川崎フロンターレ VS コンサドーレ札幌

J2 第25節

日   時 1999年9月10日 19:00
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 晴れ
観 客 数 13,168人
試  合  結  果
川  崎 前 半 札  幌
後 半
高田(66分)
伊藤(89分)
得点者   





前節FC東京と引き分けながら首位をキープの川崎フロンターレと、北の勇者コンサドーレ札幌が等々力競技場にて激突。
札幌は勝ち点を40まで伸ばし、今期前半の調子の悪さは微塵もない。
フロンターレは、圧倒的な応援で不利なアウェイでの借りを、この試合できっちり返したいところ。
しかし前節で、ツゥット選手(背番号9:FW)がまさかの退場処分で、この試合は出場できないのは、大きなマイナス材料。
同じく前節で足をいためたティンガ選手(背番号10:FW)、回復が送れている岩本選手(背番号28:MF)も出場できず、控え選手の出来が大きく左右する。
退場明けの浦上選手(背番号1:GK)の調子が、このゲームの鍵を握るといっても過言ではない。

勝負のほかに、1万人キャンペーンを名目としたこの試合、観客がどのくらい集まってくれるのか、注目の一つとなる。
試合開始1時間前には、早くもいつも以上の人だかりとなり、1万人の期待が高まる。

札幌のサポーター

札幌は遠いのですが、かなりのサポータが早くもスタンバイ


更にこの試合は、先着1万人にフロンターレJ1昇格祈願のビブスをプレゼントといううれしい特典が。
選手ももちろんですが、ビブスを着用した観客が徐々にスタンドを埋めてゆく。
選手紹介のときに湧き上がる声援も、この段階でいつも以上である。

ビブスを着用したフロンターレの選手たち

もうおなじみとなった、J1昇格のビブスを着用のウオーミングアップ風景
この時点ではまだ空席が目立ったのですが・・・


この日は、メインスタンドとバックスタンドの両方で、ふろん太&チアガールによる試合開始直前の豪華なダンスを披露。
最後に人間ピラミッドを決めて、客席のボルテージはますます高まる。
この時点になると、スタンドはますます青一色に染まりつつある。

試合前のチアガールの踊り


興奮が高まる中、試合開始のホイッスル。
立ち上りは客席の声援とは裏腹に、両者とも静かな動き。
札幌がやや有利な状況となる。
フロンターレはDFのまとまりがなく、札幌にゴール付近まで詰め寄られる。
しかしすぐにフロンターレのペースに。前半6分ごろにはゴール前でフリーキックを得て、久野選手(背番号23:MF)が得意の角度から蹴りこむも、ゴール左枠に外れる。

選手の動きは共に素早く、小気味よい試合運び。
10分過ぎには札幌がフロンターレゴール付近で、ボールをキープする展開。だがフリーキックなどのチャンスを生かすことができない。
その数分後には、再びフロンターレペースに。鋭いドリブルでコンサドーレサイドに攻めあがる。
18分ごろには向島選手(背番号11:FW)が右からの足元にきたセンタリングを豪快に蹴りこむが、惜しくもゴール左に僅かにそれる。
コンサドーレも少ないチャンスをヘディングやコーナーキックで攻めこむものの、ゴール枠を外すなど詰めが甘い。
フロンターレのディフェンスのプレッシャーに押され、中盤以降が機能しない。
この影響か、吉原選手(背番号18:FW)を中心とした前線の選手が目立たなく、突破点が見い出せない。
試合は総じてフロンターレの流れとなる。

高田選手のディフェンス

コンサドーレのパスは、フロンターレ高田(背番号2:MF)にカットされる


25分ごろには向島選手がミドルシュートを放つものの、ゴールからはそれてしまう。
続けてコンサドーレゴール前で見事なパスを繋げ、ファウルの反則を誘いフリーキックを得るが、これもゴールからは外れる。
ここで札幌に流れが偏りかけるが、フロンターレ佐原選手(背番号3:DF)の反則から得たフリーキックは呼吸が合わず。
また深川選手(背番号13:FW)が正面からシュートを放ち、フロンターレの選手にあたりコースが変化。
まさかと思いきや、浦上選手が冷静にキープし、ゴールを割らせない。

ゴール前の攻防

フロンターレゴール前、コンサドーレ村主選手(左側 背番号17:MF)と
フロンターレ森川選手(右側 背番号28:DF)が激しく競り合う


コーナーキックも生かせず

コンサドーレ、アシス選手(背番号10:MF)のコーナーキックは
この試合一本も生かせず


後半終了直前になると、フロンターレは得意の猛攻を開始するが、惜しくも攻め切れず終了のホイッスル。
フロンターレ、ティンガ・ツゥット両外国人選手が出場できない影響か、ボールをゴール付近に持ち込むも、枠に蹴りこむことがどうしてもできないという、歯がゆい形となった。

