貴州人和 VS 川崎フロンターレ
〜 2014 ACL 予選グループ第5節 〜
日 時 | 2014年4月15日(火) 20:00(現地) | |||
試合会場 | 貴陽奥林匹克体育中心(中国:貴陽) | |||
天 候 | 曇り | |||
観 客 数 | ? | |||
試 合 結 果 | ||||
貴州人和 (中国) |
0 | 前 半 | 1 | 川 崎 (日本) |
0 | 後 半 | 0 | ||
0 | 計 | 1 | ||
得 点 者 | ||||
38分 | 中村 憲剛 |
2014 ACL予選リーグ第5節、異国中国にて貴州人和とのアウェイゲーム。
試合場所である貴陽市は中国南部の内陸都市、
日本からの直行便は設定されず、乗り継ぎを含めた移動時間はほぼ一日。
日本人には馴染みが薄い土地柄だが、人口は400万人程度と相当の規模。
試合会場のスタジアムは、安全確保上日本人の直接の来場は不可。
地元公安の管理のもと、ホテルからバスでの移動となる。
日本から駆けつけたサポーター、オフィシャルツアー利用者のホテル前に集合。
クラブスタッフから諸注意を受け、バス出発の時を待つ。
出発時刻となり、バスに乗り込むサポーター。
中国公安の監視下になるも一様に笑顔、旅慣れたサポーターならではの余裕。
公安のパトカーに先導され、スタジアムへ移動開始。
夕時の中心部のラッシュアワーを抜け、バスは郊外へひた走る。
夕陽を正面に浴びつつ、バスは西の方向へ走る。
目の前に鳥の巣型の屋根が登場、試合会場の貴陽奥林匹克体育中心に到着。
スタジアム脇の路上にバスが停車、公安の指示があるまで付近で待機。
現地サポーターと動線は完全に隔離、敵地特有の緊迫感は見られない。
公安の案内に従い、入り口のゲートを通過。
ここでは念入りな身体検査。空港の搭載ゲートさながらの光景。
サポーター持参の横断幕も厳格なチェック。政治的思想を含む表現の有無に神経を光らせる。
私が持参した大量の撮影機材については、簡易なチェックで無事に通過。
公安の先導に従い、外壁に沿って集団で進むサポーター。
各所に公安の部隊が配備されるが、監視レベルは緩めの印象。
収容人員5万人を超える巨大スタジアム、オーソドックスな陸上競技場。
ふと視線を下ろすと、公安の部隊がスタジアム入り。
厳戒態勢下の戦いを予感させる。
日本人の観戦エリアは他所から完全隔離。
ピッチからの距離が遠いのは残念だが、安全確保の観点ではやむを得ぬ。
横断幕を早速装着、ヨシメーターは異国でのカウントアップなるか?
当初は掲出不可とされた個人幕だが、いつの間に掲出されていた。
公安の表面的な監視は薄く、特段の問題には至らなかった。
日没を迎えたスタジアム、メインスタンド下から選手達が登場。
遠路駆けつけたサポーターと全力勝負を誓い合う。中国初の勝利を掴み取るぞ!
