川崎フロンターレ VS 鹿島アントラーズ
〜 2006 ヤマザキナビスコカップ 予選 〜
日 時 | 2006年5月21日 15:00 | |||
試合会場 | 等々力陸上競技場(神奈川県川崎市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 13,024人 | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 1 | 前 半 | 1 | 鹿 島 |
1 | 後 半 | 0 | ||
2 | 計 | 0 | ||
得 点 者 | ||||
オウンゴール | 20分 | 26分 | 野沢 拓也 | |
黒津 勝 | 80分 |
快晴の等々力陸上競技場、これだけ晴れたのはいつの日以来か
最近のホームゲームで雨に慣れてしまったのか
逆にこの光景に違和感を覚え、明るい場内がまばゆく見えてしまう
ナビスコ杯8強をかけて、アウェイ側ゴール裏には熱き鹿島サポーターが集結
数多の旗が燃え盛る炎のようである
対するフロンターレサポーターも、巨大横断幕のもと気勢を上げる
この「FORZA KAWASAKI」の横断幕は、老朽化で間もなく引退の見込み
この試合がラストゲームになるのあろうか
等々力の空に向かい、ビッグフラッグが盛大になびく
高まる場内の熱気と共に、ナビスコ杯予選リーグ最後の一戦がスタート
日本代表選手が抜けた鹿島は、若手主体の布陣
内田選手(背番号20:DF)から野沢選手(背番号25:MF)にパスが通る
フロンターレは伊藤選手(背番号2:DF)が背後から近づくも
野沢選手の早い動きに振り乱される
野沢選手の切れのあるプレーに、フロンターレの守備は応対が遅れる
フリーの体勢からシュートを浴び、開始直後から課題を突きつけられる
鹿島はアレックス ミネイロ選手(背番号9:FW)の存在が不気味である
小笠原選手が代表合宿で不在な中、キーポイントになりそうだ
予選通過を既に決めたフロンターレ、中3日にも関わらず選手の動きは悪くない
中村選手(背番号14:MF)の低重心のパスが早くも冴えを見せる
だが、序盤は鹿島が優位な状況
野沢選手のシュートに続き、内田選手が精度の高いパスを繰り出す
内田選手のパスに呼応し、増田選手(背番号26:MF)が浮上
一瞬危険な気配が漂うも、伊藤選手が懸命に追いかけた
トラップが大きくなったところで体を挟み、ゴールラインにボールを逃す
フロンターレは右サイドを深く展開、続けて左サイドの
マルコン選手(背番号6:MF)に託すも、鹿島にボールを奪われてしまう
鹿島の反撃に谷口選手(背番号29:MF)が守備で対抗
鹿島の選手が前へ抜け出すところで足を伸ばし、ボールを取り戻した
それでも鹿島が優位な状況には変わらない
何度も攻め込まれシュートを許すなど、劣勢の感は否めない
この状況を察したのか、関塚監督も積極的にピッチに声を飛ばしているようだ
右サイドを浮上したフロンターレ、鹿島のファウルよりフリーキックのチャンスを得た
マルクス選手(背番号11:MF)のキックに
寺田選手(背番号13:DF)がヘディングでシュートを狙う
続けてフロンターレがコーナーキックの場面
マルクス選手の背後には、真紅の集団が威圧感を与える
それが微妙に影響を及ぼしたのか、マルクス選手のキックは
小澤選手(背番号1:GK)の正面、先制点には繋がらない
一度はチャンスが潰えるも、右サイドを攻め立てたフロンターレが
再びフリーキックのチャンスをゲット
高まる得点の気配に、声援は自然と音量を増す
だが、これも鹿島サポーターの圧力に屈したのか
マルクス選手のキックは的を得ず、目立ったチャンスには至らない
フロンターレの攻撃をしのいだ鹿島がじわじわと前線へ浮上
ペナルティエリア付近で左右にボールを振り、様子をうかがう
フロンターレも密着マークによりボールを奪取するも
反撃も短命止まり、中盤で鹿島にボールを奪われてしまう
粘り強く繋いだ鹿島、グラインダー気味の位置から強烈なシュートを放つ
巻き込んだボールはフロンターレゴールへと急接近するが
幸運にもボールポストの外、ゴールラインを割り込み命拾い
ゴールキックから反撃開始のフロンターレ
鹿島の隙を探そうとするも、なかなか見つからないのか左右にボールを回す
中村選手がドリブル突破を図ろうとするが
無理と判断したのかバックパスで戻す
フロンターレがボールを回す間にも、鹿島がじわじわと圧力を加える
そんな間にフロンターレはいつしか体勢が乱れ
