アルビレックス新潟 VS 川崎フロンターレ
〜 J2 第4節 〜
日 時 | 2001年3月31日 15:00 | |||
試合会場 | 新潟市陸上競技場 (新潟県新潟市) | |||
天 候 | 曇り時々晴れ | |||
観 客 数 | 2,712人(ここも少ない、W杯開催地なのに) | |||
試 合 結 果 | ||||
新 潟 | 0 | 前 半 | 0 | 川 崎 |
1 | 後 半 | 0 | ||
1 | 計 | 0 | ||
得 点 者 | ||||
高橋 直樹 | 69分 |
守備の不安は解消されず。かつ前線も振るわず・・・。
前節、4失点とまさかの大敗を喫したフロンターレ。今日はアウェイでアルビレックス新潟との対戦。
開幕前は話題控えめながら、ベテランの黒崎選手(背番号11:FW)を加えるなど、地味ながらもしたたかな補強を欠かさず、上位進出をひた狙う。
今シーズンも堅実なサッカー?で上位を脅かしそうな存在。チーム状況が不安定なフロンターレにとっては、首位決戦と同じ決意で、果敢に挑んで欲しい。
のっけからサッカーと無縁なお話
街の中心部、万代にそびえ立つ
名称そのままの「レインボータワー」
展望室は回転をしながら、地上100mへ達す
壮大な信濃川の流れも
また格別なのですが・・・
忘れちゃいけない、ビッグスワンこと新潟スタジアム
完成までもう僅か
来年のW杯(TM:笑)が楽しみだ
その前にリーグ戦で訪問するかも
心配された天気は回復。反面気温は10度にも達せず、北風もかなり強い。
体を振るさせながら試合開始を待っていると、新潟のサポーターから「J2に行こうよ〜」と意味不明なエールが。
おまけに「フローンターレ!」コールまで。サポーター一同訳も分からず、拍手で応対。
お返しに「J2にいろーよ、アルビレックス〜」コール(笑)。結局何だか理解できぬまま、試合開始のホイッスル。
そんなにJ2の居心地は良いのか?
どっかのチームの如く、冷やかしでもない様だし
何なのだ??いったい???
(マズイ、どっかのチームを赤字にしてしまった)
おおおーおお川崎!フロンターレをオウオウ!!
おおおーおお川崎!フロンターレをオウオウ!!
寒さを吹き飛ばそうと、序盤から勢いある応援。
ピッチ上の選手達も動きは上々。前節のショックは尾を引いていないようで、先ずは一安心。
課題だった、リカルジーニョ選手(背番号10:MF)のワンマンプレーも、私が判断する限りでは、大幅に改善されている。
ボールを長く持たず、軽快なパスワーク。右寄りの伊藤彰選手(背番号19:MF)にボールは渡り前線へ。
そこからフロンターレにチャンスが。セットプレーを基点に得点の機会が盛んに訪れ、いいリズムで序盤を過ぎる。
中央でのボールキープを最低限にし
サイドを突く流れ
やれば出来るじゃん:リカルド殿
これが証拠、今までの彼ならば
フリーともあらば、絶対ドリブルしていた
自我が強いプレーに批判も強いが
この日に関しては悪くないと思う
課題の守備は今ひとつ。ペナルティエリア内で黒崎選手と伊藤宏樹(背番号25:DF)が激しく応酬。
伊藤選手が冷静にボールをゴールラインに逃した・・・筈が、何故か新潟のコーナーキック。
キックは防いだものの、跳ね返りをシュートされる。新潟の選手もキックの精度が低く、助けられた。
続けてのバックパスも小さく、あわや新潟の手中に。上品なプレーが先走り、思い切りが足りない気が。
試合は10分経過。中盤での小競り合いから主導権争いが続く展開へ。
黒崎選手の熟練したプレーに
伊藤選手も手を焼いているのか
流れは徐々に新潟へ。フロンターレのパスワークが読まれつつあるのか、インターセプトされる場面が目立つ。
ダニエル選手(背番号8:MF)のサイドチェンジも、あえなくパスカット。この影響からか、フロンターレのリズムが崩れ始める。
新潟の圧力に屈し、DFが延々とパス回し。なかなか前進しないプレーに、サポーターもこの応援でエールを送る。
アヴァンティーおお、川崎〜おお、ララーラララーララーラ!