仕事を終えた?貴州人和のサポーターもスタジアム入り。
バックスタンドに応援の中心部が形成、日本とは異るスタイル。
場内の最上段には公安部隊がずらりと配備。
けれども観客席からは距離が置かれ、かつての中国での戦いとは大幅に様相が異る。
スターティングメンバーが発表。中国語は全く理解不能。
電光掲示板はACLのルールに則り背番号順での紹介。
戦いの時は刻々と迫る。ゴール裏の闘志も急上昇。
貴陽に響く川崎市民の歌、サポーターの熱唱は日本にも届いたであろう。
目指すはもちろん勝利のみ、勝てば決勝トーナメント進出へ大きな前進。
異国での初勝利を奪うべく、激闘の90分間がスタート。
先制攻撃を仕掛けるフロンターレ、右サイドから中央へ駒を進める。
中村選手(背番号14:MF)のパスに金久保選手(背番号18:MF)が飛び出すが、
貴州のDFに阻まれた。
序盤はフロンターレがボールをキープ。危なげないパス回しで試合の主導権を握る。
ピッチと観客席の距離が離れているためか、観客席からの圧力は小さめな印象。
貴州も反撃に転ずるものの、フロンターレの守備が冷静に対応。
次の展開をにらみ、両者が激しくボールを奪い合う。
貴州人和サポーターの応援風景。中心部のサポーターがトラメガで煽る。
統率感も日本の応援と類似であり、独特な印象は見受けられない。
右サイドに展開のフロンターレ、田中選手(背番号3:DF)に背後から激しいチャージ。
明確に足を狙った印象、観客席からも激しいブーイングが飛ぶ。
フロンターレが素早いリスタート、縦に一気抜け出す。
ジェシ選手(背番号5:DF)が攻撃参加を図るが、貴州の守備に阻まれた。
中盤は激しい攻防の連続、貴州が縦パスでフロンターレの裏を狙う。
この場面はジェシ選手が対応、巧みな守備で貴州の行く手を阻む。
貴州の選手にミスが目立ち、フロンターレに優位な流れ。
まずは先制点を引き出すべく、サポーターも大声援を響かせる。
貴州が大胆なロングパス。田中選手が急いで守備に回る。
クリアボールが小さく貴州の選手が絡むも、トラップのこぼれ球をジェシ選手がクリア。
貴州が優位な時間帯、フロンターレはセットプレーの危機を招く。
ここは確実に守りたい、サポーターも熱い視線をピッチに注ぐ。
貴州のフリーキックが襲い掛かるも、懸命に跳ね返すフロンターレ。
クリアボールを縦に押し戻されたが、オフサイドトラップを仕掛け貴州の飛び出しを回避。
危機を脱したフロンターレ。ボールを繋ぎ攻撃のチャンスをうかがう。
と、金久保選手が鮮やかに裏を抜け出したぞ。
ボールを託された大久保選手(背番号13:FW)、前線で懸命に足元で粘る。
続けて中村選手へ託すものの、シュートの形には至らない。
貴州の攻撃をかわしたフロンターレ、中村選手が得意の縦パスを披露。
大久保選手が一気に飛び出すも、貴州の守備陣に阻まれた。
ボールを繋ぐフロンターレだが、不用意なパス交換から貴州にボールを奪われた。
右サイドから速攻を浴びてしまうも、折り返したボールを稲本選手(背番号20:MF)が跳ね返す。
フロンターレが左サイドを急浮上、中村選手が逆サイドに方向転換。
最後は山本選手(背番号6:MF)がシュート、これは貴州の選手に激突。
右サイドで粘る森谷選手(背番号19:MF)、対する貴州も激しいチャージで対抗。
貴州は明確な速攻狙い、フロンターレの守りの隙間を突く。
貴州の切り返しにフロンターレは素早い対応、金久保選手の守備も光る。
ボールは大久保選手の足元に到達、そこに貴州の選手が足を伸ばす。
背後からの悪質なファウルに、温和な(温和ですよ)大久保選手がエキサイト。
ピッチに倒れこんだ貴州の選手を激しく睨む。
両チームの選手が入り乱れて試合は中断、ACLならではの緊迫のひと時。
観客席のサポーターは集中力を保つべく、応援を切らさず継続。
貴州の選手にイエローカード、続いて大久保選手にも掲出された。
両者痛み分けの格好、ここは冷静さを取り戻したい。
貴州が徐々に攻勢を強め、フロンターレの守備をえぐりにかかる。
ミドルシュートがフロンターレゴールに迫るも、西部選手(背番号21:GK)がセーブ。
両者が激しい攻防の応酬、貴州が縦パスで突破を仕掛ける。
この場面は稲本選手が対応。背面ながらも貴州の選手にプレッシャーを付与。
フロンターレも徐々に逆襲開始、中村選手が必殺のロングパスを放つ。
ボールの落下点に大久保選手が走り込むも、足元でキープを図れない。
攻撃の手を止めぬフロンターレ、金久保選手が高い位置からボールを奪取。
中村選手のパスは大久保選手へ託すも、貴州も激しいチャージで対抗。
直後に貴州が逆襲、ミドルシュートはフロンターレゴールの枠を外す。
切り返しを図りたいフロンターレだが、逆に貴州の速攻を食らう。
ゴールライン際からの折り返しはフロンターレゴール前に落下、
至近距離からシュートを狙われるが、西部選手が冷静にボールをセーブ。
なおも貴州の攻撃が続けど、何とか無傷で切り抜けた。
西部選手のゴールキックでプレーが再開。そろそろ先取点を奪いたい。
中盤の攻防で金久保選手が倒され、フロンターレがフリーキックを獲得。
中村選手のフリーキックが炸裂するが、これは貴州のGKがキャッチ。
フロンターレが左サイドを浮上、谷口選手(背番号15:DF)がボールを折り返す。
が、これは貴州の守備網。
貴州が長い縦パスで切り返し、ジェシ選手が懸命にボールを追う。
貴州の選手のプレッシャーを受けつつも、ゴールラインにボールを追いやった。
場面は貴州のフリーキック、フロンターレゴール前は混戦に突入。
最後は西部選手がセーブ・・・が、貴州の選手の足が西部選手の脇腹を直撃!
