川崎フロンターレ VS 大宮アルディージャ

〜 J2 第2節 〜



日   時 2002年3月9日 14:00
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 晴れ
観 客 数 3,433人 (また減ってしまった)
試  合  結  果
川    前  半 大   宮
後  半
     
     
     
得   点   者
ベンチーニョ 53分      
黄川田 賢司 77分      


開幕戦を引き分けで終えたフロンターレ。2戦目の対戦相手は強敵の大宮。
大宮にはフロンターレ出身の選手が多く、顔なじみの選手が揃っている。
大塚選手(背番号14:MF)を筆頭に、盛田(背番号12:FW)・伊藤(背番号29:MF)と、今季からのライバルが・・・。
あ、彰が大宮なのか!?。紛れも無い現実を前に、複雑な心境がこみ上げる。
だが勝負は迫っている。J1に復帰するためには、相手が誰であろうと、眼前の敵を打ち砕かねばならないのだ。

空席だらけの等々力陸上競技場

多少肌寒さを覚えるも
空はすっかりと晴れ、絶好のスポーツ観戦日和
なのに・・・この観客の少なさは(呆然)
開幕戦の緊迫感の乏しさに
観客が離れてしまったのだろうか



大宮のスタメン

右列だけは、フロンターレのスタメンと
勘違いしそうな大宮のメンバー
彰がプロ選手(川崎時代は社員選手)として実力を増し
フロンターレに戻る日はあるのだろうか・・・



伊藤選手の横断幕が掲げられる

昨年までの横断幕が
そのままの姿で大宮側に掲げられていた
青と黒の姿が、ふと脳裏をかすめた瞬間


おお伊藤〜彰、ゴールね・ら・え、シュートは・な・て!
おお伊藤〜彰、ゴールね・ら・え、シュートは・な・て!
おお伊藤〜彰、ゴールね・ら・え、シュートは・な・て!
大宮サポーターからのコールは、昨年と何ら変化無い(笑)。フロンターレサポーターも呼応し、両サイドから伊藤選手のコールが響き渡る。
感慨に浸るのもここまでだ。キックオフの時間はひたひたと迫り、気持ちは戦いへと強制的に切り替えねば。
さあ、キックオフだ。フロンターレの勝利のために、全力で応援するぞ!
お〜〜〜、フロンターレー
お〜〜〜、川崎ウォオ〜〜


サポーターの熱気とは裏腹に、立ち上がりは目立った展開に乏しい。
数分経過した後に、大宮が中盤から右サイドへボールを叩く。村主選手(背番号13:MF)の姿が目に飛び込む。
フロンターレディフェンスを巧みに外し、コーナー付近からクロスを放ってきた。
ここは岡山選手(背番号32:DF)がクリアするも、こぼれ球は大宮の元へ。そのまま攻撃を続け、コーナーキックの場面だ。
ボールはファーサイドに流れるも、大宮のスローインからプレーが再開。ペナルティエリア付近で混戦からボールの蹴り合いにもつれ込むが、ここはフロンターレがクリア。
クリアボールは大宮の選手に渡り、直接シュート。ボールはゴール枠から大きく外れ、序盤のピンチは程なく過ぎ去った。

塩川選手の守備

塩川選手(背番号15:MF)も守備に忙しい
決して守備が上手なタイプとは思えないが
この場面は守勢を強いられる


フロンターレも右サイドを速攻で反撃開始。コーナーキックのチャンスを手にするも、大宮にあっさりとクリアを許す。
ルーズボールを前方に蹴り返すが、大宮の選手が奪い取る。続けざまに大宮の選手が怒涛のドリブルで、フロンターレゴールへと、一直線にひた迫る。
フロンターレの守備は手薄なれど、大宮の選手を懸命に追いかける。最後は4人で囲み込む。大宮は続けて左寄りから突破を仕掛けたものの、足元がもたつきボールはゴールラインを割り込む。

失点の危機は免れた。さあ、ガミさん(浦上選手 背番号1:GK)のゴールキックで仕切り直し・・・。
あれれ?ガミさんのキックはぼてぼてに転がる。幸いながらもフロンターレの選手に渡ったものの、反撃ムードも急降下。
それでもサポーターのボルテージは十分に高い。以下、Y野君語録を少々掲載。
もっと燃え上がろうぜ〜!!、川崎を愛しているか〜!!
そうだその調子だ。燃えて燃えて燃え盛り、ピッチに緊迫感を呼び戻すぞ。
フロンターレー、フロンターレー、
フロンターレー、オオー!!

