大分トリニータ VS 川崎フロンターレ

〜 J2 第34節 〜



日   時 2001年9月22日 18:03
試合会場 大分スポーツ公園総合競技場 ビッグアイ
(大分県大分市)
天   候 晴れ
観 客 数 12,088人 (観客も上昇カーブ、W杯効果ありあり)
試  合  結  果
大   分 前  半 川   
後  半
     
     
     
得   点   者
若松 大樹 84分   73分 今野 章
ベンチーニョ 87分      






熾烈なJ2、長期戦と思いきや、気がつけば遂に最終クールへ突入。
J1昇格の望みが殆ど消え失せ、絶望の淵に陥ったフロンターレ。闘志も消えつつある中、大分トリニータとのリーグ戦最後の勝負を迎える。
3年越しのJ1昇格に向け、大分のモチベーションは尋常では無い。それを見せ付けられたのは、前回の敵地の戦い
決して本調子とは言い難い大分ではあったが、高度な集中力と気迫の前に、フロンターレは成す術も無く沈黙してしまった。
目標が喪失寸前のフロンターレにとって、過酷な一戦になるのは必至。大分もスターレンス選手が去ったものの、目立った戦力ダウンには直結しないであろう。

状況次第では一方的な展開になり兼ねない。せめて最後だけ・・・、最後だけでも必至に抵抗し、是が非でも一矢報いたい。
1勝もせずに対戦を終えるなんて、屈辱の極みだ。サポーターなら誰であれ、それだけは到底許し得ない筈だ。

裏側から眺めたビッグアイ

本邦初公開?反対側から眺めたビッグアイ
正面入口からの写真は
どうせ誰かが撮影するし
別角度で眺めるのも、また結構
※正面の写真は、ここにあります



裏側にも階段が

反対側にもしっかりと階段がある
周囲は地ならし中で
どうやら駐車場の造成中らしい



負けたのは甲府

入場時に受け取った
大分のオフィシャルプログラムを確認
あれ、「前節水戸に逆転負け」って
ウチが負けた相手は甲府ですが・・・



選手名ののぼり

メインスタンド最上段には、こんなのぼりが
よくよく確認すると、大分の選手名が
ずらりと並んでいる
先日退団した、スターレンス選手は
既に外されていた


試合を前に、スターレンス選手の退団に関して、自身のコメントがオーロラビジョンに流される。
先のニューヨークの連続テロ事件に関連し、ベルギーに残した家族が心配なためと(ヨーロッパでも同様の事件が発生しかねないとの判断らしい)、技術の限界を自らで把握し、この機会にチームを去ることを決断したとのこと。
潔い決断には、敵ながらもエールを贈りたい。さようなら、スターレンス選手よ。
今後の健勝を陰ながら応援します。

さて、試合が始まるぞ。何じゃ?このサポーターの少なさは。
ユニフォーム姿の人が・・・余りに少なく、数える気すら沸いて来ない(笑)。
辛うじて太鼓は用意されるも、迫力不足は明らか。まあ、前節甲府に逆転負けをするようでは、大枚を叩いてまで、遠路はるばる応援気にならないのが普通だろう。
でも、このゴール裏には、普通外の人々(失礼)が終結している。それ自体、紛れも無い真実なのだ。
何はともあれ、応援開始だ!今日もがんばるぞぉ〜。
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜

ルシアノ選手の守備

開始早々、フロンターレが大分サイドに
大きく蹴りこむも
ここはルシアノ選手(背番号28:MF)が回り込む
さすがの大分では、不意打ちは成功せず、か


序盤から両者が激しい衝突。中盤付近で、大分のレアンドロ選手(背番号34:FW)と、フロンターレの箕輪選手(背番号5:DF)が接触プレー。
当初はレアンドロ選手のみと思いきや、箕輪選手もピッチに崩れもがき苦しむ。この後の波乱を予告する、不穏なプレーであった。
プレー再開と同時に、大分がじりじりと攻め立てる。ボールを左右に回し、徐々にフロンターレゴールに接近を図る。
ルシアノ選手にボールが渡り、大分のファーストシュートが襲う。ボールの芯を捕らえなかったのか、ゴール枠から大きく外れ、ここは命拾いだ。

