ジュビロ磐田 VS 川崎フロンターレ

J1 セカンドステージ 第4節



日   時 2000年7月15日 15:33
試合会場 ジュビロ磐田スタジアム (静岡県磐田市)
天   候 曇り
観 客 数 8,064人
(磐田市民は、フロンターレなど眼中にない?)
試  合  結  果
磐   田 前 半 川   崎
後 半
     
     
得   点   者
磐田:高原 直泰(10分),福西 崇史(50分),
ジヴコヴィッチ(81分)
川崎:原田 武男(88分)






J1セカンドステージ、未だ勝利ばかりでなく得点にも見放され、更には深刻な内部対立が噂され、最悪の状況に追い込まれたフロンターレ。
過酷な連戦は休息の間も無く、強豪磐田がジュビロスタジアムで待ち受ける。
磐田駅に降り立つと、私の姿を見た地元の女子高校生が、「フロンターレ?ボロボロにされに来たのネ」と小声で呟いているじゃないか。
ううむ・・・確かに前回の対戦じゃボロ負けしているし、昨今のゴタゴタ劇を目の当たりにされちゃ、悔しいが反論の余地もない。
だが、勝負に挑む以上、試合の前から負ける事を考えるのは禁物。
ここで勝たなければ、残された道はJ2降格のみ。勝利のみが至上命題なのだ。

磐田市の形

磐田市はこんな形らしい
駅内の地図を無断掲載して失礼(本来なら×)
駅前は特筆するものは(一応)なし
ジュビロを除けば、一地方都市にすぎないか



ヤマハの工場

磐田はジュビロの親会社ヤマハの城下街でもある
競技場周辺には関連施設が軒を連ねる



ジュビロの個人会員がずらり

競技場に足をいれるとこれが目に飛び込む
ジュビロの個人会員名がぎっしりと記載された掲示板
この反対側の建物にも、更にこの倍以上!の
氏名が連なる



挨拶をするジュビロの選手

試合開始より1時間以上も前でありながら
ジュビロの選手はサポーターに挨拶
ファンサービスに長けている



フロンターレの練習風景

対するフロンターレは、いつもと変わらぬ練習風景
蒸し暑いコンディションの中
割と激しいメニューをこなしている
試合前に体力が消耗しないか心配


結果が振るわない中、サポーターの心境も揺れているようだ。チームに対する不満も鬱積し、様々な不満が交錯する。
だが、観客席に立つ以上、我々の第一の使命は気力を尽くした応援。
行くぞ!今日も大声を張り上げ、ピッチの選手にエールを送るぞ!!!
おおお、おおおおお〜、フォルツァーフローンタレ〜

今日の立ち上がりはまずまずだ。左右両サイドを程よく活用し、盛んにセンタリングを放っているぞ。
ジュビロも立ち上がりが今一だ。この隙に先制点をゲットだ〜。

序盤の攻勢

序盤のジュビロの攻めは、ややぎこちない


フロンターレが幸先良くコーナーキックを得る。続けて誰か?が崩れながらもボレーシュートを放つが、惜しくもゴール枠に収まらない。
イジドーロ選手(背番号35:MF)のプレーも冴えている。中央でジュビロのパスをカットし、短いドリブルを経て、前線の我那覇選手(背番号27:FW)にスルーパス。攻撃の起点となる。
森山選手(背番号9:FW)も負けていない。カウンターのパスを受けるや、相手GKの動きを察知し、ループシュートを放つ。
ついでに原田選手(背番号34:MF)も盛んに攻撃に加わる、後方から走りこみ、隙あらばミドルシュートを放ち、得点への意欲を見せつける。
選手もやる気満々、さあ、サポーターも応援するぞ・・・

あれれ???やっぱりジュビロの攻撃は半端じゃなかった。
応援が始まった矢先、高原選手(背番号19:FW)に豪快な先制点を奪われてしまうとは・・・。

中山選手の突破

ジュビロの中山選手(背番号9:FW)が
左サイドを突いてくる
こんなのを再度許していると・・・



先制点を食らう

まんまと先制点を食らいました(泣)


