川崎フロンターレ VS ジュビロ磐田
J1 ファーストステージ 第10節
日 時 | 2000年5月3日 14:03 | |||
試合会場 | 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 16,843人(祝 目標数突破) | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 1 | 前 半 | 1 | 磐 田 |
0 | 後 半 | 4 | ||
1 | 計 | 5 | ||
得 点 者 | ||||
川崎:寺田 修平(6分) 磐田:藤田 俊哉(44分・49分・83分:いずれもPK), ラドチェンコ(64分),川口 信男(81分) |
ファーストステージも残り6節。この日のフロンターレの相手は、強豪ジュビロ磐田。
チームが最低の状態で選手層の厚いジュビロ相手とは、正直苦し過ぎる。
が、ここで金星を上げれば、一気に波に乗り、今までの借金を返すことも夢ではない。
頼むぞフロンターレ。悪夢を払拭し、大勢の家族連れの前で勝利&ハッピーなサッカーを見せてくれ。
本日は到着が遅れたので、応援団脇での観戦
絶好の行楽日和の割には
もうちょっと人手が欲しいところ
さあ、試合開始だ。闘志に満ち溢れたピッチと、熱気で埋め尽くされた観客席。戦いの舞台は整った。
後は全力の応援だけだ。チームに誇りを持って、大声で叫びまくるぞ!
おおフロンターレ、おおフロンターレ、俺達の誇り〜
進め、進め、威風堂々、青と黒の戦士達〜
おお、選手の動きが見違える程シャープだ。前節出場機会の無かったペドリーニョ選手(背番号5:MF)は積極的にボールに絡んでいるし、状況判断の切り替えも申し分ない。
守りも前向きだ。バックラインがセンターサークル付近までのし上がる。奥野(背番号4:DF)・寺田(背番号6:DF)両選手がきびきびとしたディフェンスで、ジュビロに攻撃の活路を与えない。
素晴らしい、文句の付けようが無い。攻撃も発想豊かで充実している。今までのプレーが嘘のようだ。
お、ゴール前で王者ジュビロがたじろいている・・・、やったーいきなり先制だ!!!
幸先のよい先制点に
サポーターも喜びを爆発させる
先制点を挙げながら、選手達に浮ついた様子は微塵も無い。攻守の切り替えが素早く、相手がボールを支配しても、すかさずマークを配す。
ジュビロの動きを、見事に見抜いている。華麗なパスカットも盛んに披露する。
応援していて心地いい。愛するフロンターレのプレーが、今そこに復活した。
応援団も気合の入れようが半端じゃない。太鼓の打音が凄まじく、声援の迫力も、尋常ではない。
さあ、もっともっと大声を張り叫ぶぞ!!
おーおおー、レッツゴー川崎!
おーおおーフロンターレ!!
オーレ、オーレ、フーロンターレをオーレ!!
前節、完璧に封じ込まれた塩川選手(背番号24:MF)も
別人のようなプレーを披露
「守備が下手」だとコメントしたのが
恥ずかしく思えてしまう
カウンターからの、機転のよいサイドチェンジも
サポーターを魅了させる
寺田選手も落ち着いている
ジュビロのロングパスを、冷静にゴールラインに逃す
ペドリーニョ選手も鬱憤を晴らすかの如く
ボールを積極的に奪い、攻撃を組み立てる
相手の厳しいマークに合い
何度もファウルを受ける
立て、意地でも立ってくれ!
ぺ・ド・リニョ!ぺ・ド・リニョ!
ジュビロの攻撃も徐々にペースアップ。それでもフロンターレの選手は充実した集中力を保ち、ゴール前フリーでボールを触らせない。
それでも30分を過ぎると、フロンターレの選手の動きがやや落ち込み始める。
・・・いやまだ大丈夫。この調子なら、必ずや無失点で前半を乗り切るぞ。
塩川選手の守りも、密着マークで緊張感を保っている。ペドリーニョ選手も強烈なジュビロのシュートを、足に当てて弾き返す。
ゴール前の混戦
ここは菊地選手(背番号21:GK)が
体を張って防ぐ
これまた危険なシーン
菊地選手の冴えが勝り
ゴールを割らせない
ちょっとフロンターレの選手に精彩が失せている。でも前半の残り時間は後僅か。
遂にロスタイムに突入。後は時が流れるのを待つばかり。
しかし、ジュビロの攻撃もしつこいぞ。もう終わりなんだから諦めろ。
ゴール前で両者激しく衝突。最後は菊地選手が危険を顧みずにセーブして前半終了。
・・・のはずが、長いホイッスルが鳴り響く。主審が駆け寄り、地面を指差しているではないか!
Oh My God!! 何でPKなんだよ〜
誰が故意に倒したと言うのだ・・・
冴えている菊地選手でも
PKは止められず
PKが決まり、選手がピッチ中央に戻ると同時に、前半終了。
どうも腑に落ちない。折角のリズムがぶち壊しじゃないか。
でもスタートラインに戻っただけだ。残り45分あるから、また突き放せばいい。
さあ、後半もこれまで以上に気合を込めて応援だ〜!!
