サンフレッチェ広島 VS 川崎フロンターレ
〜 2003 J2 第25節 〜
日 時 | 2003年7月30日 19:04 | |||
試合会場 | 広島スタジアム (広島県広島市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 5,570人 | |||
試 合 結 果 | ||||
広 島 | 1 | 前 半 | 0 | 川 崎 |
0 | 後 半 | 1 | ||
1 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
マルセロ | 35分 | 89分 | 小林 康剛 |
開門前、広島の広報氏と交渉のサポーター
当初バックスタンドで応援する計画が
バックスタンドでは鳴り物禁止と判明
結局、ゴール裏に移動したが
広島側の取り計らいにより
チケット代の差額を返金して貰えた
広島側の柔軟な対応には、非常に好感が持てた
場内に入り、横断幕の設置へ
巨大横断幕を固定する重りを
懸命に運ぶサポーター
警備担当者も重りの手配に積極的で
運営面での対応は素晴らしい限り
警備員と共に巨大横断幕を設置
警備員とのトラブルも珍しくないゴール裏であるが
時にはこんな清々しい光景も
当然、応援中もトラブルは皆無であった
夕日を背に受け、幾重にも帯を垂らす
応援準備は程なく完了
後は日が暮れ、キックオフを迎えるのみ
帯の輪に、熱狂的サポーターが集結
ゴール裏に熱気が渦巻く中、待望のキックオフ
今季無敗と相性の良い広島を破り
2位浮上のチャンスを掴め!
立ち上がりは両者動きが鈍い
フロンターレは久々スタメンの岡山選手(背番号32:DF)が
感覚を掴みきれぬ中、痛恨のイエローカード
広島がフリーキックのピンチを迎えるが
サポーターも気迫の応援で対抗
ゴール裏の想いがボールに通じたのか
キックは壁に衝突し、序盤の危機を免れた
その後もパッとしない状況が続く
スピードに勝るが、ミスが多い広島
対するフロンターレも消化不良的な動きで
試合の緊迫感はもうひとつ
空港がそばなので、飛行機でものんびり眺めて・・・
試合状況はともかく、大事な一線を眼前に
サポーターは懸命の応援でピッチを凝視
長旅の影響で声量は落ちるが
気持ちだけでは負けじと応援に勤しむ
広島の激しい当たりで、岡山選手が倒れ込む
イエローカードにも怖気ない、体を張った守備に
サポーターも惜しみなく拍手を送る
広島の攻撃も精度が劣る
フロンターレの守備も確実にラインを塞ぎ
このクロスボールも、最後はゴールラインを割り込んだ
広島が低調な今、攻撃を仕掛ける絶好の機会
吉原選手(背番号17:GK)に合わせ
サポーターは腕を伸ばし、手を小刻みに振る
フロンターレの中盤は、安心感が高い
広島に素早くプレッシャーを与え
危機の芽を即座に摘み取ってゆく
さあ、後は先制ゴールを決めるだけ
・・・が、直後に地獄が待っていた
中盤の混戦から中央が一瞬がら空きに
広島はそれを見逃さず、速攻が炸裂
気が付けば時既に遅し
マルセロ選手(背番号10:FW)に
痛恨の失点を献上する
失点のショックからか、フロンターレが突如劣勢に陥る
これ以上リードを許してなるものか
サポーターも必死の形相で、熱いエールをピッチに送る
だが、火がついた広島の勢いは止まらない
この状況に変化が訪れぬまま、前半はロスタイムに突入
前半終了間際にコーナーキックから
同点のチャンスを手繰り寄せるも
結局はゴールには至らなかった
ゴール裏に悲壮感は似合わない
大逆転に願いを託し、後半の応援開始
前節の湘南戦で奮闘した
小林選手(背番号34:FW)も投入
攻撃に弾みを期待したい
小林選手に触発されたか
我那覇選手(背番号27:FW)が積極性を見出す
だが、広島のDFが一歩上手