その甲斐あってか、新潟の不意を突いて前線へ。そのまま切り込み、強烈なシュート。
相手GK野澤選手(背番号21)がクリアするも、コーナーキックのチャンス。押され気味のムードを一掃するには、滅多にない機会。
だがボールは誰にもあわず。新潟が跳ね返りを拾い、カウンターを披露。
中野選手(背番号2:DF)がドリブルで一直線。最後はブレーキがかかったものの、DFの隙はなかなか埋まらない。
これが鹿島の名良橋選手級なら
失点しても不思議じゃなかった
(ポジションは左右逆だが)
フロンターレは再びセットプレーのチャンス。これも新潟に弾き返されたが、ボールはフロンターレの選手の元へ。
すかさず前線に蹴り返す・・・つもりが、どうしたことか大チョンボ。ボールは左タッチラインを大きく割り込んだ。
これにはサポーターも不満顔。然程切迫した場面じゃなかっただけに、ボールを大切にして欲しかった。
逆にフロンターレがファウルを犯す。新潟のセットプレーから、高橋選手(背番号14:DF)がヘディングシュート。
浦上選手(背番号1:GK)は一歩も動けず。殺られたか・・・、ボールは運良くゴール前を横切り、失点は免れた。
フロンターレのバックパスは余りにお粗末
これも浦上選手がぎりぎりクリア
プレーの基本がなっていないのか
果てまたDFとGKの連携が悪いのか
(しかも前半だけで、イエロー2枚とは・・・)
オ〜〜〜、フーロンターレ!オ〜〜〜、川崎オーオ〜
悪い流れを打破するには応援するのみ。Lサイズのフラグを強引にズボンに挿し込み、ひたすら声援を送るのみ。
そして撮影も続行・・・あれれぇ?またデジカメがおかしくなった。
どうやら電池切れ。これは入れ替えればOK・・・。いや、全然直らない(泣)。
他の電池を試したり、スマートメディア(デジタルカメラの記憶媒体)を交換したりしたが、全く効果なし。
撮影不能の間も何とか声援を送る。肝心のプレーは・・・。カメラの復旧で頭が混乱し、記憶は殆ど無い。
強いて挙げるならば両者乱雑なプレーで、特筆すべき個所は無いか。
いや、エメルソン選手(背番号9:FW)がフリーで飛び出した場面あり。折角の大チャンスだと思ったが、どうやらオフサイドの判定を受けてしまったようだ。
一度は撮影を諦めかけたが
15分位して無理やり動作させる方法を発見
晴れて撮影再開
気になるのは、久野選手(背番号23:MF)が
どうも本調子に程遠く感じる点
中盤でも積極性に欠け
守備も受身一辺倒なのは腑に落ちない
試合は30分以上経過。やや新潟が押し気味ではあるが、フロンターレの守備も、多少落ち着きを取り戻したようだ。
ライン際のボールを良く見極め、冷静に対処。そして中盤でボールの奪い合いと、いささか粗雑な時間帯。
ボールの蹴りあいが乱雑。両者プレーの制度が低く、見応えのない展開。
新潟は外国人の出場停止の影響かも知れないが、フロンターレも仲良くお付き合いするようでは頂けない。
おおーおおおおおー、フォルツァーフローンタレー!