更に大分は、高松選手(背番号29:FW)のサイド攻撃。フロンターレもディフェンスを2人配す。
高松選手も耐え切れず、ボールはゴールラインへ。フロンターレは序盤の守備を、先ずは無難に裁く。

高松選手を止める

伊藤宏樹選手(背番号25:DF)を主体に
サイド突破を封じ込める


モチベーションが高い筈の大分であるが、序盤は連携が乱れがち。スローインもフロンターレがあっさりと奪うなど、前線でのちぐはぐさが相当目立つ。
対するフロンターレも、大分と同様だ。阿部選手(背番号16:FW)が中盤ドリブルで粘り、サイドに逃げるものの、誰もフォローに入らない。
フロンターレはフリーキックから、素早いリスタート。大分の守備が不安定な隙に、低いセンタリングを放ってくる。
しかし、ここは押し切れない。続けて大分のクリアボールをカットし、大分のペナルティエリア内に低いパスを放ってきた。
だが、これは小山選手(背番号21:GK)が手中に抑えた。フロンターレはアウトサイドを効果的に攻めてはいるのだが、序盤でまだ本調子と言い難い。
何れにしろ、消化不良の試合運び。応援する立場としては、些か心もとないぞ。

スローインのコースに迷う久野選手

ここは久野選手(背番号23:MF)のスローイン
けれども、ボールの放り先に迷ったのか
中々ボールを放れない
結局は大分にボールを奪われ
序盤の連携の悪さを露呈


フロンターレのスローインを奪った大分は、そのまま一気に反撃に転ずる。高松選手にボールを集めるも、フロンターレも伊藤宏樹選手がマークに入り、容易いプレーを断じて許さない。
フロンターレは今野選手(背番号18:MF)が絶好調。積極的に中盤を組み立て、右サイドの長橋選手(背番号20:MF)に、格好のパスを放ってくる。
そのままフロンターレが攻勢を仕掛け、今野選手が大分ゴールに迫る。混戦で小山選手がピッチに崩れ、先制点の絶好のチャンス!
これを押し込めば、待望の先取点・・・。しかし、最後は大分のDFがボールを取り囲み、決定的な場面には持ち込めない。

激しい競り合い

大分のレアンドロ選手(左)と
フロンターレの伊藤宏樹選手(右)が
ボールを激しく競り合うシーン


大分はドリブルも交えてくる。フロンターレも冷静に守備をこなし、ボールのカットに成功する。
伊藤彰選手(背番号19:FW)が、得意のドリブルで左へ。続けてボールは右サイドに展開し、鋭いセンタリングが放たれる。
大分ゴール前に、フロンターレの選手は寄せておらず。前線の甘さは相変わらずなれど、中盤では盛んにパスカットが成功し、選手の動きは悪くなさそうだ。
右サイドでは、長橋選手が破竹のドリブル。大分の選手をひとり、ふたりと振り切り、盛んに攻撃を守り立てる。

対する大分であるが、攻撃のリズムはいまひとつ。長い縦パスもフロンターレが落ち着いてカットする等、J1昇格を争うチームらしからぬ試合運びだ。
フロンターレも好調とは程遠いが、大分も然り。もう少々高いレベルの試合を期待したいと、勝手な欲望が沸いてしまう。

