ヴァンフォーレ甲府 VS 川崎フロンターレ

〜 J2 第40節 〜



日   時 2001年10月29日 19:03
試合会場 小瀬スポーツ公園陸上競技場 (山梨県甲府市)
天   候 晴れ
観 客 数 1,982人
試  合  結  果
甲   府 前  半 川   
後  半
     
     
     
得   点   者
美尾 敦 75分      
金子 誠 89分      
アレックス 89分      






J2リーグ戦も残り5節。フロンターレの対戦相手は、最下位に低迷するヴァンフォーレ甲府。
今季はチーム存亡の危機に瀕するも、つい先日に来季存続が決定。選手も不安が一掃され、試合に集中出来る環境が整備されつつある。
相手が甲府ならば、フロンターレも楽勝・・・。いや、前回の対戦(観戦記は未作成)でまさかの敗北を喫し、今季の対戦成績を五分に戻された。
小瀬での対決も苦戦を強いられ、引き分けながらも実質敗戦。最下位だからと言えども、油断は一切禁物である。

ガラガラのアウェイ側スタンド

平日の小瀬陸上競技場・・・
当然のごとく、アウェイ側の観客席は
空席ばかり
遠めに確認しても、僅かな荷物が
置いてあるばかり



ホーム側もガラガラ

それでは、ホーム側
甲府サポーターの定位置を確認すると・・・
何じゃ?こちらもガラガラじゃないか
それでも試合開始直前には
そこそこさポーターが終結したが



地元の子どもがサポーターの元へ

今日も相変わらずのメンバー
そろそろ応援開始・・・おやおや
地元の子どもたちが
サポーターの元へ寄って来た
そして、仲良くじゃれ合う
戦闘開始前、しばしの触れ合いの時



ヴァンフォーレ甲府存続記念

ヴァンフォーレ甲府の来季存続を祝し
ユニフォームの下には甲府のTシャツを着用
キャプテンマークはこの日だけ特別に
黄色から青色に変更
また、甲府サポーターを数名捕まえ
「存続おめでとう!」と挨拶しておいた
その何れもが、甲府サポーターに対する
私からのささやかな気持ちだ
(が、それらは塩を盛り過ぎたと
後で後悔する羽目に)


試合開始15分前、場内に練習終了のアナウンスが流れるも、フロンターレの選手たちは中々練習を打ち切らない。
少々意地が悪いかな。それともじらしにじらし、早々の心理作戦に打って出たか?
さすがにそれは深読みし過ぎか。今日もメンバーは少ないけれど、精一杯応援するぞ〜。
オオオー、オオオオオー、フォルツァーフローンタレー
オオオー、オオオオオー、フォルツァーフローンタレー


開始直後は中盤での小競り合い。ボールが前後左右に動きに動き、観ている方も追うのが大変だ。
フロンターレは中盤で甲府のパスをカット。右への展開を図るものの、甲府のプレッシャーも早々に厳しい。
ここは無理に突破を図らずバックパス。ボールは浦上選手(背番号1:GK)まで戻り、左サイドにボールを蹴り返す。
さあ、ここから反撃開始・・・。の間もなく、甲府が間髪を入れずにボールを奪いに掛かる。
ここは甲府のファウルになるも、甲府の積極的な仕掛けに対し、フロンターレの選手たちは少々戸惑い気味のようである。

フロンターレのファウル

ここ数試合気になる点として
フロンターレは嫌にファウルが多い
この場面も強烈なスライディングを浴びせ
あわやイエローカードを受けそうになる


中盤では甲府のチェックが依然と厳しく、フロンターレは攻撃のリズムが掴めない。
ならばとサイドに照準を変更。中盤左よりでフリーキックのチャンスを掴み、蹴ったボールは甲府ゴールへ一直線。
ピッチからは「ニア〜!」を叫ぶ声が。フロンターレはヘッドで繋いだものの、ここは甲府のGK川北選手(背番号21)が、安定のセーブでゴールを許さない。
ならばお次は右サイド。長橋選手(背番号20:MF)の突破に合わせ、中盤から鋭いパスが放たれる。
パスを受けるや一気にゴールライン付近へ迫る。鋭いクロスを放ち、ボールは逆サイドへ。
フロンターレは何度もシュートを試みる。最後は伊藤彰選手(背番号19:FW)のヘッドが、甲府ゴールに炸裂だ。
が、これは甲府ゴールに遠く及ばず。甲府ディフェンスを崩し切れず、このチャンスは逃してしまう。