新応援歌の紙を腕に挟み応援開始
残念ながら、ちょとしか登場せず
応援も前半以上にヒートアップ
これまで以上の迫力に包み込まれる
・・・が後半は散々な内容。
菊地選手の無理な飛び出しで、いきなりPKを与えてしまい2点目。
その後も押されっぱなし。時間が経過するにつれて、ボールのキープ力も喪失し、正確なパスワークも影を潜めてしまう。
少ない攻撃も空回り。長橋選手(背番号20:MF)や森山選手(背番号9:FW)を投入するものの、他の選手が体力を使い果たし、コンビネーションが一致しない。
その後も立て続けに失点。ジュビロに弄ばれ、蓋を開けると今期最悪の1−5で完敗。
結局前半の20分間だけだった。後は精魂尽き果ててしまい、奈落の底に落とされてしまうとは。
フロンターレに春は未だ春は訪れない。悪夢から晴れるのはいつの日か・・・。
せめてもの救いは、挨拶する選手に対して暖かい拍手が沸き起こったこと。
奥野選手と森川選手(背番号29:MF)がサポーターに深々と頭を下げる。その口惜しさを次節にぶつけてください。
(何としても東京には勝ちたい。好敵手としていい勝負をしたい)
寺田選手が退場で抜け、5失点の表示が 電光掲示板に無情に繰り返される 今期最悪とも言える内容 |
この結果に観客も呆れたのか
試合終了と共に
どっと席を離れてしまう
懸命な応援も実を結ばす・・・無念
試合はともかく、今日はサポーターにとって、記念すべき第一歩を踏み出した日でもあります。
サポーターがチームを支援する、チラシ配布プロジェクト(仮称)による初の?本格的ボランティア活動の一環として、試合前に開催される、「ハッピースタジアム」の会場補助をお手伝いする機会を頂戴しました。
主催者の呼びかけに応じ、私も参加。集合10分前になると、メンバー11人が一同顔を揃える。
遅刻欠席一切無し。責任感の強さもフロンターレサポータの自慢です。
会場に到着すると
既に運営会社による準備が進んでいた
サポーター同士で挨拶を済ませ、準備中の会場に足を揃える。
荷物をオークション会場の脇に置かせて貰い。ボランティアユニフォームと帽子が支給される。
どれもビニール袋入りの新品。最高のもてなしに、感謝の一言です。
荷物を置き終えたサポーターから「私達の荷物がオークションにかかるんじゃないの」と軽口が飛び出す。
ゲェ??頼むから勘弁して。私の荷物には中西選手(背番号14:MF)のトークショーで落札したキャプテンマークが忍んでいるので、またオークションにかかったら洒落にならない・・・。
最初のお手伝いは、手作りサッカーボール教室のビニールシート敷き。
広大なシートを広げ、四隅を重しで固定するだけだが、意外と奥深い。
私がシートの隅に重しをセットすると、すかさずスタッフが飛んでくる。
重しの位置を速やかに修正。丸い重しには切り込みがあり、それを通路側に向け直す。
切り込みに立て看板の支柱を挟み込むため、向きが重要なようだ。些細な事だが勉強になりました。
次のお手伝いは、ヨーヨー釣りの準備。
先ずはヨーヨーを吊り上げる紙縒りの作成を手掛ける。薄紙を2枚重ねてから束ね、それに釣り具を付けて巻き上げる。
皆さん結構綺麗に仕立てる。それに負けないよう、必死に拵える。
すると、その場に途中まで仕上げた紙縒りが届く。袋の中を覗くと、実に丁寧に仕上げてある。
さすが本職。更に負けじと奮起する。
午前9時過ぎだと言うのに、蒸し暑い。会場には木陰が少なく、坊主頭に日差しが容赦なく照りつける。
それでも昨年の横浜FC戦よりはマシだ。あの時は気温が35度位にまで達したので、それと比較すれば、十二分に我慢の範囲内である。
今は作業に集中せねば。余計な事を考えるより、愛するチームの為に、尽力すべきだ。
黙々と作業を続けていると、松本球団社長が会場を視察に訪れる。
サポーターと挨拶を交わし、ハッピースタジアムの成功を誓い合う。
そして開場30分前、スタッフ・ボランティア・サポーターが一同に介し、ミーティングを開始。
松本球団社長の挨拶に始まり、運営会社のスタッフから諸注意が告げられる。
ハッピースタジアムの成功の鍵は、我々が握ると言っても過言では無い。否応無く緊張感が高まる瞬間である。
ボランティアには運営組織図が配布される
各セクションで階層的に管理される
多くの運営会社とボランティアの厚意から
成り立っていることを改めて実感
気持ちが引き締まる
私の担当はヨーヨー釣りである。坊主頭に最適な?職務である。
他のサポーターから指摘を受け、実際のヨーヨー作りに参加。水を入れた注射器で風船を膨らませる。
