川崎フロンターレ VS FC東京
〜 2006 J1 第4節 〜
日 時 | 2006年3月21日 16:04 | |||
試合会場 | 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 14,191人 | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 1 | 前 半 | 0 | 東 京 |
1 | 後 半 | 2 | ||
2 | 計 | 2 | ||
得 点 者 | ||||
谷口 博之 | 39分 | 63分 | ジャーン | |
中村 憲剛 | 85分 | 74分 | 川口 信男 |
早春の等々力緑地、早咲きの桜を背後に
10周年記念のフラッグが軽やかになびく
・・・が、春の陽気とは裏腹に憂鬱な気分に苛まれる
前日に茂原選手(背番号17:MF)が、住居侵入の容疑で逮捕される事態
クラブ史上前代未聞のハプニングに、複雑な心境は否めない
現役選手が逮捕と言う緊急事態に、サポーターの動揺も隠せない
開門直前にコールリーダーがメガホン片手に登場
大勢のサポーターを前に、全力の応援を呼びかけた
今は応援に集中するしか有り得ない
複雑な心境を抱えたまま、試合開始の時を迎えてしまう
反対側には熱狂的な東京サポーターが鎮座、戦いの舞台は待ってくれない
勝負を目前にした今、雑念は振り払う他ない
フロンターレサポーターの気合も、徐々に高まっているかのようだ
選手達がピッチに登場すると同時に、ビッグフラッグが掲げられた
連敗は意地でも阻止せねば、激闘の90分間がスタートを切った
右サイドをジュニーニョ選手(背番号10:FW)が、ドリブルから先制攻撃
東京の立ち上がりの不意を突き、セットプレーのチャンスを掴む
空中戦に挑む寺田選手(背番号13:DF)、圧倒の跳躍力を見せつける
序盤のプレーを見る限りでは、茂原選手逮捕の影響は感じ難い
突破を図ったジュニーニョ選手が転倒、フロンターレがフリーキックのチャンスを得た
マルクス選手のキックにあわせ、応援の緊迫感も高まってきた
絶対に負けられぬ熱き想いが、声援に乗り移っているかのようだ
逆襲を図る東京、左サイドをリチェーリ選手(背番号35:FW)が駆け上がる
フロンターレは箕輪選手(背番号5:DF)が追随
リチェーリ選手に押し倒されるも、気迫の守備で守り抜く
その後も両者が激しく衝突、イエローカードも盛んに飛び交った
サイドチェンジから左サイドの森選手(背番号19:MF)
東京のサイドの手薄さを突き、一気に深く切れ込む
ステップワークを交え、東京の守備を崩しにかかる
効果的なクロスを放つなど、依然として好調さを保っている
試合前の異常事態とは裏腹に、森選手は守備でも冷静さを保っている
無理な切り返しを狙う事無く、バックの選手へとボールを着実に戻す
左サイドを攻め立てた東京が、フリーキックのチャンスを得た
ロングボールがフロンターレゴール前に落下
この場面はマルクス選手(背番号11:MF)が、無難にヘッドでクリア
カウンター狙いのフロンターレ、中村選手(背番号14:MF)がボールに絡む
だが、気負ってしまったのか加速が止まらず
東京の選手と接触してチャンスを潰してしまう
森選手のパスを受けた我那覇選手(背番号9:FW)が
力強く左足を振り抜き、クロスを繰り出した
続けてのセットプレーのチャンスに、サポーターの声援もヒートアップ
熱き声援に応えるかのように、ジュニーニョ選手がシュートを狙うが
ボールは土肥選手(背番号1:GK)の手中、惜しくも先制点には至らない
その後の東京の反撃はミスに終わり、フロンターレが再び優位に攻める
コーナーエリアに立つマルクス選手が、盛んに指示を送っている
左サイドの森選手も積極的な動きで、東京の守備をかき乱す
右サイドからは井川選手(背番号4:MF)が、得意のオーバーラップを披露
右サイドを一直線に駆け上がり、鋭いクロスを繰り出した
直後東京のサイドアタックが炸裂、キープ力を武器にフロンターレを攻める
伊藤選手(背番号2:DF)と森選手が、体を張って守るものの
東京にコーナーキックを献上、突如窮地へと追い込まれてしまう
緊迫の場面を前に、サポーターが奮起
Gゾーンからは盛大なブーイング、ゴール裏では大旗を振り
12番目の選手達が、東京の選手に圧力を加える
