ACL予選グループ、アウェイ2戦目は韓国での戦い
ソウルから試合会場の光陽まで、バスに揺られ6時間の旅
光陽市はボスコの製鉄所で栄える街だが、元々は小規模な港町だったとか
街の一角には、日本の漁村と錯覚しそうな佇まいが残る
海辺で食事を済ませ、バスは臨海工業地帯へ
程無くして、試合会場のGwangyang Football Stadiumに到着
対戦相手の全南（ちょんなむ）ドラゴンズのホームスタジアム
正面入口には巨大なタペストリーが飾られ
照明塔の全ての柱には、全南ドラゴンズをつかさどる竜が描かれていた
早速スタジアムに移動すると・・・、人の気配は皆無に等しい
場内へのシャッターは解放状態、正面入口をくぐれど、誰のお咎めも受けぬ
日本の試合会場では、到底考えられぬ警備体制である
横断幕の設置に取り掛かるも・・・、応援場所が定まらない
当初はバックスタンド寄りのコーナーエリア前を陣取るも
反日感情を煽る、一部の地元観客とのトラブルの恐れが浮上
観客席には緩衝地帯も存在せず、場内の警備体制の甘さも露呈
サポーターの間には、不安と緊張感が一挙に高まる
サポーターの安全を重視するか、選手との密着感を優先させるか、等々・・・
限られた時間の中、深い議論が交わされ
結果、ゴールポスト裏側の前段スペースに決定
横断幕の高さを調節、ピッチへの視界を確保
夕暮れと共に、開門の時を迎えた
日本から遠路駆けつけたサポーターが、ゴール裏の一角に集結
選手たちも元気に登場、ホームさながらの雰囲気を形成する
対する全南ドラゴンズのサポーターだが・・・、人影は極めてまばら
開始直前のホーム側ゴール裏の光景、ホームとは信じ難い閑散さには苦笑い
高まる期待と興奮を胸に、試合開始の時が到来
ゴール裏にはユニフォーム型のビッグフラッグが盛大になびき
主審の笛が響くと同時に、紙吹雪が一斉に宙を舞った
試合開始直後から、フロンターレが優位に試合を運ぶ
選手たちの活気溢れるプレーには、長旅の影響は感じられない
フロンターレに早くも、セットプレーのチャンスが到来
中村選手（背番号14：MF）のキックに
箕輪選手（背番号5：DF）が空中戦を挑む
幸先のゴールには至らぬが
中盤でも箕輪選手の存在感は十分、全南を高さで圧倒
とは言え油断は禁物、守備の乱れを突かれ、全南が逆襲開始
相手選手へ一気にペナルティエリアまで持ち込まれ
サンドロ選手（背番号11：FW）のクロスが襲いかかる
クロスからの折り返しは、川島選手（背番号1：GK）のセーブで難を逃れた
左サイドを攻め立てるフロンターレ
谷口選手（背番号29：MF）へ、全南の厳しいバックチャージが待ち受ける
再度フリーキックの機会を得たフロンターレ
サポーターの声援に合わせ、伊藤選手（背番号2：DF）がフリーキックを放つ
全南のゴール前では、マギヌン選手（背番号11：MF）が競う
こぼれ球を我那覇選手（背番号9：FW）がシュートを放つが
僅かに全南ゴールをとらえない（ゴールポストを直撃したようだが）
フロンターレが優位を保つ、村上選手（背番号26：MF）の奮闘も見逃せない
全南もサンドロ選手が右サイドを浮上
対するフロンターレは伊藤選手が追随
コーナーエリアに相手選手を追い詰め、ゴールラインへと追いやった
フロンターレの選手が奮闘するも、全南の守備に行く手を遮られる
サンドロ選手が右サイドの突破を仕掛ける
反応が一瞬遅れたフロンターレ、全南にセットプレーを与えてしまう
全南のフリーキックは箕輪選手がクリアするも、全南のスローインでプレー再開
左サイドからパク スンミン選手（背番号15：MF）がクロスを狙うが
谷口選手（背番号29：MF）が密着、クロスを足先でガード
こぼれ球を狙い、両者が激しい応酬を見せる
結局は谷口選手がファウルを招き、全南にセットプレーを許すも
フロンターレはゴール前をしっかりと固め、全南のボールを弾き返す
全南はレアンドロ選手（背番号20：FW）が強引な突破を図るが
箕輪選手が体を挟み込み、突破を阻止
空中戦に挑む我那覇選手、体のキレは幾分戻りつつあるようだ
右サイドではフロンターレが優位にボールを回し
ジュニーニョ選手が力強いクロスを繰り出す
全南が縦へのロングボールを繰り出す、フロンターレが高さを武器に対抗
パク スンミン選手の突破を、森選手（背番号19：MF）が止めにかかるが
