「K点越え」の決戦を目前に、不気味な雨が等々力の周囲を覆う
突風対策であろうか、コーンは軒並み倒されていた
試合開始の時が近づけど、雨足は一向に衰えない
悪天候にも関わらず、アウェイ側ゴール裏1階席は
濃紅一色に染まり、いささか怖気づきそうだ
しかし、フロンターレサポーターの気合はそれをも上回る
鹿島から初勝利を奪うべく、場内は徐々に熱気を増す
水分を含みたゴール裏の大旗は
青みを一層帯び、躍動感豊かに盛大に揺れる
選手入場を迎えると共に、観客席は青一色で染めつくされた
悲願の勝利を飾るべく、熱戦の火蓋が切って落とされた
ピッチに舞う大粒の雨を切り裂き、鹿島が先制攻撃を仕掛ける
サイドからのクロスボールに対し
伊藤選手（背番号2：DF）がヘッドでクリア
鹿島のサイド攻撃を凌ぎ、フロンターレが力強い反撃
ジュニーニョ選手（背番号10：FW）がファウルを受け
早速フリーキックのチャンスを迎える
待望の場面到来に、サポーターも俄然熱気づく
小雨を突きぬくかの如く、低いうなり声でチャンスを演出
高く舞うフリーキックに、箕輪選手（背番号5：DF）がヘッドで狙う
右サイドに流れたボールに対し、長橋選手（背番号20：MF）が
キレの良いクロスを放ち、フロンターレの選手が立て続けに飛び込む
フロンターレの選手は気合満点、早くも動きが冴える
中盤からマルクス選手（背番号11：MF）が右サイドにロングパスを供給
長橋選手が続けてクロス、流れるような攻撃が光る
鹿島もフリーキックの場面を迎える
鋭く回転のかかったボールが、フロンターレゴールに急接近
ボールはポスト上方を鋭く通過、失点は免れた
鈴木選手（背番号30：FW）に対し
フロンターレは中盤から素早いチェックで対抗
苦し紛れのパスからミスを誘い、ボールを奪取
斜め後方のパスから、鈴木選手がシュートを狙う
これは幸運にもオフサイド、序盤は鹿島のミスにも救われる
悪天候にも関わらず、フロンターレのパスワークが冴える
中村選手（背番号１４：MF）からのロングパスは
アウグスト選手（背番号4：MF）に命中
手薄なサイドを一気に攻め、コーナーキックのチャンスを掴む
アウグスト選手は年齢を感じさせぬ運動量
古巣の鹿島に厳しく絡み、ミスを再三誘い出す
長橋選手も、ここ数試合の不調が嘘のようだ
フリーエリアを深く駆け上がり、鋭いクロスを連発
飛び出すタイミングも長け、中盤とのコンビネーションも抜群だ
対する鹿島も慌ててはいない、低いパスワークから反撃開始
右サイドからのクロスに、鈴木選手が反応してシュートを放つ
一瞬冷や汗をかくものの、相澤選手（背番号28：GK）が冷静に抑えた
鹿島の反撃を断ち切り、フロンターレが一気に前線へフィード
右サイドを粘り左サイドへのロングパスに、アウグスト選手が反応
ペナルティエリア前後を旋回、クロスを放つ隙をうかがう
鹿島のマークを一瞬でかわし、鋭いクロスが炸裂
高いボールを目掛け、我那覇選手（背番号9：FW）が
強烈なヘッドを叩き込む！
王者鹿島から先制ゴール！
大雨を切り裂く快心の一撃に、サポーターは大興奮
今日こそ鹿島の壁を、絶対に超えてやる！
興奮冷めやらぬ中、試合はとうに再開されていた
鹿島が不意打ちを狙い、フロンターレゴールを急襲
鈴木選手と寺田選手（背番号13：DF）が、意地の攻防でピッチに倒れる
怪我の心配がつきまとう寺田選手だが、この場面は杞憂
直ぐに戦線復帰、堂々と空中戦を演じあう
鹿島が低い体勢から、フロンターレの隙を狙う
アレックス選手（背番号9：FW）がドリブル突破に対し
谷口選手（背番号29：MF）が捨て身のスライディングで制止
鹿島の反撃を絶ち、フロンターレがカウンターで逆襲開始
鹿島ゴール付近での攻防戦を経て、フリーキックのチャンスを得た
鹿島サポーターのプレッシャーの中、マルクス選手のキックが炸裂！
鋭いボールは誰にも触れず・・・と思いきや
鹿島ゴールのサイドネットに突き刺さり、ゴールへと巻き込まれた
呆然と見送る鹿島サポーターを背後に、笑顔のマルクス選手
鹿島から2連続ゴールとくれば、サポーターも大興奮
ゴール裏の大旗は盛大にゆれ、素晴らしきゴールを祝福
GゾーンもLフラッグが盛大になびき、興奮の渦に包まれる
