川崎フロンターレ VS 清水エスパルス
〜 第81回天皇杯 準決勝 〜
日 時 | 2001年12月29日 15:05 | |||
試合会場 | 神戸ウイングスタジアム (兵庫県神戸市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 12,351人 | |||
試 合 結 果 | ||||
川 崎 | 0 | 前 半 | 1 | 清 水 |
1 | 後 半 | 1 | ||
1 | 計 | 2 | ||
得 点 者 | ||||
伊藤 彰 | 53分 | 26分 | 澤登 正朗 | |
75分 | バロン |
一年間ありがとうございます。来年もデタラメな観戦記をよろしくお願いします。
J2ながら4強に進出。石崎イズムが浸透し、真の実力を発揮しつつあるフロンターレ。
準決勝の対戦相手は、清水エスパルス。日本代表候補を何人も揃え、今までの対戦相手とは明らかにレベルが異なる強者だ。
これがリーグ戦(対戦しようが無いが)ならば苦戦は必至。ただ、カップ戦・・・一発勝負ならば、実力以外にも多くの要素が絡み、一概に不利とは言い難い。
そう、ここまで来たら遠慮は不要。フロンターレの持てる力を全て発揮し、90分間全力で勝負を挑むのみ。
目標はただ一つ。元旦決戦を制し、真の日本一に輝くだけである。
無機質なアーチが特色の
神戸ウイングスタジアム
新潟・大分・東京スタジアムと比較すると
やや素っ気無い印象を受ける
観客席に近づくと、歓声が響く
慌てて場内に入ると
既に試合が開始されていた?
しまった、開始時刻を勘違いしたのか
が、これはJユースカップの決勝戦
京都 VS FC東京が熱い一戦を繰り広げていた
写真は決勝の2点目が決まり
沸き立つ京都のサポーター
試合は京都が3-1で制す
優勝の瞬間、選手達は大はしゃぎ
いやはや、優勝のシーンは
いつ見ても素晴らしいものだ
さて、ここから本題の天皇杯準決勝
試合前、巨大スクリーンに
フロンターレサポーターの姿が映し出され
ますます調子に乗る光景
遠方の神戸にも関わらず
かなりのサポーターが集結
戦いの舞台がひたひたと迫り
興奮は極度にヒートアップ
試合開始前、ゴール裏からは戦力外通告を受けた選手に対し、感謝と悔恨の念を込めたエールが響く。
栄二・彰・土居ちゃん・阿部ちゃん・・・、彼らの尽力と健闘で、ここまで勝ち進んだのだ。
だが時間は我々を待ってくれない。国立の舞台を目指した一戦が、すぐそこに迫っているのだ。
清水が格別の対戦相手なのは、重々承知している。苦戦を強いられるのは覚悟の上だ。
いや、余計な考えはなぐり捨てろ。我々の目標は唯一つ、元旦の桧舞台に立つだけだ!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜
極度の興奮の中、決戦の火蓋は切って落とされた。清水がボールを左に叩き、三都主選手(背番号8:MF)が早々にサイドアタックを披露。
そのスピードと威力は、J2の比では無い。フロンターレは三都主選手を引き倒してしまい、反則覚悟で前進を食い止めるのが精一杯だ。
清水のフリーキックは、一旦中央に戻して左サイドへ。ここは連携が乱れて、ボールはタッチラインを割り込んだ。
だが、一瞬たりとも油断は禁物。清水がすかさずボールを奪い、逆サイドに鋭いパスを繰り出す。
フロンターレの選手の背後を狙われてしまう。フロンターレも混戦から懸命なクリアを試みるも、ボールは味方の選手に衝突し、そのままタッチラインを割ってしまう。
清水の勢いは圧倒的だ。バロン選手(背番号18:FW)のアシストを受け、久保山選手(背番号15:FW)が
ペナルティエリア内から至近距離のシュート。
一瞬危険を覚えたが、これは吉原選手(背番号34:GK)が防いだようだ。サポーターの物陰で、はっきりと見えなかったが、恐らくそうに違いない、ハイ。
