湘南ベルマーレ VS アルビレックス新潟
〜 J2 第5節 〜
日 時 | 2001年4月7日 16:00 | |||
試合会場 | 平塚競技場 (神奈川県平塚市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 3,681人 (こんなものか?) | |||
試 合 結 果 | ||||
湘 南 | 1 | 前 半 | 0 | 新 潟 |
0 | 後 半 | 2 | ||
1 | 延長前半 | 0 | ||
3 | 計 | 2 | ||
得 点 者 | ||||
高田 保則 | 9分 | 80分 | 寺川 能人 | |
高田 保則 | 53分 | 82分 | 黒崎 久志 | |
酒井 良 | 95分 |
ここまで3勝1敗と波に乗る湘南ベルマーレと、前節フロンターレを撃破した、アルビレックス新潟の対戦。
今季予想外(失礼)に絶好調の湘南。監督交代と戦力補強が功を奏したのか、事前の下馬評とは裏腹に、J1昇格争いに堂々と名を連ねている。
対する新潟は、外国人選手2名が出場停止。戦力面ではやや不利ではあるが、前節の勝利でチームの勢いも上昇ムード。
フロンターレも湘南との対戦を控えている。偵察の意味も兼ね、今年初の平塚競技場での観戦。
実力的には均衡している両者、勝利を飾るのはどちらであろうか。
久々の平塚競技場
ほぼ半年振りの訪問となるが
いつもと変わらぬ佇まいだ
選手達の動きも軽快そのもの
ここまでの成績も上々で
昨年のような閉塞感から
完全に脱却したようだ
遥か彼方に新潟のサポーターを発見
湘南サポーターに対し
かの「J2」コール(詳細はここ)をすると思いきや・・・
湘南のマスコット、キングベルI世に対し
「タカクワケント!」とコールを浴びせる
何れにしろ、意味不明な方々だ(笑)
程なく試合開始。湘南はこの試合から現役?コロンビア代表のガビリア選手(背番号10:MF)が加わるだけあり、サポーターの期待も相当高いようだ。
それを裏付けた訳でもないが、序盤は湘南が攻勢。優位なボールキープを披露し、ロングパスで前線を覗う流れ。
湘南の攻撃に、新潟の守備も困惑気味。ゴールライン付近での攻防がしばらく続く。
湘南は守備も充実。3バックは落ち着き払い、新潟の攻撃を的確に防いでいる。
湘南の前線はきびきびとプレー
新潟もGK野澤選手(背番号21)が
ボールを追いかけ、危険を回避
湘南のパスを、新潟の寺川選手
(背番号7:MF 左)が奪い
一気に前線に攻め込もうとするが・・・
湘南のDF、井手口選手(背番号2 中央)が
冷静に対処し、ボールを奪い返す
どこかのチームと異なり
守備は安心して見ていられる
湘南の動きは軽快そのもの。長い縦パスを効果的に放ち、新潟の守備をじりじり崩す。
そしてチャンスが。中盤でガビリア選手にボールが渡り、新潟の選手を巧みにかわして、前方に滑らかなパスを送る。
右サイドからクロスが放たれ。最後は高田選手(背番号9:FW)が押し込んでシュート。早くも湘南が先制点を叩き出す。
新潟の守備が完全に振り切られ、
そのまま湘南の一撃を食らう
・・・てボールが写っていないぞ!
