川崎フロンターレ VS 京都パープルサンガ

〜 J2 第3節 〜



日   時 2001年3月24日 14:03
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 晴れ
観 客 数 5,443人 (J1時代と大差ない?)
試  合  結  果
川    前  半 京   都
後  半
     
     
     
得   点   者
エメルソン 4分:PK   55分:PK 野口 裕司
エメルソン 75分   78分 黒部 光昭
      79分 熱田 眞
      84分 安 孝錬






開幕2連勝のフロンターレ。今日の対戦相手は、昨年共に降格した京都パープルサンガ。
京都は主力級の選手が軒並み退団。大幅な戦力ダウンを強いられた。
J1復帰が至上命題のフロンターレからすれば、京都をいかに打ち破れるか、序盤のポイントとも言えるこの試合。
昨年よりは劣るもののの、J2勢では優位な戦力を誇る京都。90分で確実に勝利し、勝点3を得れれば、先の展望も明るくなるだろう。

等々力陸上競技場

久々の等々力陸上競技場
絶好の晴天下にも関わらず
相変らず観客が少ない(爆)



鴨

取り敢えず緑地内の鴨にご挨拶?
フロンターレサポーター同様
いつもの顔ぶれである
(そんなの分かるか!)



ノイズスティック

こんな応援用ビニール棒をもらった
正式にはノイズスティックと呼ぶらしい
そっか、ここに応援歌が書いてあったのか
黒い方は木簡のようで、ちょっと不思議な印象



ビッグフラグが登場

何か巨大な布が登場
これはひょっとして・・・て書くまでもなく
サポーターの汗と涙と金の結晶ビッグフラグ



ビッグフラグがなびく

巨大な旗が、等々力の地を舞う
おお、これぞ感動のひと時
・・・てこんな角度から写してどうする?


ぽかぽか陽気の中、試合開始のホイッスル。宿敵京都を打ち破り、このまま連勝街道突入だ!
オー、フロンターレー、オー川崎オオー
オーフロンターレー、オーオオーオオオー
(これで良いの?)
応援の勢いとは裏腹に、出だしは京都が優位。不安定なフロンターレの守備を突き、熱田選手(背番号8:MF)が抜け出し、手荒な一撃を放つ。
フロンターレの反撃は中途半端。中央でボールを迷ったように回し、突破点を見出せず。
リカルジーニョ選手(背番号10:MF)のミドルシュートも外れる。序盤の動きは悪いのは、もう恒例ではあるのだが。

久野選手

怪我の影響がまだ残っているのか
久野選手(背番号23:MF)に
本来の切れのよさがないようだ


毎度の事だからしょうがない・・・そう考えた矢先、フロンターレにビッグなプレゼントが。
得点源のエメルソン選手(背番号9:FW)が中盤から鋭いドリブルで抜け出し、一気に京都ゴールに迫る。
京都の守備もたまらずファウル。しかもそこはペナルティエリア内。
ビバ!エメルソン!!ビバ!エメルソン!!
いきなりのPKにサポーターもどっと沸き立つ。彼自らPKを蹴り込み、待望の先制点だ!

エメルソン選手が倒される

佐藤選手(背番号6:DF)のアピールもなんのその
ビッグプレゼントがフロンターレに転がり込む



エメルソン選手のPK

熱狂渦のサポーターをよそに
PKも冷静に決める


この先制点でフロンターレは俄然有利だ!さあ、もっと応援するぞ!!
・・・の筈が、勢いづくべき選手がぱっとしない。小島選手(背番号29:DF)の守備も精彩を欠く。
彼の目の前にルーズボールが。思い切りクリアか何かすべきところを、何故かボールを見送ってしまう。
それを上野選手(背番号18:FW)に拾われかける。これは鬼木選手(背番号7:MF)がフォローするなどして命拾いするものの、サポーターからは「おじま〜」と溜息が。

攻撃面では中盤右サイドで、飯島選手(背番号31:MF)がロングパス。それを前線の伊藤彰(背番号19:FW)に繋ぐ。
そのまま攻め込み、ペナルティエリア内で倒される。PKの再来を願ったが、今回はならず。
その後も右サイドを突くパターンを繰り返す。

尾島選手が絡んだプレー

小島選手のプレーは消極的過ぎる
これも京都の選手に奪われた
もっと自信を持ってボールコントロールすれば
相手だってそれなりにてこずると思うが
おじま〜、自信もて〜!