リスタート後も、ジュビロの左サイド攻勢は止まらない。今度は高原選手が抜け出し、中央の中山選手へセンタリング。
中山選手のヘディングが炸裂!!強烈なシュートは、応援団の席に飛び込み、サポーターも思わずのけぞる。
フロンターレも反撃開始。しかしイジドーロ選手のマークが厳しく、攻撃の中核が機能しなくなる。
大石選手(背番号25:MF)もやや遠目の距離からゴールを狙ったり、ジュビロのパスを奪った中谷選手(背番号22:MF)が我那覇選手に強いパスを送るなどするが、これも繋がらず。
そうなるとジュビロも容赦ない攻撃に。左サイドを突きまくり、最後はお返しとばかりにジヴコヴィッチ選手(背番号25:MF)が、マークが無い位置でシュート!
これはGK浦上選手(背番号1)が反応。立て続けの失点を免れる。

服部選手の突破

ジュビロの服部選手(背番号6:MF)の突破に
原田選手が必死に食らいつく



ジヴコヴィッチ選手のシュート

ジヴコヴィッチの豪快なシュートが
フロンターレゴールを襲う
ディフェンスのマークも甘い


ジュビロのサイド攻撃は止まらない。体を生かしたドリブル突破が多いと思いきや、フロンターレディフェンスの裏を突くパスを送るなど、多様な攻撃を披露する。
対するフロンターレは、またもやパス回しに迷うシーンが。嫌な流れになりつつある。
大石選手も前線を眺める時間が長い。パスコースに迷っているようだ。
一見すると、鋭いパスを前線に送るシーンもあるのだが、この段階(20分位)で、既に走りこむ選手が少なく、素人目には無駄な攻撃(正確には体力不足か)に思えてしまう。

中山選手を止める久野選手

ジュビロの中山選手のスピードも油断ならない
この局面は久野選手(背番号23:DF)が
何とか食い止める


フロンターレの前線は、イジドーロ選手が孤軍奮闘。ただ選手間のサポートが薄く、最後は団子状態に陥り、ジュビロにまんまと防がれる。
バックラインのパス回しも今ひとつ。西澤選手(背番号31:DF)と奥野選手(背番号4:DF)の連携すら、余裕が感じられない。
中盤の苦境を察知したのか、奥野選手が前線に一気にパス。精度が今ひとつではあったが、これも誰も取りに走らない。
どうしたことか、課題の解消はままならないのか・・・
そんな中、ダニエル選手(背番号36:MF)が、短いながらも力を込めたパスを披露。他の選手に奮起を促しているようだ。

高原選手の攻撃

ジュビロは高原選手が精悍な表情で迫る
両者で自信の差がありあり
高原選手のプレーは・・・さすがの一言
ボールが体に吸い付いているようだ


ジュビロの連携は確固たるもの。高原選手のパスを受け取ったジヴコヴィッチ選手が鋭いクロスを送る。
フロンターレが弾き返すものの、詰めて来た福西選手(背番号23:MF)が跳ね返りをシュート。攻撃の間を一切与えない。
続けて服部選手が、動きが冴えない久野選手を振り切り、続けざまにセンタリングを送る。
更に軽快なワン・ツーパスからのシュートなど・・・一方的な攻撃と化している。

フロンターレの選手の動きはより酷くなる。浦上選手のゴールキックも明らかなどん詰まり。ジュビロの選手の正面へ飛んでしまう。
我那覇選手へのマークも厳しく。彼へのパスコースは完全に遮断される。
輪をかけて、ファウルも目立つようになる。遂には西澤選手がイエローカードを受けてしまう。
これもプレーの余裕の無さが要因なのか。災難は災難を呼ぶだけなのか・・・。

