関西学院大学 VS 川崎フロンターレ
〜 第81回天皇杯 第1回戦 〜
日 時 | 2001年11月25日 13:00 | |||
試合会場 | 加古川運動公園陸上競技場 (兵庫県加古川市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 2,020人 (初戦にしては結構な観客数) | |||
試 合 結 果 | ||||
関西学院大学 | 0 | 前 半 | 3 | 川 崎 |
0 | 後 半 | 2 | ||
0 | 計 | 5 | ||
得 点 者 | ||||
1分 | 我那覇 和樹 | |||
10分 | 盛田 剛平 | |||
42分 | 今野 章 | |||
59分 | 高田 栄二 | |||
72分 | 安部 良則 |
冬の風物詩、天皇杯。プロ・アマチュア問わず真の日本一を決定し、ある意味リーグ戦以上に実力が問われる戦いだ。
フロンターレの初戦は、関西学院大学が相手である。関西地区ではサッカーの強豪として、その実力は誰もが認めるところだ。
実際、その実力は凄まじく、昨年はベガルタ仙台を2−1で撃破。J2で唯一の初戦黒星を喫している。
大学生だからと言えども油断は禁物。サッカーを生活の糧とするプロであるならば、勝利が絶対条件だ。
青いトラックが新鮮な
加古川運動公園陸上競技場
見た目的には遊園地などにある
周回プールを連想させる
大学生に遅れること
フロンターレの選手もピッチに登場
石崎監督が厳しい表情を浮かべ
選手たちに指示を出しているようだ
相手は大学生でも、きっちりと勝負が肝心
フロンターレサポーターの数はこれだけ
当初はメインスタンドと芝生席に分かれていたが
旗振り部隊に合わせて、芝生席に再集結
数は少ないが、熱気では負けない
芝生席に入った際
関西学院大学の校歌&応援歌入りメガホンをもらう
初めは普通に巻いたのだが・・・
某サポーターから警告を受け
表裏逆にしての応援
そうだ!敵に塩を盛ってはならないのだ
(以前これでコテンパンにやられたし)
試合に先立ち、国家斉唱・・・
いや、スタンドからボールが投げ入れられた
場内放送によると、これが始球式だそうである
試合は静かにキックオフ。フロンターレサポーターの手元には、打楽器の類は一切用意されていない。
そうなると頼りはサポーターの声援のみ。どんな勝負の舞台であれ、いつも通りの声援をピッチに送るのみ!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜
おお、早速フロンターレが攻勢だ。久野選手(背番号23:MF)が早々に、鋭いセンタリングを放って来た。
これは関西学院大学(以下関学)のGK元田選手(背番号1)が抑えるも、フロンターレの勢いは圧倒的で、早くもプロと学生の差が。
続けて右サイドからクロスが放たれ、我那覇選手(背番号17:FW)がヘディングシュート。
ボールは関西学院大学ゴールのネットを豪快に揺らす。電光掲示板の表示を確認しても、このゴールに至るまで、ものの1分とは経過していないようだ。
一瞬の得点劇には満足の一言。極めて快調な出足である。
ゴールを決めた我那覇選手も
控えめな喜びで冷静さを保っている
相手が大学生では、試合の主導権を握ったも同然。過度の油断は禁物だが、後はどんどん攻撃するのみ。
オオオー、オオオオオ〜
フォルツァ〜フローンタレー!
フロンターレは盛田選手にロングパス。関学も3名の選手が囲み、ドリブル突破は防ぎ切る。
総体的には、先制点で気持ちに余裕が生まれ過ぎたのか、フロンターレの攻撃はいささか雑である。
一方的に攻めているも、やや力任せの印象。それでも関学は完全に押されっ放しで、反撃の余地も見当たらない。
サポーターも余裕綽々。ファウルの場面では関学の選手に対し、「お前ら停学だ〜」とジョークまで。
フロンターレの攻撃は体力温存を図っているのかスピードを抑制。関学のマークも甘く、得点への意欲は程々としたところ。
関学も左サイドでフリーキックのチャンス。高いボールはフロンターレゴールを横切り、ジャンピングヘッドでゴールを狙いに掛かる。
だが、ボールは頭上を通過。この辺りの精度の差が、プロと学生の違いだろうか。
サイドライン際から
塩川選手(背番号24:MF)が飛び出す
関学の選手もそれにつられたのか
伊藤宏樹選手(背番号25:DF)の
パスに足が動かず
フロンターレはサイドアタックが冴えている。関学守備も手薄であり、塩川選手が楽々クロスを放つ。
狙いはゴール正面の我那覇選手。ここは関学の元田選手が抑えるも、フロンターレは調子に乗ったのか、続けて大胆なサイドチェンジに挑戦。
しかし塩川選手が追い付けず、ボールはタッチラインへ。ボールは関学に渡り、青野選手(背番号4:MF)が右スペースにパスを放つ。
前線の選手がヘッドするも、最後はゴールラインを割ってしまった。フロンターレは早々に反撃体勢を整え、久野選手のパスは関学の選手に衝突。
跳ね返りのボールを再びパスし、右サイドに展開。続けて中央に折り返し、我那覇選手が至近距離で鋭いシュート!