ドリブルする長橋選手

長橋選手の突破力も、中々のもの
怪我から復帰後はしばらく低迷が続いたが
この日見る限りでは、本調子に戻りつつあるようだ


前半も20分近く経過。フロンターレは、中盤の組み立てはそこそこ機能しているようだ。
けれども、前線の決定力は乏しいまま。阿部選手(背番号16:FW)も怪我が癒え切っていないのか、これと言った得点機は生まれない。
サイドチェンジも交え、サイドから鋭いセンタリング。大分も最後の防波堤はしっかりしており、フロンターレの中途半端な攻撃を受け付けない。
ならばと伊藤彰選手がアシスト役を買って出る。中盤から滑らかなスルーパスが通り、前線の選手が鋭いシュート!
これは小山選手が抑えたが、徐々にリズムが乗ってきた。当初はフロンターレの劣勢を予想するも、ここまでは互角の展開だ。
フロンターレも絶好調には程遠いものの、大分も不思議に連帯が乱れがち。
スターレンス選手が去った今、微妙に何かが影響しているのだろうか。

伊藤彰選手のパス

大分の動きを冷静に見計らい
伊藤彰選手がスルーパスを放つ
ここは得点まで至らず、ちょっと残念


大分の攻撃は単調だ。やや劣勢があるが故か、カウンターを多用してくる。
だが、フロンターレの守備も慌てていない。大分は最前線のキレが悪く、普通に守れば失点は免れそうだ。
フロンターレも多少眠り加減ながらも、じわじわと大分ゴールに迫る。ここは最後にシュートを放つも、小山選手が安定したセービング。
大分は安易に縦パスを多用。最前線のレアンドロ選手に狙いを定めるも、レアンドロ選手と呼吸が合わず、ボールはフロンターレの元へ。
大分はファウルから、素早いリスタート。ボールはペナルティエリアに入り、ここも狙いはレアンドロ選手だ。
ここは飯島選手(背番号31:DF)が大きく蹴り出す。大分の攻撃は比較的単調なので、守る立場とすれば危険は少ない感じを受ける。

飯島選手の守備

大分も縦パスをレアンドロ選手へ
だが、飯島選手が容易く蹴り出す



大分は拙攻のオンパレード。攻撃陣が目覚めぬうちに、フロンターレも先制点が欲しいところだ。
ただ、大分も中盤が機能し始めつつある。中盤のチェックも厳しくなり、フロンターレもますます突破が困難になりつつある。
前線への攻撃は影を潜め、バックパスも増えてきた。大分も本調子に届かない今、ここは果敢な攻撃を期待したい。

しかし、ここでフロンターレに災難が降りかかる。大分の縦パスから、フロンターレのペナルティエリア内に高松選手が潜入して来たぞ。
フロンターレは、笹原選手が果敢な飛び出しを図る。高松選手はバランスを崩し、笹原選手がボールを抑えた。
この勝負は笹原選手が勝った!・・・筈であるが、彼も無傷ではすまなかった。
苦悶の表情を浮かべつつ、ボールをタッチラインに投げ込んだ。と、同時にピッチに崩れ落ち、治療のためにプレーは中断。
頼む、ピッチに戻り、フロンターレゴールを死守してくれ!
ササ!ドドドササ!ドドド

笹原選手が果敢に飛び出す

詳細は、記憶があいまいなのだが・・・
笹原選手が危険を承知で
この攻撃を封じ込めた



ピッチに倒れる笹原選手

が、痛みと苦しさ故に
自らボールをタッチラインに逃がし
そのままピッチに崩れてしまった


サポーターもやきもきするも、笹原選手は無事に復帰。
さあ、ここから反撃開始だ!。フロンターレは中盤を突破し、伊藤彰選手が左サイドにボールを流す。
すかさずセンタリングが放たれる。しかし、ボールは逆サイドに流れてしまい、その後の攻撃でも、決定的な場面には至らない。
大分も決して食い下がらない。低いパスを盛んに繰り出し、フロンターレゴールに接近を図る。
けれども、未だ連携が不完全なようだ。フロンターレのチェックも影響しているのか、パスを繰り返す度にバランスを崩し、無理なパス回しに終始する。
結局はボールが流れてしまい、フロンターレも比較的楽に、守備に成功する。
けれども、フロンターレの攻撃も中途半端。前半も30分を過ぎれど、どちらが主導権を握っているのか、未だ不明瞭な試合内容だ。