・・・何て考える暇は無い。三都主選手のサイドアタックが再び炸裂し、ゴール前に鋭いパスを繰り出してきた。
澤登選手(背番号10:MF)がオーバーヘッドでシュートを狙うも。ボールは高く宙に舞う。
が、危険は去っていない。立て続けにバロン選手が猛然と突っ込む。
バロン選手がヘディングシュートを狙うが、辛うじて吉原選手がキャッチする。清水の破壊力を前に、フロンターレは早くも苦戦を強いられる。
久保山選手のシュートを辛うじて防ぐ
序盤の清水の攻勢は圧倒的で
フロンターレは防御が精一杯
続けてバロン選手がヘディングシュートを狙う
元甲府の選手とは思えぬ
破壊力には脱帽だ
清水の猛攻はなおも続く。三都主選手のサイドアタックを軸に、フロンターレサイドに一方的に攻め立てる。
フロンターレは高田選手(背番号2:MF)が密着マーク。だが彼のスピードに圧倒されて、ファウルで止めるのが精一杯だ。
ボールは右サイドの平松選手(背番号13:MF)へ。塩川選手(背番号24:MF)が守りに入るも、スピードの差は歴然としており、あっさりと振り切られてしまった。
そのままサイドを切れ込み、鋭いクロスボールを繰り出す。久保山選手が強烈なヘディングシュートを放ち、サポーターは冷や汗の連続である。
平松選手が塩川選手を振り切り
右足を大きく振り抜く
あれ?ユニフォームの背番号が「17」では
ズボンはちゃんと「13」なのに
これじゃ勘違いしそうだ
清水の度重なる猛攻に対し、フロンターレはゴールラインに逃すのがやっとの窮状。
続けて清水のコーナーキックが迫る。だが、フロンターレがボールを奪い取り、塩川選手がぐんぐん前進する。
中盤で大きなワンツーが決まり、怒涛のドリブルで前へ。東京ヴェルディ戦でを彷彿させるカウンターで、清水のゴールに一気に迫る。
塩川選手が放ったセンタリングは清水の選手にぶつかり、コーナーキックの場面へ。そこから我那覇選手(背番号17:FW)がヘディングシュートを放つものの、ボールの芯を捕らえず、敢え無くゴールラインを割ってしまう。
ボールは再び中盤まで戻り、両者が激しいつば競り合い。三都主選手の突破力は凄まじく、高田選手もファウルを繰り返すのが精一杯だ。
もっともこれに限れば、三都主選手が自分から倒れたようだが。ずるがしこい?プレーに対し、サポーターも容赦無いブーイングを浴びせる。
清水の久保山選手と
フロンターレの伊藤宏樹選手(背番号25:DF)が
プライドを賭けた攻防
三都主選手が得たフリーキックは
森岡選手(背番号11:DF)が抜け出し
ヘディングシュートを放つ
ここでもフロンターレの背後を突かれてしまい
マークの甘さが気になるところ
オオオー、オオオオオ〜
フォルツァ〜、フロンターレー!
ボールは中盤まで戻り、両者が競り合いを演じる。フロンターレがボールを奪うや否や、右サイドの今野選手(背番号18:MF)へパスが渡る。
コーナー付近で一旦止まり、後方の高田選手へボールを戻す。高田選手がすかさずセンタリングを放ち、ゴール付近の我那覇選手へ一直線。
至近距離から強烈な一撃・・・と期待するも、これもタイミングがずれたようだ。直後清水も速攻に転じたが、右サイドへのボールは、飯島選手(背番号31:DF)が体を入れてクリアに成功。
高田選手のセンタリングは
我那覇選手へ見事に繋がる
だが、シュートを焦ったのか
足元のコントロールが微妙にずれたようだ
我那覇ぁ、来年はキミが結果を残さないと
J1復帰は厳しいぞぉ〜
三都主選手のライン際の強さは抜群
これだけのテクニックを有す選手は
J2では絶対に存在しない
日本代表候補に相応しい技術の高さだ
三都主選手の卓越した突破力に、マークに入る高田選手は苦しむ。またもや彼を倒してしまい、フリーキックのピンチを迎えてしまう。