東京に立て続けにコーナーキックを許すが
サポーターの願いが通じたのか、失点は免れた
フロンターレがカウンターを仕掛けたものの、東京が即座に攻め戻す
井川選手もこの場面は守備に専念、サイドの選手に密着体勢
我慢を続けたフロンターレだが、一瞬の隙が生じてしまった
リチェーリ選手の鋭い飛び出しに、寺田選手の反応が遅れてしまう
寺田選手は振り切られ、一瞬にしてフロンターレゴールへと詰め寄られるが
相澤選手(背番号21:GK)が決死のセーブでゴールを死守
東京が波状攻撃を仕掛けるも、フロンターレは我慢の時間帯
寺田選手も汚名挽回とばかりに、体を張った守備を披露
相澤選手も集中力を切らさず、果敢な飛び出しを見せた
東京の猛攻を耐え抜いたフロンターレ、ようやく反撃の時を迎える
マルクス選手の突破から我那覇選手、東京の選手にフェイントを効かせ
側面の中村選手にパスを放ち、豪快なミドルシュートを引き出す
東京もリチェーリ選手がシュートを放ち、互いに攻撃の手を緩めない
こう着状態を打破すべく、サポーターの声援がピッチに響く
東京の4バックは攻撃的、鈴木選手(背番号15:DF)のロングクロスは要警戒
ルーカス選手(背番号9:FW)らが空中戦を挑み
フロンターレゴール付近の緊張感は続く
我慢を強いられたフロンターレであるが、程なく逆襲体勢へ
前半も残り時間が限られる中、待望のセットプレーのチャンスを掴む
マルクス選手のフリーキックにあわせ、腕を突き出すサポーター
熱き叫びからは、期待感がみなぎっている
盛大な声援の後押しを受け、マルクス選手のキックが炸裂
谷口選手(背番号29:MF)がヘッドで押し込み、待望の先制ゴール!
待ちわびた先制ゴールに、サポーターも大興奮
負けられぬ一戦での勝利を目指し、応援は更に厚みを増す
先制点を喫した東京が、同点ゴールを奪うべく逆襲開始
フロンターレは伊藤選手らが体を張った守備で、東京の攻撃を封じ込める
前半ロスタイムも東京の猛攻を耐え凌いだフロンターレ
前半終了間際に谷口選手のドリブルが炸裂
続けて井川選手がクロスを放つが、惜しくもゴール正面の選手には合わなかった
程なく前半終了の時を迎えた
ハーフタイム中はまなちゃんを救う会の募金が、目標額に達成したご挨拶
今後渡米して手術に備える予定とか
ドナーの登場と手術の成功を、心から祈ります
後半開始を直前に、ゴール裏の大旗が盛大になびく
茂原選手の逮捕によるダメージを払拭するには、勝利以外有り得ない
力強い旗の動きには、サポーターのひたむきな願いが込められている
後半開始直後は東京の先制攻撃を受けたフロンターレ
即座に反撃に移るも、ジュニーニョ選手の気合は空回り
東京の守備陣も攻撃的だが、フロンターレのDFも負けてはいない
伊藤選手が左サイドを浮上、ジュニーニョ選手を経由し
東京ゴール正面のマルクス選手にボールを託すが、惜しくも乱れてしまう
1点のリードを保つものの、フロンターレの選手に安堵は無い
続けて左サイドからジュニーニョ選手がセンタリング
ボールは大きく流れたものの、我那覇選手が追い付き折り返す
井川選手の粘り、中村選手のミドルシュートなど
勝利への執念が伝わるプレーが連続する
1点を追いかける東京も、逆転勝利への執念を見せつける
サイド攻撃から再三深く攻め込み、フロンターレに圧力を加える
低い体勢から我那覇選手が突破を仕掛ける
我那覇選手に対する東京のマークも実に厳しく
徳永選手(背番号25:DF)のスライディングに行く手を遮られた
好守が激しく変貌する展開に、場内の熱気は高まる一方
サポーターにも1点リードの慢心は皆無
東京のコーナーキックの場面を迎え、声援にも緊張感がほとばしる
東京の厳しい攻撃を、懸命に堪えるフロンターレ
マルクス選手の起死回生のパス・・・も、前線には繋がらない
東京が深い位置からクロスを繰り出すが、相澤選手が冷静にキャッチ
フロンターレがカウンターで逆襲開始、ジュニーニョ選手が左サイドを一気に前進
フロンターレの反撃は一旦途切れるも、即座に攻め戻す
井川選手のパスを受けたジュニーニョ選手がシュートを放ち
東京からコーナーキックのチャンスを得た
満ち溢れる闘志に、サポーターも俄然熱くなる
声援も更に厚みを増し、勝利への執念を抱かせる
だが、セットプレーから目立ったチャンスは生まれない
谷口選手とジャーン選手(背番号3:DF)が手に汗握る攻防戦
中盤では中村選手が奮闘、ピッチ上に緊迫感に満ち溢れる