大宮は右サイド狙い

大宮は右サイドを徹底的に突く
岡山選手が攻撃参加する度合いを
反撃の機会と狙っているのか
ここは、大宮の金澤選手(背番号23:MF)が
センタリングで活路を開く


日差しが強い影響からか、集中力が散漫な時間が多い。大宮のサイドチェンジも箕輪選手(背番号5:DF)があっさりクリアし、相手も本調子には程遠いようだ。
ただ、フロンターレの守備ももうひとつか。大宮のスピードはほどほどだが、ボール回しへの対応が遅い感じだ。
それでも大宮からボールを奪い、塩川選手が右サイドにパスを繰り出す。これが味方に渡ればビックチャンスと思いきや、そうは問屋が卸さない。
大宮は大塚選手がトップ下から左サイドへパス。受けた選手が直接シュートするも、これは大きく外れてしまう。

フロンターレも右サイドを展開するが、スピードが実に遅い。対する大宮はリズムを掴んだのか、じわじわと圧力を強め、フロンターレを攻め立てる。
ボールを細かく繋ぎ、シュートの体勢。続けてのショートコーナーは連携が乱れ、ボールは箕輪選手の足元へ。
大宮は攻守の切り替えにもたついている。チャンスだ!ここから怒涛のカウンターだ!
箕輪選手から、センターライン付近のベンチーニョ選手(背番号9:FW)目掛けて強いパスを放つ。だが、タイミングがずれたのか、ベンチーニョ選手は腰砕け。
あれが綺麗に渡っていれば、絶好のチャンスだったのに・・・。いや、フロンターレが再び速攻に転じ、大宮ゴールの右側から、低いパスが繰り出される。
至近距離から、ベンチーニョ選手のゴールが炸裂・・・。いやいや、惜しくもゴールとはならなかった。

シーンがさえぎられる

今年から1階席での観戦だが
座席に傾斜が少なく
絶好の場面が訪れると
サポーターのガッツポーズに遮られる事も
応援と撮影を両立させるポイント探しは
当面続きそうだ


大宮も怯まず反撃を仕掛ける。フロンターレも真っ向から対抗し、鬼木選手(背番号7:MF)のパスから反撃開始。
だが、これも味方に渡らず、大宮に即座に奪われた。
続けて大宮に豪快なミドルシュートを許すものの、浦上選手がパンチで凌ぐ。
場面は大宮のコーナーキックへ。ボールはフロンターレゴール正面へ迫るものの、これは加賀見選手(背番号13:MF)がヘディングでクリアし、ボールを中盤まで戻す。
大宮のチェックに苦しみつつも、じりじりと前進を図る。ミドルレンジの飯尾選手(背番号26:MF)を経由して、右サイドへスルーパスが放たれた。
しかし、これも連携が乱れてしまい、味方の選手には繋がらなかった。
ミスからの反動からか、フロンターレの攻撃は急にダウンし、DFがボールをぐるぐるとパス。
煮え切らないプレーに対し、サポーターからは強烈なブーイングが、ピッチに容赦無く浴びせられる。

盛田選手がサイドを攻める

そんな間に大宮がサイド攻撃へ
左サイドからは盛田選手が迫る
直後、右サイドががら空きとなり
中盤から村主選手が飛び出し、センタリング
センタリングはゴールラインを割り込み
ミスに救われた気分だ


全体的に緩んだ雰囲気の試合展開。フロンターレの左サイドの守りが甘く、大宮はそこを狙うパターンが、多々繰り返されている。
対する攻撃面では、大宮DFの背後を目掛けて縦パスを繰り出すが、大宮の守りも冷静に対処。
両者ともバックラインを押し上げているのか、守備に隙が多い。その割には攻撃のスピードが遅く、決定的な場面は余り訪れない。