清水のボールがフロンターレゴールへぐいぐいと迫る。ヘッドでゴールラインに逃がすのが精一杯で、今度は清水のコーナーキックの場面へ切り替わる。
ゴール側面では、久保山選手と塩川選手がポジションの奪い合い。清水の鋭いボールが迫るものの、これは吉原選手がキャッチ。
フロンターレが一気のカウンターで逆襲開始。だが、中盤から繰り出さされたボールはオフサイドの判定となり、再び清水の逆襲を浴びてしまう。
清水はドリブルで突破を図る。対するフロンターレも厳しいチェックで対抗し、両者一歩も譲らない。
フロンターレに一瞬の隙が生まれてしまう。清水はドリブルで抜け出した所を、フロンターレは背後から清水の選手を押し倒してしまう。
当然清水のセットプレーへ。良くぞ警告を受けなかったと、ため息が漏れるばかりだ。
清水のキックは、観客席に飛び込む
大きく弾んだボールは、私の前の子どもの頭へ
大丈夫かな?痛くなかったかなぁ
フロンターレもようやく反撃へ。最前線の盛田選手(背番号9:FW)にボールが託される。
器用な足技から清水の選手を振り切ろうとするが、そのテクニックは清水の選手に通用しなかった。
それでも直ちにフロンターレはボールを奪い戻す。逆側に振って桂選手(背番号12:MF だったかな?)がシュートを放つ。
ボールは最後に清水の選手に接触し、タッチラインを割った。中央よりの高田選手にボールが渡るが、三都主選手のマークに遮られ、自在な攻撃は封じられる。
直後清水が破竹の逆襲。フロンターレゴール前に緩いボールが転がり、バロン選手が猛然と突進を図る。
フロンターレも塩川選手が懸命に対抗。何とかボールを蹴り戻すも、別の選手が決死のジャンプで、クリアボールを弾き返す。
ボールは幸運にもタッチラインを割り、フロンターレがスローインから前へ戻す。中盤の混戦を経て、右サイドの高田選手へ。
そのまま中央に折り返しパスを放つ。他の選手を一人経由し、鬼木選手(背番号7:MF)へボールが。
豪快なミドルシュートを繰り出すものの、コースは右へ反れてしまった。
う〜ん、惜しいぜ。ここは鬼木コールでゴール裏も燃え盛るぞ〜。
おにき・おにき・おにーきとおる!
おにき・おにき・おにーきとおる!
高田選手も前線で奮闘
今季限りで引退するとは
今もって信じられないのだが
前半も20分以上は経過。清水のスピードは圧倒的で、フロンターレの守備も崩壊寸前。
ディフェンスの連携も乱れてしまい、中途半端なバックパス。ボールの勢いは非常に弱く、清水の選手がそれを目掛けて突撃を図る。
吉原選手が慌てて蹴り出すも、結局はコーナーキックを献上してしまう。清水は圧力を更に加え、シュートを何本も立て続けに浴びせまくる。
清水の激しい攻撃を、懸命に耐え凌ぐフロンターレ。直後カウンターから逆襲を狙うものの、清水の守備も戻りが早く、ゴールを目前に失速してしまう。
清水が素早いパスワークから、じわじわとフロンターレを切り崩しに掛かる。フロンターレのペナルティエリア直前で、清水の選手を倒してしまい、危険な位置でのフリーキックを迎える。
清水のキックは、もの凄い回転が加わる。フロンターレの壁上を通過するや、直後一気に急降下。
そのままゴールに突き刺さったか・・・。幸運にもギリギリでポストから外れ、失点を免れた。
高度なフリーキックにどよめきが起こりつつも、フロンターレも反撃再開だ!
だが、清水の圧力に耐え切れなかった。ボールはバロン選手へと渡ってしまい、細かく繋いで最後は澤登選手へ。
澤登選手のシュートが炸裂。ボールはフロンターレのゴールに吸い込まれ、痛恨の失点を喫してしまった。
清水のフリーキックが迫る
これは幸運にも外れてくれたが・・・
僅かな後に、澤登選手に決められてしまった
レベルの高い清水の攻勢に
遂に屈してしまった
まだまだ試合はここからだ。サポーターも直ぐに正気に戻り、興奮ながらも冷静に応援を再開する。
オオオー、オオオオオ〜
フォルツァ〜、フロンターレー!