これは元田選手が抑えるも、フロンターレの勢いは止まらない。再び関学ゴール前で混戦に縺れ込み、最後は盛田選手(背番号9:FW)が冷静な一撃。
シュートは関学ゴールに突き刺さる。盛田ぁ、いい仕事してくれるぜ!
も〜りた〜、ゲットゴール
も〜りた〜、おおおお〜〜
イマイチ記憶が不鮮明だが
多分これが盛田選手のシュートシーン
後はリーグ戦で決めてくれ・・・あれ、
来シーズン彼は残留するのやら・・・
両者の実力差を考慮すれば、この点差は大きい。さあ、後は学生相手に何点ゴールを決められるか。
浦上選手(背番号1:GK)のゴールキック?を、関学の選手がハンド。しかし、主審は反則を取ってくれない。
判定に多少の不満はあれど、細かいことは気にしない。逆に高田選手(背番号2:MF)がそのボールを奪い、鋭いクロスを放って来たぞ。
そして我那覇選手が、関学ゴール至近距離からシュートをお見舞い。更に久野選手が詰め寄ったが、元田選手も懸命にボールを抑え込む。
関学も青野選手がフリーキック。しかしこれも風に流されたのか、前線の選手に全く対応しなかった。
が、関学のプレーも厳しい
盛田選手が接触プレーでピッチに倒れ
そのまま一度は担架で搬出される
石崎監督も無理を避ける為に
その後、早々に阿部選手(背番号16:FW)と交代
しばらくはフロンターレの一方的展開。関学も必死に守るものの、肝心のクリアが弱弱しい。
さあ、フロンターレが3点目をゲット・・・。あれあれ?知らぬ間に関学が反撃に転じつつある。
関学の選手がするすると前線に上がり、左角度。厳しい位置ながらもシュートを放つ。
あらら?もしかして入っちゃった?。まさかのゴールを覚悟するも、ボールはゴールポスト脇を僅かにかすめ、ここは安堵のため息。
が、なおも関学の反撃は続く。フロンターレのクリアがこぼれ球となり、それを拾って右サイドを駆け上がる。
一度はタッチラインを割ったものの、更にボールを拾ってシュート。ボールに勢いは無く、最後は誰かに当たったのか、ボールは高く浮いて浦上選手がしっかりとセーブ。
フロンターレも盛田選手と元田選手が一対一になるチャンスが。しかし関学の攻撃も留まらず、再び左サイドにボールを集中。
そして鋭いシュートが炸裂。浦上選手も必死のパンチで逃れ、関学はコーナーキックのチャンスを迎える。
このコーナーキックは、浦上選手がキャッチ。最後はミスで自滅すれど、相手は全力で勝負を挑んでくる。
一度はピッチ外に搬出されるも
盛田選手は再び戻る
右サイドの折り返しを、体を前傾姿勢にし
ヘディングシュートを放つ場面も
関学の反撃はひと段落し、再びフロンターレペースに移る。
中盤から盛んにスルーパスが放たれる。我那覇選手や今野選手が飛び出しを図るも、ボールの勢いが強過ぎて、元田選手が抑えてしまう。
ならばと折り返したボールを、盛田選手がヘディングシュートを狙う。関学もクリアに失敗し、続けてフロンターレのコーナーキックへ。
鋭いボールは塩川選手の頭を捕らえ、強い回転が加味される。浮いたボールは角度を変えて急降下するも、関学のゴールには入らない。
やがてフロンターレも攻撃をひと段落。が、関学は足を強引に突き出し、無理矢理ボールを奪いに掛かる。
当初は軽くあしらっているも、フロンターレも少々気が緩んだのか。直後関学にボールを奪い取られ、一瞬にしてゴール前でシュートの体勢を許す。
ゆとりの面では断然フロンターレが上手。だが、つまらないミスから反撃を食らうのは、幾ら天皇杯初戦でも頂けない。
・・・と応援していたら、地元の子どもたちが私の近くへ寄ってきた。保護者の方が一緒に応援して構わないかと相談に乗ってきた。
もちろんOKに決まっている。さあ、ちびっ子たちと一緒に応援だ!
