天津泰達 VS 川崎フロンターレ
〜 2009 AFC CHAMPIONS LEAGUE Group H 第5節 〜
日 時 | 2009年5月5日(火) 19:30(現地) | |||
試合会場 | 天津泰達球場(中国 天津) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | ? | |||
試 合 結 果 | ||||
天津泰達 (中国) |
2 | 前 半 | 0 | 川 崎 (日本) |
1 | 後 半 | 1 | ||
3 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
マ レイレイ | 11分 | 51分 | レナチーニョ | |
マ レイレイ | 19分 | |||
ダミアーノ トンマージ |
89分 |
ACL予選リーグ第5試合、敵地中国での天津泰達戦
北京からは中国版新幹線?(北京・天津高速鉄道)に乗車
天津へ向けていざ出陣
列車は疾風の如く走り、天津駅に到着
ここからはバスに乗り換え、試合会場へ足を運ぶ
駅にいた中国人から「フロンターレ」の声、当地の注目度も高いのだろうか
バスで長時間移動の末、試合会場の天津泰達球場に到着
巨大かつ斬新な外観から、中国の発展ぶりが伺えた
日本人専用ゲート付近に、フロンターレサポーターが続々と到着
その中に現地のサポーターや、中国公安?の職員も混ざり
にわかに緊張感を帯びてきた
入場開始の時が迫る、チケットの所有状況で2列で待機
最初にチケット所有者から入場
入口では、入念な手荷物検査が実施
旗の竿などは厳格に長さがチェックされ、基準を超過したものは係員に預けられた
応援準備に欠かせぬ養生テープすら、投げ込みの可能性があるとの事で
あわや持ち込み禁止になりかけた
目の前のポリバケツの中は、持ち込みを禁じられた
ペットボトルや、未開封の缶飲料で埋まる
チケットの未所有者にも配布が成され、続けて場内に移動
4階の観客席にはエレベーターで移動、導線は完全に隔離された
エレベーターを降り、指定されたエリアに移動
途中の通路からピッチ全体を確認
晴らしき専用スタジアムには、羨望の眼差し以外あり得ない
だが、ここは異国の敵地である
片隅に追いやられた応援エリアの周囲は、公安舞台が所狭しと囲む
異様な緊張感に包まれた中、応援準備を粛々と続く
・・・と言いつつも、スロープを迂回する事でゴール裏に移動は可能
四面楚歌状態であった、狭きビジター席を見上げる
クラブスタッフより、川崎魂旗がサポーターに手渡された
幸いな事に、掲出の許可は下されたようだ
川島選手(背番号1:GK)らがウオームアップに登場
他の選手の登場も近いため、4階の観客席に急いで戻る
程なく、残るイレブンがピッチに雄姿を見せる
選手たちはピッチの中央から、遠路駆け付けたサポーターに挨拶
公安部隊に囲まれた狭い応援席から、熱き声援が響き渡る
・・・と、若い女性がサポーターの元へ
一見すると普通の観客のようだが
実は公安の私服監視員の模様(アルバイト説もあったが)
彼女らはフロンターレの小旗を振り、友好的な態度を取りつつも
傍らでメモを取り続け、応援中のサポーターを携帯カメラで撮影
携帯で頻繁に連絡するなど、観客席は逐一監視される
周囲は夕闇に包まれ、場内の緊迫感は更に帯びてきた
サポーターはタオルマフラーを掲げ熱唱、選手たちを出迎える
戦いを控えた青き選手たちがピッチに登場
敵地の雰囲気に敏感に反応したのか、その表情は一様に険しかった
川崎魂旗も盛大になびき、万全のサポート体制が整った
グループリーグ1位突破を目指し、戦いは火ぶたを切って落とされた
キックオフ直後から激しい攻防、観客席からはテープ類が頻繁に投げ込まれる
天津の手荒い応酬に、フロンターレの選手はピッチに倒れる
リズムを掴めぬフロンターレ、早々に決定的なミスを招いてしまった
ヴィトール選手(背番号11:MF)のミスから、天津のシュートを食らってしまう
力強い一撃は、フロンターレゴールの片隅へと吸い込まれた
