川崎フロンターレ VS SC鳥取

〜 第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦 〜



日   時 2002年12月8日 13:00
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 曇り
観 客 数 1,885人 (リーグ戦の1/3)
試  合  結  果
川    前  半 S C 鳥 取
後  半
     
     
     
得   点   者
茂原 岳人 0分      
我那覇 和樹 9分      
我那覇 和樹 46分      
アレックス 53分      
黒津 勝 82分      
塩川 岳人 89分      


天皇杯1回戦を大勝のフロンターレ。ホーム等々力での第2戦は、鳥取代表のSC鳥取。
相手の実力は全く未知数。判明点は昨年からJFLに加入している事だけだ。
普段の力を発揮すれば、確実に勝てる相手と想像。今年最後の等々力開催、しっかりと勝利をおさめて3回戦に駒を進めたい。

冬の等々力

等々力は寂しげな姿
周囲の木々も落葉を終え
すっかり冬支度を整えていた



閑散とした競技場

場内は驚く程の閑散さ
天皇杯の試合だと、毎度こんなものです



掃除部隊

泥水で汚れた座席を清掃する
川崎華族のメンバー
モップを持ち出したり等、結構本格的だ



応援開始

程なくサポーターが終結し、応援開始
心配された雨もあがり
寒さもさほど厳しくなく
まずまずのコンディションだ


閑静な雰囲気の中、試合開始のホイッスル。JFL相手の90分、如何なる勝負を挑むのか。
オオオーオオオオオー
フォルツァ、フローンタレー

観客席にカメラを構え、先ずは応援風景を撮影・・・。あらら?カメラを構える間も無く、サポーターから歓声が沸き起こる。
振り向くとフロンターレが先制点を決めた直後であった。試合開始からまだ1分も経過していない。
誰がゴールを決めたのか?付近の人に質問されるも、早業に私自身知る由も無い。
オーロラビジョンで確認すると、得点者は茂原選手(背番号14:MF)。ラストパスを受けるや、相手GKの元田選手(背番号51)を冷静に見計らい、股抜きシュートを決めていた。
疾風怒涛の先制ゴールに、サポーターも予想外の表情。それでも観客席は歓喜に浸り、良い雰囲気である。

先制ゴールを決めた茂原選手

満面の笑みで祝福される、茂原選手の姿


こうなればフロンターレが実力差を披露。ショートコーナーからマルキーニョ選手(背番号10:MF)が鋭いクロスを放ち、鳥取も守勢を強いられる。
フロンターレは早々と余裕の試合運び。いや、鳥取のスピードも予想外に速く、まだ油断は禁物。
ディフェンスの細かいミスに付け入り、鳥取が積極的に進む姿勢。フロンターレのパスをカットするや、強烈なミドルシュートを繰り出した。
序盤の癖故か、フロンターレにコントロールミスが目立つ。吉原選手(背番号17:GK)のゴールキックも相手選手の正面に落ちる等、守備面での不備は否めない。

対する攻撃面は絶好調。中盤付近から鮮やかなパスが、左サイドの塩川選手(背番号15:MF)へと見事に渡る。
鳥取のロングパスがラインを割り、フロンターレが猛反撃。瞬く間に鳥取ゴールへと迫り、我那覇選手(背番号27:FW)の一撃。
開始10分でリードは2点。これ以降の試合運びに、大いにゆとりが生まれそうだ。

ゆとりのサポーター

これだけ楽な展開だと
サポーターもゆったりと応援
各所から軽口が飛び出し
もはや勝利同然のムード


リスタート後も一方的状況に変化は見られない。鳥取サイドでのプレーが延々と続く。
フロンターレのコーナーキックも、サポーターは余裕しゃくしゃく。「相手のボールでいいよ〜」と、リーグ戦では有り得ない雰囲気だ。
だが、鳥取のセットプレーは高精度。小原選手(背番号21:DF)のキックもピンポイントで、プロと比較しても遜色レベル。
けれども鳥取の反撃は短時間で終わる。フロンターレの攻撃時間が圧倒的に長く、鳥取はロングパスで活路を見出す。
しかし、鳥取のパスは強過ぎた。ボールが繋がる前に、ラインを割るのが関の山。
鳥取の守備陣も慌てているのか、不安定さが続々と露呈。バックパスをフロンターレに奪われ、失点の危機から脱しない。