フローンターレ!フロンターレ!!
地元少年サッカーチーム子どもたちだろうか
応援は不慣れな様子で
近くでそれなりに守り立てたつもりだったが
意外といとなしく観戦していた
関学もパスを早く回し
フロンターレのマークを拡散させる
ただ、青野選手以外は
それほど危険性を感じない
逆に言えば、青野選手は要注意
うかうかすると、シュートを放たれるぞ
前半もそれなりに経過。関学はボールを素早く回し、フロンターレは反撃の機会が訪れない。
2得点に満足してしまったのか、実にまったりムード。こらこら、関学にドリブルで切れ込まれて、シュートを許すなんて。
鋭いシュートはバーを掠める。フロンターレもボールを中盤に戻し、フリーキックの場面が巡って来た。
久野選手が素早いリスタートから、塩川選手にパスを送る。が、これも呼吸が乱れてしまい、塩川選手に繋がる事無く、呆気なくタッチラインを割ってしまった。
雑なプレーにガッカリ。直後関学が攻勢に転じ、フロンターレはやや押し戻されてしまう。
フロンターレも浦上選手にボールを戻し、左サイドに展開。だが、関学が呆気なくクリア。
続けて中央にボールを戻すも、青野選手にボールを奪われる。それならばと、飯島選手(背番号31:DF)がドリブルで前へ。
関学の闘争心もかなり強く、鋭いスライディングで対抗。フロンターレの攻撃は単発で途絶えてしまう。
試合開始直後の攻勢が嘘のようだ。確かにフロンターレが優位なのは当然としても、いささか物足りない試合内容だ。
ベティとシオのコンビネーションは
良いのやら悪いのやら・・・
フロンターレのスピードは全然早まらない。関学とお付き合い状態なのか、プロらしからぬもたもたさ。
パスも大味そのもの。バックラインから阿部選手(背番号16:FW)に安直なパスを放つが、当然繋がるはずも無い。
ああ、眠い。このまま前半を終えてしまうのか・・・。と思い始めたその矢先、フロンターレが右サイドの速攻から、ワンチャンスを捕らえた。
右サイドの折り返しを、今野選手(背番号18:MF)がシュート。関学のゴールは大きく揺れ、フロンターレは3点目をゲットに成功。
何と省エネなゴールシーン。流れは再びフロンターレに傾き、伊藤宏樹・高田選手らも立て続けにシュートをお見舞いする。
この流れのまま前半を終了。途中経過に不満はあれど、結果的には実に効率な3ゴールとの印象だ。
ゴールを決めた今野選手だが
特に表情を変える事無く
クールさを装っていた
ハーフタイム中、芝生席でしばしの休憩をしていたら、他のサポーターから「何でポリタンク(京都で使ったヤツ)を持ってこなかった?」と問い正された。
話を聞くと、某掲示板で「ポリタンクを持って行く」と予告されたらしい。私はそれを書いてもいないし、前夜のうちに出発したためか、その書き込みを読んでもいない。
そう突然質問されても、実に困ってしまうだけなのだが・・・。あのポリタンクは京都限定のつもりだったが、その後京都から家に持ち帰りました。
次の宇都宮では持っていくので、今日は勘弁してね。
芝生を滑り台代わりに遊ぶ子どもたち
私も幼年時代は、あんな遊びをしたものだ
いつの時代でも、子どもの考える事は同じなのかな?