気が付けば受身の態勢、鹿島の攻撃に守勢を強いられてしまう
鹿島がセットプレーの場面を得て、フロンターレにピンチ到来
サポーターは失点を阻止すべく、吉原選手の名を懸命に叫ぶ
この場面はマルコン選手が得意の空中戦、力強いヘッドで危機を救う
鹿島の攻撃の憂さ晴らしをすべく、反撃体勢に入りたいフロンターレ
右サイドからマルコン選手へパスを託し、サイドチェンジを成功
マルコン選手は左足を強く振り抜き、最前線へ一気にパスを通す
これに呼応したのは我那覇選手(背番号9:FW)
ドリブルで内田選手の追随を振り切り、狭い角度からシュートを繰り出した
鋭いシュートは小澤選手が必死に弾き、鹿島ゴール前にはこぼれ球が
(実際には触っていないようですが・・・)
逆側にはマルコン選手が詰め寄っていた
こぼれ球を見逃さず冷静な一撃・・・を放ったものの
何故かシュートはゴール枠の外、絶好のチャンスを逃してしまう
だが、フロンターレは攻撃の手を緩めない
森選手(背番号19:MF)のサイドチェンジは再びマルコン選手
マルコン選手がドリブルで一気に前線へ浮上
ゴールライン際から得意のクロスを繰り出した
鹿島ゴール前に、高いボールが不規則に飛び交う
・・・と思った直後、鹿島ゴールにボールが吸い込まれた
どんな形であろうとゴールはゴール、先制ゴールに場内は大熱狂だぁ〜
だが、いつまでも歓喜に浸ってはいられない
早々に鹿島が反撃体勢、野沢選手が寺田選手を振り切りクロスを放つ
ボールはゴールラインを割り込むも、一瞬の隙が命取りになりかねない
対するフロンターレも速攻から逆襲開始
マルクス選手らが狭いエリアを繋ぎ、ジュニーニョ選手へパスを託す
鹿島のマークが甘くなったところで、軽快なシュートを繰り出した
内田選手も積極的に攻撃参加、とても高卒ルーキーとは思えぬ活躍ぶり
中村選手の追随をかわし、スルーパスを繰り出してきた
深井選手(背番号11:FW)へは、伊藤選手が対応に入る
体を押し寄せボールを奪取、中村選手がカウンターで突破を図るものの
後続の選手で攻撃が途絶えてしまった
マルコン選手のクロスは谷口選手を正確にとらえた
深井選手が上から重なったようにも見えたが
これは谷口選手がファウルの判定、谷口選手は不満の表情を浮かべた
鹿島も徐々に攻勢を強めてきた、フロンターレは守備の時間帯に突入
粘り強く繋ぐ鹿島に対し、粘りの守備で対抗
鹿島の攻撃を耐え抜いたフロンターレ
我慢のうっぷんを晴らすべく、右サイドを深く進攻
森選手のサイドチェンジは効果大、ここも鮮やかにパスが通る
マルコン選手のクロスも鹿島にダメージを与えている
・・・が、フロンターレにとんだ罠が待ち受ける
鹿島が起死回生のカウンター、無人のエリアにアレックス選手が急浮上
ゴールライン際でボールに追いつくや、冷静にバックパスを繰り出した
こうなるとフロンターレも無力であった
野沢選手に真正面から蹴りこまれ、同点に追いつかれてしまった・・・
鹿島を再び突き放すべく、フロンターレが再び攻撃体勢
懸命に鹿島サイドを攻め立てるものの
個人の気合が先走っているのか、攻撃の形が乱れがち
前半終了間際に、鹿島が一気に攻勢を強める
コーナーキックを交え、フロンターレゴールに詰め寄ったものの
瀬戸際でゴールを死守、何とか逆転は食い止める
前半最後のフロンターレの反撃、コーナーキックのチャンスを掴み取る
・・・と、大旗を抱えた鹿島サポーターが、ダッシュで移動開始
コーナーエリア付近で旗を水平に振り、フロンターレの選手にプレッシャーを与える
カシマサッカースタジアムでは名物の光景であるが
アウェイでも徹底するあたりはさすがである
このまま前半終了、同点で後半の勝負に挑む
ハーフタイム中にオーロビジョンを見つめるサポーター
フロンターレU-15が全日本クラブユース選手権にて
神奈川県予選を優勝で突破、おめでとう
方やアウェイゴール裏では、大旗がひっきりなしに揺れている
ハーフタイムであろうと熱気を沈めさせない作戦なのか
場内の熱気が心地よく保たれ、程なく後半開始の時を迎えた
先制攻撃を仕掛けたフロンターレであるが、早々に不発に終わってしまう
鹿島の攻撃に注意が必要であるが、守備面はなかなかの安定ぶり
寺田選手は別のコーナーキックのチャンスで
後方から飛び込み、豪快なボレーシュートに挑んでくれた
左サイドを駆け上がるフロンターレ、谷口選手のパスは我那覇選手を狙う
鹿島の選手がゴールラインにボールを逃し
フロンターレが再びコーナーキックのチャンスを掴む
熱狂的な声援の後押しを受け、マルクス選手のキックが炸裂!