試合は10分以上経過。落ち着かないフロンターレの守備を、京都が効果的に攻める。
ボールを短く繋ぎ、盛んに仕掛けてくる。松井選手(背番号10:MF)にフリーでシュートを放たれるなど、不安定な場面が続く。
フロンターレの守備の意図が解らない。選手を徹底的にマークするわけでもないし、ゾーンディフェンスにしては慌てぶりが目立つ。
それでも伊藤宏(背番号25:DF)の守備は安定。京都の選手を巧みに交わし、冷静にボールをクリア。
パスコースもしっかりと見極めている。新人離れしたプレーは評価したい。
・・・と思いきや、今度は朴選手(背番号7:MF)のシュートが襲う。フロンターレの守備は、トータル的には不安定のままである。

伊藤宏樹選手の守備

伊藤宏樹選手の守備はなかなか
京都の松井選手もうまく振り切る



小島選手の守備

それに対して、小島選手は後ろ向き
浦上選手(背番号1:GK)に対する
バックパスも少々多いか


多少落ち着いた時間帯を経過し、フロンターレが押し戻す。右サイドを基点に攻撃を仕掛け、飯島選手がヒールパスで、タッチライン際のリカルジーニョ選手にボールを流す。
ボールは京都に渡ったが、直ぐに取り戻し、中央の伊藤彰選手にロングパス。
これは相手GK平井選手(背番号1)が一足早くキャッチ。それが駄目ならリカルジーニョ選手がドリブル突破するも、京都の選手に囲まれTHE END。
すかさず京都が猛反撃。左サイドを駆け上がり、上野選手が怒涛のドリブル。
そのままクロスを放り、前線の選手がヘディングシュート。浦上選手がパンチングでゴールネットの上に逃れた。

その後のセットプレーを切り抜けるも、フロンターレの反撃はリズムに乗り切れない。
選手間の連携が乱れがちで、中盤から先に進まない。センターサークル付近でボールを回すものの、突破口を見出せない。
それを京都に奪われ、DFの背後を狙いミドルシュートが・・・。これじゃ鳥栖戦での反省が、まるで生きていないぞ。
前線にボールが届かなければ、エメルソン選手も宝の持ち腐れである。

リカルジーニョ選手の攻撃

リカルジーニョ選手のボールキープも
京都の3名に囲まれ、ボールを奪取された


あれーあれあれー!あれーあれあれ〜!
サポーターも熱い声援で後押しするも、京都の優位に変化なし。
と言うより、フロンターレの中盤が機能していない。ダニエル選手(背番号8:MF)もボールに絡む回数が少なく、久野選手も冴えを感じない。
それが他の選手に伝播したのか、消極的なプレーが続出。箕輪選手(背番号5:DF)のボールキックに勢いが無く、今度は伊藤宏選手が浦上選手に中途半端なバックパス。
そこに京都の選手が迫る!。浦上選手は軽快な足技で京都の選手をかわし、冷静にクリアして一安心。
GKの方がDFより足技が冴えるなんて、お世辞にも洒落にならない。

試合は35分を経過。ここに来て京都が攻撃に力を注ぐ。
再三のセットプレーから、フロンターレのゴールを脅かす。上野選手などが何本ともシュートを放ち、危険な場面が続出。
フロンターレも必死に防御。浦上選手を筆頭に懸命の守りに徹する。
最後はスローインからのヘディングシュートが、ゴールラインを割り込んで一命を取り留める。

フリーキックも・・・

こんなチャンスもあったようだが・・・
視線がファインダーに隠れている間に
京都にボールを奪われたらしい(泣)



京都のセットプレー

フロンターレの守備は高さがウリの筈だが
完全に空中戦で競り負けている


前半も残り時間は少ない。フロンターレも右サイドの反撃。前線でしつこく繋ぎ、セットプレーのチャンスに。
フリーキックの低い弾道が、京都ゴール前に迫る!エメルソン選手が得点を狙うも、僅かにあわず。
耐え凌いだ京都は、すかさずカウンター。中盤の松井選手にボールが渡り、巧みなステップワークでフロンターレの守備を振り切り、最後はシュートで締める。
しかもこの時間帯に、フロンターレに無意味なイエローカードが飛び出す。これが京都に絶好の機会となり、以後セットプレーからの強烈なシュートを盛んに浴びる始末。
フロンターレの守備はばたばたしている。浦上選手のゴールキックすら風に押し戻され、タッチラインを割ってしまうとは・・・。

ロスタイムに突入すれど、フロンターレのピンチは相変らず。
ああっ!京都の選手を引きずり倒してしまうとは。しかも絶好の位置でのフリーキック。
ボールはフロンターレの壁をもろともせず、弧を描いてゴールに迫る。
浦上選手のファインセーブで失点は免れ、何とか前半を逃げ切ったものの、守備の不安は解消されず。
攻撃面でも問題だらけ。中盤の動きが依然鈍く、前線のエメルソン選手に、生きたボールがなかなか渡らない。
エメルソン選手も研究されたのか、京都のマークが相当きつく、自在なプレーは影を潜めがち。
残り45分間、無失点で耐え切れるか、心配は尽きない・・・。

浦上選手のファインセーブ

ガミさんナイスセーブ
前半に失点しなかったのが、不思議な位だ



市民みんなでアシスト!!

