川崎フロンターレ VS ガンバ大阪
〜 2007 ヤマザキナビスコカップ 決勝 〜
日 時 | 2007年11月3日 13:35 | |||
試合会場 | 国立競技場(東京都新宿区) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 41,569人 | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 0 | 前 半 | 0 | 大 阪 |
0 | 後 半 | 1 | ||
0 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
55分 | 安田 理大 |
ナビスコ杯決勝前夜、国立競技場千駄ヶ谷門前に到着
運命の決戦を目前に控え、冷え込みが増す中、泊まり込みを決行
・・・と、どこからともなく映像制作会社のスタッフが登場、予想外の取材を受けた
ささやかな前夜祭?と共に、一睡の間もなく国立の夜は更けた
気がつけば千駄ヶ谷門付近には、多くのサポーターが集まっていた
午前7時30分の開門と同時に、入場列へと一斉に移動開始
「バインバイン計画」と称した、ライトブルーのパネル設置作業を控え
クラブスタッフが多くのサポーターを前に、説明を実施
説明の後にタオルマフラーを掲げ、早朝から意気上がるサポーター
続けて場内に移動、速やかにパネル設置に取り掛かる
パネルの背面には川崎市民の歌詞が印刷
選手入場のタイミングでパネルを掲げ、熱唱する作戦である
設置作業の猶予は1時間、2万枚用意されたパネル設置は容易ではない
だが、サポーターは手際よく作業をこなし、予定時間内に設置は終了
ゴール裏を中心に設置された数多のパネル、なかなか壮観である
開門1時間前の入場待ちの様子
長蛇の列は競技場周囲の公園に達し、代々木門付近まで延びていた
開門時刻を目前に控え、サポーターのボルテージは上昇の一途
コールリーダーの合図に合わせ、一斉に旗を振る
ほとばしる熱気が一面を覆う、開門の瞬間が待ち切れない
程なく開門の時を迎えた、沸き起こる興奮を胸に秘め、応援準備に取り掛かる
J1昇格後初タイトル獲得の夢をかけ、7年前の決勝戦敗退の雪辱を晴らすべく・・・
様々な願いが交錯する中、ゴール裏を中心に青い集団が形成された
興奮と睡魔をこらえていると、応援の中心部から大きな歓声が沸く
振り返ると、出場停止のマギヌン選手(背番号11:MF)が、サポーターの前に姿を現していた
マギヌン選手は巨大拡声器のマイクを握り、サポーターにエールを送った
心意気を引き継いだサポーター、闘志が一層燃え盛る
盛大なカニダンスに包まれつつ、マギヌン選手は群衆の中へと去っていった
出だしが鈍く感じた、G大阪サポーターであったが
いつしかアウェイ側ゴール裏は、濃青の集団で覆われていた
G大阪は2年前に、ナビスコ杯初制覇を逃している
タイトル獲得への執念は、フロンターレ同様強い筈である
ゴール裏を覆い尽くすのは、フロンターレサポーターも同じ・・・
いや、それ以上であるに違いない
勇気を振り絞り、G大阪サポーターが集うアウェイゴール裏に潜入
最上段からホーム側ゴール裏を見渡すと、まぎれもなく青一色で埋め尽くされていた
ウォームアップの選手入場と同時に、ホーム側ゴール裏は一気に燃え盛る
大小のビッグフラッグが一斉になびき、熱きメッセージが込められた横断幕が掲げられた
ユニフォーム型ビッグフラッグの胸に描かれた、「FUJITSU」のロゴ等が隠されているが
ナビスコ杯の主催者に考慮し、試合前日にスポンサー名を隠したとのこと
本心では青パネルが掲げられる瞬間まで、アウェイ側ゴール裏に待機したかったが・・・
周囲のG大阪サポーターの威圧感に押しつぶされ、精神的限界に達し止む無く退却
ホーム側ゴール裏に戻ると、共に戦うサポーターが臨戦態勢を整えていた
運命のキックオフの瞬間まで僅かとなった、ボルテージは更なる高まりを見せる
ビッグフラッグを掲げるG大阪サポーターに対抗するかの如く
フロンターレサポーターはタオルマフラーを頭上に掲げ、熱き叫びをピッチに注ぎ込む
選手入場まで若干の間があったが、青パネルが一斉に掲げられた
川崎市民の歌が、国立の青空のもとに響き渡った
初タイトルをかけた戦いが、火ぶたを切って落とされた
観客席最前列に身構えるも、撮影環境はまさに「劣悪」の一言
極度の逆光、目の前を覆うゴールネット、立ち並ぶカメラの数々・・・
撮影を最優先課題とすれば、ゴール裏に構えるのは明らかに筋違いであろう
だが、一番欲しいのは写真ではない、ナビスコ杯の頂点、その一点に尽きる
撮影は半ば放棄、タイトル獲得の夢を叶うべく、力の限り戦うぞ!