パク スンミン選手を倒してしまい、ファウルの判定を受けた
全南のセットプレーを耐え抜いたフロンターレ
最終ラインでボールをじっくりと回し、全南の隙をうかがう
箕輪選手のパスを皮切りに、中央突破を仕掛けたが
全南のマークを配する猶予を与えたのか、この攻撃は生かせない
左サイドを全南のパスが狙うが、箕輪選手が鮮やかにカット
即座に速攻に移るフロンターレ
中村選手のパスから、ジュニーニョ選手が全南DFの隙間を突くが
相手選手のスライディングに阻まれてしまい、あと一歩及ばない
右サイドを全南が攻め立てる、フロンターレはコーナーキックを与えてしまう
ゴール裏の緊張感は一気にアップ、サポーターの声援も危機感を帯びる
全南のキックは、キム ジンギュ選手（背番号6：DF）へ到達
すかさず至近距離から一撃を食らってしまうが
ボールはフロンターレゴールを反れ、全南のミスに難を逃れた
危機を耐え抜いたフロンターレ、うっぷんを晴らす如く全南を攻め立てる
コーナーキックのチャンスを幾度と得たが
全南の厳しい守備に遭遇、森選手のクロスも相手DFを直撃
フロンターレが優位に試合を運ぶも、容易くゴールは奪えない
全南がドリブル突破を図るも、伊藤選手と森選手で挟み込む
フロンターレが再び攻勢を強め
巧みなパスワークを武器に、全南に揺さぶりをかける
マギヌン選手がパスを受け、最終ラインに飛び出した！
全南DFがたまらずファウル、マギヌン選手がピッチに激しく転がる
よし、PKのチャンスをゲットしたぞ！！
ジュニーニョ選手が相手GKの動きを見据え、冷静にボールを蹴り込んだ
待望の先制ゴールに、サポーターは大興奮
目の前のフェンスによじ登り、歓喜の雄たけびをあげた
ジュニゴール、オーオオオー
ジュニゴール、オーオオオー
失点を喫した全南が、奇襲攻撃を仕掛けてきた
だが、レアンドロ選手のドリブルにも伊藤選手は動じない
サンドロ選手に対しても、寺田選手が気迫の守備で食い止める
フロンターレのカウンターが炸裂、意欲的に2点目を狙いにかかる
最終ラインも一気に引き上げ、全南の反撃を早い時点で潰しに入る
全南も右サイドを浮上、パク チヨン選手（背番号5：DF）との距離を詰め切れない
パク チヨン選手のクロスボールを、森選手がカットに入るものの
レアンドロ選手へバックチャージ、嫌な位置でのファウルを犯す
全南のフリーキックはフェイントを交え、ペナルティエリアの前に落下
パク スンミン選手が抜け出し、シュートの態勢に入る
絶体絶命のピンチに、森選手が側面からブロック
パク スンミン選手はバランスを乱し、ボールはゴールラインを割り込んだ
両者の攻防戦は止まらない、互いに激しい応酬を繰り返す
全南が左サイドからロングリードを放つが
川島選手も慌てない、全南の選手の突進にも動ぜず、冷静に対処
前半終了間際は全南が優位に立つも、フロンターレは無失点で切り抜けた
敵地での大苦戦が予想されたが、1点リードで前半を折り返す
ハーフタイムを迎え、ゴール裏はひと時の猶予に浸る
周囲に散乱する紙吹雪を回収しつつ、後半開始の時をしばし待つ
場内は観客で埋まらず、依然と閑散さが漂う
幸いにも反日感情絡みのトラブルは起きぬも
全南がリードを喫するだけに、依然と油断は許されぬ
緊張感を保ちつつ、後半開始の時を迎えた
1点では到底満足は出来ぬ
異国の地で勝ち点3を取るぞ！
前半同様、フロンターレが積極的な攻撃を披露
立ち上がりの不意を突かれた全南、厳しいマークで対抗する
フロンターレは右サイドを森選手が浮上
クロスボールは全南の選手に激突し、ゴールラインを割り込んだ
よし、コーナーキックのチャンスをゲットしたぞ
後半開始直後のチャンスは、惜しくも逃したフロンターレ
全南が逆に中盤へ浮上、キム テム選手（背番号8：MF)が縦パスを繰り出す
フロンターレはセーフティにカット、その後のピンチも手堅く守り抜く
サンドロ選手のドリブルも、箕輪選手が気迫で食い止めた
全南が優位な状況が続く、フロンターレは忍耐の時間帯に突入
ボールを積極的に回す全南に対し
フロンターレは集中力を切らさず、粘り強く守り抜く
村上選手のスローインはジュニーニョ選手、だがこれは安直過ぎたか
守勢を強いられるフロンターレ、フリーキックの危機を招いてしまう
ゴール前は緊迫の攻防戦に突入、村上選手が壮絶な空中戦に挑む
全南の猛攻を耐えたフロンターレ、うっぷんを晴らす如く起死回生のカウンター