東京がじわじわと圧力を加え、サイドに展開を図る
井川選手が懸命に追いかけるも、東京の選手が転倒しファウルの判定
ううむ・・・、嫌な予感が脳裏を過ぎる
宮沢選手(背番号16:MF)のフリーキックが、フロンターレゴール前を鋭く通過
・・・と、反対側からジャーン選手が渾身のダイビングヘッド
ボールは相澤選手が抑えた・・・かもつかの間
東京サポーターの絶叫と共に、フロンターレゴールへと吸い込まれてしまった・・・
この程度でサポーターは揺るがない
即座に応援が再開、ピッチ上の選手に熱きエールを注ぎ込む
ピッチ上の選手も集中力を保ち、東京に奇襲攻撃を仕掛ける
ジュニーニョ選手が混戦の突破を図り、ゴールへの意欲を見せつける
我那覇選手も後に続く、ジュニーニョ選手とのワンツーで抜け出しを図る
続けて中村選手のクロスに反応、土肥選手との息詰まる攻防を見せた
勝利への執念を見せるフロンターレに、東京の攻撃が牙をむく
フリーキックを皮切りに、鈴木選手のパスが今野選手(背番号6:MF)へと渡る
マークに入った箕輪選手が振り切られてしまい
至近距離から痛恨のシュートを食らってしまった・・・
・・・が、直前にオフサイドの判定
幻のゴールに、今野選手は苦悶の表情
ともあれ、九死に一生を得たフロンターレ
東京を必死に攻め立てるも、気合が空回りなのか連携に欠く
攻撃もジュニーニョ選手一辺倒と、大味な悪いくせが見え隠れ
冷静さが欠如したフロンターレ、川口選手(背番号20:FW)の突破を止められない
箕輪選手のスライディングは非情の空振り
後続の選手も続々と振り切られ、フロンターレゴールはがら空きだ!
ぽっかりと開いたフロンターレゴール、川口選手を止める術は無かった
東京サポーターの絶叫と共に、痛恨のゴールを喫してしまった・・・
窮地へと追い込まれたフロンターレ、森選手が闘志をあらわにする
左サイドで卓越の粘りを見せ、コーナーキックを引き寄せた
コーナーキックの折り返しを、寺田選手が気迫のヘディングシュート
だが、ボールは一瞬早く土肥選手がキャッチ
勝負を諦めないフロンターレ、ジュニーニョ選手が執念のドリブル
ライン際で粘り、フロンターレに再びコーナーキックをもたらした
熱狂的な声援の後押しを受け、マルクス選手のキックが炸裂!
だが、この場面も土肥選手が渾身のセーブ
後一歩で、どうしてもゴールが奪えない
猛然と攻め立てるフロンターレだが、焦りの様相が色濃くなる
強引な突破は通用せず、軒並みチャンスを潰してしまう
セットプレーから箕輪選手がヘディングシュートを狙うシーンもあったが
どうしてもゴールを奪えない
重苦しいムードが、徐々に場内を覆い尽くす
もうダメなのか・・・、一瞬諦めが過ぎった矢先
東京ゴールへと突き進む、中村選手の姿が飛び込んだ!
至近距離からの一撃は、東京ゴールに豪快に突き刺さった
ケンゴが、ケンゴが、見事に決めてくれた
川崎の窮地を、執念で救ってくれた
歓喜に浸るのはまだ早い、東京の猛攻がフロンターレゴールを襲う
川口選手が至近距離からシュート・・・
背筋が凍りそうになるも、辛くもクロスバーに救われた
後半も残り時間は僅か、フロンターレが最後の総攻撃
黒津選手(背番号24:FW)が激しく転倒
土壇場でフリーキックのチャンスを得た
多くの願いを抱き、中村選手のキックが炸裂
残念ながらボールは壁に激突、その直後に熱戦は静かに幕を閉じた
激闘を終えた選手達、一様に複雑な表情を浮かべていた
執念で勝ち点1を得るも・・・、どうしても空しさはぬぐい切れない
ピッチを去る選手達に、サポーターから歌声が捧げられた
おおフロンターレ、おおフロンターレ、俺達の誇り〜
進め進め威風堂々、青と黒の戦士たち〜
今回の不祥事の一掃には、相当な時間が必要であろう
当面は苦難は免れない、周囲からの冷たい視線も覚悟
それでも一サポーターとして選手達を信じ、全力でサポートを続けるだけ
それが愛するチームのためだから
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:相澤 DF:伊藤・寺田・箕輪 MF:中村・谷口・井川・森・マルクス FW:ジュニーニョ・我那覇 SUB:吉原・佐原・米山・原田・西山・今野・黒津 |
<フロンターレの選手交代> |
井川>米山(68分) 谷口>原田(74分) マルクス>黒津(80分) |