センサークリーニングキット SCK-E1を試す
(2013.02.09最終更新)

 

まんまそのまんまのページです。キヤノン純正のセンサークリーニングキット(SCK-E1)の使用レポートです。
デジタル一眼レフが構造的に抱える問題点は、内部のセンサー(撮影素子)に蓄積する汚れに起因する「ゴミ」問題。
一部メーカの機種を除き、センサーは外気が直接触れる箇所に設置。レンズ交換などが原因でカメラ内部空気中の微細な「ゴミ」が吸い込まれ、何時しかセンサーに汚れが蓄積してしまいます。
その結果、撮影画像に「ゴミ」が映り込んでしまい、誰もが困る由々しき問題です。

撮影サンプル

雲ひとつない快晴のもと、疾走する電車の写真
・・・が、青空に何となく斑点状の模様が目だつ。





サンプル画像

撮影画像を拡大すると、ご覧のような映り込みを確認。
これがデジタル一眼レフ特有の「ゴミ」問題。
センサーに付着した目に見えないような微細な汚れでも、ご覧のような症状を引き起こす。
F値を絞れば絞るほど、汚れが目立ちやすくなる・・・のは、誰もが知っているか。



Kiss Digital Nや30D等と言った古い機種には、センサークリーニング機構は非搭載。撮影画像に「ゴミ」が目立ち始めたらサービスセンター等に本体を持ち込み、クリーニングを依頼するしか解決策はありませんでした。
最近のキヤノンのデジタル一眼レフには、センサーのクリーニング機構がカメラ本体に搭載。「ゴミ」問題への取組みは、重要課題のひとつです。
しかしながら、キヤノンのセンサークリーニング機構はオリンパスの様な絶大な効果は有さないようで、「ゴミ」問題の完全なる解決には至っておりません。

ならば、ユーザ自身の手でセンサークリーニングを行いたいのですが・・・。キヤノンは長年センサークリーニングキットの市販は行っておらず、「ゴミ」問題に悩むユーザからは不満の声も挙がっていました。
ユーザの重なる要望に応じる形で、2006年中頃あたりから条件付きながら、一般ユーザにも入手可能となりました。

センサークリーニングキットの入手条件ですが、箇条書きすると以下の通りです。

 1.入手先は特定のサービスセンターに限定
  私は新宿のQRセンターにて入手しました。
 2.入手時に確認書(誓約書)の記入が求められる。
  確認書には注意事項が10点記載。内容を了承の上署名をしない限りは、販売させてもらえません。
  そもそも、キヤノン自身は販売に積極的では無い模様?なのか、購入時に
  「センサーのクリーニングは、出来ればサービスセンターに持ってきて欲しい」と
  真面目そうなサービスセンターの方に、何度も念押しされてしまいましたが。


センサークリーニングキット

こちらがセンサークリーニングキット(SCK-E1)の実物。販売価格は5,040円(税込)。




中身

中身はご覧のとおり。構成をざっと説明すると・・・
クリーニングキットの取扱説明ビデオが収録されたCD-ROM(左上:パソコンで再生可能)、
携帯用ポーチ(右上:旅行時などに便利)、クリーニング用のスタンプと取扱説明書(左下)、
スタンプの乾性の汚れを取り除く粘着テープ(下中央)、
スタンプの油性の汚れを除去する油取りフィルム(右下)。





確認書

購入時に上の「確認書」が差し出され、署名の記入を求められた。
要約すれば、「自己責任でのご利用に同意ください」と言う事だろう。







センサーのクリーニングに使用するスタンプ。100g程度の加重で、センサーに垂直に押し当てる。
センサーに押し当てた都度、スタンプ表面の汚れを、粘着テープもしくは油とりフィルムで取り除く。





作業前

具体的な使用方法は、製品付属のCD-ROM内のビデオを参照するとして・・・。
清掃は埃が少なく、十分な明るさが確保された空間で行うべき。
作業前にブロアー等で、センサーの汚れを可能な範囲で取り除くのをお忘れなく。




実際にどれだけ「ゴミ」が取れるのか?。以下がKiss Digital(初代)でのクリーニング結果です。
アバウトな検証で恐縮ですが、撮影画像の「ゴミ」は大幅に減少。センサーに付着した汚れは確実に消えたようです。

クリーニング前

クリーニング前の状態(F22で撮影)。画像の各所に「ゴミ」が映り込んでいるのが確認できる。




クリーニング後

クリーニング前の状態(F22で撮影)。目に見える「ゴミ」がほぼ一掃されたのが分かる。
目を凝らしてみると、僅かな「ゴミ」は残っているが、製品の性格上やむを得ないと思う。
日々の清掃はクリーニングキット。半年から1年程度の間隔で、サービスセンターに持ち込んでの清掃がスマート?



クリーニング作業はシビアな手作業が要求されるので、迂闊に行うとセンサーを傷づける危険性もあります。
一概にお勧め出来る製品ではありませんが、自己責任の上で活用する価値は十分にあるでしょう。

まぁ、今はセンサークリーニング機構は殆どの機種に搭載されているので、使う局面は激減しましたが。



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