ハーフタイムでのひとコマ
え〜、私は川崎市民でなくてすいません・・・


程なく後半開始。前半の悪い流れを断ち切り、開幕3連勝を狙うぞ!
フロンターレの攻撃の基点は右サイド。盛んにえぐり、前線にじりじり迫る。
中央にボールを折り返し、シュートの体勢になるも、姿勢が崩れてチャンスならず。
ならばとエメルソン選手が跳ね返りを奪い、そのまま持ち込んで自らシュート。京都のマークがずれた瞬間、フロンターレにビッグなチャンスが転がり込みそうだ。
そしてコーナーキックへ。久々のビバ!エメルソン!!コールで、スタンドは活気づく。

フロンターレのフリーキック

続けてフリーキックのチャンス
ここまではフロンターレのペースだったが・・・


フロンターレの流れはここまで。7〜8分経過した辺りで、再び京都が反撃。
すかさず攻め上がり、フロンターレのゴール前でDFより一歩早く、ボールをワンタッチで繋ぎに繋ぐ。
最後はボレーシュートが襲い掛かる。フロンターレの守備は振られっ放しで、追随すら困難になりつつある。
攻撃面ではエメルソン選手に頼りっきり。彼にボールを集中させるが、京都の密着マークに阻まれて、得点は程遠くなる一方だ。
京都のパスワークはより軽快に。反面フロンターレは動きが鈍く、ボールを中盤に運ぶのすらままならず。
前だ!前に!こうなったらこの応援だ!!
アヴァンティ〜おお、川崎〜おお、ララーララ・・・

・・・が、応援が始まったその直後、信じ難い光景が。
遥か彼方で、京都の選手が倒された。その位置は・・・ペナルティエリア内ではないか!!
あああぁぁぁ〜〜〜何故PK?。わき返っていたサポーターも一同沈黙。
頼むぞガミさぁ〜ん、止めてくれ・・・。その願いも空しく、野口選手にあっさりと決められ、同点に追い付かれてしまう。

野口選手のPKが決まる

エメルソン選手のPKを
リプレイしているかのようだ


オー、フロンターレー、オー川崎オオー
この失点で目が覚めたのか、フロンターレは猛然と反撃。中央でエメルソン選手がボールを受け、危険を察知した京都の選手がファウルを犯す。
エメルソン選手は地面を両腕で叩きつけ、悔しさを滲み出す。その気迫がボールに乗り移ったか、フリーキックは京都ゴールの右下隅に迫る。
惜しくも平井選手が渾身のクリア(だったか?)。直後京都の反撃を食らうも、フロンターレも守り切る。
攻撃の基点はエメルソン選手。彼の卓越した能力一本に絞ったようだ。
ただ、勢い的には京都が優位。フロンターレの攻め手が単調なのも、京都の負担を軽減するばかりと思うのだが。

フロンターレのセットプレー

フロンターレの得点パターンは
エメルソン選手とセットプレー
だからこそ、ここは決めて欲しかった


時間も25分近くを経過。フロンターレは切れ味の鈍い久野選手に代えて、我那覇選手(背番号17:FW)を投入。
京都はそれを嘲笑うが如く、怒涛の反撃。DFの隙間が生まれた瞬間、ミドルシュートで狙い撃ち。
続けて左サイドを、ドリブルで一直線。ダニエル選手(背番号8:MF)もあっさりと振り切られ、ゴールライン付近で鋭いクロスを放たれる。
ここは必死に守り抜く。そして絶好のフリーキックを得、エメルソン選手が気迫のキック。
久々のチャンスに、フロンターレサポーターもどっと沸き返る
オーオオー、レッツゴ−川崎〜
オーオオー、フローンターレー!!

エメルソン選手のフリーキック

応援を放棄して、撮影に集中すれば
もう少し気迫こもる写真になったか?


このプレーがフロンターレの闘志に火を注ぐ。選手間の連携は不完全ながらも、プレーに積極性が生まれる。
エメルソン選手に縦パスを集中。彼のマークも厳しく、なかなかシュート体勢にまで至らない。
また駄目かな・・・不安が脳裏を過ぎったその瞬間、至福の瞬間が。
エメルソン選手が僅かな隙を見逃さず、厳しいマークを振り切り、左サイドからシュート!
低い弾丸は、ゴールの左隅に吸い込まれる。余りに素早く、得点シーンを殆ど見逃してしまう程だった(苦笑)。
何はともあれ、再び突き放したぞ!!