中山選手のシュート

ジュビロの中山選手のヘッドが襲う
フロンターレの守備分担に不安を隠せない



西澤選手の警告

フロンターレのパスを奪い
突破を図った高原選手を押し倒した
西澤選手が警告を受ける
この場面ではこれ以外の手段は無かったのか


前半終了間際もジュビロの攻勢。ゴール前でフリーキックを得、的確なセットプレーを展開。
ジュビロのシュートはゴールポスト上を叩き、サポーターにや汗をかかせる。
ルーズボールを浦上選手がセーブしたところで、前半が終了。
得点以上の実力差に愕然。単に実力と言えばそれまでだが、同じJ1リーグとして、もう少し恥の無い試合をサポーターに披露して欲しいものだ。

旗を畳むボールボーイ

旗は丁寧に畳みましょう・・・て???
この写真に何の意味があるのか
自分でも???


さて、後半開始だ。まだまだ1点差。これから大逆転だ!!
ピッチも観客席も蒸し暑いが、死力を尽くして応援だ〜。
あれー、あれー、あれーフロンターレー!
あれー、あれあれー、あれーふろんたーれー!!

ゲートフラグを掲げるサポーター

この直向な気持ちを、チームも汲んでくれ!



イジドーロ選手がボールを支配

序盤はイジドーロ選手の土壇場
しかし裏を返せば、他の選手の
フォローアップ不足とも


フロンターレはイジドーロ選手が粘りのプレー。だが服部選手のチェックが厳しくなり、中盤以降のプレーが窮屈になる。
試合の主導権はジュビロに移る。フロンターレはたまらず、自ゴール付近で反則を犯してしまう。
セットプレーからの跳ね返りがイジドーロ選手の足元へ、それをすかさずジュビロが奪い返す。
ああああーーーーー!!!、瞬く間に2点目を喫してしまう。

失点直後のシーン

ピッチに目を向けると、リスタート直前だった


リスタート後、フロンターレはゆったりとボールを回す。攻撃のチャンスを狙っているのか、果てはパスコースに迷っているのか?
だが、もたつく間に服部選手に奪われる。ジュビロは左サイドを一気に駆け上がり、鋭いクロスをフロンターレゴール正面に叩き込む。
これは奥野選手がヘッドでクリアするも、ジュビロの優位は揺るぎない。

ジュビロの選手が中盤付近で余裕のパス回し。フロンターレの選手は誰もチェックに入らない。
その隙に藤田選手(背番号10:MF)がじりじりと前へ迫る。それに合わせてボールが藤田選手の元へ渡り、危険な場面を迎える。
フロンターレは中盤のプレーが、極度に散漫に陥る。イジドーロ選手の粘りが唯一の救いである。
浦上選手の立て続けのゴールキックも、相手選手の正面へ。集中力が切れているのか。
フロンターレよ、J1昇格時の根性は何処へ失せた。ここで粘れねば、3年間の苦労も水の泡・・・。
ここでダニエル選手に代えて、今野選手(背番号28:MF)を投入するが、苦し紛れの消極的な選手交代の感じは、どうしても否めない。
実際には変哲も無い選手交代だが、チームに不信が渦巻く中、疑心を抱いてしまうのは、自分でもちょっと悲しい。

井原選手のプレー

フロンターレ森山選手へのパスは、
ジュビロ井原選手(背番号4:DF)カットし
ジヴコヴィッチ選手に渡る



我那覇選手が倒れこむ

ジュビロの我那覇選手に対するマークは
相当に厳しい
接触・交錯シーンが延々と繰り返される


フロンターレは右サイドを起点に攻撃。イジドーロ選手が突破を図り、センタリングがジュビロ選手の足に当たり、コーナーキックを得る。
得点を待望するサポーターからは我那覇コールが沸き起こる。が、これもものに出来ず。
続けてスローインの場面。大石選手が抜け出すものの、オフサイドとなり、チャンスが潰えてしまう。
それでもフロンターレはイジドーロ選手が一人火を吐く。相手のミスを見逃さず、盛んにボールをカットし、右サイドの突破を図る。
途中交代の鈴木選手(背番号8:FW)も必死にボールに食らいつき、森山選手もジュビロの選手と交錯しながらも、ヘディングシュートを放ち、フロンターレサポーターを沸き立たせる。
よ〜し、ゴリ山コールだ〜。
ゴリゴリ〜山(どどどどどどど)!!
ゴリゴリ〜山(どどどどどどど)!!