またまたお詫びに、この写真でも
得点を喜ぶのは、万国共通な訳であります
リスタート後は、新潟が速攻で左サイドへ。これは湘南の白井選手(背番号5:DF)が断ち切る。
流れはすかさず湘南に戻る。新潟も湘南の猛攻を凌ぎ、右サイドを寺川選手がドリブル突破。
新潟がコーナーキックを得る。湘南のパスを新潟が奪い、ゴール前へ低いパスが。
ボールはセットプレーで前線に残っていた高橋選手(背番号14:DF)の元へ。無理な体勢でシュートを放つが、ボールは勢いが無く、湘南の伊藤選手(背番号1:GK)がガッチリセーブ。
新潟は一度DFにボールを戻し仕切りなおし。前方に鋭いパスを送り込み。湘南の守備の不意を突く。
危険なパスであったが、湘南はガビリア選手がクリア。攻撃面のみならず、守備もまずまずこなせそうだ。
だが、流れは依然新潟。サイドを盛んに突き、中央に危険なボールを送り込む。
新潟が右サイドをえぐり、中央に折り返してシュート
これは伊藤選手がファインセーブ
これは黒崎選手(背番号11:FW)のフリーキック
ボールは湘南ゴールを、ぎりぎりかすめた
守り一辺倒の湘南。これでは面白い筈も無く、反撃の機会を覗っている。
だが、中盤でミスの連続。パラシオス選手(背番号4:DF)のキックはタッチラインを割り込むなどで、新潟にチャンスをプレゼント。
・・・かと思ったら湘南が猛反撃へ転ず。お返しとばかりにサイドを盛んに突き、コーナーキックを得る。
ボールは新潟ゴール前を横切る。湘南の選手が詰めるものの、惜しくも追加点ならず。
だが湘南の攻撃は緩まない。再びコーナーキックのチャンス。
しかしこれは野澤選手が確実にキャッチ。湘南はやや緻密さに欠けるプレーが目立つ。
守備でも新潟の氏原選手(背番号24:FW)を引きずり倒し、バラシオス選手が警告を受ける。
折角の流れはなかなか持続せず、サポーターをやきもきさせる。
湘南のコーナーキックは、惜しくも得点ならず
試合は30分近くを経過。湘南は中盤からボールを右に叩き、高田選手がサイドを一気に駆け上がる。
新潟のGKをうまく引き付け、そのままシュートの体勢に入るが、最後はバランスを崩してしまい、惜しくもシュートを放てず。
新潟も反撃。深澤選手(背番号23:MF)にボールが渡り、前線で湘南のDFを巧みに振り切る。
そして黒崎選手にラストパス。湘南はこの危機を何とか乗り切りカウンター。
ボールを中央に戻し、新潟のGKの前進を見計らいミドルシュートを放つが、ちょっと得点には程遠し。
新潟も黒崎選手がポスト気味のプレーでチャンスをつくる。両者得点の形を何とか生み出そうとしているのだが、緻密さに欠けるのか、なかなかシュートには至らない。
黒崎選手の多彩な動き
最盛期を過ぎたかも知れないが
やはり脅威ではある
新潟の右サイドは、寺川選手にお任せ
ここも突破を図ろうとしたが
最後は戸倉選手(背番号30:DF)に阻まれた
前半も残り時間は5分前後。新潟の多彩な攻撃が続くものの、湘南も確実に守り抜く。
新潟の攻撃の手が止まると、湘南も時間稼ぎのためか、DFがボールをゆっくりと回し始める。
・・・と思ったら、突如右サイドに縦パス一本。一気に新潟サイドに詰め寄り、ライン際で粘りのプレー。
だが、湘南の攻撃もここまで。残り時間が少ないのに油断をしたのか、その後は新潟の一方的な展開。
前線の黒崎選手が中心となり、何度もシュートを浴びる。寺川選手の突破も容赦無い。
湘南はパラシオス選手と伊藤選手が中心となり、何とか攻撃を凌ぎ切り、前半を無失点で終える。
湘南の好調さは十分目の当たりに出来たが、反面ハーフタイム直前の油断は頂けなかった。
多少気になったのは、湘南のガビリア選手(中央奥)が
前半半ばで息切れっぽく感じた点