油断大敵

だが、油断は大敵
大分は右サイドにパスを通し、鋭いセンタリング
フロンターレゴール前で
ポストプレート思いきや
振り向きざまのシュートを許すシーンも
その後もレアンドロ選手が
危険なパスを放つなど
決して安全とも言い難い状況が


この攻撃を発端に、フロンターレは劣勢に追い込まれる。大分の攻撃に突如鋭さと厚みが加わり、フロンターレの守備も乱れが生じ始める。
笹原選手がゴールから前へ。大分の誘導にはまってしまい、フロンターレゴールは突如手薄になる。
まずい、失点の危機だ・・・。一瞬最悪の事態も覚悟したが、大分のシュートを伊藤宏樹選手が体に当てて、辛くもコーナーキックに逃れた。

大分の低いコーナーキックが、フロンターレゴールに迫る。これは久野選手がヘッドでクリアするも、今度は若松選手(背番号6:DF)が攻めて来る。
塩川選手(背番号24:MF)が守備に入るも、ボールは最後に彼に当たり、そのままゴールラインを割ってしまった。
再び大分のコーナーキックだ。鋭いボールは笹原選手が反対側に逃し、大分もベンチーニョ選手(背番号9:MF)がこぼれ球に追い付く。
ボールを中央に戻し、ボールを細かく繋ぐ。フロンターレも必死にボールを奪取に掛かるが、結局は大分がシュートの体勢だ。
そして、三度大分のコーナーキック。フロンターレは守備が精一杯で、いつ失点しても不思議では無いまでに追い込まれてしまう。
今回も危険を覚悟したが、大分のコーナーキックはあっさりとゴールラインを割り、フロンターレは他力でピンチを免れた。
大分の拙攻に対し、フロンターレは感謝の念以外、何ら思い浮かばない。

塩川選手が追い付くも・・・

若松選手(左)のオーバーラップに対し
塩川選手(右)も必死に食らいつく
しかし、ここは若松選手に軍配が
よくよく見ると、写真の後方には
石崎監督が写っていたりして


前半も刻一刻と時間が過ぎる。フロンターレ・大分共に決定的な場面を制せず、どちらも試合を支配するには至らない。
大分のパスも全体的に雑そのもの。対するフロンターレも、最前線で伊藤彰選手が突破を図っているが、彼に対するアシストが非常に乏しく、どうもパスが繋がらない。
パスを繰り出せど、何度繰り返せど駄目である。大分はサイド攻撃に持ち込もうとするが、フロンターレも選手のマークを厳しくし、容易い突破を許さない。

両者決定的な場面が乏しい中、前半もロスタイムに突入。大分は更に圧力を高め、フロンターレに対するプレッシャーを盛んに浴びせる。
大分の猛攻に対し、フロンターレも懸命にクリア。大分はフロンターレのクリアボールを盛んにカットし、次の攻撃へ切り替える。
プレーも厳しさを増す一方。フロンターレゴール正面で、箕輪選手と大分の選手が激しく交錯し、ゴール裏まで「バキッ」と打撲音が響く。
箕輪選手が担架で搬出。サポーターも心配でやきもきするが、箕輪選手は足を引きずりながらも、何とか戦線復帰を果たす。

最後は大分が圧力を高め、シュートで締めくくる。これは笹原選手が抑え、ボールを蹴った直後に前半を終了。
フロンターレ・大分共に、攻撃の軸が不明瞭だ。フロンターレに関して述べれば、鬼木選手(背番号7:MF)の存在感が薄く、ピッチにいるとは思えぬほど。
大分の拙攻も際立つだけに、得点のチャンスは少なくない筈。不具合を可能な限り修正し、後半戦に挑みたい。