得点を喜ぶサポーター

余りに一瞬だったので、得点シーンを撮り損ねた
よって、狂喜乱舞のサポーターでもどうぞ


オー、フロンターレー、オー川崎オオー
オーフロンターレー、オーオオーオオオー
(違ったら教えてください)
もう勢いは止まらない。このままガンガン攻め立てて、3連勝とJ1復帰は頂きだ!!
もうフロンターレの勝利は確信。少なくともこの後の転落劇を、誰も予期することは無かった筈だ。

だが、悲劇はここからだった。リスタート後、ものの1分か2分(実際にはもう少々)もしない間に、京都があっさりと同点に追い付く。
それでもこれは序曲に過ぎなかった。フロンターレはリカルジーニョ選手を下げ、浅野選手(背番号4:MF)を投入。
が、それも京都には通用せず。ものの僅かな間に右サイドを駆け上がり、角度が狭いながらも、豪快なシュートが炸裂。
浦上選手のダイブも届かず、ボールはフロンターレゴール左隅に突き刺さる。一転して天国から地獄へ突き落とされるとは、誰が信じようか・・・。

渋い表情の浦上選手

京都の同点ゴール直後
余りの急展開に、ゴールシーンはおろか
確認できたのは、浦上選手のしかめっ面



京都の攻撃

味をしめた京都は、面白いように攻め立てる
瞬く間にゴールライン付近に攻め寄り・・・



得点を喜ぶ京都の選手たち

気が付いたら、京都の選手は
得点を喜びあっていた
立て続けの失点に、ただ呆然


まだ点差は1。諦めるには早過ぎる!
ここから奮起を・・・。だが、ピッチ上の選手達には相当のダメージらしく、戦意喪失プレーが続出。
セットプレーの跳ね返りを拾い、前線にパス。だが前には誰もおらず、無人のエリアをボールは空しく転がる。
京都の右サイド攻撃はより執拗に。フロンターレはますます守り一辺倒。
フロンターレゴール前を、京都の鋭いボールが盛んに行き交う。もはや打つ手も無いのだろうか。
サポーターも沈黙。反対側で沸き返る京都のサポーターと対比的な、諦めの空気が充満している。

頼む、奇跡よ起きてくれ。だが、それも空しい願いだったのか、最後の時が。
京都は右サイドを再び攻撃し、豪快な右足が炸裂。
ボールは勢い良くバウンドし、フロンターレゴールに吸い込まれた。この瞬間、全てが終わった・・・。

京都の4点目

フロンターレの守備は
修復不能なまでに崩壊していた
もはや誰がこうと言った範疇を超えている


勝利を確信した京都のサポーター 敗色濃厚なフロンターレのサポーター

勝利を確信し、タオルマフラーを掲げる京都のサポーター
方やフロンターレ側では、諦めムードが漂う
余りにも対極的な両者


その後の展開は記憶に無い。強いて残る個所を挙げるならば、ひたすらエメルソン選手にボールを集中させた点。
だが、彼の周囲は京都の守備網が。彼以外に攻める選手も無く、京都は彼さえマークすれば済み、余裕の守りを展開。
そして試合は幕を閉じる。怒りのノイズスティック破裂音が、無情に響き渡る。
選手が挨拶に訪れると、スタンドからは拍手とブーイングが、不気味に交錯する。
私はただ放心状態。守りが崩壊し、エメルソン選手が封じ込まれると、こんなに凋落するとは・・・。

挨拶に向かう選手達

選手も相当ショックだったのだろうか
およそ半数がバックスタンドに向かわず
ゴール裏へと向かいかけてしまった



エメルソン選手

エメルソン選手には温かい声援が
先の鳥栖戦でもそうだったが
他のチームは彼を相当研究している模様
彼を頼り切る構造にメスを入れない限り
フロンターレ、そして彼の将来が暗いばかりだ


完敗。一言で表すならば、その言葉だけだ。
ただ、敗戦理由が如実に表れた。攻撃面ではエメルソン選手がマークされれば、得点の機会は激減。
守備の不安も表面化。失点を重ねると瞬く間に崩壊しかねない弱点が表面化した。
・・・て素人が書いてもどうしようもない。今はショックで、心の整理すらつかない。

まだリーグ戦は始まったばかり、全体の1/10すら経過していない。だから焦る心配も無いのかも知れない。
しかし、フロンターレの欠点が露骨になり過ぎた気がする。何よりも気がかりなのは、チームバランスの不安定さ。
もし問題点が今後修正されなければ、瞬く間にJ1昇格争いから脱落しかねないか、気が気でならない。

次節は新潟戦。守りは定評があるチームだけに、もしエメルソン選手が封じ込まれたら・・・。
そう考えるだけで、気が重くなってしまう。あぁ・・・。


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