だが、清水の勢いは増すばかり。鮮やかなヒールパスを交えるなどして、一方的に攻撃を許してしまう。
清水のフリーキックから、バロン選手がヘディングシュート。更に右サイドを厳しく攻め立て、フロンターレはコーナーキックのピンチを迎える。
一度はフロンターレがクリアするも、直ぐに清水にボールが渡る。ペナルティエリア内の澤登選手にボールが繋がり、乏しい角度ながらもシュートを放つ。
ボールは飯島選手の胸に激突し、ゴールラインを割った。清水の攻撃は容赦無く、今度は三都主選手のスローイン。
矢のような鋭いボールが、フロンターレのペナルティエリアに迫る。スローインであれ程速いボールを投げるなど、ただ仰天の一言だ。
呆気に取られる暇も無く、清水の猛攻は続く。フロンターレには厳しい局面であったが、この場は何とか耐え抜いた。
バロン選手が抜群のジャンプから
ヘディングシュートを放つ
澤登選手の厳しいブロックをかわし
土居選手(背番号15:DF)がクリア
レッツ・ゴー、レッツゴー(ドンドン)
レッツ・ゴー、レッツゴー(ドンドン)
フロンターレも逆襲に転じるも、呆気無く途絶えてしまう。清水も一気に寄りを戻し、バロン選手が細かいドリブルからシュートを放つ。
低いボールは、ギリギリでフロンターレのゴールを掠める。清水は更に右へ展開し、鋭いクロスを繰り出した。
ボールは澤登選手の足元へ。まともにシュートを放てずも、こぼれ球を狙ってバロン選手が突進を図る。
フロンターレも清水のボールを奪い取り、得意のカウンターに転ずる。一気に清水ゴールに迫ろうとするも、途中で行く手を遮られる。
直後清水のスローイン。ボールはフロンターレのペナルティエリア内に入り、互いの選手が激しい攻防。
ゴール前ではバロン選手がフリー同然。彼にボールが渡ったら、失点は免れない。
この競り合いはフロンターレが勝り、中盤まで戻す。だが、それも長続きはせず、清水の攻勢に転じてしまう。
それでもフロンターレはボールを奪取し、最前線の我那覇選手へパスを繰り出す。これは黒河選手(背番号20:GK)がキャッチし、ワンチャンスでのゴールには遠く及ばない。
ペナルティエリア内で
両チームの選手がボールの奪い合い
ゴール正面ではバロン選手がフリー同然
ここでラストパスを許したら、絶望的な状況だ
鬼木・高田選手の奮闘が勝り
フロンターレはクリアに成功
ただ、後に続く選手が不在だった
前半も残り時間は僅か。フロンターレは懸命にクリアを繰り返すも、清水にボールを拾われてしまう。
場面は清水のコーナーキックへ。鋭いキックに吉原選手が飛び出すも、指先を掠めてしまう。
その先には澤登選手らの姿が。フロンターレのゴールはがら空き同然で、ここでシュートを許したら、一巻の終わりになり兼ねない。
危険を覚えたシーンであったが、清水も詰めが甘かった。フロンターレも程なく反撃に転じ、右サイドにロングパスを繰り出す。
フリースペースを桂選手(背番号12:MF)が必死に追いかけるる。だが、ギリギリでタッチラインを割ってしまい、サポーターからはガッカリのため息が漏れるばかりだ。
桂選手が懸命にボールを追うも
ライン際で追い付いたかにも見えたが
僅かに割り込んでいた
清水も貪欲にゴールを狙う。中盤の小競り合いを制した後に、思い切ったミドルシュートをお見舞いする。
吉原選手のゴールキックでプレーが再会するも、ボールは清水の選手へ渡ってしまう。
そして三都主選手にパスが繋がる。フロンターレも4人がマークに入り、必死の守備でピンチを凌ぐ。
フロンターレもサイドチェンジを交え、清水ゴールへと逆襲。しかし清水の守備も相当に固い。
清水ゴールを前に激しく攻め立てるも、どうしても突破口が見出せない。一応はミドルレンジからシュートを放ったものの、清水のマークの厳しさから、思い切りに欠けた印象は否めない。
三都主選手をフリーにしたら最後
フロンターレも4人の選手が一気に詰め寄り
彼からボールを奪い戻す
最後の最後で、フロンターレも反撃
高田選手らがチャンスを演出したつもりでも
清水の守りの固さに屈してしまった
清水の一方的な流れのまま、前半を終了。清水の高度なプレーには、脱帽の一言だ。
スピード・パワー・個人能力・・・、どれを取ってもフロンターレの比では無く、その実力差は誰の目にも明白過ぎる。
まっとうに勝負を挑んでは、フロンターレの勝機は極めて薄い。だが、一発勝負の天皇杯。懸命に戦いを続ければ、どんなドラマが訪れようと不思議では無い。
後は全力で立ち向かい。後半の逆転を待ちわびるのみ。サポーターもそれを信じ、懸命の応援を繰り広げるだけだ。
頼むぞ!サポーターを国立の桧舞台へ連れて行ってくれ〜。
前半終了と同時に
フロンターレサポーターから
熱いコールが沸き起こる
残り45分、大逆転を信じているぞ!