後半は早々とフロンターレの流れとなる。
開始直後に向島選手がドリブルで抜け出し、相手GK佐藤選手(背番号1)と一対一になるが、僅かにキーパーの手が先に届く。

佐藤選手が何とかキープ

向島選手は通常控えだが、この日はそれを感じさせない素早い動きの連続
相手キーパーも必死のセーブ


更に浦田選手(背番号13:MF)がフリーとなり、ミドルシュートを放つが、これもゴールポストの枠を外す。
コンサドーレも2本のシュートを打つものの、これまた枠に入らず。
フロンターレは攻めつづけ、スタジアムを埋め尽くした観客もますますヒートアップ。
席のあちこちから、ビブスを着用した私設応援団の声援がこだまする。

埋め尽くされた観客席1

相手サポータ付近まで観客でぎっしり
こんな光景初めてです


埋め尽くされた観客席1

メインスタンド脇を撮影
この位置はいつもガラガラなのですが・・・
この日は空席が見当たらず

コンサドーレも15分ごろにゴール前よりフリーキックのチャンスを得るが、これも大きく上に外す。
少ないチャンスをことごとく無駄にしてしまう。
フロンターレは向島選手が俊敏な動きで攻めあがり、再三コンサドーレゴールを突き破ろうとする。

倒された向島選手

向島選手のあまりの動きに、コンサドーレDFはファウルでしか止めるすべはない
イランのアジジ選手を彷彿させるほど


そんな中後半21分、フロンターレ高田選手がフリーとなり、キーパーの動きをよく見てループシュートを放つ。
ボールは綺麗に弧を描き、コンサドーレゴールに吸い込まれる。
フロンターレ、粘り続け先制点をゲットする。

先制点を決め、喜ぶ選手たち

先制点を叩き出し、喜ぶ選手達
高田選手はいつも強烈なシュートを放つものの、ボールは浮いてしまうことが多かった
この日の一本は、成長を感じさせるものであった


喜びに湧き上がり、観客のボルテージがますます上がる中、またもやうれしいニュースが。
観客数が発表となり、平日の試合でありながら何と13168人が駆け付けてくれたとは!!!
この数に観客は喜びと驚きを隠せず、ますます応援の声は大きくなる。

一万人達成の表示

いつもとは数倍の観客が駆け付ける
事前のキャンペーンが見事功を得ました


声援の大きさははとどまるところを知らず、相手ゴールキーパーがボールを蹴ろうとするならば、異様なまでのブーイングが競技場を包みこむ。
サポーターの激しい応援と共に、フロンターレの攻撃はますます鋭さを増す。
コンサドーレは手も足も出ず、一方的な展開となる。
あまりにも大きな声援のため、オフサイドのホイッスルが鳴っても選手の耳に届かず、プレーが止まらない程である。

鋭く切れ込むフロンターレ

フロンターレの容赦なき攻撃の連続


攻めこむ長橋選手

長橋選手(背番号20:MF)もこの日は大変に動きがよい
いつもとは別人である


試合終了直前、交代出場の伊藤彰選手(背番号19:MF)が正面より叩きこみ、とどめの一発を決める。
そしてタイムアップ。フロンターレ、1万人以上の観客の中、またとないプレーを披露してくれた。

伊藤彰選手のとどめの一撃

かなりわかりにくいですが、伊藤選手がとどめの一撃を放つ


喜ぶ長橋選手

喜んで観客席に走りこむのは、何故か長橋選手
残念ながらその後遅延行為でイエローカードに


この日のフロンターレはベストのメンバーではないといえ、1万人超の観客を魅了させるには充分のプレーでした。
この調子で次以降の試合も、たくさんの観客が訪れてくれることを願うばかりです。

正直に言うと、この日は観客が良くても6000人程度かな?と想像したのですが、そんな予想は吹き飛んでしまいました。
川崎市民の皆さん、地元には誇れるチームがあります。
もっともっと競技場に押しかけ、選手達に暑い声援を送りましょう!!!

踊るふろん太君

この日のハーフタイムショーは、チアダンスと思いきや、
恒例のYMCAダンスである
ふろん太君も一生懸命踊る


引き返すふろん太君

ダンスを終えて、ピッチを後にするふろん太君
今日はノリノリでした


勝利を喜ぶ選手とサポーター

勝利を喜ぶ選手とサポーターたち
選手もいつも以上にノリの良さでこたえていました

PS.1
BMW君、今日はコンサドーレを応援してくれて、どうもありがとう。
君が向こうの席にいてくれたおかげで、勝利をもぎ取ることができました。
この調子で10月24日のFC東京戦もよろしく。

PS.2
試合終了直前に交代した上村選手(背番号24:FW)へ、
以前富士通サマーフェスティバルで、あなたのことを「カミムラさん」などと呼んでしまい大変失礼しました。
その節はごめんなさい。
でも、最後にフリーになったのに、あんな簡単な足元のパスを空振りしてしまうとは、ちょっと問題です。
ただでさえ競争の激しいなかで、あれでは永久にレギュラーはとれませんョ。

自作J1昇格ロゴ


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