風船飛ばし

大分名物、J1昇格祈願
風船が飛ばないジェット風船飛ばし(笑)
どうしてかって?それは前回のビッグアイでは
飛んだ本数が、異様に少なかったと記憶しているため



ちょっとだけ飛んだ

さて、今日はどんな程度かな??
カウントダウン終了と同時に
それなりの本数が注を舞う
ただ、本格的に定着させるなら
もっと盛り上がらねば、と思う


さて、間もなく後半だ。ゴール裏にサポーターが集結し、既に応援が始まっている。
私はゆっくりと戻り、のんびり応援再開。表面的には熱気が乏しい、不真面目なサポーターである。
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜


開始直後に、大分がコーナーキックの場面を迎える。鋭いボールがフロンターレゴールを横切ったかのようだが、フロンターレも直後反撃開始だ!
・・・あれれ?一瞬にしてボールを奪われた。そのままサイドを突破され、鋭いクロスが再び襲う。
これは笹原選手が応対する。フロンターレの攻撃も期待したいのだが、この時点の勢いでは、大分が勝っているようだ。
ディフェンス陣も攻撃に絡んでくる。三木選手(背番号2:DF)が最前線にロングパスを放ち、一気にゴール前に迫る展開だ。

三木選手がロングパス

三木選手がロングパスを多発
ゴールまでの距離がかなりあるので
即危険な訳でもないのかも知れぬが
余り放たれ放題も嬉しくない


大分の流れを断ち切るべく、フロンターレもパス主体の攻撃。ただ、前半よりも余裕が乏しく、思ったようなリズムを掴めない。
それでも何とか繋ぎ、左サイドへ展開・・・のつもりも、大分にパスを読まれてしまい、塩川選手にボールが渡らない。
ボールを奪取した吉田選手(背番号11:MF)は、そのままサイドを一直線。フロンターレも直ちに反撃に切り替え、右サイドを長橋選手が豪快なドリブル突破だ。
鋭いセンタリングが大分ゴール前を通過するも、こぼれ球を久野選手が追い付いた。
吉田選手にボールをぶつけ、コーナーキックのチャンスだ。ボールはニヤーサイドに放たれ、混戦から再びフロンターレのコーナーキック。
しかし、これは小山選手があっさりとセーブ。ボールをミドルレンジに戻し、更に三木選手が高めのボールを放つ。
フロンターレゴール前で、大分の前線がパスを受ける。これ以上のピンチには至らぬも、大分の速攻は油断大敵の一言だ。

長橋選手のクロス

大分のパスカットから
長橋選手に渡り、クロスを放つ
怪我以前と比較すると
復帰後のほうが僅かにスピードが落ちたが
プレーの慎重さは増した印象


長橋選手のクロスは、伊藤彰選手へ一直線。しかしパスの勢いが強すぎたのか、ここは小山選手がボールを抑える。
フロンターレサポーターからは「前川!」(背番号1:GK)と冷やかしの声が盛んに響く。
それでも小山選手は雑音に反応する気配も無く、プレーは淡々と続行する。

中盤で大分のファウルの判定。フロンターレはフリーキックから一気に大分ゴール前に迫るも、小山選手が冷静にボールをキャッチ。
続けてのプレーは、フロンターレが大分のこぼれ球を拾い、塩川選手がセンタリングを放つ(でしたっけ?)。
更に長橋選手も右サイドを切れ込むが、これも最後が決まらない。試合はにわかに激しくなるも、どちらも主導権を握るに至らない点では、前半と何ら変化は見受けられない。

若松選手の攻撃

大分は若松選手が
サイドに沿ってオーバーラップ
大分は、DF陣の攻撃比率が
それなりに高そうだ


フロンターレは伊藤彰選手から長橋選手へ繋ぐ。そのままコーナーエリア付近に迫り、ヤス得意のクロスが炸裂だ!
大分の守備は一瞬乱れ、ゴール正面はかなり手薄。そこには今野選手の姿があり、これを押し込めば先制点だ!
・・・と期待するも、ボールとの距離がそれなりにあったようで、この場面もシュートまでにはたどり着けず。