甲府の反撃

甲府の反撃も、決して侮れない
特に太田選手(背番号15:FW)が
シャープな動きを披露
彼を自由にさせては、元も子もない


前半も10分を過ぎた頃からか、フロンターレの攻撃も積極的になってきた。
箕輪選手(背番号5:DF)も盛んに中盤以降に攻め上がる。ディフェンスラインもかなり引き上げて、逆に甲府へプレッシャーを与える。
甲府のパスを盛んにカットし、中盤から前線をうかがう。甲府の守備の乱れを見抜くや、左サイドを一気に突いてきた。
塩川選手(背番号24:MF)が駆け上がり、鋭いシュート!。ボールのスピードは申し分無かったが、ここは川北選手の好セーブに阻まれてしまう。

だが、フロンターレは攻撃の手を緩めない。左寄りにロングパスを放ち、甲府の選手がクリアミス。
フロンターレのコーナーキックは、甲府がゴールラインに何とか逃す。チャンスが再来するとなれば、サポーターも気合が必然に高まる。
ドドドドドドドドド・・・レッツゴ〜!
ドドドドドドドドド・・・レッツゴ〜!

が、これとゴールのチャンスには持ち込めず。逆に甲府の反撃が展開される。
倉貫選手(背番号10:MF)を軸に、右サイドの狭いエリアを細かく繋ぐ。フロンターレも密着マークするも、ファウルを喫してしまう。
左サイド付近にて、甲府にフリーキックが。この位置この角度・・・。やばい、前回の小瀬で失点を喫した、セットプレーの形に酷似しているでは無いか。
不安が脳裏を過ぎる間もなく、倉貫選手のキックが。ボールは微妙なカーブを描き、フロンターレゴールに迫ってくる。
甲府の選手がフリーでヘッドを狙う。一瞬恐怖におののくものの、ここは浦上選手が両腕を伸ばし、見事なファインセーブで危機を脱する。

倉貫選手のフリーキック

この位置は危険過ぎる・・・
前回の小瀬の対決でも
セットプレーから失点を喫し
そのままドローになった苦い過去が



浦上選手のファイセーブ

甲府の選手がフリーで突っ込む
だが、鉄壁の守護神浦上選手が
そうは簡単にゴールを許さない


直後、フロンターレの一気のカウンター。一瞬にして甲府ゴール前に迫るも、もう一歩ゴールには遠く及ばず。
それでも甲府のボールを中盤でカットし、左に展開。再び甲府のファウルを誘い、フリーキックのチャンスを得たぞ。
ロングキックが甲府ゴール前に迫る。これは甲府に弾き返されるも、こぼれ球をすかさず弾丸シュート!
これは決まった・・・。いや、川北選手が驚異的なダイビングで、ボールを低くがっちりと抑える。
絶対に先制点と思ったのに。多くのサポーターも同感であったのか、残念な空気が周囲を支配する。

浦上選手が立ちはだかる

甲府も前線の太田選手(右端)にボールを集中
フロンターレも飯島選手(背番号31:DF)が
進路を阻み、浦上選手がボールを抑える


フロンターレは中盤をダイレクトパスで繋ぐ。ただ、伊藤彰選手も相当引いてしまい、前線の破壊力は阿部選手(背番号16:FW)に依存している。
甲府のファウルから、フロンターレは素早いリスタート。だが、パスを受ける筈の選手が倒れてしまい、ボールは甲府陣内を転々と転がる。
一見するとフロンターレが主導権を握っているかのようだ。だが、流れに水を差すようにファウルも多く、実にリズムが悪いのが実態だったりする。
狭いエリアでのボール回しが多く、プレーに余裕が感じられない。これだけ広い空間がありながら、どうして有効に活用しないのだろうか。

飯島選手のスライディング

甲府は金子選手(背番号4:MF)の前に
鋭いスルーパスを放ってきた
フロンターレも飯島選手がスライディングで
危険なパスをカットする


甲府の攻撃は一度は影を潜めるも、新たなパターンを仕掛けて来る。左サイドに谷奥選手(背番号2:DF)がすっと上がり、一瞬の間にセンタリング。
これは浦上選手が抑えるも、谷奥選手は完全にフリー。結果的には完全に裏をかかれてしまった。
フロンターレの攻撃は依然として窮屈であり、狭苦しいボール回しに終始している。
こう着状態を嫌ったのか、徐々に縦パス主体の攻撃に切り替える。甲府のカットに苦しみながらも前進を図ったが、先ずは痛恨のオフサイド。
お次はセットプレーのこぼれ球をシュート。が、甲府ゴール正面のボールは、ものの見事に大ふかし。
サポーターには白けムードが充満するも、直ぐに気持ちを切り替える。シンプルな拍手の応援で、必ずやチャンスは巡って来るぞ。
パンパンパパパ、パパパパオレ!パンパンパパパ、パパパパオレ!