G大阪が左右に展開、攻撃の幅広さを見せつける
前線へのロングフィードは、箕輪選手(背番号5:DF)がクリア
先制ゴールを狙うフロンターレ、中村選手(背番号14:MF)のスルーパスに
ジュニーニョ選手(背番号10:FW)が飛び出した
鋭いドリブルでG大阪のバックラインを突き抜け、G大阪ゴールに急接近
至近距離からシュートを繰り出したものの、寸前のところで阻まれた
G大阪はバレー選手(背番号18:FW)がワントップ気味の布陣
フロンターレの守備は冷静さを保つ、高めのクロスも落ち着いて対処
中村選手がサイドに叩いたパスに、森選手(背番号19:MF)が鋭い飛び出しを見せる
中盤からドリブルで一気に浮上、安田選手(背番号13:DF)のスライディングから
コーナーキックのチャンスを得たぞ
沸き上がる声援の後押しを受け、大橋選手(背番号24:MF)のコーナーキックが炸裂!
G大阪ゴールの真正面から、寺田選手(背番号13:DF)がヘディングシュートを放つ
ボールは地面を強く叩き、弾んだボールは藤ヶ谷選手(背番号22:GK)が渾身のセーブ
ナビスコ杯でニューヒーロー賞を受賞の安田選手、体のキレは抜群だ
森選手のマークも何のその、意欲的にミドルシュートを繰り出した
G大阪の攻撃が、徐々に勢いを増してきた
実際、フロンターレも何度か好機は得ているのだが
ゴールネットが撮影の妨げとなり、ロクな写真が撮れぬ有様
G大阪の攻撃は、遠藤選手(背番号7:MF)のクロスは流れたかに見えたが
すかさずフロンターレゴール正面へとボールを戻す
マグノ アウベス選手(背番号9:FW)がシュートを放ち、フロンターレゴールを脅かす
森選手のパスに反応したジュニーニョ選手、鋭い突破でG大阪ゴールに迫る
シジクレイ選手(背番号5:DF)のファウルを誘い、フリーキックのチャンスを得たものの
大橋選手(背番号24:MF)が放った一撃は、G大阪ゴールをとらえなかった
フロンターレの攻撃に鋭さはあるが、守備面ではマークの甘さが見受けられる
G大阪が隙あらば、フロンターレゴールへと接近
フロンターレDFの最終ラインの裏を狙われるも
川島選手(背番号1:GK)がゴールポストを飛び出し、危険な場面を事前で阻止
伊藤選手(背番号2:DF)が攻撃参加
中盤からドリブルで駆け上がり、スルーパスを繰り出した
ボールの先にジュニーニョ選手が身構えるも
G大阪のマークは実に厳しく、容易くボールは繋がらない
フロンターレの勢いはいささか小休止、逆にG大阪が波状攻撃を仕掛けてきた
箕輪選手のブロックももろともせず、マグノ アウベス選手がミドルシュートを繰り出した
前線の厳しいマークに苦しむフロンターレに反し、G大阪の攻撃がしたたかさを増してきた
卓越した個人技でサイドを繋ぎ、フロンターレの守備に揺さぶりをかける
加地選手(背番号21:DF)のクロスが、フロンターレゴール前に到達するが
川島選手がしっかりとセーブ、マグノ アウベス選手のシュートを防ぐ
森選手と安田選手のマッチメーク、緊迫感あふれる攻防は見応え満点
この場面は森選手がファウルの判定、G大阪にセットプレーを与えてしまった
森選手と安田選手の攻防戦は、遠目からしても迫力が伝わってくる
この場面は森選手が安田選手を振り切り、鋭いクロスを繰り出すも
最前線のテセ(鄭選手 背番号16:FW)には、惜しくも繋がらない
白熱の攻防戦は観る者を飽きさせない、心地よい緊張感が場内を支配する
気がつけば前半も残り5分前後、秋風に乗り熱き声援がピッチに響く
右サイドを潰されたフロンターレ、直後にG大阪のカウンターを食らってしまう
・・・しまった、二川選手(背番号10:MF)が、寺田選手の背後を突く
押し迫る危機に緊張感が走る、フロンターレゴール前の守備は、ガラ空き同然だ!