天津の先制ゴールに場内は大歓声が沸き、異様な雰囲気は強みを帯びる
先制点を喫したフロンターレだが、試合はまだ序盤
敵地の圧力に打ち勝つべく、サポーターは懸命に跳ね、そして叫ぶ
フロンターレのコーナーキックを凌いだ天津が、怒涛のカウンターを披露
至近距離から強引な一撃を浴びるが、川島選手のファインセーブで失点を阻止
激しい攻防が続く中、物の投入は止まる気配が見られない
ピッチサイドには投げ込まれたテープ類が、無残な姿を醸し出していた
場内の異様さは更に強まり、フロンターレの選手は軒並み浮足立つ
劣勢を強いられるフロンターレ、再び天津のシュートを浴びてしまう
訳の分らぬ間に、立て続けの失点を喫したフロンターレ
場内は異様さはさらに過熱、興奮した一部の中国人サポーターは
ビジター席の日本人に向け、挑発的な態度を強めてきた
瞬く間に連続失点を喫したが、サポーターの気持ちは揺るがない
場内の威圧的雰囲気も意に介さず、力強い応援を続行する
だが、ピッチ上の選手たちは冷静さを欠く
日本人を監視するはずの私服監視員も、天津のリードに思わず笑顔
完全たる敵地の空気に飲まれ、状況を打破出来ぬフロンターレ
選手のフラストレーションも爆発寸前なのか、ラフプレーの場面で興奮
場内の空気は異様さを保つが、ホームゴール裏の天津サポーターは案外控えめ
遠目から確認した限りでは、必要以上に過激な態度は見せなかった
バランスを乱すフロンターレ、好機は極めて限られる
ジュニーニョ選手(背番号10:FW)のシュートも、天津のゴール枠を大きく外す
試合は完全に天津のペース、フロンターレは劣勢に逆戻りする
井川選手(背番号4:DF)はファウルの連続、冷静さを完全に喪失したのだろうか
田坂選手(背番号6:MF)の奮起に期待するが
場内の挑発的空気に抵抗の術も無く、プレーは全く振るわない
ヴィトール選手のコーナーキックのこぼれ球を
谷口選手(背番号29:MF)がシュートを放つ
得意な形に思えたが、天津ゴール枠をとらえない
眼下の中国人サポーターは、さらに過激さを増してきた
天津の選手が倒れるや、フロンターレの選手に激しい挑発を繰り返す
冷静さが失せたフロンターレ、天津のラフプレーに再びエキサイト
ううむ・・・、このままでは完全に相手の思う壺である
敵地の圧力に屈したまま、前半終了の時を迎えた
日本では想像し難いアウェイの舞台、未体験の異様たる敵地の圧力・・・
崩壊寸前のフロンターレに、逆転の機会はあるのだろうか
ハーフタイムと同時に、公安の部隊が一斉に起立
日本人サポーターを守る意味合いだろうが、正直気持ちは落ち着かない
電光掲示板には、フロンターレの中国語の表記を確認
選手たちがピッチに戻って来た、僅かな休息で修正は図れたのか?
敵地での劇的な逆転を願い、後半の応援が再開された
後半開始直後に天津が奇襲を仕掛け、フロンターレはピンチに陥った
切なる願いは、遠く離れたピッチの選手には届かぬのか・・・
天津の攻撃を凌いだフロンターレ、徐々に持ち前の攻撃力を披露
前線の選手が続々とシュートを放ち、天津にプレッシャーを与える
攻撃の手を緩めぬフロンターレ
テセ(鄭選手 背番号9:FW)のパスを、森選手(背番号19:DF)がクロスを繰り出した
森選手が放ったボールが、天津ゴール前に迫る
天津ゴール前に飛び込んだのは
後半開始から投入のレナチーニョ選手(背番号34:FW)!
レナチーニョ選手のヘディングシュートが決まり、1点取り戻した
喜びに沸くフロンターレサポーター、ここから一気に逆転するぞ!!
・・・と、このシーンも公安員が撮影したりして
レナチーニョ選手のゴールを皮切りに、フロンターレはリズムを取り戻す
中国人サポーターの挑発も小休止、その間に同点に追い付きたい
ピッチ上は一進一退の攻防が続く
流れをフロンターレに引き寄せるべく、サポーターは懸命の応援
フロンターレにセットプレーのチャンスが連続
ヴィトール選手の繰り出すボールに呼応、天津ゴール前に続々と選手が飛び込む
フロンターレの攻勢に、サポーターも気合が乗って来た
俺たちの力で、敵地の圧力を跳ね返せ!