だが、リズムの悪さは解消されず。これでは応援も直ぐに途絶えてしまう。
唯一のチャンスと思われた、塩川選手のシュートもゴール枠を捉えない。サポーターの懸命な応援とは裏腹に、歯切れの悪い試合運びが続く。

塩川選手の攻撃

頼みの綱は塩川選手のみ
が、ボールを受けた後は
他選手との連携がまるで乏しく
シュートも無理さがつきまとう


フロンターレの右は精彩を欠き、攻撃力がゼロ同然。前線の動きもまるで鈍い。
頼みの綱は塩川選手のみ。彼の勢いは甲府にも脅威と映ったのか、またもやコーナーキックが巡って来た。
ボールは左サイドに跳ね返るも、久野選手(背番号23:MF)も足元へ。すかさず右足が炸裂し、鋭いクロスが甲府ゴールへ迫る。
これもチャンスと思いきや、川北選手が的確なセーブ。甲府も直後に速攻に転ずるも、前線の勢いは然程でも無く、特段脅威とは思えない。

だが、フロンターレの攻撃はこう着気味。相変わらず右サイドの突破が影を潜めている。
中盤では狭苦しいプレーに終始し、たまにボールが抜けても、長橋選手にフレイタス選手(背番号17:DF)が執拗に絡み付く。
中央突破もままならず、威力が半減。鬼木選手(背番号7:MF)の欠場(累積警告)で、中盤が期待薄なだけに、長橋選手が封じ込まれるのは、正直辛いばかりである。
前半も10分を切ろうかとしているのに、好転の兆しが全く見受けられない。

長橋選手の威力が激減

甲府はサイドをしっかりと固め
長橋選手の突破を許さない
いや、その前にスルーパスすら
まともに放てない苦境が続く


フロンターレはその後のセットプレーも活かせない。長橋選手のセンタリングなどを絡め、それなりに攻めた時間もあったが、どれもこれも最後が甘い。
甲府も徐々にペースアップ。それに比例してか、中盤の動きが激しくなって来た。
谷奥選手が再びオーバーラップ。フロンターレは長橋選手が守備に回り、谷奥選手と一対一へ。
ここは上手くボールをゴールラインへと逃がし切った。が、直後甲府にボールを奪われ、アレックス選手(背番号11:MF)がすかさずと、ご自慢のシャープな一撃を放つ。
フロンターレのプレーは極めて雑だ。長橋選手がパスを受け、前方に軽く蹴ったものの、不用意なパスと化してしまい、甲府の選手真正面へ。
緻密さに失せるプレーが連続。ただでさえ甲府のプレッシャーは厳しいのに、これではとても前に進めない。

長橋選手と谷奥選手

谷奥選手(右)のオーバーラップに
フロンターレは長橋選手が対抗
ここは巧みなステップで
甲府のボールを長橋選手が
ゴールラインへと逃す



子どもを肩車

子どもを肩車するサポーター
応援には緊迫感も大切ですが
たまにはこんなほのぼのさも良いのです
もっとも、試合も試合だし・・・


甲府が盛んに右を突く。更に圧力を高め、太田選手がペナルティエリア内に進入を図る。
飯島選手(背番号31:DF)と接触し、太田選手がピッチに倒れる。一瞬PKを覚悟したが、幸運にもプレーはそのまま続行。
それにしても、フロンターレは無駄なファウルが多過ぎる。中盤の守備も消極的で、甲府のリズムに支配されっ放しだ。
右サイドへロングパスを放つも、阿部選手(背番号16:FW)が胸でトラップミス。イージーなミスも非常に多く、まるで長所が思い浮かばない。

それでも終了間際に、フロンターレは左サイドからフリーキックを得る。甲府ゴール前で混戦にもつれ、最後は強引に押し込んだか!?
が、これはオフサイドの判定。その直後に私のデジカメが電池切れを起こし、交換の最中に前半を終了。
場内に吹き荒れる北風同様、お寒い限りの試合展開。何度も先制点のチャンスがあれど、ことごとく潰してしまう。
最下位の甲府を相手に、実に貧弱な試合内容。こんな調子で、本当に勝てるのか。
まるでやるせなさばかりである

ドラムと遊ぶ子どもたち

応援団のドラムに興味しんしんの子どもたち
戦いぶりが実にお粗末なので
方針を変更し、このページ風に仕立てるか?