絶体絶命のピンチに、川島選手が勇敢な飛び出しを見せた
大胆なスライディングにPKを覚悟したが、プレーはそのまま続行
絶体絶命の危機は、勇気溢れるプレーで乗り切った
土壇場でG大阪の猛攻を受けたが、互いに無得点のまま前半を終了
手に汗握る緊迫の攻防戦は、誰をも満足させるには十分
まさに「熱戦」にふさわしい、頂点を目指す戦いがそこにはあった
激戦は観る者をも消耗させた、選手がピッチから立ち去ると同時に、深々と腰を下ろすサポーター
撮影は極めて制約が厳しく、重いレンズを手持ちで撮影、腕への負担は半端じゃない
トラック上を行き交うふろん太君を眺めつつ、しびれた腕の休息に費やす
青と黒の選手たちが、決戦の舞台に戻ってきた
白熱の勝負は再開目前、ゴール裏の熱狂も自然に高まりを見せた
初タイトル獲得の夢を抱き、後半戦がスタートを切った
公判開始直後から、G大阪が猛攻を仕掛けてきた
立ち上がりの不意を食らったフロンターレ、早々に守勢を強いられた
G大阪の猛攻に手を焼くも、フロンターレも攻撃の隙は見逃さない
ジュニーニョ選手が右寄りの位置を抜け出し、痛快なシュートを繰り出した
至近距離から放たれた一撃は、藤ヶ谷選手のファインセーブに阻まれた
ゴール前にこぼれ球が静止するも、押し込む選手は不在
最後はシジクレイ選手が前方にクリア、絶好の先制機を逃してしまった
ジュニーニョ選手のクロスに、谷口選手が果敢に飛び出した
この場面は加地選手のプレッシャーにバランスを乱し、シュートの姿勢には持ち込めなかった
白熱の攻防戦は、一瞬の途切れも見せない
G大阪が優位に攻撃を仕掛ける中、反撃を引き出すべく熱い声援が響く
・・・が、先制ゴールを奪ったのはG大阪であった
バレー選手が右サイドから繰り出したクロスに、二川選手がスルー
逆サイドに流れたボールを、安田選手に押し込まれてしまった
先制点を喫したフロンターレであるが、残された時間は十分だ
気持ちを速やかに入れ直し、熱き応援は再開された
中村選手のスルーパスから、森選手と安田選手のマッチメーク
この場面は安田選手の勢いに軍配、呆気なくボールは奪われてしまった
フロンターレの勢いは徐々に低下、中盤からの突破はなかなか図れない
G大阪の厳しいチェックを前に、足踏み状態に陥ってしまう
前進を図れぬフロンターレであるが、谷口選手が起死回生のミドルシュートを放つ
G大阪が優位な状況が続く、両サイドのスペースを生かした連携に、フロンターレは防戦の一途
G大阪のクロスボールは、フロンターレの選手に接触
ゴールラインを割り込み、コーナーキックの危機を招く
G大阪の猛攻を耐え抜いたフロンターレ、縦パスから一気の突破を狙う
G大阪も固い守備で対抗、ジュニーニョ選手のドリブルは、加地選手が背後からのスライディングで阻む
攻撃の手を強めるフロンターレであるが、G大阪の堅守を崩せない
ジュニーニョ選手がドリブル突破を仕掛けるも
G大阪のDFが左右から挟みうち、最後はシジクレイ選手に奪われてしまった
中村選手のパスを受けたテセが、遠藤選手のマークを振り切るも