・・・ヤバイ、村主選手に右サイドを突かれてしまう。久野選手(背番号8:MF)のマークも受け付けず、フロンターレゴール正面にセンタリングが放たれた。
大宮は更にボールを繋ぐ。盛田選手が足元を丁寧にボールを裁き、フロンターレのチェックを巧みに外す。
そして右側にパスが繰り出される。原田選手(背番号28:DF)が果敢にオーバーラップを仕掛けるも、岡山選手が懸命のスライディングで、ボールをタッチラインへと蹴り出した。
大宮はスローインからセンタリング。フロンターレは箕輪選手がヘッドでクリアし、再三のピンチから逃げ切ったか。
・・・いや、ピンチは続いている。大宮は左サイドをするすると抜け出し、危険なパスを折り返す。
試練の時間帯が続いたものの、何とか無失点に切り抜けた。それでも、フロンターレのサイドの守備の甘さが、露呈した結果となったようだ。

岡山選手のスライディング

岡山選手が懸命のスライディング
フロンターレの3バックは
ぽっかりと空間を許す事も多いようで
まだまだ課題が多いのか



応援するサポーター

フロンターレの動きは依然として振るわない
それを引き立てるのは、我々サポーターの応援だ!
・・・にしても、岡山選手のファンが
結構多い気がするのは気のせいか?


アヴァンテ〜オオ、川崎〜オオ
ララーラララーララーラ〜!!

両手をガンガン突き上げ、ピッチ上の選手を奮い立たせる。開幕から時間が僅かな為か、歌詞を間違えているサポーターも少なくない。
この応援では「川崎川崎」じゃなくて、「アバンテ川崎」が正解だ(笑)。まあ、応援はやりながら覚えれば良いし、当の私だって、結構間違える場面も多かったりして。
それはともかく、肝心の試合は今ひとつ。緊迫感の乏しさからは、依然として脱却ならない。
勢いがあるのは大宮ばかり。中盤付近から盛んに選手が飛び出し、フロンターレに容赦ないプレッシャーを与える。

対するフロンターレは、中盤の動きが冴えない限り。それでも不思議と大宮サイドへ突破を図るのだが、ゴール前の層が薄く、決定的な場面は程遠い。
逆に大宮に攻め込まれ、フリーキックを与えてしまう。ボールはファーサイドに放たれ、それを目掛けて盛田選手が飛び出しを図る。
幸運にもボールは風に流され、あっさりとゴールラインを割った。フロンターレの守備では岡山選手が一際目立つが、クリアが中途半端な場面も多く、大宮のチャンスを増やす要因にもなっているのか。
大宮との競り合いから、フロンターレにもようやくフリーキックの場面が訪れた。ボールは左サイドへと飛び出した岡山選手に渡ったものの、大宮のチェックも厳しく入り、結局はボールを奪われてしまった。
フロンターレは続けて波状攻撃へ転ずる。低いボールを盛んに繰り出すのだが、これも何か中途半端で、中々ゴールの形に持ち込めない。
大宮も中盤でのミスが多く、ぱっとしない試合展開。混沌とした現状を、誰が打破するのだろうか。

大塚選手のシュート

大宮は村主選手の折り返しを
大塚選手がミドルシュート



大宮のサポーター

ふと、大宮のサポーターに視線を移すと・・・
こ、この人数しかいない(爆)
大宮から比較的近いのに
このサポーターの少なさは何なのだぁ
(しかも相変わらず、応援が分裂したままだし)



盛田選手のシュート

・・・と、ボケボケしていると
今度は盛田選手がシュートをお見舞い
ボールタッチは柔らかで
敵にすると結構侮れない



フロンターレゴール前の攻防

大宮のコーナーキックから
空中での激しい競り合いが
こぼれ球を盛田選手が
至近距離からシュートを放つも
大きくふかして、助かった


フロンターレも一応は攻めている。大宮のディフェンスラインの背後を狙い、高いパスを盛んに繰り出す。
それでも大宮の戻りも早い。フロンターレの前線も手薄であり、決定的な場面はどうも訪れない。
中盤付近から、一瞬の隙をうかがって飛び出すシーンがあったものの、痛恨のオフサイドに阻まれる。
ロスタイム突入の前後になると、スルーパスを徹底して繰り出す。が、最後のところで大宮の守備を崩し切れず、観ている方も消化不良だ。