後半開始直前になると、北風も見事に吹き止んだ。
寒さも幾分和らいだ。前半以上の応援で、必ずや甲府を突き放す!
だが、コールリーダーが一向に応援する気配が無い。詳細は不明だが、何か別の作業に興じている。
キックオフ間近にして、このまま沈黙ではマズイ。ここは私が率先し、フロンターレ!コールだ。
あらら?甲府が積極的な試合運び。のっけからミドルシュートを許してしまうとは。

甲府のミドルシュート

甲府が早々にシュートを放つ


フロンターレも甲府のパスをカットし、左から中央へ。すかさず前線にパスを繰り出すも、阿部選手の動きが非常に鈍く、ボールは甲府の選手の元に転がる。
続けて左サイドに展開するも、これまた密集地帯。攻撃が実に単調すぎて、これでは幾ら甲府でも通用しないだろう。
・・・と思った矢先、フロンターレが一瞬の隙を見逃さず、するすると甲府エリアに駆け上がる。
ボールはゴールラインを割り込み、久野選手がコーナーエリアへ。彼がキッカーであれば、サポーターも一同安心に包まれる。

が、コーナーキックのボールは、無常にも甲府にクリアされる。直後甲府のカウンターを食らい、フロンターレゴール前で混戦に縺れ込む。
最後は強引なシュートを放つ。これは大ふかしで命拾いも、フロンターレの攻守の切り替えの遅さが目に付いてしまう。
セットプレーで長身のディフェンダーをゴール前に集めるのはともかく、逆襲を受けた際の戻りが遅い気がしてならないのだ。

フロンターレのコーナーキックから

フロンターレはディフェンダーに長身揃い
だからセットプレーの空中戦に向いている・・・
その理屈はともかく
逆襲を受けた際の守備力低下が
気になってならない


後半も10分程度を経過。試合は若干落ち着き、中盤を軸に細かい競り合い。
両者共に糸口が見出せない時間帯。だが、それも僅かな休息だったのか、気が付けば甲府がコーナーキックのチャンスを掴んでいた。
鋭く蹴り出されたボールに合わせ、甲府の選手がヘディングシュート。一瞬でも気を抜こうならば、地獄が待っている。
フロンターレも早々にお返しを。塩川選手のセンタリングから、伊藤彰選手がバランスを崩しながらもシュートを披露。
足元が落ち着かなかったのか、ボールは芯を捉えない。決定力が乏しい試合に呆れたのか、フロンターレサポーターも甲府の応援をまね始める。
ヴァモフロンターレー、ヴァモフロンターレー
フロンターレー、フロンターレー


応援の種類が実に多く、覚えるのも大変だ。そんな間にもフロンターレは右サイド(だったっけ?)に進路を進め、甲府のスライディングをも振り切る。
そうして掴んだコーナーキック。ペナルティエリア内で若干の粘りを見せるも、どうしてもシュートを放つに至らない。
サポーターも多少いらつき気味。それなりにチャンスが巡ってくるのに、決定力の甘さに泣かされる。

シュートを打てどゴールならず

シュートを繰り返し放てど
どうしてもゴールが遠い
その後、セットプレーから
至近距離のヘディングシュートを放てど
これも入らない



ひっくり返ったサポーター

決定的なチャンスを潰し
サポーターは一同ひっくり返る
ああ、あの至近距離のドンピシャヘッドを
どうして外れてしまうの??
(私もひっくり返ったので、
撮影が遅れてしまった)


私の近くに別の子どもたちが加わる。手持ちのタオルマフラーが気になるようだ。
ならばと応援の輪に加えてしまう。一人でも増えてくれれば、ピッチ上の選手たちもより心強い。
だが、それとは裏腹にフロンターレの攻撃は手段が乏しくなるばかり。右サイドから長橋選手が無理やりクロスを放つも、ペナルティエリア内で甲府がクリア。
・・・と思いきや、突如プレーが中断。どうやら甲府の選手がハンドか何かを犯したらしく、幸運にもPKが転がり込んで来た!!

