川崎フロンターレ VS ヴァンフォーレ甲府
〜 2003 J2 第4節 〜
日 時 | 2003年4月5日 14:04 | |||
試合会場 | 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市) | |||
天 候 | 雨 | |||
観 客 数 | 2,438人 | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 1 | 前 半 | 0 | 甲 府 |
0 | 後 半 | 1 | ||
1 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
ジュニーニョ | 17分 | 89分 | 外池 大亮 |
開幕3戦を無敗のフロンターレ、気が早いのは承知の上で、堂々2位の好成績。
この日はホーム等々力で、ヴァンフォーレ甲府を迎え撃つ。J1復帰の大目標の為には、絶対に負けられない相手である。
さあ、等々力へ出陣だ!。寒い・・・、4月上旬とは信じがたい極寒の悪条件。
おまけに雨足も半端じゃ無い。この天候で競技場に向かうのは、実にしんどい・・・。
等々力の桜は咲き乱れ、お花見には最適
だが、あいにくの大雨じゃ
せっかくの桜も浮かばれない
競技場内は強風が吹き荒れ
体温を否応無く奪い取る
余りの寒さに、身震いが一向に止まらない
だが、勝負の時は迫っている
巨大横断幕の下、熱狂的サポーターが集結する
行くぞ、甲府を打ち破り首位を狙え!
雨に濡れつつも、気迫の応援が火蓋を切る
がーなはー、ゴールー!ゴールー!
がーなはー、ゴールー!ゴールー!
キックオフと同時に、我那覇選手(背番号27:FW)に熱烈なエール。彼は開幕から3得点と絶好調で、サポーターの期待度は熱狂的な声援に裏付けられる。
さあ、バンバン写真を撮るぞ。・・・寒さで手が震え、カメラをまともに握れ無い。
デジタルカメラも新調し、慣れない操作で懸命に撮影。だが雨足は一向におさまらず、撮影に全然集中出来ない。
寒さで身震いは止まらない。シャッターボタンも小さめで、構図を決めるどころかボタンを押すのが精一杯だ。
そんな間にも試合は先を急ぐ。我那覇選手のコールは延々と続き、サポーターの体から白い湯気が溢れている。
早速フロンターレがフリーキックのチャンスだ。雨で足元が滑ったのか、ボールはジャストミートしなかった。
体の震えが止まらず、撮影は困難を極めた
小さめのシャッターボタンをまともに押せず
雨でピントが決まらない
これじゃ観戦記どころでは無い。潔く撮影を諦め、応援に専念するしか手段は無いのか。
・・・違う、戦いの舞台に立った今、応援スタンスを変えるなどご法度だ。
意地でも撮影は続けるのみ。豪雨がカメラに襲い掛かり、撮影の後水滴を拭き払うの繰り返し。
我那覇選手のコールは延々と続く。序盤のフロンターレは優位に試合を進め、サポーターの士気も一層高めている。
劣勢の甲府も程なく反撃開始。ミドルレンジの混戦からシュートを繰り出し、得点への意欲は相当なものだ。
試合開始から当分はフロンターレのペース
甲府も少ないチャンスを生かし
フロンターレゴールを意欲的に狙う
無意識の間に15分は経過しただろうか。我那覇選手のコールがようやく終わり、通常の応援に切り替わる。
レッツゴー、レッツゴー(どんどん)
レッツゴー、レッツゴー(どんどん)
サポーターの気合は尋常ではあらず。豪雨と真っ向から対決し、戦闘集団へと昇華を果たしたのか。
甲府が右サイドを攻めて来る。フロンターレも伊藤宏樹選手(背番号2:DF)が渾身のスライディングで、甲府にチャンスを与えない。
おお!、このプレーを皮切りに、フロンターレが再び優位な状況。中盤から前へ積極的に展開し、良い流れを掴んだぞ。
ボールは右寄りのジュニーニョ選手(背番号10:FW)へ。雨で視界が遮られる中、鋭いシュートが放たれた。
雨で重く濡れた甲府ゴールは、大きく揺らされた。待望の先取点に、サポーターの気迫も最高潮だ。
ジュニーニョ選手が強烈な一撃
これが先取点のシュート・・・だったのかな?