最後はセットプレーの場面も訪れた。それなりには攻めているも、大宮のゴールには遠く及ばず。
そんな間に前半が終了。熱狂的なサポーターが懸命に盛り上げるも、緊張感も乏しく平凡な試合内容。
う〜ん、これだけパッとしないと、何とも言い難い状況だ。

橘高校のバレーボール部員

ハーフタイムには、高校生がトラックに整列
市立橘高校のバレーボール部員で
全国大会出場を祝してのセレモニー



サポーターも応援

セレモニーを終えて、場内から去る部員に対し
サポーターもエールを贈る
全国大会での健闘を祈る
(私も高校時代は、一応バレー部員だったが
練習の辛さで、途中で放棄した過去が・・・)


さーて、後半開始だ。ぱっとしなかった前半を打破するには、燃え盛る応援だけだぁ〜
オーオオー、レッツゴー川崎〜
オーオオー、フロンターレー!

異様に盛り上がるサポーターとは相反し、立ち上がりは大宮が優位な状況。両サイドのスペースを見逃さず、ピッチを左右に広く展開。
フロンターレは大宮のリズムに戸惑ったのか、ファウルを喫して、セットプレーのピンチを迎えてしまう。
大宮のフリーキックはファーサイドに流れる。ヘディングでボールを繋ぎ、ゴール正面の選手が豪快なオーバーヘッド。
失点かと肝を冷やしたが、シュートは空振りで終わり、この危機は何とか凌ぎ切った。

フロンターレも速攻に転じて、右サイドの飯尾選手へ。大宮の奥野選手(背番号2:DF)が身構えるも、飯尾選手はスッと交わし、鋭い突破を披露する。
奥野選手が飯尾選手を引きずり倒し、フリーキックのチャンスが到来。しかし、このチャンスは生かす事無く、ボールは大宮へと渡ってしまう。
そして彰(「伊藤選手」と書くよりも馴染み深いので、そう書きます)にボールが渡る。ドリブルで中盤まで持ち込んで、フロンターレのチェックも巧みに振り切られる。
彰のボールコントロールは健在だ。引退して社業に専念するよりは、プロとしての姿が見れるのは、今の立場をもってしても、嬉しい限りである。

塩川選手のドリブル

塩川選手のドリブルに、彰が対抗
が、守備は余り得意でない点は
昔も今も変化ないようだ


フロンターレは塩川選手がスローイン。一度は大宮に戻されてしまうも、中盤でボールを奪い戻す。
右サイドの塩川選手にパスが渡る。ボールは加賀見選手を経由し、飯尾選手へと託される。
そして鋭いパスが繰り出される。ボールはマルキーニョ選手(背番号10:MF)の足元に届き、シュートの体勢だ!
ここは決定的な場面には至らずも、更に右サイドからクロスが放たれる。
ゴール正面の選手がトラップ。絶好のチャンスと思いきや、ここはトラップミスで攻撃を終えてしまう。

だが、フロンターレの勢いは確固たるもの。彰のファウルからフリーキックとなり、ボールにあわせて久野選手が飛び出しを図る。
一度は攻撃が途切れたが、フロンターレの勢いは止まらない。右側から飯尾選手が鋭く切れ込み、低いラストパスを繰り出した。
ボールはベンチーニョ選手(背番号9:FW)の足元へ。パスを受けるやためらいも無く、ボールを大宮ゴールへと蹴り込んだ。
大宮の渡邉選手(背番号1:GK)の手先をかすめ、大宮ゴールを大きく揺らす。ベンチーニョ選手の先制ゴールが見事に決まったぞ〜!

飯尾選手が切れ込む

大宮の守備には隙があった
飯尾選手がタイミング良く飛び出し
ゴールラインに沿って折り返す



ゴールを喜ぶベンチーニョ選手

ゴールシーンは、サポーターに遮られたので
ゴールを喜ぶベンチーニョ選手でもどうぞ



場内に入るサポーター

先制ゴールにサポーターも大興奮
歓喜の余り、サポーターが
場内へと入り込むシーンまで


サポーターも俄然盛り上がる。今年からの新応援歌が、熱気を帯びて響き渡る。
オーオオオー、LOVEかわさきー、
俺たちと共に行こうぜ〜
オーオオオー、LOVEかわさきー、
ラーララーラララララーラララ・・・
俺たちの想いは〜、誰よりも熱く〜
に、光ると共に〜、
Football Together かわさきー