中盤のスピードが速い日本のサッカーに
適合できるのだろうか
(ウチにもア×バレンガの前例があるし・・・)
ハーフタイムは、この日誕生日を迎えた
来場者とキングベルI世が記念撮影
今年も継続で一安心
この企画はずっと続けて欲しい
日も暮れつつある中、後半開始のホイッスル。開始早々新潟は思いっきり高くボールを蹴り上げ、右サイドへ。
湘南のファウルを誘い、セットプレーのチャンス。最前線へヘッドで繋ぐものの、ゴールを割るには至らず。
湘南も反撃し、後方から走りこむ高田選手にスルーパス。
だが、新潟もDFラインをすっと上げ、オフサイドトラップに成功。やすやすとチャンスを与えない。
新潟は中盤からロングパスを盛んに放るが、精度が悪く全て湘南の選手正面へ。
湘南の守備は安定し、新潟の攻撃を寄せ付けない。攻撃面でも立て続けにコーナーキックのチャンスが続くなどし、追加点の機会は広がる。
湘南はガビリア選手に代わり
鈴木選手(背番号28:MF)が
攻撃を組み立てる
湘南の優位は止まらず。中盤で新潟のパスをカットし、一気に切り返す。
そのまま新潟ゴールに迫る。GKの野澤選手を引き付け、ボールを反対側に叩く。
そこには高田選手の姿が。彼の左側に野澤選手がいるも、彼の体は反対側に流れている。
高田選手ががら空き同然のゴールに豪快にけり込み、ネットを大きく揺らす。
これで2点目。湘南は勝利にぐっと近づく。
またゴールシーンを撮り損ねたので
抱き合って喜ぶ選手達を
いやはや、鋭く切れ込んだ
いいシュートだった・・・
リスタート後も湘南が優位。得点を決めた嬉しさからか、高田選手の動きも実にシャープ。
サポーターも余裕の応援。ヴァモスしょ〜うな〜んとゆったりな声援で、ピッチの選手と後押しする。
後半も15分〜20分。多少のミスは見られるものの、圧倒的に湘南の時間帯。
守備も安定そのもの。新潟のパスミスを見逃さず、次の攻撃に切り替える。
集中力が途切れがちな新潟をよそに、湘南は更なる追加点を狙いにかかる。
新潟の深澤選手を止める
湘南の鈴木選手
顔写真(入場時に配布された
パンフレットに掲載されている)
だけみるとかなり幼く思えたが
プレー振りは大人そのもの
湘南の前線で機敏な動きを誇るのが
栗原選手(背番号8:FW)
相手DFに囲まれながらも
巧みに攻撃を演出する
新潟も速攻に転じ、左サイドから鋭いクロス。氏原選手がヘッドであわせるものの、僅かに届かず体を激しく回転させる。
新潟は湘南DFの背後を狙い、前線にパスを送る。湘南DFの集中力はしっかりと保たれており、しっかりと守り抜き、ピンチに至らせない。
攻撃の勢いも衰えを知らない。栗原・高田両選手のスピードも保たれており、得点の意欲も高く保たれている。
日はかなり暮れ、ピッチは冷え込む一方。だが湘南の選手は熱く、サポータもまた然り、である。
コーナーキックを放つ鈴木選手
但し、あまりテクニックは無い(失礼)
それでも十二分に注意せねば>フロンターレ殿
湘南の優位が動かぬまま、後半も30分近く経過。
流れは徐々に新潟へ。湘南サイドにボールを持ち込み、ボールを左右に散らしている。
だが、湘南の守備は集中力が確保。素早くチェックを配し、隙間を詰める。
新潟も無理やりシュートを放とうとするが、湘南のプレスが極めて強く、体勢を崩してしまい、ボールはゴールラインを割り込む。
新潟は中央からロングパス。湘南のDFはボールを背にしながら、一足早く追い付きクリア。
湘南はこの時間帯、反撃の糸口が掴めない。それでも守備は安定しており、多くのサポーターはすんなり勝利と確信し始めたようだ。
応援も余裕そのもの。この時間で2点リードでは、勝利は固いと誰でも信じる筈だ(私もそう思った)。
湘南も高田選手にスルーパスを送るが