フロンターレも縦の突破を図り、シュートを放つが、これも精度が悪く、ボールはゴール枠外へ。
それでも流れはフロンターレ。前半も残り時間少ないが、リズミカルなパスワークを取り戻す。
フィニッシュは甘いものの、スルーパスを盛んに送るなど、新潟にプレッシャーを与えまくる。
最後はコーナーキックを経て前半を締めくくる。初春とは信じ難い寒さではあるが、選手の動きはなかなか良く、後半に期待を抱かせそうだ。
セットプレーはそれなりの出来栄え
後はエメルソン選手一辺倒の前線に
多少メスを入れたい気も
(もっとも、彼が得点量産元なのは承知のうえで)
ムチャクチャ細かい指摘で恐縮ですが
得点表示の「−」が「ー」だったりして
・・・、たいした問題じゃないですねぇ
そう言えば、新潟にもマスコットキャラがいるのに
着ぐるみを見つけられなかった
ハーフタイム中にイベントが無いもの
いささか寂しさを覚える
寒さで身震いする中、後半開始。勝って帰るからね〜と威勢のよい掛け声が響く。
オ〜〜〜、フーロンターレ!オ〜〜〜、川崎オーオ〜
開始早々、エメルソン選手が素早く抜け出す。相手GKの動きを見据え、飛び出した背後を狙うものの、惜しくも右に外れる。
流れはすかさず新潟へ。攻撃は充実しており、盛んに攻め立てる。
フロンターレも2回連続のコーナーキックを何とか凌ぐ。そして反撃のカウンターを披露。
ボールは伊藤彰選手の元へ。彼得意の「2列目からの飛び出し」も動き良く、MFに戻した効果は現れている模様。
両者共に攻守が目まぐるしく切り替わる。ボールの動きも激しく、選手の運動量も保たれている。
一般人には堪える寒さも、選手にはあまり影響しないようである。
エメルソン選手が右サイドを駆け上がり
強烈なシュートを放つ
伊藤彰選手も詰めていたが
野澤選手ががっちり抑えた
対する新潟も怯んでいない
フロンターレの攻撃を凌ぐや否や
瞬く間に反撃を試みる
両者押しつ押され、試合は激しく変動
フロンターレは鬼木選手(背番号7:MF)を下げ、渡辺選手(背番号30:MF)を投入。
ピッチ上では、依然激しい攻防合戦。フロンターレは前線にエメルソン選手を配し、得意のパターンを狙う。
・・・と思いきや、リカルジーニョ選手が新潟の選手を巧みに振り切りシュート。ボールは惜しくも、ゴールポストに当たり?(注:筆者は撮影していたので、視界に入っていなかった)、サポーターから溜息がこぼれる。
フロンターレは攻撃の手を緩めずに、前線にセンタリングを盛んに繰り出す。
だが、新潟も必死である。懸命に攻撃に耐え、機会があらばとカウンターを仕掛ける。
それに対し、フロンターレの守備は若干慌てている気配。悪い癖が表ざたにならないか、いささか心配になりつつある。
新潟の仕掛けも割と単調だが
徐々に押され気味になりつつあるようだ
ただ、悪いばかりでもない
箕輪選手(背番号5:DF)が
相手選手をするりと交わし
積極的に前を覗う
新潟の4バックは
新井選手(背番号13:DF)が安定
一説によると、フロンターレも4バックに切り替える
噂が流れているが、ホントなの?
おおーおおおおおー、フォルツァーフローンタレー!
後半もこのまま20分以上経過。フロンターレは優位にボールを支配するが、決定的なチャンスに見放されている。
・・・と思っていたら、新潟が反撃。瞬く間に前線に詰め寄り、フロンターレは久野選手が痛恨のイエローカード。
そこから新潟のフリーキックが。よもやの不安が脳裏をかすめる。
頼むぞガミさん・・・、だが悪い予感は的中し、混乱の中高橋選手が牙をむき、ボールを我武者羅に押し込む。
訳が分からぬ間に痛恨の失点。サポーターからは悲鳴に近い声援がこぼれる。
フロンターレも伊藤彰選手が決死の守備
だが、高橋選手が僅かに早く、ボールを叩き込んだ
屈辱的な「GOAL」の表示
この時間帯の失点は、極めて痛い
リスタート後、リカルジーニョ選手がシュートを放つ。ボールは野澤選手ががっちりセーブし、リカルジーニョ選手は悔しさ満面で地面を両腕で叩く。
そんな時間があるなら、次のプレーを。結果は最後まで誰にも予測出来ない。
ましてはまだ1点。しかも時間は十分残されている。
フロンターレは懸命にゴールを狙うが、またもや新潟の守りに屈する。
ゴールまでうなだれるフロンターレの選手を、新潟の選手がぽんと叩く。両者の精神状況は、まるで対比的だ。
後半も30分。フロンターレの猛攻はなお続く。
新潟も耐えに耐え、怒涛のカウンターを仕掛ける。フロンターレはバックラインを上げてしまい、GKの前にぽっかり空間が生まれ、そこを見逃さずに攻めまくる。
浦上選手も忙しい。この状況を打破すべく、フロンターレは我那覇選手(背番号17:FW)を投入。
頼むぞ!もう迷いは不要だ。フロンターレにゴールを、そして勝利を呼び込んでくれ!
がーなはー、ゴールーゴールー!