ペナルティエリア内のキープも空しく
あえなくボールを奪われてしまった
広島のカウンターに手を焼くフロンターレ
この直後、フロンターレも反撃に転じ
ロングクロスからアウグスト選手(背番号4:MF)が
気迫で広島ゴールに飛び込む
しかし、惜しくも同点には至らない
岡山選手のラフプレーで、試合が一時中断
広島の選手がピッチに崩れ落ち
広島サポーターから盛大なブーイング
・・・が、直後拍手に様変わり
それもそのはず、岡山選手がこの日2度目の警告
つまりは退場、劣勢のフロンターレにとって
実に厳しい結末である
一人少なくなったフロンターレ
その影響は如実に現れ、ファウルが急増
攻撃面でもスローインを
ジュニーニョ選手(背番号10:FW)がキープするも
瞬く間に孤立無援に陥ってしまう
華麗な足技で懸命にこらえるも、最後は
サンパイオ選手(背番号6:MF)に奪われた
広島の優勢が続く中
フロンターレも間接フリーキックのチャンス
アウグスト選手(背番号4:MF)の左足が爆発するも
ボールはゴール裏の看板へ
だが、広島も攻めあえぎ、細かいミスが再発
情勢は徐々にフロンターレに傾き
広島ゴール付近で再三攻め立てる
サポーターもここぞとばかりに、全力の応援
茂原選手(背番号14:MF)のコーナーキックは
山根選手(背番号6:MF)の頭を正確に捕らえる
広島も意表を突かれ、強烈なヘッドが炸裂
だが、惜しくもゴール枠を外れた
フロンターレの鮮やかなパスワークに、広島の守備は翻弄
相手は確実に慌てている
最高のチャンスが訪れた、後はゴールを決めるだけだ
それでも広島が底力を発揮
分厚い攻撃陣でペースを戻し
フロンターレが再び不利な時間帯
広島にボールを回され
最後は梅田選手(背番号16:FW)のシュート
これは吉原選手の正面で命拾い
フロンターレも切り返し、スローインは小林選手へ
懸命にボールをキープするが
広島が多人数で奪い取り
素早いカウンターでフロンターレゴールを急襲
後半になれど、広島のスピードは侮れない
後半も時間は減少の一途
ジュニーニョ選手が倒され、待望のフリーキックが到来
広島の壁の先には、アウグスト選手の勇士が
距離・角度共に、申し分なさそうだ
同点に追いつくべく、最高の舞台が整った
サポーターも全神経を集中し、力の限り絶叫
応援家N崎氏、表情が真剣そのもの
しかし・・・、ボールは僅かにゴールの外
サポーターの一途な願いは、ここでも通じない
後半も残り時間はごく僅か
サポーターは最後まで諦めない
奇跡のゴールを信じ、喉がつぶれるかのように絶叫する
時間が45分を指そうとしている
諦めの空気が漂いかける、その時・・・
広島DFの背後に、一人の男が飛び出した
胸に輝く背番号「34」
その男は・・・小林康剛
直後、豪快な一撃が炸裂
ボールは一直線に、広島ゴールに突き刺さる
奇跡は奇跡で終わらなかった
劇的ゴールに、サポーターも大興奮
感動を抑えきれず、フェンスに一気に駆け寄った
試合はこのまま同点で終了
選手には安堵の表情が伺えた
退場者を出し、最高の結果とは言い難いが
最後の最後で同点に追い付いた
精神力は、称賛ものである
サポーターも拍手で選手を出迎えた
引き分けであるが、J1復帰に手応えを掴んだ
貴重な一戦であった
勝利を逃した広島のゴール裏は、深い沈黙に包まれる
両者の心境が対極に表れた好例ではなかろうか
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:吉原 DF:岡山・渡辺・箕輪 MF:アウグスト・山根・伊藤(宏)・今野・茂原 FW:ジュニーニョ・我那覇 SUB:相澤・塩川・中村・伊藤(優)・小林 |
<フロンターレの選手交代> |
今野>小林(45分) 我那覇>中村(71分) 渡辺>伊藤(優)(80分) |