次に専用の台座にプラスチックの止め具を挟み、吊り下げるゴム糸と風船の口を止め具に通して、グッと押し付ける。
これで止め具が固定され、風船の口が閉じる。後はゴム糸を巻いて吊り輪を作ればOK。
風船を手で結ばなくて良いので、予想外に作業が捗る。
この指摘は後で役立ちました。私以外の担当者は誰一人としてヨーヨー作りの手順が分からず、私が教えることで対処出来ました。
開場の時間が刻一刻と迫る。他のサポーターは持ち場に散り、平行して準備を進める。
そして午前11時。松本球団社長の挨拶とファンファーレが鳴り響き、ハッピースタジアムは華やかにスタート。
それと同時に、少子化が嘘かと疑うばかりに、多くの子どもがどっと押し寄せる。片手間でヨーヨーを作りながら、子どもに声を掛け、紙縒りを配る。
・・・て簡単に書けない程、開場はごった返す。子どもの数に圧倒する余裕も無く、手と口を休める暇は、一瞬たりとも無い。
30分も経過しない間に、紙縒りは底を尽く。皆で協力して、あれだけ大量に作ったのが嘘のようだ。
子どもの波は留まるところを知らない。後は気力と機転の勝負だ。
周囲に散らかる薄紙と釣り具をかき集め。ひたすら巻き続ける。
もはや丁寧にやる時間がない。作業を一気に簡略化し(手抜きで恐縮です)、巻いては渡し、巻いては渡しを延々と繰り返す。
紙縒りは濡れると簡単に切れるので、何度もやり直す子も多い。その為需要は半端じゃない。
遂に手持ちの釣り具が尽きる。そうなったらヨーヨーが浮かぶ水槽に手を伸ばし、水中に沈む釣り具を回収。
それをタオルで包み、水気を吸収し再利用。同時に湿った手をズボンで拭く(忙し過ぎて、ハンカチを取り出す時間すらなかった)。
紙縒りを巻き付け、笑顔で声を掛け、子どもに渡す・・・。ただ忙しく、それ以外の余裕が微塵も無い。
悪戦苦闘していると、他のスタッフ&サポーターも作業に参加。それでも子どもの釣り具をねだる手は、一向に尽きず、必死で紙を巻き続ける。
1時間は経過したのだろうか?無我夢中で作業をこなしているうちに、多少落ち着きを取り戻す。
スタッフと談笑しながら、巻く手を緩めない。未だ周囲の催しに目を向け余裕は無い。
オークションや大道芸が脇で開催されても、観客の歓声が耳を素通りするばかり。
そうする間に、週間フロンターレの編集スタッフが登場。取材用のヨーヨーを融通してくれないかとの事。
水槽に手を伸ばし、赤と黄色のヨーヨーを渡す。もし週間フロンターレにヨーヨーが登場したら、私が選んだものです。
そしてスポーツドリンクの差し入れが届く。喉を一瞬で潤して、作業を再開する。
時間も経過するにつれ、子ども以外の客も頻繁に訪れるようになる。
そこにユニフォームを纏ったサポーターが登場。早速釣り具を手渡す。
サポーターがサポーターをサポートするのも、何か不思議な気分だ。
スタッフと顔を合わせ、思わずにや笑い。言葉では表現出来ない感慨が、そこにはありました。
更に時間は経過する。競技場からは選手紹介のアナウンスが響き渡り、ピッチが気になってしまう。
が、まだハッピースタジアムは終わっていない。今は縁の下の力持ちに徹すべき。
遂に薄紙が尽きてしまう。するとスタッフが気を利かせ、吊り下げるゴム糸で釣り具を作り出す。
最後はそれで凌ぐ。そして時刻は午後1時30分に差し掛かる。
ハッピースタジアムは無事に終了。最後にメンバー一同介し、終了の挨拶が始まる。
スタッフの話を聞くと、ハッピースタジアムは大盛況だったようです。会場を訪れた観客が満足して頂ければ、我々にとっても最高のプレゼントです。
そして解散。運営会社の厚意により、試合開始30分前には、いつもの応援席に駆けつけることが出来ました。
スタッフの方々には、重ねながら配慮に感謝致します。
試合の方は残念な結果となりましたが、貴重な場に参加させて頂き、感謝しています。
ボランティア活動の疲労で、自らの応援が疎かになりかねないと危惧していましたが、気持ちが充実していたので、いつもに勝り、声援し尽くせたと自負しています。
ずっと子どもと話をしていたので、試合中に周りの子どもが応援や選手名が分からない時は、自然に教えて上げるという配慮も生まれました。
僅かな時間でしたが、ボランティア活動に貢献でき、感謝の念で一杯です。
が、サポーターの活動はまだ立ち上がったばかり、生かすも殺すも我々の姿勢次第です。
フロントとサポータの距離が近づくかは、今後に掛かっています。積み重ねた努力が水の泡とならないよう、これからも努力は怠りません。
最後となりますが、プロジェクトの発起人の皆様に、深く感謝致します。また機会があれば積極的に参加したいと存知ますので、その節はよろしくお願い申し上げます。