今日こそ鹿島に勝つ！
絶対にK点を超えてみせる！！
窮地に立たされた鹿島が、リスタートと共に速攻を仕掛ける
2点リードのフロンターレは浮き足立つ事も無く
ゴール前をしっかりと固め、鹿島の攻撃を弾き返す
フロンターレのパスは、ジュニーニョ選手の元へ
裏を突かれた鹿島は、警告覚悟のファウルで止めるのが精一杯
鹿島は空中戦では歯が立たないと判断したのか
アウトサイドから低く素早いパスを繰り出す
この場面はシュートの体勢に入るものの
箕輪選手（背番号5：DF）が体を入れ、決定機を阻止
鹿島は苛立ちを隠せないのか
鈴木選手が相澤選手のキックを妨害し警告を受ける
無用な反則から、王者らしからぬ焦りが見え隠れする
鹿島がコーナーキックの場面を迎える
厳しい局面も予感したが、フロンターレの守備は依然として平静を保つ
鹿島の選手を自由にさせず、寺田選手が前方へクリア
鹿島の総攻撃を堅守で耐え、攻撃に転じるフロンターレ
ジュニーニョ選手も豊富な運動量が光る
深いポジションから、鹿島ゴールを狙いにかかる
鹿島が左サイドからクロスを供給、こぼれ球は逆サイドへと流れる
高く舞うボールに、鈴木選手とアウグスト選手が
互いにひじを付き合い、激しい競り合いを演じる
前半も残された僅かな時間、追加点が欲しくなってきた
その願いに呼応するかのように、中村選手が痛快なミドルシュート
ボールは鹿島の選手を直撃するが、積極性は見逃せない
ジュニーニョ選手の視野の広さも見逃せない
名良橋選手（背番号2：DF）へのオーバーラップに
一気に中盤から戻り、危険なクロスを見事に阻止
息詰まる熱戦に、サポーターも一層ヒートアップ
びっしょりと体を濡らしつつ、盛大な応援を繰り広げた
前半はこのまま2点リードで終了
鹿島からの初勝利だけを願い、残る45分間も全力で戦おう
ピッチ上に選手が再び登場、戦いの時が再び迫る
遠方のアウェイ側ゴール裏には、数多の鹿島サポーターが埋め尽くす
一見すると控えめだが、内面に秘めた迫力は凄い
さあ、K点越えを目指して後半がスタート
早速フロンターレが先制攻撃
右サイドのスペースに、長橋選手が精悍な表情で一気に迫る
スローインからフロンターレの攻撃再開
続けて右サイドを執拗に攻め立てるが
この場面はフェルナンド選手（背番号16：MF）の守備が勝り
惜しくもチャンスを演出ならず
鹿島からハーフタイムで修正がなされたのか、慌てた素振りは見られない
右サイドを深く展開、速攻からフロンターレのミスを誘い
深井選手（背番号11：FW）がボールをキープ、そのまま中央へ折り返す
深井選手の痛快な一撃が、フロンターレゴールを襲う
シュートは辛うじてクロスバー上方を通過、辛うじて失点は免れた
さあ、ここから仕切りなおし
相澤選手のゴールキックにあわせ、腕を水平に突き出すサポーター
2点リードだが安堵は微塵も無く、観客席は緊迫感に包まれる
右サイドの狭い空間を、フロンターレがじわじわと前進
我那覇選手が粘りを効かせ、ボールをキープ
素早いリスタートから、長橋選手がペナルティエリア内へ突入
不意を突かれたのか、鹿島の守備は明らかに反応が遅れている
決めるぞ、3点目をゲットだ！！
長橋選手から我那覇選手へ、絶妙のラストパス
・・・と思いきや、ここは惜しくも呼吸が合わなかった
絶好機を逃したものの、フロンターレの攻撃意欲は衰えない
中盤の空中戦に、我那覇選手が果敢に挑む
だが、試合の流れは徐々に鹿島へと傾く
フロンターレの運動量の低下を見越したかの如く
じりじりをボールを回し、体力を削ぎにかかる
鹿島の反撃を断ち切り、ジュニーニョ選手が突破を図る
ここはフェルナンド選手と交錯、バランスを崩してしまう
だが、フロンターレがすかさずボールを奪取
ジュニーニョ選手が混戦を抜け、流れに沿って絶妙のパスを供給
続けてコーナーキックのチャンスを迎えたフロンターレ
絶好の場面到来に、Gゾーンの熱気は更にアップ
マルクス選手から繰り出されたボールに、箕輪選手が飛び込む
鹿島ゴール付近は混戦に突入するが、後一歩で押し込めない
逆に、鹿島が怒涛のカウンター
フロンターレゴール付近は守備が手薄であったが
守備陣は集中力を一切切らさず、この窮地を懸命に守り抜く