がーなはー、ゴールーゴールー!
「我那覇」コールはしばらく続く。サポーターの彼にかける意気込みは尋常ではない。
懸命にゴールを狙うフロンターレ
だが新潟の守りも固く、最後の詰めも甘い
徐々に連携も乱れ出し
危ういムードになりかねないか心配
我那覇選手と交代する直前
伊藤彰選手のヘッドが炸裂
だが、これもゴールを捕らえず
時間が経過するにつれ、フロンターレの穴は広がる一方。新潟も先制点に甘えず、そこをガンガン突き猛攻撃を仕掛けてくる。
フロンターレも守備は崩壊寸前。それでも何とか守り抜き、逆に速攻に転ずる。
そして前線の我那覇選手へスルーパス。これは惜しくもパスが通らず。
続けてのポストプレーも中途半端。折角のチャンスも、こぼれ球を新潟にクリアされる。
なおフロンターレの攻撃が続く。中盤でボールを繋ぎに繋ぎ、右サイドを駆け上がる渡辺選手にボールが渡る。
そのままドリブルし、我那覇選手に鋭いパスを送る。
我那覇選手はダイレクトにシュート。惜しくも角度に乏しく、ボールはゴールを捕らえない。
守備面ではダニエル選手がイエローカード
だが、これはこの後訪れる
退場劇の序曲に過ぎなかった
おおおーおお川崎!フロンターレをオウオウ!!
時は刻々と流れる。夕暮れに差し掛かり冷え込みも一段と厳しくなるが、サポーターは逆転を信じ、渾身の力でタオルマフラーを回し、懸命の応援を繰り広げる。
だが、フロンターレに余力は無かった。最後の見せ場は我那覇選手のシュートのみ。
中盤でヘディングの応酬を経て、ボールは新潟へ。サイドががら空きになり、新潟に一方的に攻められる。
あ・・・またフロンターレのファウル。しかも審判の手元には赤いカードが。
2枚目のイエローカードで、ダニエル選手が退場。うな垂れながら徒歩でピッチを後にするダニエル選手に対し、「走れ!時間が無いんだぞ!」と厳しい罵声が。
結果が奮わないダニエル選手だから
サポーターも声を荒げてしまったのか
ダニエル選手もうつむき加減で
ピッチを後にする
これでますます不利な状況へ。だが事態はこれで収拾せず。
人的に不利ながらも、懸命に反撃するフロンターレ。厚い新潟の守備をかいくぐり、最後の最後まで手を緩めない。
・・・筈だったが、直後信じられない光景が。新潟のゴール前で選手が倒れ、もがき苦しんでいる。
脇にはエメルソン選手が。そこに主審が近づき、高々とレッドカードを掲げる。
まさかエメルソン選手まで・・・、状況を把握する間もなく、うな垂れてピッチを去り、ロッカールームに消えた。
これでゲームは終焉。その後の僅かな時間は、ただ無意味に流れ去っただけだった。
フェアプレー精神溢れるエメルソン選手が
まさかのラフプレーで退場
こんな光景、信じたくない
ゴール裏に挨拶に訪れた選手達
表情は一様に険しく
特にリカルジーニョ選手の
無念の表情が痛々しい
これで2連敗。チームバランスは若干修正されたがに思えたが、現実は甘かった。
この程度の実力では、J2にすら通用しない。新潟も厳しいリーグ戦を2年戦い抜いただけあり、フロンターレがJ1で戦う間に、着実に実力を蓄積したのだろう。
いや、別に新潟に限らない。大分・大宮・仙台・山形・湘南・・・。世界的にも過酷なJ2の舞台。生半可な戦いでは勝負にならない。
選手個々の能力では、フロンターレが上だ。しかしチームとしての能力・闘争心は、新潟が勝っていた。
J2は甘くない。我々が考えるほど、素直にJ1に戻れる世界ではなかったのだ。
それはともかく、次節はエメルソン選手抜きでの戦い。得点源の選手がピッチにいなければ、苦戦を強いられるのは自明の理だろう。
試合結果だけでも、対戦相手の山形は侮れない。かつてJ1に昇格した程の余裕は、今のフロンターレに喪失している。
この苦境をどう乗り切るのか、頭が痛い・・・。もっともそんな事は、チーム首脳陣が考えれば良い話なのですが・・・。