選手たちも動きもきびきびだ。中盤からのパスにあわせて、ベンチーニョ選手が突破を図る。
大宮の選手も懸命にまとわりつき、シュートを辛うじて食い止めた。それでも失点を喫した動揺からか、大宮の守備はかなり揺れている。
大宮のクリアボールも中途半端で、フロンターレが容易く奪取する場面も。大宮も右サイドを大きく展開するも、フロンターレの守備は冷静にクリア。
大宮は両サイドから活路を見出そうとするが、フロンターレの守備は乱れない。シュートコースを的確に防ぎ、決定的なパスを絶対に許さない。

小阪選手のシュート?

大宮は小阪選手がシュート(なのか?)
フロンターレは大宮の選手に対するマークが的確で
決定的なピンチには至らない


大宮の攻勢も執拗に続く。右サイドで粘りを効かせ、逆サイドにボールを叩いて来た。
バックラインから岡本選手(背番号5:DF)が飛び出す。フロンターレの守りに隙が生じ、大宮のセンタリングを許してしまう。
これは伊藤宏樹選手(背番号2:DF)がヘッドでクリアするも、続けてフリーキックのピンチ。フロンターレはここも守り抜き、中盤までボールを戻す。
大宮は攻守の切り替えが遅く、ここはカウンターのチャンス。しかし、ベンチーニョ選手のポジショニングが悪かったのか、決定的なパスは生まれなかった。

ベンチーニョ選手の空中戦

ベンチーニョ選手が大塚選手と空中戦
こうやって見ると、彼の身体能力は
半端じゃない事が認識させられる



飯尾選手が倒された

フロンターレは中盤からスルーパスが
飯尾選手に渡って鋭く突破したところを
原田選手と接触して転倒
ここはプレーが続行し、惜しくもファウルには至らず


フロンターレはリードに甘んじているのか、中盤の動きが鈍い。大宮は右サイドを果敢に駆け上がり、クロスを放ってプレッシャーを与える。
フロンターレも黄川田選手(背番号16:FW)を投入し、停滞する選手たちに活を入れる。直後フロンターレは反撃に展じ、久々のコーナーキックが巡って来た。
このセットプレーは敢え無く失敗し、逆に大宮の速攻を食らってしまう。右サイドの突破に慌てたのか、ファウルを与えてフリーキックのピンチに。
大宮の選手がボールをセットし、3人が静かに身構える。一体誰が、ボールを蹴るのだろうか?

・・・と、至近距離の選手が豪快にシュート。幸運にもこれは大きくコースから外れてくれた。
大宮の決定力が乏しいさに、素直に救われた気分だ。
フロンターレも散漫さを吹き飛ばすが如く、積極的な反撃に転ずる。大宮も負けじと対抗し、両者中盤を飛ばした攻防が続く。

久野選手が飛び出す

フロンターレは久野選手が
縦パスにあわせて抜け出すも
ちょっと距離が長過ぎたか


試合状況は混沌となりつつある。両者共に緻密さが物足りない。
フロンターレはベンチーニョ選手にパスが通る。大宮の選手に取り囲まれるも、迷う事無くシュートを放つ。
大宮ゴールから距離があり、惜しくも枠には入らなかった。大宮も左サイド奥深くに、盛田選手が切れ込む。
フロンターレは伊藤宏樹選手が追い付いた、熾烈な競り合いの末、伊藤選手がクリアに成功。
ボールは中盤に戻されるが、大宮がボールをキープ。ここまではいつもと変わらぬ、平凡な場面であった。

・・・と、突如状況は急展開。フロンターレのプレッシャーに慌てたのか、大宮が中途半端なバックパス。
パスの勢いが弱く、ボールは宙に浮いている。大宮のDFは足が止まり、ボールを呆然と見送るのが精一杯。
大宮ゴールはがら空き同然だ!黄川田選手がそれを見逃がさず、ボール目掛けて猛然とダッシュ。
大宮もGKの渡邉選手が懸命に飛び出すも、黄川田選手が一瞬早かった。渡邉選手と接触しつつも、体勢を崩しながらシュートを放つ。

もはや障壁は何も無かった。ボールは、無人のゴールへ軽く転がる。
突然訪れた2点目に、サポーターも大興奮だ!
けんじゴール〜、けんじゴール〜
きかわだきかわだ、けんじ(ゲット?)ゴール!