我那覇選手がボールを追うも、全南のバックパスに阻まれた
フロンターレの攻撃は短命で潰える、全南の猛攻に再び耐え抜く
全南がセットプレーからロングボールを放つが
川島選手が確実にキャッチ、安定感溢れるプレーは頼もしい
川島選手が放ったボールは、チャン ドンヒョク選手（背番号24：MF）がクリア失敗
相手の犯したミスを、ジュニーニョ選手が見逃さない
こぼれ球をすかさず拾い、全南ゴールへ一直線
そのままペナルティエリアに突入したが・・・、シュートは枠を外れてしまう
ビッグチャンスを逃したフロンターレだが、ここで流れは途絶えない
マギヌン選手のヒールパスが、ジュニーニョ選手へ繋がった
最後は我那覇選手へ託され、力強く右足を振り抜くが・・・
これも全南のブロックに遭遇、後一歩でゴールを奪えない
全南が激しく攻め立てる、フロンターレは再び苦境を強いられる
中村選手が苦し紛れ？に放ったボールは、中盤のマギヌン選手へ到達
ボールを足元に落とし・・・も一瞬、強烈に右足を振り抜いた！
マギヌン選手の豪快なミドルシュートは、相手GKの指先をかすめ
全南ゴールへと吸い込まれた
劇的なゴールに、選手もサポーターも大興奮！
ラララララ〜、マギヌンゴールー
マギヌンゴール、オオオオオ〜
2点リードを得たフロンターレ、後はこの男の復活ゴールが見たい
サポーターからも我那覇選手の応援歌が響いている
何としても決めて欲しいが・・・、全南の捨て身の守備に阻止される
苦境に立たされた全南が、懸命の反撃を仕掛けてきた
セットプレーから果敢に空中戦を挑むなど、再三攻め込みを見せる
対するフロンターレも負けてはいない
川島選手の安定感溢れるセーブを筆頭に、全南の猛攻を阻止
苛立ちの隠せぬ地元観客から、ピッチにペットボトルが投げ込まれる
直後、フロンターレに絶体絶命のピンチが到来
至近距離からソン ジョンヒョン選手（背番号9：FW）のシュートが襲う
・・・川島選手が奇跡のファインセーブ！
フロンターレの危機は終わらない、全南のコーナーキックが襲いかかる
直後に中村選手が起死回生のパス、ボールはジュニーニョ選手に繋がった
パワープレーを仕掛けた全南のエリアは、もはやガラ空き同然
ジュニーニョ選手がドリブルで急加速
全南の選手は誰も追いつけない、全南ゴールへ一気に突き進む！
相手GKの飛び出しも冷静にかわし、ジュニーニョ選手が冷静にボールを流し込んだ
勝利を引き寄せる3点目に、アウェイゴール裏は俄然燃え上がる
ジュニゴ〜ル、オーオオオー
ジュニゴ〜ル、オーオオオー
オーなかむら〜、ケンゴ〜、なかむら〜
オーなかむら〜、ケンゴ〜、なかむら〜
3失点で窮地に立たされた全南、ホームでの敗戦は許されぬはず
無我夢中でフロンターレを攻め立てるが、フロンターレも体を張った守備で対抗
井川選手（背番号4：MF）が、谷口選手が、川島選手などなど・・・
全南の猛攻に屈せず、勇敢に立ち向かう
タオルマフラーを取り出したサポーター、声援に合わせ豪快に振り回す
ピッチ上では全南の猛攻が止まらぬも、川島選手がスーパーセーブを続出
全南のシュートを立て続けにブロック、フロンターレゴールを絶対に割らせない
森選手がサイドを浮上、追加点の色気は途絶えていない
全南もフロンターレからボールを奪取、右サイドを駆け上がりクロスを繰り出す
このボールも川島選手がキャッチ、集中力は高く維持される
全南の猛攻の合間を縫い、フロンターレがゴールの上積みを狙う
セットプレーに集中したい全南であるが、キックに乱れが生じてしまう
途中交代の落合選手（背番号17：MF）も守備に奮闘
全南のチャンスを潰し、時間の浪費にかかる
後半もロスタイムに突入、勝利を確信したサポーターはアヴァンテの応援
僅かな時間であるが、テセ（鄭選手 背番号16：FW）も全南ゴールに迫る
全南も土壇場のダイビングヘッドで、1点を取り戻したものの
余りに反撃は遅く、もはや焼け石に水であった
試合は直後にタイムアップ、アウェイの激戦を制したフロンターレ
最大のライバルと目された全南から、貴重な勝ち点3を得た
ACLの予選グループ突破へ、着実に一歩近づいた
最後の失点だけが悔やまれるも、この勝利は素直に嬉しい
・・・という訳でもありませんが、試合後の焼肉は失神寸前のうまさ！
本場の焼肉は焼けてからハサミで切るのかぁと、ちょっぴり勉強になったりして