悪質な「飛び蹴り」を食らった西部選手、苦悶の表情を浮かべ転倒。
相応のダメージを心配したが、程なく立ち上がりプレーに復帰。
直後にフロンターレにビッグチャンス。田中選手のスローインから右サイドを華麗な抜け出し。
中村選手がそのまま折り返し、貴州ゴールへと急接近。
大久保選手の至近弾が炸裂!フロンターレが値千金の先制ゴール!!
・・・が、実際に決めたのは中村選手でした。
ゴールを喜ぶ選手とサポーター、待ちわびた歓喜がそこにはあった。
ヨシトぉ、後ろ姿もかっこいいぜ!
面倒臭いのでこの間の説明は割愛(恥)。時間の経過とともに貴州のラフプレーが増加。
前半もアディショナルタイムに突入、電光掲示板の表示はご覧のとおり。
貴州のクロスに前線の選手がオーバーヘッド、蹴り出した足が田中選手の頭を直撃。
しかしこれも酷すぎる。Jリーグでは想定し難い悪質さ。
貴州の激しい攻撃を耐え抜き、程なく前半が終了。
1点リードのフロンターレ、後半も引き締めて戦いたい。
静寂さを取り戻したスタジアム。フロンターレサポーターは一様にスマホを操作。
しかしながら通信制限が極めて厳しく、VPN接続すら不能の有り様。
スタジアム到着時は何とかTwitter程度は出来たものの、時間の経過とともに繋がらなくなった。
これぞ中国政府が誇る?検閲?あぁ恐ろしや。
貴州サポーターの視線は、観客席の最上段に集中。
一体何事かと思いきや、美女の巨大幕が姿をあらわす。
その「美女」の正体とは、中国で人気爆発のセクシー女優の蒼井そら。
ん?はっきりと書けばAV女優。
幕には謎の日本語「蒼井空を無料でダウンロード!茅台酒買うお金が必要!」
反日的文面では無さそうだが正直意味不明、政治的隠語との声もありましたが。
勝手に騒ぐ貴州サポーターはさて置き、フロンターレの選手達がピッチに復帰。
前半以上の熱きサポートで、異国の勝ち点3を持ち帰るぞ!
試合内容を書くのが面倒なので、後半は写真中心でお楽しみください(恥)。
貴州の激しいプレッシャーに、井川選手(背番号4:DF)がたまらずエキサイト。
Jリーグの試合では想像し難い怒りの表情、山本選手が懸命になだめていた。
大久保選手の鋭いミドルシュート、貴州のGKが弾くが枠を確実に捉えていた。
・・・と、フロンターレゴール前でジェシ選手が転倒。
微動だにしないジェシ選手に、貴州サポーターが猛烈なブーイングを浴びせる。
苦悶の表情を浮かべつつも、何とか立ち上がったジェシ選手。
貴州の選手の激突を受けた模様、腹を抱える姿が痛々しい。
時間の経過と共に、貴州のプレーに粗さが増す。
中村選手も度々ラフプレーに遭遇、何とか怪我だけは免れたい。
場面は貴州のフリーキック、フロンターレに正念場の時間帯。
少数のサポーターは集中力を高め、力強い拍手で後押しする。
貴州な強引な攻撃を披露、腕を伸ばしフロンターレの選手を払いのける。
過酷な防御を強いられるが、稲本選手を筆頭に守りぬく。
後半開始から20分を過ぎ、フロンターレは最初の選手交代。
稲本選手から竹岡選手(背番号17:DF)にスイッチ、
貴州のラフプレーを浴び続け、大きなダメージを背負った稲本選手。
走る余力は残っておらず、歩いての退出が精一杯であった。
谷口選手が貴州の選手と交錯、勿体無い警告を受けてしまった。
貴州のセットプレーを皮切りに、猛攻を浴びるフロンターレ。
この場面は守備の枚数を増やし、貴州の荒々しい攻撃に耐え抜いた。
フロンターレは2人目の選手交代、金久保選手からパウリーニョ選手(背番号34:MF)にスイッチ。
未知なる中国での戦いは如何に。
後半も残すは10分前後、貴州の選手がフロンターレの選手を押し倒す。
手を出した選手は2度目の警告、レッドカードが掲げられピッチを去った。
数滴優位を得たフロンターレだが、油断は到底禁物である。
そもそもサポーターに気の緩みなど皆無、集中力を高め声援を送る。
気が付けば後半も残り時間は僅か、フロンターレは最後の選手交代。
奮闘を続けたジェシ選手に代わり、日本人ACL最多出場の中澤選手(背番号7:DF)を投入。
アジアの戦いを知り尽くしたベテラン、貴州の攻撃を封じてくれ。
この試合で敗れるとACL予選敗退が決まる貴州人和、土壇場で強引な攻撃を仕掛ける。
西部選手と谷口選手がもつれて交錯、果たして大丈夫か!?