鳥取の攻撃

一方的な展開からか
フロンターレの守備面では心の油断が
鳥取のプレッシャーに慌てたのか
渡辺選手(背番号30:DF)のクリアが鳥取の選手に
鳥取のスルーパスが(背番号18:FW)に渡り
吉原選手と一対一のピンチの場面



メガホン破壊

応援の弾み?で、メガホンの電池蓋が吹き飛んだ
周囲に乾電池が散乱し
あたりは一時騒然



岡山選手の守備

そんな間にも試合は着々と進む
岡山選手(背番号32:DF)の
高い守備も、鳥取には脅威


この時間帯は鳥取が優勢だ。スピードを生かした攻撃で、フロンターレに付け入る隙を与えない。
ドリブルで繋ぎ、鋭いクロス。フロンターレの守備も集中力が高まらないのか、鳥取の優位さに加担する。
岩田選手(背番号17:MF)のフリーキックも高品位。前線の選手の頭を見事に捕らえ、実力の一端をうかがわせる。
観客席は相変わらずの余裕ぶりで、サポーターの応援も軽快そのもの。そんな間にもフロンターレはチャンスを掴み、我那覇選手がフリーでシュートを放つ。

メガホン破壊?

あれあれ?またメガホンを壊すつもり?


鳥取は徹底したカウンター戦術。正確なパスを盛んに繰り出し、得点への意欲は十分だ。
スピード面でも結構優れている。JFLで鍛えられた実力は、誰の目にもうかがえる。
フロンターレは守備面で課題が残る。吉原選手のゴールキックは鳥取の選手に行き渡り、守備陣が慌ててファウルを犯す。
鳥取の鋭いフリーキックが、フロンターレゴールを確実に捕らえる。ボールは吉原選手が空中でキャッチするも、油断なら無い場面であった。
サポーターからも余裕の表情が失せ、本格応援を再開。両腕を懸命に天に突き上げ、選手達を鼓舞させる。
アヴァンティーおお、川崎〜オオ
ララーラララーララ〜ラー

フロンターレが優位

とは言え、試合全体からすれば
フロンターレの優位は明らか
鳥取の攻撃を断ち切るや
一方的展開に流れを戻す


前半もリードで折り返しそうだ。サポーターの表情にも余裕が戻り、「負けてんだぞ!まだ」と迷言が飛び出す。
鳥取は長いステップのドリブルで反撃。ミドルレンジから鋭いパスを繰り出すが、その先には味方が不在である。
残り時間を僅かに控え、フロンターレの攻勢は加勢の一途。マルキーニョ選手が決定的なチャンスを掴むや、面白いように鳥取サイドへとボールが飛び交う。
鳥取のクリアも小さく、鬼木選手(背番号7:MF)の正面。すかさずシュートを放ち、観客席を沸き立たせる。

この展開のまま、程なく前半を終了。リードは2点に留まるが、フロンターレの優位は確固たるもの。
後半も更に奮起し、大量得点を期待したい。

鬼木選手の攻撃

鬼木選手が軽快なステップ
彼の攻撃機会が増えれば
フロンターレが優位な証である



フロンターレのフリーキック

前半終了間際に訪れた、絶好のフリーキック
マルキーニョ選手とアレックス選手が
じっとボールを見据える
果たして、誰が蹴るのだろうか



絶妙のキックが決まる

ボールを蹴ったのは、アレックス選手
ボールは壁の上を通過し
ゴール付近で急降下
元田選手も懸命のパンチで、失点を免れた


ハーフタイムもゆっくりと時が流れ、後半開始のホイッスル。我那覇選手のコールと共に、試合は静かに再開する。
最前列のサポーターははしゃぎまくり、試合を存分に楽しんでいる。この勢いがピッチに伝わったのか、待望の3点目が早々に到来。
アレックス選手のフリーキックのこぼれ球を、我那覇選手がシュート。ボールは鳥取ゴールへと、鮮やかに吸い込まれる。
開始直後の追加点に、サポーターも上機嫌。これで勝利はより現実味を帯びてきた。

