川崎フロンターレ VS ジュビロ磐田
〜 2010 ヤマザキナビスコカップ 準決勝 第2試合 〜
日 時 | 2010年10月10日(日) 15:00 | |||
試合会場 | 等々力陸上競技場(神奈川県川崎市) | |||
天 候 | 晴れのち曇り | |||
観 客 数 | 13,417人 | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 1 | 前 半 | 1 | 磐 田 |
0 | 後 半 | 2 | ||
1 | 計 | 3 | ||
得 点 者 | ||||
ジュニーニョ | 38分 | 35分 | 大井 健太郎 | |
78分 | 山崎 亮平 | |||
88分 | 成岡 翔 |
ナビスコカップ準決勝第2ラウンド
アウェイで先勝のフロンターレは、ホーム等々力でジュビロ磐田を迎え撃つ
小雨舞う早朝のスタジアム、サポーターはコレオグラフィの準備をスタート
雨で中止の判断もあり得たが、決行を選択した
黙々と後援会旗を設置、勝利を飾り国立の舞台に再び向かうべく・・・
サポーターの願いが天に通じたのか、雨は徐々に止みつつある
開門を経て、スタジアム前に大勢のサポーターが集結
盛大な声援でバスを出迎え、戦いに備える選手たちを勇気付ける為に
スタジアムにバスが到着するや、サポーターは大歓声と拍手で出迎えた
国立の舞台に再び立つために、そして昨年の雪辱を晴らすためにも
試合開始まで1時間を切り、場内の雰囲気も自然と高揚
相澤選手(背番号21:GK)らがピッチに登場すると、いつもの熱気が舞い降りてきた
・・・だが、ナビスコ杯故なのか、空席も相当目立った
今振り返れば、場内全体でセミファイナルの雰囲気を生み出せなかったのも事実であった
キックオフの時は刻々と迫り、両チームのサポーターは火花を散らす
互いにタイトルを嘱望、熱きものが自然と込み上げてくる
試合開始まで10分を切り、場内に静かな緊張が立ち込める
川崎市民の歌が深々と響き、決戦の雰囲気を醸し出す
雲の合間から晴れ間も見え、選手入場は目前となった
Gゾーンの合図に合わせ、一斉に後援会旗が掲げられた
選手入場と同時に、コレオグラフィが鮮やかに浮かび上がった
国立の切符をかけた戦いは、火蓋を切って落とされた
開始直後にフロンターレが速攻を仕掛ける、黒津選手(背番号7:FW)が左サイドを駆け上がる
中央への折り返しを図るが、大井選手(背番号4:DF)に止められた
開始から程なく、フロンターレの動きに違和感が伝わってきた
選手の動きがおしなべて振るわず、磐田に主導権を握られつつある
積極的に前進を図る磐田に対し、不思議と遠慮がちなフロンターレ
試合開始直後の立ち上がりの失敗は、フロンターレを徐々に蝕んでいった
船谷選手(背番号28:MF)のミドルシュートが、フロンターレゴールにプレッシャーを与える
フロンターレは反撃を開始するが、中盤の動きも振るわない
程なく磐田にボールを奪われ、逆襲を食らってしまう
田坂選手(背番号6:MF)のパスを起点に、森選手(背番号19:DF)が右サイドを一気に突破
クロスボールはヴィトール選手(背番号11:MF)に到達するが、この場面は詰め切れ無い
ジュニーニョ選手(背番号10:FW)の浮上を起点に、フロンターレが素早くボールを繋ぐ
森選手のクロスは磐田の選手にぶつかり、コーナーキックのチャンスが到来
田坂選手(背番号6:MF)のコーナーキックを、黒津選手がヘディングで叩き込む
これは八田選手(背番号21:GK)の正面、惜しくもゴールは奪えない
好機を掴みかけたフロンターレだが、再びぎこちない試合運び
微妙に嫌な雰囲気が漂うが、払拭すべくサポーターは声援を送る