PKのチャンス

労する事無く、PKのチャンスが


またとない大チャンスが巡って来た。サポーターも通路の手すりを乗り越え、ピッチ間際までなだれ込む。
が、中には「最後のチャンス!」と叫ぶ人まで。それと同時に、妙な不安が脳裏を過ぎる。
阿部選手がボールを置き、PKの準備完了。しかし不安は強まるばかりで、「まさか・・・」の思いは強まる一方。
阿部選手のPKが炸裂!が、川北選手もコースを読んだのか、思い切って左にダイブ。
鮮やかなセーブで、フロンターレのゴールを阻止してしまう。ふとした不安が、こんな形で現実になるなんて・・・。

PKだ!

おお、棚からぼたもちとはこの事だ
サポーターも手すりを乗り越え
ぎりぎりまでピッチに近寄る
が、口々にジョーク交じりの不安の声がこぼれる



阿部選手がPKを蹴る

それもその筈、この試合絶不調の
阿部選手がPKを担当
おいおい、本当に大丈夫かいな?



PKは失敗

不安的中、川北選手に
コースを読まれ、PKは失敗・・・
その瞬間、サポーターは静かに
ぞろぞろと元の位置に戻った


ああ、どうしてPKを外すのか・・・。失望に顔をしかめつつも、フロンターレは高田選手(背番号2:MF)を投入。
前節で劇的Vゴールの立役者。頼む、もう栄二に全てを託す!!
えいじ〜、えいじ〜、えいじ〜、たかだえいじ〜
えいじ〜、えいじ〜、えいじ〜、たかだえいじ〜

栄二の投入で、フロンターレの攻撃が盛り返す。中盤付近から斜めに切れ込み、鋭いクロスが。
これは川北選手が弾く。だが、たて続けに塩川選手がクロスを放つ。
ゴール前の選手がヘッドで足元に落とす。これを蹴り込めば・・・の場面ではあったが、最後が決められない。
フロンターレは塩川選手と阿部選手のコンビネーションで、なおも甲府を脅かす。更に甲府の選手交代の油断から、サイドを盛んに攻め立てる。
ゴール前に低いセンタリングが。今度こそシュートを・・・いや、どうしてもシュートを放てない。
更に伊藤彰選手が左サイドを回り込む。ペナルティエリア付近に差し掛かかるや、ゴール前の阿部選手に気を取られたのか、甲府の石原選手(背番号5:DF)と激しく接触。
結局彰がファウルの判定。勢いは依然としてフロンターレではあるが、最後の最後でチャンスを潰してしまう。

フロンターレはここで我那覇選手(背番号17:FW)を投入。が、サポーターからは盛んに失望の声が漏れる。
我那覇選手よ、ストライカーは結果が全て。どんな局面でも貪欲にゴールを狙わねば、ゴールは絶対に奪えない。
失望の声を打ち消すには、ゴールを決めるのみ。それを信じて、皆で応援するぞ!
がーなはー、ゴール〜、ゴール〜!
がーなはー、ゴール〜、ゴール〜!

どうしてもゴールが遠し

甲府ゴール前では
フロンターレがなおもゴールを狙う
だが、どうしても、どうしてもゴールを割れない
いや、まともなシュートのチャンスが
徐々に減少しつつあるようでもある


サポーターは懸命に応援するも、フロンターレの勢いは弱まるばかりだ。
中盤では退屈な小競り合いが・・・ふと、ピッチの遠方を見ると、フロンターレの選手が警告を受けている。
それと同時に場内は盛大な拍手で包まれる。フロンターレゴールほぼ正面、ペナルティエリア付近から、甲府がフリーキックの場面だ。
攻撃の時間が長かっただけに、逆に守備が緩んでいないか。突如訪れた危機だけに、大きな不安がサポーターを襲う。

飯島選手が警告を受ける

飯島選手が痛恨のイエロー
フロンターレは攻撃時間が長く
ゴールを挙げられなかった故に
ディフェンスも気の緩みがあったのだろうか


皆ピッチに釘付けになり、応援も中断してしまう。危機を覚えた私は、とっさに「セーブガミ!」と絶叫。
頼む、ガミさん止めてくれ・・・。期待と不安が入り乱れる中、甲府のフリーキックが炸裂する。
フロンターレの壁に甲府の選手突っ込んだのか・・・。もう極度の興奮状態で、プレーの詳細は定かでない。
が、揺ぎ無い事実はただ一つ。フロンターレの壁をボールがすり抜け、甲府のシュートがフロンターレゴールを急襲した!
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!激しく絶叫するも、サポーターの願いは断ち切られる。フロンターレの壁の背後にあったのは、甲府の歓喜とフロンターレの悪夢だった。
そう、甲府のシュートは、無残にもフロンターレゴールに突き刺さってしまったのだ。