オーレ!オーレ!フーロンターレオーレ!!
僅かなサポーターも、懸命に声を振り絞る。私も久々に最前列に陣取り、撮影と切り替えながら、怪しき応援を繰り広げる。
大分ゴール前では、激しいプレーの応酬。フロンターレサポーターも更に冷やかせとばかりに、「前川!」と連呼する。
しかし、余りに「前川」よばりすると、単なる冷やかしよりも、サポーターが勘違いしているにも映るのは、逆に(サポーターが)間抜けに思えるのは私だけであろうか。

その直後、フロンターレは塩川選手を下げて、土居選手(背番号15:DF)を投入してきた。
もう一つ調子の上がらぬ塩川選手を引っ張るよりは、守備の安定性を優先した方が得策と考えたのだろうか。

冷やかしは通じず?

周囲の雑音にかき消されてか
それともウケが悪いのか
フロンターレサポーターの度重なる「前川」ヤジにも
小山選手は意に介さぬようだ


後半も20分を過ぎた辺りで、中盤がにわかに騒がしくなってきた。フロンターレは阿部選手などが攻撃に絡み、大分ゴール正面でフリーキックのチャンスを掴む。
鋭いボールが大分ゴールに迫ったが、ここは惜しくもゴール枠外。
大分も屈さずに反撃開始。ボールを左右に素早く散らし、フロンターレゴールにじわじわと迫る。
ミドルレンジから原田選手(背番号14:MF)が右足を振り抜く。大分は更にプレッシャーを浴びせ、ルシアノ選手もフロンターレゴール直前まで迫って来る。
大分の度重なるシュート攻勢も、笹原選手が必死に対応。大分は両サイドにボールを散らし、次の攻撃の機会を見計らう公算だ。

高松選手の攻撃

大分も攻撃の主軸が未だあやふや
ただ、選手の運動量は豊富で
選手個々の判断力は、それなりに早い


フロンターレも反撃に転じるも、前線の呼吸はもうひとつ。阿部選手の動きも鈍く、決定的な場面がまるで期待できそうも無い。
嘆く間も無く、大分の猛攻はなおも続く。フロンターレサイドに攻め込まれ、何とかタッチラインに逃げるのが精一杯。
若松選手のスローインからプレーが再開。だが、フロンターレは大分のプレッシャーに耐え切れず、ボールを後ろに戻してしまう。
ここでボールの処理に誤ったのか、大分にコーナーキックをプレゼント。矢のようなボールがフロンターレゴールに迫るものの、笹原選手がしっかりとキャッチだ。
・・・で終わる筈が、胸元の処理を誤ったのか、まさかのファンブルを犯してしまう。
ここは致命的な場面に至らぬも。一般論としては許し難いミス。大分の選手が詰め寄っておらず、ここも命拾いだ。

笹原選手のファンブル

望遠撮影の影響で、写真はボケ気味
笹原選手がボールをこぼしているのが
お分かりになりますでしょうか


大分は足元で繋ぎ、更にシュート。続けて攻撃を窺うものの、フロンターレもパスカットに成功する。
阿部選手から土井選手に渡り、右サイドの久野選手へ。しかしここも大分の守備網に捕まり、逆にカウンターを浴びてしまう。
最後はルシアノ選手がシュートを放つ。フロンターレも中盤まで戻し、伊藤彰選手が執念の突破を試みるも、ボールは大分へ逆戻り。
大分はここぞとばかりに前線に選手を集中させ、貪欲にゴールを狙う。

が、大分は攻撃に集中した結果、守備は手薄に。ふと気が付くと、今野選手がフリーで抜け出し、柔らかなループシュートが炸裂だ!
ボールは小山選手の頭上を通過し、大分ゴールに吸い込まれる。余りの瞬間芸で良く分からないが、先制点をゲットしたぞ!