野澤選手が僅かに早かった
後が無い新潟は、捨て身の攻撃に転じる。フリーキックのチャンスを得、寺川選手がボールを蹴りこむが、ここは湘南も守り抜く。
・・・が新潟の攻撃は無駄ではあらず。湘南も何とか守り抜いていたが、確実にダメージは加わっていた。
そしてもろくも崩れ去る。混戦を至て近距離から寺川選手がけり込み。先ず1点。
2分としない間に、今度は黒崎選手が同点の一撃。確実と思えた湘南の勝利は脆くも崩壊し、勝負は振り出しに戻ってしまった。
伊藤選手のダイブと遠く及ばす
ここで踏ん張れば、湘南の勝利も確実だったが・・・
続けて黒崎選手の一撃を食らう
湘南の守備は足が止まり
攻撃を防ぐ余地すら無かった
後半も残り10分を切っている。新潟は90分以内に勝負をつけるべく、攻撃の手を緩めない。
湘南はなかなか反撃に転じられない。新潟の守りも安定し、立場は完全に逆転してしまった。
それでも食い下がり、左サイドを切れ込み鋭いクロス。しかし野澤選手が的確にセーブ。
そして新潟の速攻。瞬く間に湘南サイドに駆け上がり、コーナーキックのチャンス。
黒崎選手がボールに一直線。ヘッドをお見舞いしようとするがうまく合わず。
湘南も反撃し、新潟の守備が安定しない間にミドルシュート。これはゴールポストを大きく外れる。
両者押しつ押されつの手に汗握る攻防。残り時間は刻一刻と減り、互いに勝負を決めようと大味なプレーの応酬となる。
湘南のシュートは
ゴールポスト上方を通り過ぎる
湘南の守備は完全に崩壊。新潟のクロスに応対するのも精一杯で、危機を脱する術も無い。
もう駄目か・・・だが、ここで後半終了。主審の笛で辛くも難を逃れた。
インターバルは5分。短い時間で湘南の守備は、修正されるのだろうか。
そして延長開始のホイッスルが。接戦をものにするのは、湘南それとも新潟だろうか。
昨年までの湘南なら
延長での勝利は薄かった
だが、今年の湘南は果たしてどうだろうか
延長開始早々、湘南が左サイドを突く。後半息切れした攻撃が、輝きを取り戻している。
新潟の守備が安定しない間に、盛んに攻め立てる。中央にボールを折り返し、高田選手が振り向きざまのシュートを放つ。
ボールは野澤選手の手先をすり抜け、新潟ゴールへ突き進む。Vゴールが決まったかに思えたが、ゴールポストを僅かに捕らえず。
喜びかけたサポーターもガッカリ。だが、新潟の反撃は僅かであり、湘南の優位に変化は見られない。
新潟の守備が及ばぬ間に
野性味溢れるシュートを放つ
これは本当に惜しかった
新潟の攻撃は単調なドリブル一本。これでは湘南の術中にはまるのが関の山。
そしてボールは湘南の酒井選手(背番号11:FW)へ。彼がボールを受けると、サポータからは打て!打て!と叫び声が。
新潟の選手の動きを冷静に見計らい。豪快な一発が炸裂!。ボールは新潟ゴールを大きく揺らす。
この瞬間湘南の勝利が。新潟の選手は崩れ落ち、湘南の選手はメインスタンドに駆け寄り、喜びを爆発させる。
野澤選手のダイブも及ばす
湘南が値千金のVゴール
劇的な勝利を分かち合う
湘南の選手達
競技場全体が祝福の渦に包まれる
この一戦は湘南に軍配。両者の健闘に、惜しみない拍手を贈りたい。
今年の湘南は一味違う。昨年の混迷が一掃され、目標を持ったチームに生まれ変わった。
特に若手の働きは特筆もの。かつての若武者軍団が、今ここに復活した。
湘南のようなチームがあると、J2の楽しみも倍増。J1昇格争いは、ますます目が離せません。
でも、裏返せばフロンターレのライバルが増えた事を意味する。今のフロンターレの調子のまま湘南と対決したら、必ずしや苦戦を強いられる。
ウチもこれ以上負けが込むようだと、もうJ1復帰は絶望的だ。湘南の復活は嬉しい限りだが、反面頭がますます痛くなる・・・。