ハーフタイム中に、フロンターレサポーターが
何やら動物の帽子をかぶってはしゃいでいる
個人的にはそんな気分に浸れないので
観客席の風景をちょっと紹介
これはエスパルスサポーター?が作った
来年のW杯を歓迎する横断幕
対するフロンターレは・・・
川崎がW杯のキャンプ地に
選出されない可能性も高く
対抗する横断幕など存在しない
ならば代わりに、旗を振り回すサポーターでも
後半開始を目前にし、日もすっかり傾きかけている。観客席には冷風が吹きつけ、寒さは厳しくなるばかいr。
寒気吹き飛ばすには、懸命の応援のみ。絶対に、絶対に清水を打ち下し、国立のピッチへ立つぞ!
オーオオー、レッツゴー川崎〜
オーオオー、フロンターレー
フロンターレが開始早々、フリーキックのチャンス掴んだ。一旦ボールをバックに戻すも、清水ゴールへとボールが迫る。
高いボールに彰がヘディングシュート!惜しくも黒河選手が抑えてしまい、せっかくの大チャンスをモノに出来ず。
ああ、悔しいゼ。彰の、彰のシュートを、何としても味わいたい!
伊藤彰選手がヘッドでシュートを狙うが
ここは黒河選手が抑えた
直後清水も攻め戻す。フリーキックからのリスタートが乱れてしまい、ここはミスで自滅する。
フロンターレも程なく反撃し、ボールは中盤前よりの伊藤彰選手へ。抜け出しを図ったところで大榎選手(背番号6:DF)がユニフォームを引っ張り、伊藤彰選手は勢いで大きく回転する。
だが、フロンターレが優位な状況に変化は無い。中盤から塩川選手が柔らかなパスを繰り出し、清水の選手の背後へボールが転がる。
そこを目掛けて、伊藤彰選手が走り込む。ここは惜しいことに、一足速く清水にクリアされてしまった。
フロンターレが優位な展開に、サポーターの応援も一向に止まらない。熱い魂をピッチに送り、選手達を一層奮い立たせる。
フロンターレー!フロンターレー!
フロンターレー、オオ〜〜
盛田選手が足元で細かくボールをキープ。続けて振り向きざまでパスを繰り出す。
ボールは清水の選手に当たり、タッチラインを割り込む。フロンターレはスローインから細かく繋ぎ、ペナルティエリア内の盛田選手の足元へボールが渡る。
行け!シュートを放て!!決定的な大チャンスに、サポーターから絶え間ない絶叫が響く。
平松選手と接触し、盛田選手は大きく回転。が、無情にも主審はPKをとらず、プレーはそのまま続行される。
盛田選手に、鮮やかなパスが渡る
だが、側面から平松選手が割り込む
盛田選手は倒されるも
無念のプレー続行
ああ、PKと思ったのに・・・
何故だ!どうしてPKじゃないのか!!疑念の声が周囲を覆うも、その程度で今のフロンターレは屈さない。
直後、塩川選手が鮮やかなドリブルを披露。清水の選手を何人も振り切り、鋭いクロスを繰り出した!
彰のヘディングシュートが炸裂だ!!ボールは清水のゴールに突き刺さる!!!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
彰の、彰の彰の彰の彰の彰の彰の彰の彰のゴールがゴールがゴールがゴールがゴールが彰の彰の彰の彰の彰の彰の彰の彰の彰の彰のゴールがゴールがゴールがゴールがゴールがゴールが、きまったぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!
ゴール裏で彰が雄叫びを上げる。サポーターもはちきれんばかりの大絶叫で、彰のゴールを祝福する。
塩川選手が、鮮やかなステップから
清水の選手を振り切った
そして鋭いクロスが炸裂
塩川選手のアシストから
彰のヘディングシュートが決まった
ゴール裏に回りこんで
サポーターに雄叫びを上げる
そしてベンチに駆け戻り
コーチらと強く抱き合った
おお、何て熱いシーンなのだ
さあ、ここからは冷静になろう。同点に追い付かれた清水も、懸命に攻め戻しているぞ。
同点に追い付いたフロンターレは、選手が見違えるように蘇った。中盤左サイドの塩川選手にパスが渡り、一直線のサイドアタックを披露する。
そのまま一直線で前線へ。清水も平松選手が止めに入り、平手が塩川選手の顔面に入る。
コノヤロ〜と怒りが沸き立つも、フロンターレが貴重なフリーキックを掴む。キックは清水がヘッドでクリアするも、こぼれ球を高田選手が得意のミドルシュート。
これはゴールから大きく外れた。それでも一連の攻勢に対し、サポーターは俄然ヒートアップだ。
えいじ〜、えいじ〜、えいじ〜、
たかだえいじ〜
塩川選手が得意のサイドアタック
左右両方こなす彼だが
やはり左の方がめっぽう強い
清水のクリアボールを
高田選手がミドルシュート
ボールはぐいぐいと前に迫り
見る者を魅了させる
フロンターレの勢いは、もう止まらない
盛田選手が中盤でボールを奪い
自らドリブルで切れ込みを図り
鋭いクロスを放つ
何で彼がレンタル終了なのかな〜
浦和はやっぱり非情だぞ・・・
フロンターレの攻撃は勢いを増すばかり。この調子で清水を一気に打ち砕け!