中盤の激しい攻防戦、磐田の積極性が光る
思うように動けぬフロンターレ、磐田がじわりと攻勢を強める
横山選手(背番号18:MF)が右足を振り抜き、ロングパスを繰り出す
ボールは勢いが強すぎてしまい、ヴィトール選手に届かずラインを割った
ボールは田坂選手の足元へ、得意のドリブルで突破を仕掛ける
・・・と思いきや西選手(背番号11:MF)のプレッシャーに押され、バックパスを選択
思い切りの良さが欠けるフロンターレ、サイドの突破も振るわない
ヴィトール選手も攻撃に迷う間に、磐田にボールを奪われてしまった
コーナーキックの好機を得たフロンターレだが、ボールは逆サイドに流れてしまう
こぼれ球もキープに失敗、攻撃の歯車は依然と噛み合わない
磐田の攻撃を凌いだフロンターレ、小宮山選手(背番号8:DF)のパスはヴィトール選手へ
繰り出したクロスはファーサイドへ流れ、黒津選手の追随も及ばない
虎視眈々と隙を窺う磐田だが、ロングパスはラインを割り込んだ
磐田もリズムを掴み切れ無い、濛々としたムードを絶ち切るには今しかない
だが、直後に磐田が一瞬の隙をつき、縦の突破を図る
船谷選手の飛び出しを許してしまうが、フロンターレはゴール直前で辛うじて阻止
危険な場面から逃れたフロンターレ、ヴィトール選手と森選手のコンビで前進
森選手が右サイドを抜け出しクロスを供給
ゴール前にジュニーニョ選手(背番号10:FW)が飛び込むが、届かない
好機を掴みかけたフロンターレだが、不安定な守りから磐田の逆襲を許す
ジウシーニョ選手(背番号8:MF)のシュートが襲いかかるが、相澤選手がセーブ
試合のペースを一向に握れぬフロンターレ、先勝の余裕は皆無である
サポーターも力強い拍手、ホームの雰囲気を一生懸命に醸し出す
前半も25分以上が経過、磐田の積極性に変化は見られない
依然と振るわぬフロンターレ、磐田の度重なる攻撃に後手に回る
磐田の攻撃のこぼれ球を、森選手が前線へクリア
・・・が、背後からは磐田サポーターの猛烈なブーイング
第1戦の開始直後にパク選手に対するタックルで骨折させた恨み節が
森選手に容赦なくのしかかる
その後も不振のフロンターレ、呪われたかの如くプレーが振るわない
サイドの手薄さを狙われ、山本選手(背番号23:DF)の鋭いクロスが炸裂
那須選手(背番号6:MF)が豪快に飛び込み、危険な場面が連続する
反撃の機会を伺うフロンターレだが、一様に攻撃に踏み出す勇気が乏しい
不安気にボールを回す間に、磐田にボールを奪い取られてしまった
調子が上がらぬフロンターレだが、ジュニーニョ選手が中盤で火を吐く
磐田の選手に忍び寄り、ボールの奪取を図る
稲本選手が繰り出したパスに、ジュニーニョ選手が一気に駆け出す
磐田の選手と接触しながらも必死に競り合い、コーナーキックのチャンスを得たぞ
だが、これも磐田に弾き返されてしまった
ボールは相澤選手まで戻り、ここから仕切り直しである
中盤の突破を図る森選手に、磐田サポーターの容赦無いブーイングが襲う
その影響なのか否かは分からぬが、森選手の精彩にも陰りが見える
磐田が中央から右へ展開、コーナーキックの場面を与えてしまう
危機を迎えフロンターレに強い緊張感、この場面は集中が必須である・・・
磐田が繰り出したコーナーキックは、緩やかな放物線を描く
ボールの先には大井選手、強力なヘディンシュートがフロンターレゴールを襲う!
ボールはフロンターレゴールへと吸い込まれ、先制点を喫してしまった
第1戦の猶予はこれで消滅、もはやゴールを挙げるしかない
追いつかれたフロンターレは必死の逆襲、黒津選手の切り返しにジュニーニョ選手が反応
磐田の守備を振り切るや、鮮烈の一撃を繰り出した!