・・・が、フロンターレの攻勢もここまで。ジュビロゴール前で鈴木選手がジュビロの田中選手(背番号5:DF)を引っ張ってしまい、ファウルを受けてしまう。
その直後、ジュビロの怒涛のカウンターが炸裂。一気の縦パスが、フロンターレゴールに迫る。
ジュビロの前線の選手がシュート・・・浦上選手が至近距離ながらも反応、失点を許さない。

鈴木選手のプレー

ピンチを凌いだフロンターレは
その後執念の攻撃を展開
右サイドをイジドーロ選手が切れ込み
鈴木選手が前線で激しくプレー



逆サイドを突くイジドーロ選手

イジドーロ選手は逆サイドも難なく攻撃
最後はジュビロの田中選手と交錯し
地面に倒れこむ



池田選手と鈴木選手

フロンターレは池田選手(背番号32:MF)を投入
ジュビロの鈴木選手(背番号2:DF)と
密着プレーのはずが・・・



両者詰め寄る

鈴木選手が池田選手を小突いてしまい
両チームの選手が詰め寄る
争いはしばらく落ち着かず


フロンターレも相手の反則から、幾度となくセットプレーの機会を得るが、最後は連携不足に沈む。
ゴール前をパスが素通りし、放つシュートも余裕が無く、ゴールポストの枠に収まる気配もない。
そんな間も無く、ジュビロに3点目を献上。もはや反撃の手段も無く敗れ去るのか・・・。
諦めムードが漂う中、前線で奮闘していた鈴木選手が、ジュビロの選手に倒される。
ここで正面からのフリーキック、キッカーは原田選手。
今年のフロンターレは、フリーキックを得点に結びつけるケースが殆ど無い。
今回は果たして・・・疑心暗鬼の中、原田選手がボールを蹴る。
ボールはスッと曲がり、ジュビロのゴールを突き破る。
やったぞ!!!1点返したぞ!!!!

得点を喜ぶサポーター

待ちに待った、歓喜の瞬間


さあ、ここからだ!まだまだ諦めてなるものか。
再び同じ位置でのフリーキックを得る。こうなったらアンコールだ〜!!
・・・が今度はジュビロの壁に激突。残された時間は余りにも少な過ぎた。
3−1で試合終了。結果は完敗。
選手がゴール裏に挨拶に向かう。我々サポーターは選手とどう応対するか?
歌?拍手?ブーイング?それとも・・・。
結論は・・・無言の座り込み。応援団の呼びかけに同調した殆どのサポーターは着席し、抗議やブーイングを抑え、まばらな拍手で選手を迎えました。

着席するサポーター

悩んだ挙句、着席を決意



挨拶する選手達

サポーターの行為を、選手(と首脳陣)はどう受け止めたか


選手達がピッチから立ち去った後、サポーターが集結し、今後の応援を誓い合う。
非難を承知で書けば、ここ数試合は応援に問題が認められ、決して紳士的とは言い難かった。
しかし、今日は応援に専念出来た。自信を持って断言します。
駅への帰り道、ジュビロのサポーターに声を掛けられる。彼はフロンターレサポーターの迫力を、ただ驚嘆していました。
「少数でありながら、どうしてあれだけの声援を送れるのか?」。彼は私にそう訊ねてきました。
我々もまだ捨てたもんじゃありません。これからも全力で清々しい応援に専念するだけです。


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