清水の守りも結構固いが、フロンターレも無理矢理にこじ開ける。伊藤彰・盛田選手がポストプレーを交え、清水を盛んに崩しにかかる。
一度は中盤まで戻されるも、塩川選手がボールを奪い取る。若干のプレーを経由し、伊藤彰選手へ縦パスが繰り出される。
おお、彰得意の飛び出しだ!。サポーターの期待も一気に高まるも、無情にもオフサイドの判定を受ける。
だが、彼の闘志は揺ぎ無い。続けてタッチラインに切れ掛かったボールを、伊藤彰選手が懸命に追いかける。
ボールは切れてしまったものの、懸命のスライディングで戻そうと試みる。直向な彼のプレーに対し、サポーターも大満足である。
おお、いとう〜あきら〜、ゴールね・ら・え、シュートは・な・て!
おお、いとう〜あきら〜、ゴールね・ら・え、シュートは・な・て!
このボールは惜しくもラインを割る
伊藤彰選手はしきりに悔しがるも
最後まで諦めない直向さに対し
サポーターも盛大なエールを贈る
サポーターの応援も、もの凄い限り
押せ押せの展開に、声援も大きくなる一方
レッツ・ゴー、レッツゴー
レッツ・ゴー、レッツゴー
フロンターレの攻勢は一向に衰えない。今野選手が清水の選手の背後をすり抜け、左サイドを猛然と駆け上がる。
今野選手が鋭いクロスを放ち、フロンターレのシュートが炸裂。清水の守備もやや手薄で、絶好の逆転のチャンスが到来した。
だが、清水も速攻に転じる。一瞬にしてフロンターレゴールに迫り、ゴールの左側からシュートをお見舞いする。
サポーターからは悲鳴が上がるものの、シュートは枠に入らない。清水は更にゴール前にボールを集中し、今度はヘディングシュートを浴びせて来る。
直後フロンターレも反撃開始。左サイドの盛田選手にボールが託され、森岡選手を振り切って前進を図る。
ここは主審がプレーを止め、フリーキックでプレーが再開。久野選手のフリーキックは大きく弧を描き、伊藤彰選手の頭上目掛けて急降下。
これは惜しくも黒河選手がキャッチ。清水もカウンターから逆襲を狙うものの、フロンターレが再び攻め戻す。
ボールは中盤から伊藤彰選手へ渡る。清水の選手に囲まれながらも、果敢なドリブルで突破を図る。
伊藤彰選手がドリブルで前へ
彰の魂は永遠だ!どうして彼が
チームを去らねばならないのか
疑問が募るばかりだ
(でも、引退するよりは、大宮で頑張って
欲しい気もするし・・・)
伊藤彰選手が清水の選手に囲まれてしまう。彼も必死に抵抗するも、奮闘も空しく清水にボールを奪われてしまう。
清水も速攻から右サイドへ。大きなクロスが放たれるも、ボールはフロンターレゴールネットの上。
清水の攻勢が続けれど、サポーターは応援を黙々と続ける。今度はゴール正面からヘディングシュートを許してしまうも、吉原選手が冷静にキャッチ。
清水の攻勢はなおも続く。三都主選手のフリーキックを発端に、ペナルティエリア付近で激しく攻め立てる。
幾度も危険なパスを繰り出すも、フロンターレも体を張った守備で対抗。ここは懸命に守り抜く。
最後は清水のミドルシュートが。シュートはゴールから大きく外れ、このピンチは耐え凌いだ。
・・・と思う間もなく、清水がペナルティエリア内に進入を図る。フロンターレの選手が倒してしまい、よもやのPKを迎えて