(雨が強過ぎて、把握不能)
ともかく、先制ゴールはフロンターレ
大雨の中懸命の応援を繰り広げた
サポーターの願いが結実した瞬間
それでも歓喜は長続きしない。試合はまだ前半途中、僅か1点のリードでは、油断は大敵。
身震いは一向に止まらない。雨は一段と強くなり、まともな撮影は不可能になりつつある。
それでも観客席から逃げる訳にはならない。頭がずぶ濡れになりつつ、辛うじてシャッターを押し続ける。
そんな間に前半も30分付近に差し掛かる。フロンターレの優位に変化は見られず、2点目の期待も十分だ。
しかし、フロンターレはクリアミスを甲府に突かれる。猛然たる中央突破を許しかけるも、攻め手が少なく命拾い。
甲府は確実にワンチャンスを狙っている。広く低くパスを繋ぎ、フロンターレゴールにじわじわと迫る。
悪天候は甲府の劣勢を招かない。 等々力の芝は撥水性に優れ、選手は腰砕けとは無縁のプレー。
結果的に甲府にハンデを与え無い。フロンターレのリードはまだ1点、戦闘の舞台に油断は禁物だ。
甲府も徐々に攻撃力を高め
緊迫感の攻防を生み出している
雨は更に強さを増す。体は常に震え続け、試合状況の把握は困難を極める。
そんな間に前半は残り10分。甲府は鋭く左サイドを突くものの、フロンターレの守備も崩れない。
フロンターレも一気に反撃開始。アウグスト選手(背番号4:MF)も積極果敢に飛び出し、強烈なシュートをお見舞いする。
サポーターの気迫も上昇傾向。2点目に対する高い期待は、悪天候でも崩れる事は無い。
・・・駄目だ、豪雨で撮影に集中不能。その後の経過は省略し、前半は1-0で折り返す(スイマセン)。
豪雨で頭も麻痺寸前であるが、まだ前半を折り返しただけ。ハーフタイムで気持ちを入れ直し、後半の勝負に挑みたい。
甲府の速攻も、渡辺選手
(背番号30:DF)がしっかりフォロー
甲府に決定的な隙を与えず、前半を終了
肝心の写真は・・・ボロボロ寸前
悪天候でホワイトバランスが崩れまくり
特にサポーターの撮影は困難を極めた
さあ、後半開始だ。まともな撮影が困難なら、懸命の応援でカバーするぞ!。
アバンテーオオ川崎〜オオ
ララーラララーララーラ!
豪雨は激しい試合を招く。甲府も攻勢を一段と強め、ピッチでは激しいプレーの応酬だ。
激しい攻防にサポーターも気勢を荒げる。フロンターレは甲府サイドでじわじわと攻め、低いスルーパスを前線に繰り出す。
タイミング良くジュニーニョ選手が飛び出し、コーナーキックのチャンスを掴んだぞ。混戦は甲府がクリアに入るも、箕輪選手(背番号5:DF)が果敢なスライディングで、甲府にプレッシャーを与えるのを怠らない。
甲府もすかさず反撃し、右サイドからミドルシュート。吉原選手(背番号17:GK)の逆を突かれたものの、幸運にもゴール枠から外れ去った。
コーナーキックから猛然と攻めるフロンターレ
伊藤宏樹選手もセットプレーに加わり
甲府のゴールを脅かす
豪雨に真っ向勝負のフロンターレサポーター
懸命の応援から、2点目は生まれるのか?
フロンターレは右を素早く展開。パスを受けた塩川選手(背番号15:MF)が突破を図るも、甲府の選手に倒された。
塩川選手は激しく転倒。主審は甲府の反則と判断せず、サポーターからは激しいブーイング。
雨はより大粒になって来た。撮影の困難度はピークに達し、視界すらおぼつかなくなりつつある。
甲府の攻撃時間が異様に長く感じる。フロンターレは幾度とカウンターで反撃し、我那覇選手が積極的に攻撃を組み立てる。
そしてフロンターレはコーナーキックを得た。しかし肝心のセットプレーは精度を欠き、目立ったチャンスに直結しない。
子どもも雨に濡れつつ、小旗を振っての応援
一途な願いはピッチ上の選手に
伝わるのであろうか・・・
我那覇選手の積極果敢な突破から
幾度もセットプレーのチャンスを得る
しかし、甲府の守備も厳しく
追加点の気配は一向に訪れない
甲府が凄まじいカウンターを披露。フロンターレは一気にピンチに陥るが、低いシュートは吉原選手が確実に抑えた。
あっという間に後半開始から20分以上が経過。フロンターレは我那覇選手を下げ、バルデス選手(背番号9:FW)を投入する。
この選手交代で一気に流れを掴みたい。フロンターレは猛然と攻撃を仕掛けるが、甲府の固い守備が行く手を遮る。
混戦からフロンターレの選手がピッチに崩れ落ちた。甲府はそれを尻目に、一気に反撃に転じるのみ。
甲府の予想外の抵抗に、中々追加点が見えてこない。一方のサポーターは観客席で大きく飛び跳ね、普段以上の興奮振りだ。