我那覇選手のシュート

我那覇選手(鳥取の背番号19と6の選手の間)が
遠慮無用の一撃を放つ
ボールは鳥取ゴールへ吸収された



喜ぶサポーター

開始直後のゴールに、サポーターも喜び溢れる
後は何得点挙げられるかが、興味の的だ


得点後も主導権はフロンターレ。密集地帯から隙間をぬって、滑らかなパスが前線へ。
そのパスにあわせて一気に前進。右サイドのフリースペースにパスが繋がり、伊藤宏樹選手(背番号2:DF)もオーバーラップで観客席を沸かせる。
鋭いクロスが繰り出され、鳥取ゴール正面のマルキーニョ選手へ。シュートは惜しくも決まらぬが、聞き覚えのあるコールが響く。
マールキーニョゲットゴール、
マールキーニョ〜
マールキーニョゲットゴール、
マールキーニョ〜

ベンチーニョダンスならぬ、マルキーニョダンス。ベンチーニョ選手が帰国しようと、肩を組んでのダンスは健在。
「お前らホント好きだよなぁ〜」、コールリーダも半ば呆れつつ、応援は一層盛り上がる。

マルキーニョ選手

伊藤宏樹選手のクロスから
マルキーニョ選手が右足を振り抜く



マルキーニョダンス

皆様、このダンスがお気に入りのようです


ここまで一方的になれば、細かい説明も面倒くさい。林選手(背番号19:MF)が鋭く駆け上がり、我那覇選手も盛んにシュートを浴びせる。
鳥取も守備一辺倒でリズムが崩れ落ちる。直後ぽっかりとスペースが生まれ、アレックス選手がドリブルで独走態勢。
元田選手もあっさりとかわし、無人のゴールに軽く蹴り込む。ゴールへの障害は何ら介在せず、あっさりと4点目をゲット。
勝利はほぼ100%確実。鳥取も決して弱くは無いが、フロンターレの実力は揺ぎ無い。

アレックス選手のゴール

アレックス選手が独走から決めた一撃
鳥取も成す術が無く、天を仰ぐのが精一杯



我那覇選手

大量得点にもフロンターレに抜かりは無い
林選手が果敢な突破を見せ
我那覇選手も効果的なパスを繰り出す
アレックス選手の機敏さも特筆
サポーターも惜しみない拍手を送る



マルキーニョ選手のシュート

マルキーニョ選手が鋭い一撃
これだけ見ると素晴らしいプレーに見える
しかし、この前に茂原選手へと
決定的なボールが渡ったのにも関わらず
マルキーニョ選手へアシストしたのが真相


シュートを放たなかった茂原選手に対し、多くのサポーターからは不満の声が。それでも余裕のブーイングを出すあたり、余裕の表れであろうか。
ピッチ上の選手にはゆとりが溢れ、普段お目にかかれないプレーも。岡山選手が珍しいドリブルで、大好きな攻撃参加。
鳥取の選手を巧みに振り切り、シュートで締めくくる。ちゃんと守備をこなせば、どうぞ攻めてください、ハイ。
鳥取は左サイドのタッチラインギリギリのボールに追い付き、一気に前進。鋭いクロスから最後はシュートを放つ。
鳥取の懸命さもキラリと光る。フロンターレに是非とも一矢報いたい。

おや、応援に新たなフレーズが。コールリーダ氏が小声でつぶやいて、新応援の準備中。
「これからはじまる川崎攻撃、何点入るかわからない・・・」
原曲はアルプス一万尺のようだ。メガホンから小声が発せられ、盛大に応援スタート。
さあ、アルプス一万尺のリズムで、皆様もパソコンの前で歌ってみよう!
これからはじまる川崎攻撃
何点はいるか分からない〜〜〜イェ!
オーオオオオオオオ、オーオオオオオオ
オーオオオオオオオ、オオオオオ〜

新応援

この日限定の応援が飛び出す
写真は指パッチン?バージョン


その間は鳥取が優勢であるも、直ちにフロンターレが主導権を取り戻す。
ゆっくりと余裕のパス回しで、じわじわと体制を整える。それも僅かな時間に過ぎず、フロンターレは一気に圧力を高める。
鳥取は一転して窮地に陥る。林選手が低重心のドリブルで、鳥取を盛んに脅かす。
フロンターレはガンガン攻め立てる。左右のスペースを有効に用い、鳥取ゴールに急迫する。