美尾選手のシュートが炸裂

美尾選手(背番号13:DF)のシュートが炸裂
ボールはどこに??いや、壁の裏では
ガミさんが懸命にセーブ



得点を喜ぶ甲府の選手たち

が、甲府の先制ゴールが決まってしまう
不利な展開を耐え凌ぎ
待望のゴールをあげた甲府の選手たちは
一気に喜びを大爆発


まだ1点だ。これから逆転だ・・・。リスタート直後にフロンターレが猛攻に転ずる。至近距離からシュートを放つ!
・・・が、ゴールポストに嫌われた。フロンターレは最後の切り札、向島選手(背番号11:FW)を投入だ。
頼む!決めてくれ・・・。フロンターレも甲府ゴール前で必死の攻撃を試み、箕輪選手が決死のオーバーヘッド。
だが、これは裏目に出てしまう。果敢なプレーと思いきや、主審は危険と判断し、まさかのイエローカード。
試合は完全に甲府の流れへ。フロンターレはもはや自暴自棄と化したのか、時間につれてプレーが乱雑に。
中盤では激しいタックルが。判定は運良くカードが出なかったものの、一歩間違えれば即退場の危険な場面であった。

箕輪選手のオーバーヘッドシュート

箕輪選手が懸命のオーバーヘッド
が、判定は無常のイエローカード
甲府の選手を蹴ってしまったようだ


もうダメなのか・・・。うつろな目でピッチを眺めると、ゴール裏の芝生席にボールが転がり込んでいた。
観客は誰もおらず、ボールボーイも回収に手間取る。もうヤケクソになった私は、バックスタンドから一目散へ芝生席へ走る。
芝生席に到着すれど、誰かが回収していたのか、既にボールは見当たらず。
バックスタンドに戻る気力も失せた、私はバックスタンドのコールに合わせ、ひとりで芝生席から絶叫する。
が、そこで見たものは・・・ばらばらなプレーに終始する、フロンターレの選手達。
押し込めど押し込めどゴールは奪えない。選手ひとりは必死にプレーすれど、連携は脆くも崩れている。

どうしてもゴールが奪えない

選手の気持ちは完全に空回り
これでは幾ら必死になれど
ゴールは遠のくばかりだ



バックスタンドのサポーター

バックスタンドのサポーターも
最後まで勝利を信じ、必死に声を枯らす


フロンターレはどうしてもゴールを奪えない。試合はそのまま、ロスタイムへ突入。
残りは3分。絶対に同点に追い付ける。勝負はまだ終わっていない!
・・・が、その願いも崩壊した。金子選手のゴールが決まり、遂に2点差へと拡大。
立て続けに左サイドから、アレックス選手のシュートが。ボールはフロンターレゴールを大きく揺らし、屈辱の3失点を喫してしまう。
残り時間もごく僅か。最後のコーナーキックの場面を迎えるや、キッカーの久野選手に「頼む!1点だけでも返してくれ!」と、必死に懇願する。
だが、これも駄目だった。箕輪選手のヘッドも届かず、程なく主審の長い笛が鳴り響く。
久野選手はうつむき、箕輪選手は崩れ落ちる。最下位甲府に対し、予想外の大敗を喫してしまった。

トランペットも芝生席へ

ロスタイムに突入するや
サポーターも勝負を諦めたのか
早々と横断幕を畳み始める
そして、コールリーダのN崎君まで芝生席に
もの寂しげに、トランペットを乱れ吹く



箕輪選手のヘッドも決まらず

久野選手のコーナーキックは
箕輪選手が歯を食いしばりながらのヘッド
が、これも川北選手が弾き返す



うずくまる箕輪選手

その直後、試合は幕を閉じる
箕輪選手はしばらくうずくまり
その背中には無念さが


・・・・・・、もう声も出ない。悔しくて悔しくて悔しくて・・・。
このショックをどう表現すれば良いのか、私自身分からない。今季を象徴する試合と書けば簡単だろうが、それすら相応しい言葉だろうか。
異様な脱力感が全身を覆う。無気力の表情を浮かべながら、帰りのバスに向かうのが精一杯だった。
もうそれだけ。これ以上の感想は、何もありません。

甲府の勝利を祝う電光掲示板

電光掲示板には甲府の勝利がこうこうと
無性に空しさが増幅されるのは
私だけでしょうか



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