余りの早業に、シャッターを押す時間も無かった



笑顔で選手を出迎えるサポーター

結局このまま試合終了
サポーターの表情には、満面の笑みがこぼれる


いやぁ最高だ。実力差からすれば当然の結果かも知れぬが、久々の大量得点には満足だ。
マッチーズも最後まで全力を振り絞り、果敢な勝負を挑んだ。その健闘には惜しみない拍手を送りたい。
2回戦は鳥取SCが対戦相手。相手の実力は未知数であるが、今日の力を出せば勝利は確実であろう。
ん??誰もが表情をゆがめた鮒ずしは、結局どうなったのであろうかなぁ。

ベンチーニョ選手の胴上げが

歓声に振り向くと、ベンチーニョ選手が胴上げされていた
惜しくもシャッターを切り損ねたが
後に今季限りの契約と判明
さようならベンチーニョ選手
あなたの勇士は、ずっと忘れません
新天地での活躍を、心からお祈りします
(頼むからJ2以外のチームに移籍して:笑)


<フロンターレの先発メンバー>
GK:吉原
DF:岡山・渡辺・伊藤(宏)
MF:鬼木・茂原・塩川・林・アレックス
FW:ベンチーニョ・我那覇
SUB:浦上・マルキーニョ・今野・黒津・小林
<フロンターレの選手交代>
我那覇>小林(50分)
アレックス>今野(63分)
鬼木>マルキーニョ(69分)



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