この場面は箕輪選手が空中戦に挑むも
岩政選手(背番号3:DF)に阻まれてシュートには至らない
好機を逃したフロンターレ、ならばとブラジル人コンビが魅せてくれた
マルコン選手のロングパスにマルコン選手
ドリブルで軽く走り込み、シャープな一撃を繰り出した!
強烈なシュートが鹿島ゴールを急襲・・・が、ポストに激突
そのままボールはラインを割るも、鹿島ボールの判定にマルクス選手は不満の表情
その後もフロンターレが優位な状況、鹿島も必死にボールを弾き返す
ジュニーニョ選手がボールをキープ、鹿島のファウルを誘い出す
フリーキックのチャンスは逃してしまうも
マルクス選手の森選手が息の合ったコンビネーション
右サイドの狭い空間を巧みに繋ぎ、痛快なクロスを繰り出した
正面から谷口選手が飛び込んだが、シュートはこれまたゴールポストを直撃
鹿島も到底黙ってはいない、この場面はフリーキックのピンチを迎えてしまう
鹿島のシュートは吉原選手の正面、久々のスタメンで気持ちも乗っているようだ
対するフロンターレも逆襲開始、お返しとばかりにフリーキックのチャンスを掴む
絶好機にサポーターのボルテージも急上昇
みなぎる声援と共にマルクス選手のキックが放たれ
マルコン選手が飛び込むがこれもシュートには及ばない
ジュニーニョ選手が中盤からドリブルで一気に浮上
フリーの体勢からシュートを繰り出すも、これも得点には至らない
混沌とした状況が続く中、ピッチ上は一層激しさを増してきた
前半からファウルが多く、イライラが鬱積したのか小競り合いが勃発
その直後、鹿島に不幸が訪れた
アレックス ミネイロ選手が2度目の警告を受け、静かにピッチを後にする
鹿島の選手がひとり減り、フロンターレが数的優位となる
だが、均衡した勝負に油断は禁物
それはサポーターと言えども同じ、応援の緊迫感に変化は見られない
強烈な夕日を受けつつも、こう着状況を打破すべく攻めるフロンターレ
中盤のコンビネーションは依然保たれている
同点であろうと予選リーグは首位通過だが
選手達の目標はあくまでも勝利、プレーからはその意思が感じ取れる
後半も相応の時間が経過、フロンターレが攻撃の支配権を握る
ジュニーニョ選手も積極的にシュートを放つ
ショートコーナーの場面も、中村選手が正確なクロス
鹿島を明らかに追い詰めている、このまま鹿島を突き放せるのか?
強い日差しは体力を磨耗させる、連戦の疲れも重なり
撮影の集中力も途切れそうになりそうだ
そんな矢先、黒津選手(背番号24:FW)が魅せてくれた
寺田選手が落としたボールを見逃さず、鹿島の選手の背後を鮮やかに突いた
・・・おーい、TVカメラがじゃまだぁ
至近距離から繰り出された一撃は、鹿島ゴールを深く貫いた
勝利を引き寄せるゴールに、場内は歓喜の渦に包まれた
後半の残り時間は10分弱、勝負を決定付けるゴールが欲しい
我那覇選手の攻撃意欲も衰えず、鹿島の体力をじわじわと奪う
ロスタイムに突入すると、フロンターレは攻撃の手を止めた
悠然とボールを回し、じっくりと時間の浪費にかかる
サポーターはアバンテの応援、勝利の瞬間はもうすぐだ
程なく、勝利の瞬間が訪れた
鹿島を下し、堂々の予選リーグ首位通過!
次の相手は強敵の浦和レッズ、厳しい戦いを予感させるが
挑戦者の気概を胸に、全力での勝負を挑みたい
この日のヒーロー、決勝ゴールを決めた黒津選手
浦和相手にもガンガンシュートを決めてくれ
久々のスタメンながら、吉原選手の健闘も光った
この勢いでレギュラー奪取なるか!?
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:吉原 DF:箕輪・寺田・伊藤 MF:森・中村・谷口・マルコン・マルクス FW:ジュニーニョ・我那覇 SUB:相澤・佐原・原田・飛弾・今野・鄭・黒津 |
<フロンターレの選手交代> |
マルクス>黒津(74分) 谷口>原田(86分) |