黄川田選手のシュート

大宮にまさかのミスが
中途半端なバックパスは誰にも届かず
黄川田選手が奪ってシュート



ポーズを決める黄川田選手

シュートを決めた黄川田選手が
サポーターの前で満面のポーズ
なお、後方で倒れる渡邉選手は
担架で搬出され、そのまま負傷退場


これで俄然と優位な状況だ。大宮も執拗に反撃を試みるが、2点リードともなれば、フロンターレの守備も安泰なるもの。
堅い守りで着実にピンチを凌ぐ。フロンターレの攻撃はカウンター狙いで、もはや決して焦らない。
右サイドからは塩川選手が果敢にサイドアタック。ワン・ツーを交えて積極的に飛び出し、大宮の守備を切り崩しに掛かる。

大宮も必死に反撃する。速攻から鋭いセンタリングを繰り出し、豪快なシュートを放って来た。
これは岡山選手がゴールラインへと逃す。続けて大宮のコーナーキックが襲うが、フロンターレはゴール前をしっかりと固め、大宮にシュートの隙を許さない。
フロンターレも左サイドから中盤へ。途中交代の林選手(背番号19:MF)が右サイドを積極果敢に飛び出し、得意のクロスボールを繰り出した。

林選手のクロス

小阪選手のチェックもなんのその
林選手が鋭いクロスを放ち
大宮の守備を慌てさせる


試合時間も残り僅か。大宮の前線は連帯が乱れ、焦燥感は誰の目にも明らかだ。
大宮は個人で強引に押し込む場面が続発。組織性が崩れた攻撃に対し、フロンターレの守備は何も恐れを知らない。
フロンターレも中盤からパスが繰り出される。ベンチーニョ・黄川田選手が飛び出し、とどめの3点目をゲットするぞ!
大宮もセットプレーから最後のチャンスが訪れるが、この攻撃も実らない。ロスタイムは4分と長時間ながらも、サポーターは勝利を確信し、賛歌が響き渡る。
大宮の攻撃は空回りの一途。後は時間が流れるのを、ゆっくりを待ち侘びるのみ。
程なく主審の長い笛が鳴り響き、試合終了。大宮を零封し、今季初勝利を挙げました。

勝利を確信したフロンターレサポーター

後は勝利を確信するのみ
拳を堂々と掲げ、勝利の賛美歌が響き渡る



今季初勝利!

今季初勝利は、堂々の完封
選手たちにも笑顔がこぼれ
穏やかな雰囲気に覆われる



コールに応じる岡山選手

サポーターの歓声に応じる岡山選手
プラカードを掲げた子どもに笑顔で答えるなど
サポーターへの対応も満点だ
ファンが多いのも、うなづける


いやいや、勝利は嬉しい限り。時節の福岡戦に向け、良い足掛かりとなりました。
確かに本調子からは全然遠いと思うが、勝利が何よりの良薬。試合を重ねるごとで、ペースを上げれば良いだけの話。
44試合の長丁場ともなれば、勝てる時に確実に勝つのが大切だ。試合内容も大切なのは当然としても、J1復帰のためには、確実に勝ち点を稼ぐこと。
昨年の長丁場を体験し、選手達も成長した。満足感が自然にわき上がり、競技場を後にするのでした。

ピッチを去る伊藤選手

閑散とした大宮のゴール裏では
彰が静かにピッチを去ろうとしていた
時折思い出したように
後ろを振り返っていたのが印象的だった
愛着があるフロンターレと対戦した心境は
如何なるものだったのだろうか


<フロンターレの出場メンバー>
GK:浦上
DF:岡山・伊藤(宏)・箕輪
MF:鬼木・塩川・マルキーニョ・加賀見・久野
FW:ベンチーニョ・飯尾
SUB:吉原・マルコ・今野・林・黄川田
<フロンターレの選手交代>
加賀見>林(64分)
飯尾>黄川田(68分)



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