好機を演出するフロンターレだが、なかなか同点に追い付けない
そんな間にも、場内の雰囲気は微妙に変化
ピッチ上の選手達にもその変化が伝わったのか、徐々に天津に流れが傾く
天津の攻撃を井川選手がファウル、天津の選手がピッチに倒れる
このプレーが中国人サポーターの心の火に、油を注いでしまった
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
場内には突如雷雨の響き、中国自慢?の人工降雨が襲ってきたのか??
だが雨は降ってこない、一体何が起きたのだ!?!?
・・・と、観客席を見渡すと
場内の観客が座席を一斉に叩いていた
予想外のパフォーマンスに呆気を取られる間に
階下の中国人の観客は、フロンターレサポーターに激しい挑発行為を仕掛ける
手荒いブーイングは序の口で、4階席まで物が飛んで来る有様だ
場内がヒートアップする間にも、試合は続行されていた
乱されそうな心を引き締め、応援と撮影を続行
だが、ピッチ上の選手たちは完全に乱されてしまった
観客席の威圧にも飲まれてしまい、天津の猛攻に防戦一方に陥ってしまう
天津の手荒い攻撃に、フロンターレは更なる窮地に追い込まれた
劣悪な状況を打破すべく、サポーターは懸命に声をからす
終盤に近付くにつれ、ピッチ上はさらにエキサイト
ラフプレーが発端に、両チームの選手が激しくもみ合う
中村選手(背番号14:MF)が天津のトレーナーに蹴られた・・・とは
見逃したとは言え、予想し難い卑劣な行為である
一旦は収拾したかと思いきや、直後に再びもみ合う場面
場内の異様さも過熱さを増し、もはや試合とは言い難い状況に陥った
滅茶苦茶な流れになりつつも、プレーは何とか再開された
場内に中国人観客の罵声が飛び交う中
フロンターレサポーターは心をひとつにし、無心で選手たちを後押しする
天津の激しいマークに苦しみつつも、全力のプレーに挑むテセ
連戦の疲労感とも戦っているに違いない
途中交代の横山選手(背番号18:MF)が
ミドルシュートを放つが、天津のGKの正面を突いた
後半もロスタイム突入間近、天津の選手は露骨な時間稼ぎに走る
前線の選手がもがき苦しむ演技、主審の目を惹こうとする
(前線にボールが飛んできたら、この選手はすっと立ち上がった)
直後に天津のカウンターが炸裂、フロンターレの守備網は完全に乱された
中央突破を止める術も無く、止めの一撃を浴びてしまった・・・
3失点目を喫したフロンターレ、もはや抵抗の余地は無かった
6分間の長きロスタイムも過ぎ去り、タイムアップの瞬間が訪れた
敵地天津で屈辱の結末、ACL初の敗戦を喫してしまった
敗戦の瞬間もサポーターは応援を止める事無く
最悪の状況下で戦い抜いた選手達に、最大限のエールを送った
天津の選手と握手を交わし、ピッチを後にする選手達
・・・と、クラブスタッフに促されて、バックスタンド方面へと足を運ぶ
中国人観客の罵声が飛び交い、ピッチに物が投入される中
フロンターレの選手は後ずさりもせず、サポーターの方に足を運んでくれた
勇気あふれる選手たちの行動に、サポーターも熱いハートで応えた
健闘をたたえ合う選手とサポーター、そこにはかつて無い一体感があった
過酷な敵地での経験は、必ずや糧になるであろう・・・
フロンターレの選手はピッチを去れど、日本人サポーターへの挑発は続く
公安部隊から着席を命じられ、場内が沈静化するまでその場で待機となった
中国人観客が場内を後にし、スタジアムは静寂さを取り戻す
フロンターレサポーターは集団で観客席から退出
足早にバスに乗車し、現地を後にしました
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:川島 DF:井川・寺田・森・村上 MF:田坂・ヴィトール ジュニオール・中村・谷口 FW:鄭・ジュニーニョ SUB:相澤・菊地・山岸・横山・養父・黒津・レナチーニョ |
<フロンターレの選手交代> |
田坂>レナチーニョ(45分) ヴィトール ジュニオール>横山(76分) |