ジュニーニョ選手の起死回生の同点ゴール、等々力に歓喜が舞い降りた
国立の舞台へ一歩前進、このまま一気に突っ走るぞ!
中盤の熾烈な攻防戦、田坂選手が頭部を負傷
頭部に包帯をぐるぐる巻き、程なく戦線に復帰
そのまま前半を終了、1-1で緊張の勝負は続く
この時は今年も国立の舞台に立てると信じていたが・・・
こちらはハーフタイムの一幕、後援会旗を素早く片付ける光景
試合終了後の作業時間の短縮に一役買っています
後半の激闘に備え、ピッチ上に選手たちが戻ってきた
サポーターも戦線に復帰、熱き声援で選手たちに英気を送る
夕刻のスタジアム、照明には早くも光が灯る
国立決戦を掛けた戦いは残すは45分、全力で決勝の舞台を掴み取れ!
後半も両者が激しい攻防、タイトル獲得の挑戦権を熾烈に争う
・・・筈なのだが、フロンターレのプレーの違和感は払拭されていない
フロンターレが一気のカウンター、ジュニーニョ選手が無人の空間を走る
八田選手の動きを見計らいシュートを放つが、ゴール枠を外してしまう
時間の経過と共に、ピッチから伝わる違和感は重みを増す
フロンターレの選手から連携感は徐々に薄れ、攻撃も途切れがちになりつつある
磐田が右サイドからクロスを繰り出し、フロンターレゴール前は危機に染まる
前半に失点を喫したコーナーキック、更なる集中が必須である
磐田の度重なる攻撃を弾き返し、カウンターを仕掛けるフロンターレ
ジュニーニョ選手がドリブルで駆け出しシュートを放つが、八田選手の正面を突いた
攻勢を強めるフロンターレ、左サイドを再三攻め立てる
フリーキックの場面が到来するや、サポーターの声量も一際アップ
サポーターの願いを一身に受け、田坂選手のキックが炸裂
しかし、ボールは岡田選手(背番号3:MF)を敢え無く直撃
ボールを一旦中央に戻し、稲本選手(背番号20:MF)がロングパスを繰り出す
前線に残る菊地選手(背番号17:DF)にボールが到達するも、結局はラインを割ってしまった
中盤でボールを奪取のフロンターレ、ジュニーニョ選手がドリブルで一気の前進
磐田の守備を振り切りシュート、磐田を突き放すべく執念を見せる
攻撃を緩めぬフロンターレ、磐田のクリアボールをすかさず押し戻す
ジュニーニョ選手が再びシュートを放ったが、至近距離の那須選手を直撃
攻撃の主導権を握るフロンターレ、稲本選手の縦パスが前線に繋がる
細かい連携から最後は田坂選手が駆け込み、地を這うクロスを供給
ファーサイドに達したボールに黒津選手が飛び込むが、僅かに届かない
優位を強めるフロンターレ、サポーターも懸命の後押しを見せるが
度重なる決定機を逃したツケが、後に重くのしかかろうとは・・・
時間の経過と共に、フロンターレの攻撃に緻密さが失せてきた
ジュニーニョ選手も疲れが隠せぬのか、ゴール前の突破力に陰りが見える
菊地選手の不用意なファウルで、フロンターレはセットプレーのピンチを招く
攻勢が続いただけに油断は禁物、サポーターの声援は緊張を帯びる
この場面は磐田のミスに救われ、失点の危機を免れた
ここから再び攻撃開始、サポーターを国立の舞台に導くべく
反撃の機運を高めたいが、磐田が即座にクロスを繰り出す
フロンターレはまたもやコーナーキックのピンチ、再び危機に陥ってしまう
ボールを空中で繋ぎ、前進を図るフロンターレ
しかし攻勢への手薄さは否めず、磐田が最終ラインから逆襲開始
気力に勝る磐田が中央突破、田坂選手が必死に止めに入るも警告を食らう
磐田がフリーキックの危機が到来、サポーターは懸命に声を絞り抵抗を図る
絶体絶命の危機を凌いだフロンターレ
ヴィトール選手が怒涛のカウンター、気迫のクロスを繰り出した
直後にフロンターレは一気に2選手を交代
谷口選手(背番号29:MF)と楠神選手(背番号16:MF)を投入
選手交代で試合の流れを掴みたいフロンターレだが、その効果はあらわれない
投入された両選手も、フロンターレを濛々と包む「違和感」に巻き込まれてしまったのか
不穏な予感が漂う中、予感は現実と化してしまった
ゴール前のルーズボールを山崎選手(背番号25:FW)に拾われてしまった
途中投入でパワー全開の山崎選手、迷うこと無くフロンターレゴールへと突き進む!