ゴール正面から至近距離で、渾身の一撃!。元田選手の弾き返したボールから、容赦ない一撃!!
雨あられのシュートを打ち込むが、鳥取も必死の防御。得点を中々奪えないフロンターレに、サポーターも少々欲求不満。
ここで新応援歌が飛び出した。歌詞だけからすれば不満な内容だが、裏返せば余裕の証でもある。
さあ、今度は日本代表応援歌、アイーダのリズムでどうぞ!
オオオー、オオオオ・オ・オ、オオオオーオオ
決めてくれ!オオオ、オオオ、オオ〜

フロンターレの猛攻

フロンターレが猛然と鳥取ゴールを襲う
その厳しさは今季一番と錯覚するほど
鳥取もボロボロ寸前のディフェンスながら
満身創痍の守備でゴールを許さない


フロンターレの猛攻は一向に止まらない。今野選手(背番号18:MF)が得意のドリブルで、鳥取ゴール正面へぐいぐい迫る。
続けてボールは黒津選手(背番号24:FW)。フリーの体勢でシュートを放つも、ボールの芯を叩けない。
鳥取のミスに乗じ、我那覇選手がスライディングでシュート。鳥取もようやく反撃と思いきや、それも一瞬で途切れてしまう。
フロンターレは一気の大逆襲から、最後は黒津選手。鳥取は守る術も無く、5点目のゴールが鮮やかに決まる。

喜ぶサポーター

等々力での5ゴールは、今季最高得点
サポーターも十二分に満足だろう


これだけゴールが決まれば、満足の一言だ。いや、ピッチ上の選手達に、驕りのかけらも微塵も感じない。
今野選手が鮮やかなロングパス。守備面でも鳥取の山崎選手(背番号7:MF)を茂原・小林選手(背番号21:FW)が封じ、誰もが納得の守りである。
後は小林選手が決めるだけ。今季限りの小林選手コールが盛大に響く中、豪快なミドルシュートでサポーターに応える。
鳥取も右サイドから起死回生の一撃を放つが、時既に遅し。サンバのリズムが盛大に響き渡り、勝利はもう間近。
終了直後に塩川選手(背番号15:MF)がおまけのゴール。鳥取を6点差で下し、プロの貫禄を遺憾なく発揮しました。

塩川選手のゴール

塩川選手が試合を締めくくる一撃
大量得点に、サポーターも大満足



挨拶する選手達

サポーターの掛け声にあわせ
選手一同手を挙げて応える
次の対戦相手はJ1の神戸
この勢いで神戸を打ち破るぞぉ〜



ベンチーニョダンス

サポーターが肩を組んで
ベンチーニョダンスFINAL
その声を岡山選手が聞きつけ・・・



岡山選手

「今日でマーロン選手が最後だから
応援願う」
と、サポーターの元に駆け寄る
血の熱い岡山選手の、粋なはからい



マーロン選手のコール

ならば応えるのが、サポーターの使命
盛大にマーロン選手のコール
「レッツゴーマーロン、マーロン〜イェィ」



マーロン選手

しばらくすると、マーロン選手が登場
最後の挨拶に応じてくれた



メガホンにびっくり

メガホンを手渡され、びっくりのマーロン選手
メガホン片手に、サポーターに感謝の言葉を述べる



最後の挨拶

サポーターからマフラーをかけられ
感無量の面持ち
ありがとう、マーロン選手
早く怪我を治して、今後の活躍を祈ります



笑顔のマーロン選手

おまけの一枚、子どもを抱え
笑顔のマーロン選手



ベンチーニョダンス真のFINAL

正真正銘、最後のベンチーニョダンス(のはず)
名残惜しそうに踊るサポーター



三本しめ

最後は労をねぎらい、三本締め
長い一年間、本当にお疲れ様
来年こそ悲願のJ1昇格
その前に天皇杯優勝!昨年のベスト4を上回れ


等々力でのホームゲームも今年最後。長かった一年間も振り返ると実に短く、つい昨日の出来事のような気がする。
来年の3月まで、等々力とはお別れ。また合うその日までさようなら。
・・・て買い手も大げさだ。川崎に住んでいるのだから、またいつでも行けるか。

<フロンターレの先発メンバー>
GK:吉原
DF:岡山・渡辺・伊藤(宏)
MF:鬼木・茂原・塩川・林・マルキーニョ
FW:アレックス・我那覇
SUB:浦上・佐原・今野・黒津・小林
<フロンターレの選手交代>
マルキーニョ>今野(59分)
アレックス>黒津(75分)
我那覇>小林(84分)



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