直後に明神選手(背番号17:MF)のブロックに遭遇、強引な突破は通用しない
フロンターレは久木野選手(背番号23:FW)を投入、攻撃の枚数を増やし逆転を狙う
谷口選手の縦パスに、縦への突破を図ったものの
加地選手に浮き玉をクリアされてしまった
直後にフロンターレがセットプレーの場面をゲット
中村選手の繰り出した一撃に、箕輪選手がヘディングシュートを狙う
フロンターレは続けてコーナーキックをゲット、ここぞとばかりにG大阪を続々と攻め立てる
久々の絶好期の到来に、ゴール裏のサポーターはヒートアップ
決めてくれ、同点ゴールを絶対に決めてくれ!
レッツゴー、レッツゴー!!
レッツゴー、レッツゴー!!
幾度とセットプレーのチャンスを得たが、G大阪のゴールにどうしても届かない
絶好期を逃してしまったが、勝負はまだまだ終わっていない
タイトルが、どうしてもタイトルが欲しい!
ふと、聖火台を見渡すと、いつしか火がともっていた
燃え盛る栄光の炎、どちらに祝福をささげるのであろうか・・・
バレー選手に強烈な一撃を浴びるも、シュートはクロスバーを直撃
勝利の女神は見放していない、フロンターレに勝機は残っているぞ!
逆転勝利を強く信じ、サポーターは最後の熱唱に突入
タイトルを、タイトルを絶対に勝ちとるぞ!
どんな時も俺達、そうさ心くじけない
青と黒の、誇り胸に
さあ行こうぜ、KAWASAKI、いつも俺たちと共に
ぶちかませよ〜、Just Going Now
フロンターレは勝利を信じ、諦めずに懸命に戦い抜いた
終了間際にジュニーニョ選手がミドルシュートを繰り出すが・・・
ボールは外側に反れ、G大阪のゴールをとらえなかった
激戦は直後にタイムアップ、G大阪がナビスコ杯初優勝を飾った
懸命の願いは通じなかった、タイトル獲得の夢は幻と消えた
ピッチ上でうなだれる選手達、ゴール裏のサポーターは呆然自失
サポーターの多くは、力ない視線を送るのが精一杯であった
ショックを払しょくする間もなく、表彰式へと移る
壇上の選手達の首には、準優勝の銀色のメダルが輝くものの・・・、笑顔は皆無であった
壇上から立ち去るや、複数の選手が首からメダルを取り外した
初優勝を決めたG大阪は、歓喜の渦に沸いた
その傍ら、フロンターレの選手は力なく立ち尽くす
箕輪選手はピッチの中央で頭を抱え、一人横たわっていた
試合後の挨拶に訪れた選手達に、サポーターから惜しみない拍手が送られた
悔しい、ただただ悔しい、悔しさの言葉以外あり得ない
2000年の準優勝では充実感に溢れたが
7年振りの国立決戦、激戦を経た満足感は微塵もない
得たのはタイトルを逃した屈辱感のみ、この悔しさ、必ずや次のタイトル挑戦へ・・・
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:川島 DF:箕輪・佐原・伊藤 MF:森・中村・谷口・寺田・大橋 FW:鄭・ジュニーニョ SUB:相澤・井川・河村・フランシスマール・養父・久木野・黒津 |
<フロンターレの選手交代> |
大橋>久木野(63分) 佐原>河村(74分) 鄭>黒津(78分) |