鹿島の攻撃は途絶え、フロンターレボールでプレーが再開
中盤のフリースペースを、我那覇選手が一気に前進
絶好の場面と思いきや、後を追う選手がおらず
どうしても追加点には至らない
攻めるフロンターレの選手からは、疲労の色が感じられる
徐々に鹿島に形勢が傾き、苦境の時間帯へと突入
鹿島の長い攻撃が過ぎ、オーロラビジョンに入場者数が発表
2万人は超えて欲しかったが、悪天候にしては健闘した方だろうか
疲れが目立つ選手達に、熱い声援を送るサポーター
2点リードでは決して満足ゆかぬ
この声に選手達はこたえてくれるのだろうか
ピッチ上の選手達が、サポーターの期待に応えてくれた
左サイドを攻め立て、フリーキックのチャンスが到来
ゴール前の混戦からボールをキープし
ジュニーニョ選手が巧みな足技で粘る
コーナー付近で更に粘るフロンターレ
中村選手も懸命に、ボールを死守
鹿島にボールを奪われかけるも、長橋選手が仲間のピンチを見逃さない
側面から素早く回り込み、こぼれ球を見事に奪取成功
混戦の中、ボールはジュニーニョ選手へと託された
巧みなステップで、鹿島の守備を幻惑させる
続けて谷口選手（背番号29：MF）の足元へ
フェルナンド選手と交錯し、バランスを崩しつつもスルー
最後は佐原選手（背番号3：DF）のシュートを引き出す
絶好機は逃してしまったが
フロンターレの勝利への執念は、一向に衰えない
寺田選手も積極的に攻撃参加、鹿島のファウルを誘い出す
果敢に攻め立てる選手達に、サポーターは更にヒートアップ
アウグスト選手のフリーキックに合わせ、低いうなり声を響かせる
ほとばしる熱気の中、アウグスト選手のキックが炸裂
寺田選手が隙間から抜け出し、得意のヘッドでゴールを狙う
一度は鹿島が抑えるも、フロンターレの勢いは止まらない
我那覇選手が渾身の力を振り絞り、空中戦に挑む
程なく鹿島からボールを奪取成功
長橋選手からジュニーニョ選手へと、ボールは託された
鹿島の背後を鮮やかに突き、鋭いクロスを繰り出した！
残された力を振り絞り、鹿島ゴールを破りにかかる
白熱の攻防戦は、フィナーレの時間帯に突入しつつある
だが、王者鹿島にも、意地が残されていた
フロンターレの猛攻を耐え抜き、カウンターを披露
最後はクロスボールに鈴木選手が飛び込み、1点を取り返す
この1点で鹿島は息を吹き返す
リスタート後も再三に渡りフロンターレを攻め立て
王者の貫禄と執念を見せつける
フロンターレも残された力を振り絞り、鹿島に勇敢に立ち向かう
悲願の勝利を固く信じ、1点リードを保ち最後の時間帯に突入
初勝利を願う気持ちは、誰もが同じ
K点越えを願い、この応援歌が飛び出した
どんな時も俺達、そうさ心くじけない
アオとクロの、誇り胸に〜
さあ行こうぜ、KAWASAKI、いつも俺達と共に
ぶちかませよ〜、Just Going Now
サポーターの願いは、ピッチ上の選手に届いたのだろうか
ライン際の息詰まる攻防、都倉選手（背番号27：FW）が
瀬戸際の執念を燃やす
ロスタイムに突入すると、鹿島が総攻撃に突入
何度もフロンターレゴールを脅かし、あわや失点寸前となるが
気迫と意地でゴールを死守、必死に逃げ切りを図る
ロスタイムが異様に長く感じられる、早く試合よ終わってくれ・・・
・・・と、主審の長い笛がピッチに響き渡る
王者鹿島から、悲願の初勝利！
ついに、ついにK点を超えた
激戦の舞台を終え、観客席は歓喜の渦に包まれた
挨拶に訪れる選手たちを、盛大に揺れるLフラッグと
威風堂々の応援歌で出迎える
オオフロンターレ、オオフロンターレ
俺達の誇り〜
進め、進め威風堂々
青と黒の戦士達〜
相澤選手がガッツポーズで、喜びを満面に出す
他の選手は疲労からか笑みは控えめだが
内面で喜びを味わっているのであろうか
サポーターからの掛け声にあわせ、万歳
サポーターの声援に合わせ、アウグスト選手が勝利のダンス
両腕を高く突き上げ、拍手で応える
Gゾーンの前には、普段よりもリッチな「お立ち台」が
サポーターの声援に引き付けられるかのように、我那覇選手が登場
素晴らしいヘディングシュートで、勝利に貢献
これぞ川崎が誇るエース（・・・は褒めすぎかな）