危険な場面を眼前に広がり、頭に血が上るサポーター。
そんな中中澤選手は冷静さを保ち、貴州の選手をなだめていた。
西部選手が首を痛そうにするも、程なくプレーに復帰。
電光掲示板の表示は「90:00」でストップ。果たしてこのまま逃げきれるか?
アディショナルタイムは5分と長いが、サポーターはアバンテの応援を開始。
中国での初勝利を固く願い、貴陽の夜空に雄叫びが響く。
頼む・・・、時よ早く過ぎ去ってくれ。
勝利を信じて両腕を突き上げ、主審の長い笛を待ちわびる。
そして試合はタイムアップ。1-0で中国での悲願の初勝利。
90分間の激闘を戦い終え、安堵の選手とサポーター。
決勝トーナメント進出へ向け、大きな勝利を掴み取った。
一瞬の安堵の時を経て、勝利の喜びが沸き起こる。
勝ったぞ!中国で3度目の正直だ!
勝利を喜ぶサポーター。ボランティアの地元大学生(日本語学科)の静止を振り切り、観客席前列へ移動。
わずかでもピッチに近づき、激闘を終えた選手を出迎える。
勝ったぞ!中国で勝ち点3をゲットしたぞ!!
異国まで駆けつけたかいがあった。サポーター冥利に尽きるぞ・・・。
選手達がピッチから去り、静寂さを取り戻したスタジアム。
・・・のはずが怒りの貴州人和サポーターが近辺を包囲、日本人の観客席へ罵声を投げつける。
貴州人和サポーターとの接触を回避すべく、日本人サポーターは観客席でしばしの待機。
貴州人和サポーターの怒声が響く中、トイレに向かうサポーター。
公安の先導に従い観客席からコンコースへ。
貴州人和サポーターの刺激を避けるべく、ユニフォーム脱ぐか裏返すよう命じられた。
・・・と、公安の部隊がずらり。なかなか物々しい光景である。
本当は撮影はNGであったが、カメラのシャッターをこっそり押した。
スタジアムの照明が減光されるも、サポーターは落ち着いて待ち続ける。
時間潰しをかねて記念撮影、遠路駆けつけたサポーターは固い絆で結ばれた。
貴州人和サポーターがスタジアムから去り、真の静寂さが戻ってきた。
公安に両側をガードされ、スタジアムを後にするサポーター。
急ぎ足でバスに乗り込むサポーター。
この直後に勝利記念のバナナが配布されましたが、
私が乗車したマクロバスのサポータは対象外、あぁ残念(苦笑)。
帰りも公安のパトカーの先導で移動、夜道を市街地へ向けて走る。
スタジアムからホテルに到着。長い戦いはようやく終焉。
これから街に繰り出し祝杯を上げるぞ!・・・いや、
明日は早朝便での帰国なので早々に就寝。
実際にはこの後でホームページを更新、睡眠時間は実質2時間ほど、あぁ。
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:西部 DF:田中、井川、ジェシ、稲本 MF:山本、中村、谷口、金久保、森谷 FW:大久保 SUB:杉山、實藤、中澤、武岡、福森、パウリーニョ、安 |
<フロンターレの選手交代> |
稲本>武岡(67分) 金久保>パウリーニョ(76分) ジェシ>中澤(89分) |