跳躍するサポーターを撮影したつもりだが・・・
この悪天候じゃ、もうお手上げ
フロンターレは地力を生かしての攻撃。甲府のバックパスを見逃さず、突進からプレッシャーを与えている。
続けて左サイドを攻略し、ゴールライン付近で鋭いクロス。ボールは甲府の選手に当たり、ゴールラインを割り込んだ。
サポーターは「ハンドだ!」と激しいアピール。それでも判定は覆らず、コーナーキックから黙々とプレーは再開。
肝心のセットプレーは一向に決まらない。ショートコーナーのチャンスも生かせず、追加点の期待は遠のく一方だ。
甲府もカウンターで一気に反撃。箕輪選手(背番号5:DF)のスライディングはファウルと判定され、逆に危機を招いてしまう。
甲府も激しく攻め立てるが、フロンターレの守備も踏み止まる。粘り強く甲府の反撃を凌ぎ、失点の芽を断ち切った。
甲府はセットプレーから同点を狙う
フロンターレもゴール前を固め、懸命に耐える
歯がゆい時間帯が延々と続く。それでもサポーターは勝利を信じ、懸命の応援を繰り広げる。
それに選手が応えたのか、フロンターレも猛反撃。左サイドでフリーキックを得て、観客席も一気にヒートアップ。
このチャンスも生かせぬが、沈みがちな応援が盛り返す。その後は甲府の反撃を食らうものの、堅実な守備で危機を断ち切る。
後半も残り時間は刻一刻と減少。両者の実力差を考慮すれば、フロンターレの勝利が現実味を帯びてきた。
だが、甲府も勝負を捨ててはいない。これがその後訪れよう悪夢を招こうとは、一体誰が予想したであろうか・・・。
甲府も最後まで諦めない
フロンターレの守備は若干の綻びがあるが
辛うじて失点を免れた
時間帯はロスタイム突入前後。甲府の果敢なる攻撃は鋭さを増し、厳しいクロスに吉原選手も懸命のパンチング。
嫌な予感が脳裏を過ぎる・・・筈が、寒さで麻痺して危機が危機と感じない。真の危機は間近に迫っているのに、それを危機と感じない。
フロンターレはスルーパスからバルデス選手が飛び出し、惜しくもオフサイドの判定。鮮やかな連携に危機感は払拭され、フロンターレの勝利をにわかに錯覚しつつある。
甲府の直向さを完全に見下していた。悲劇の終焉が接近しつつあるのを、一切知らされぬままに・・・。
フロンターレのリードは僅か1点であるが
格下の甲府が相手である
多くのサポーターが勝利を信じていたに違いない
ロスタイム突入から相当の時間が経過した。甲府が懸命に食い下がり、ぎりぎりの時間でコーナーキックのチャンスを得た。
これさえ凌げば勝てる。誰もがそう思った筈である。だが勝利の女神は微笑まず、最後の最後で厳しい審判を下した。
甲府の鋭いコーナーキックは、外池選手(背番号17:MF)の頭を捕らえた。ボールは一気に角度を変え、フロンターレのゴールに無情にも突き刺さる。
観客席は一気に沈黙に包まれた。掴みかけた勝利は、最後の最後でこぼれ落ちてしまった。
甲府はこれが最後のチャンス
これさえ耐え抜けば絶対に勝てる!
誰もが信じたその矢先・・・
外池選手の高い打点から
鋭いヘディングシュートが炸裂
ボールはフロンターレゴールに突き刺さり
最後の最後でまさかの同点劇
喜びに沸き返る甲府サポーター
反面、フロンターレサポーターは・・・
挨拶に訪れた選手に激しいブーイング
サポーターは選手に何か
(選手から暴言をはかれたらしいが)怒りを感じ
激しく詰め寄り、ピッチに物が投入された
結局は選手の仲裁で収拾したが
極めて遺憾で残念な行為であった
率直な感想は「甘かった」。例年以上の熾烈なJ2の世界、誰が相手であろうと、確実な勝利など絶対に有り得ない。
今年のフロンターレは相当強い。だがライバル達も確実に強化され、「お得意様」など全く存在しない。
当然の事実を再認識させられた。この引き分けは受け入れ難いが、肝に銘じるより他無い。
最後に批判を承知で述べれば、暴走した一部サポーターの態度は最低そのもの。長いリーグ戦でこれ以上に惨めな試合は、今後も絶対訪れる。
この程度で怒り心頭とは、正直認識が甘過ぎる。仮に選手からの暴言だとしても、後で冷静に抗議すれば良いだけだ。
怒りと苦々しさを覚えつつ、観客席を後にしました。
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:吉原 DF:渡辺・伊藤(宏)・箕輪 MF:塩川・茂原・山根・アウグスト・今野 FW:我那覇・ジュニーニョ SUB:浦上・岡山・中村・久野・バルデス |
<フロンターレの選手交代> |
我那覇>バルデス(66分) ジュニーニョ>岡山(89分) |