ゴールを控えめに喜ぶ今野選手

テクニシャンの今野選手らしい
滑らかなループシュートだった
一瞬にして場面が訪れたので
カメラを構えても、後の祭りだった
ゴールを控えめに喜ぶ、今野選手で勘弁してぇ


フロンターレサポーターも沈黙を破り、応援を再開。物静かなゴール裏が、途端に活気溢れる空間へ変貌を遂げた。
この調子ならば・・・大分に勝てるかも知れない。いや、これなら絶対に勝てる!!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜


だが、ピッチ上では様相が違う。J1昇格に執念を燃やす大分が、フロンターレゴール前にボールを集中させている。
ポストプレーを絡ませつつ、貪欲にゴールを狙いに掛かる。ディフェンスも中盤付近まで押し上げ、攻撃最重視の布陣に切り替えた。
フロンターレゴール前に盛んにパスを繰り出すも、フロンターレも守備で対抗。逆に反撃に転じ、今野選手が前線に飛び出す。
彼に合わせて中盤からパスを繰り出す。これはオフサイドに終わるも、フロンターレも追加点を狙うべく、細かくパスを繋ぐ。
長橋選手が体をひねり、前線にパスを繰り出す。さあ、後はこの男がゴールを決めるだけだ!!
あ・べ・よ・し・のーり、ゴール!ゴール!
あ・べ・よ・し・のーり、ゴール!ゴール!

大分ゴール前の攻防

あと1点、もう1点あれば
もう勝利は確実だ!
さあ、ドンドン大分を攻め立ててくれぇ〜


だが、大分の闘志も尽き果てない。一気に低く切れ込みを図り、フロンターレのファウルを誘う。
続けてコーナーキックに切り替わる。フロンターレは一度は耐え凌いだものの、大分は空中戦を仕掛けたのか、激しいヘッドの応酬だ。
そして再び大分のコーナーキック。試合も残り僅か、ここは意地でも守り抜いてくれ・・・。
固唾を呑んで見守るも、その願いは無残に断ち切られる。セットプレーから大分のヘッドを許してしまい、それを押し込まれて同点に追い付かれる。
そして数分もしない間に、鋭いクロスが放たれた。豪快に押し込まれてしまい、立て続けの2失点。
今のフロンターレに、逆転の余力は到底望めない。2点目を喫した瞬間、勝負は終焉を迎えてしまった・・・。

大分の同点ゴール

ルシアノ選手のヘッドが迫る
それを若松選手に押し込まれ
同点に追い付かれる



大分の逆転ゴール

僅かな間に、大分の逆転ゴールが決まってしまう
もう、フロンターレに反撃の力は失せていた



うなだれるフロンターレサポーター

一瞬の転落劇に、サポーターも沈黙
異様な脱力感が、ゴール裏を支配する


フロンターレも決死の反撃を試みるも、時間も気力も足りなかった。程なく試合終了を迎えてしまい、大分に屈辱の4連敗('99年を含めると5連敗)を喫してしまった。
チーム状況だけならば、今日の大分は相当悪かった。フロンターレと比較しても互角であり、実力面では何ら差異は認められなかった。
だが、蓋を開けば、勝負は完敗。J1昇格を掲げる大分と、もはや目標すら見出せぬフロンターレ。両者の意識は余りにも違い過ぎた。

一矢報いる事無く、大分との対戦を締めくくる。愕然たる結末に、ただ悔しくて悔しくて、悔しさだけが増幅される。
けれども、これが結果である以上、甘んじて受けざるを得ない。この結末が導かれた以上、今のフロンターレにJ1で戦う資格は、改めて無いと断言する。
残り試合も僅かに10。限られた状況の中、選手たちが最後に何を掴むのか。
それは私にも分からない。ただ、漫然と戦うだけでは、もはや何も残らない。
ただ、とにかく勝負だけは捨てないで欲しい。勝負を諦めてしまったら、本当にそこで終焉だから。

挨拶に訪れた選手たち

選手たちは最後まで頑張った
が、この現実は、改めて重くのしかかる
選手が真のプロを自覚するならば
次に何を目指すべきか
自らの力で探してくれると信じています



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