山崎選手にシュートを叩き込まれ、痛恨の失点を喫してしまった・・・
よもやの逆転劇に、場内からは唖然の声も漏れてきた
だが、この程度で絶対に諦めてなるものか!
国立の舞台に辿り着きたいんだ!!
去年の悔しさを絶対に晴らしたいんだ!!
今年こそ、今年こそホームで磐田から勝利を奪い
タイトルを、タイトルを掴み取りたいんだ!!
窮地に立たされたフロンターレ、このままではタイトルの夢は絶たれてしまう
勢いづく磐田を前に劣勢の連続、サポーターの切なる願いはピッチに届かぬのか
防戦一方のフロンターレだが、小宮山選手のロングパスで起死回生を狙う
しかし前線に選手は不在、磐田に弾き返されてしまう
必死に食い下がろうとするフロンターレだが、再び劣勢の気配が漂う
選手の動きは軒並み空回り、磐田の勢いを前にクリアの連続
攻撃を期待された筈の楠神選手は、プレーに大胆は影を潜める
磐田の選手に行く手を遮られ、思うような突破は封印される
谷口選手がシュートを放ち、森選手はブーイングの嵐に耐えつつ懸命の攻撃参加
磐田の守備は体を張って対抗、フロンターレは風穴を開けない
打開策が見出せぬフロンターレ、最後の交代カードに矢島選手(背番号15:FW)を選択
残された猶予も僅かである、奇跡のゴールを奪えるか・・・
足枷が解けぬフロンターレ、状況は悪化の一途を辿る
磐田は金沢選手(背番号16:DF)がサイドを浮上
フロンターレの選手がもたつく間に、鋭いクロスを放たれてしまった
足が止まったフロンターレ、成岡選手(背番号10:MF)が豪快なダイビングヘッド
至近距離からの一撃を止める術も無く、致命的な3点目を失ってしまった・・・
気が付けば後半もロスタイム、残り時間は3分の表示
残る力を振り絞り、最後の応援に突入する
ロスタイムの3分間も虚しく過ぎ去り、試合終了のホイッスルが鳴り響いた
磐田に3失点の完敗、ナビスコ杯制覇の夢は脆くも途絶えてしまった・・・
敗戦のショックからか、鎮痛な空気に包まれたスタジアム
重苦しい沈黙の中、選手たちは応援の中心部に歩み始めた
激戦を終えた選手達が、深々と一礼
普段なら拍手で出迎えるサポーターだが、沈黙を貫いた
うつむき加減の選手達ががゴール裏に辿り着くと
盛大なフロンターレコールが沸き起こった
昨年の雪辱は果たせぬまま、無念の幕引きとなってしまった
「第1戦での勝利で慢心になったか?」と問われれば、100%否定する自信は無い
懸命に戦い抜いた自負はある、しかし過酷な現実を前にすれば
その自信も過信であったのかも知れない
この日の敗戦は悔しいの一言、その言葉ですら振り絞るのが精一杯です
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:相澤 DF:森・菊地・伊藤・小宮山 MF:横山・稲本・田坂・ヴィトール ジュニオール FW:ジュニーニョ・黒津 SUB:杉山・薗田・谷口・木村・登里・楠神・矢島 |
<フロンターレの選手交代> |
稲本>谷口(74分) 田坂>楠神(74分) 黒津>矢島(85分) |