さあ、後半開始だ。もう書くまでも無いが、後半開始直後もフロンターレが優位な展開。
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜
関学ゴール正面から、盛んに押し込みを図る。そして早速のコーナーキックだ。
しかしこれも得点には至らず。逆に関学の逆襲を受けてしまい、青野選手が浮かしたラストパス。
中央から藤井選手(背番号11:MF)が突進を図る。が、副審の旗がすっと上がり、これはオフサイドの判定。
関学の攻撃もこの程度で、後は中盤止まり。フロンターレは高田選手のパスを、我那覇選手が胸でトラップ。
直後関学の選手に倒され、フロンターレがフリーキックの場面へ。飯島選手のフリーキックは、ゴールライン付近へ迫る。
阿部選手と関学の選手が、激しいヘッドの競り合い。その後もフロンターレが攻め続け、関学は受身の態勢を強いられる。
フロンターレのゴール裏の風景
奥手には毎度のメンバー
前方には地元の子どもたち
試合展開については、ご覧の通り
一見すると関学の選手の方が
体格は優れているようだが
プレーのレベルでは、明らかにフロンターレが上手
今野選手も、難なく振り切ってシュート
関学の恐怖は、青野選手のみ
険しい表情を浮かべ
鋭いクロスを放って来た
フロンターレに入団すれば
結構な戦力になりそう
青野選手のクロスは、高田選手にぶつかる。ボールはゴールラインを割り込み、関学のコーナーキックへ。
その後もゴール前で競り合いを演じ、関学は都合4回連続でコーナーキック。
だが、それでもゴールは割れない。フロンターレは浦上選手が抑え、瞬く間に関学サイドへ突破を図る。
高田選手が角度の乏しい位置からキックを放つと、ボールは元田選手の頭上を通過。
そして関学ゴールのポストへ衝突。跳ね返りのボールは関学ゴールへ吸い込まれ、4点目をゲット。
いやはや、実にプロらしいと言うべきか、極めて効率的でもあり、憎たらしいゴールでもあったりする。
えいじ〜、えいじ〜、えいじ〜、たかだえいじ〜
えいじ〜、えいじ〜、えいじ〜、たかだえいじ〜
これがゴールシーンかは、私も覚えていない
もう油断しまくりで、私自身
勝負に対する緊迫感も薄れてしまった
こうなると興味は何ゴール挙げるかのみ。青野選手の鋭いセンタリングも、浦上選手が確実にセーブ。
関学は選手間の連携がイマイチ。岸田選手(背番号15:MF)がドリブルするも、フロンターレの中盤も盛んにプレッシャーを浴びせる。
岸田選手は右サイドに追い込まれ、関学の攻撃はこれまで。その後も関学は散発的に反撃するも、フロンターレもどっしり構えて、これとピンチを招かない。
サポーターも全然慌てていない。それどころか関西バージョンの応援までも飛び出し、ゆとりの応援だ。
かわさき・かわさき・かわさき・フロンターレ!
かわさき・かわさき・かわさき・フロンターレ!
か・わ・さ・き、フロンターレー!
その間にもフロンターレが完全に押す流れ
高田選手が折り返し、阿部選手のシュートが炸裂
これも決まって、都合5点目
得点シーンも手馴れたもの
もうゴールシーンも見飽きましたな
いやいや、取れるだけ取ってしまえ!
これは我那覇選手のシュートか?
この豪快さがリーグ戦でも見られれば
ファンとしては最高なのに・・・
その後の流れもフロンターレ一辺倒。続けてゴールを決めるのは、果たして誰か。
こうなったら全員得点を狙え!塩川選手が右サイドで粘って、関学を振り切ってシュート!・・・はお預け。
コーナーキックから宏樹のヘッド!他にも入れ替わり立ち代りシュートを放ち、後は関学のゴールネットを揺らすのみ。
さあ、遠慮せずにガンガンシュートを放てぇ〜。
ゲット、ゴール!ゲットゴール!(パンパン)
ゲット、ゴール!ゲットゴール!(パンパン)
もう説明も不要ですな
細かくあれこれ書くのも面倒くさい程
フロンターレの実力差は明白だ
後半も終了間際。関学も必死に反撃しているようだが、フロンターレにはまるで通用しない。
青野選手が鋭いシュートを放てど、鉄壁の守護神、浦上選手を崩すには至らない。
いや、その前にゴールラインを割っていたようだ。ロスタイムに突入すると、関学はドリブル主体の攻撃ばかり。
最後はスローインから怒涛の攻撃を仕掛けるも、フロンターレにはまるで通用せず。
試合はそのままタイムアップ。学生相手に5得点完封勝利。結果的にはプロの強さを、まざまざと見せつける結果となりました。
久々に渡辺選手(背番号30:MF)がピッチに登場
短いプレー時間ではあったが
無難な動きを演出
関学も鈴木選手(背番号6:MF)が
スローインからドリブルで突破を図る
しかし、これもプロには通用せず
結果的には磐石の勝利
今季は低迷に喘いだフロンターレではあったが
大学生を軽く一蹴した
ロッカールームに戻る前に
関学の選手がフロンターレの選手に握手を求める
勝負の後の、爽やかなひととき
実力差が明白の勝負。当然と言えばそれまでだが、プロと学生の差は歴然たるもの。
内容はともあれ、結果は十分満足行くものだ。天皇杯初戦としては、申し分ない勝利との感想だ。
2回戦までは無理をせず、効率的に勝ち進めば良いと思う。それまでにJ1勢と戦う体勢を整え、3回戦の札幌戦に挑んで欲しい。
次の試合も大学生が対戦相手。普段通りの試合が出来れば、何の心配も無いでしょう。
もっとも、今年は大宮が大学生相手に敗退。過度の油断が禁物なのは、断るまでもないのですが。
試合前、横断幕を作成する
関学の学生たち
賑やかに作業しているかと思いきや
意外と大人しく、地道にこなしていたのが
印象的でした