仙台スタジアム周囲は、いつもの黒山の人だかり
七夕まつりの最終日と、客足面で不都合な日と思いがちも
地元サポーターの心はベガルタ一心
スタジアムの満員を予感させる
スタジアムに到着後、撮影場所のチェック
が、前回対戦時に重宝した緩衝地帯は
完全に立ち入り禁止となってしまった
狭いアウェイ側だけに、場所の確保に頭を悩ませた
空席が目立ったホーム側も
気がつけばオレンジ一色に染まる
かなり慣れたとは言え、仙台サポーターの声援は実に脅威
J1昇格争いに残るべく、必死の戦いを挑むであろう
対するフロンターレサポーターも手厳しい
仙台の選手紹介に際し
氏名が呼ばれるたびに、激しいブーイングの嵐
前回対戦時の屈辱があるだけに
気持ちの乗り具合は、いつものアウェイとは異質の次元
激戦の時は直前に迫る
狭い一角はバンデーラ（長い青い布）で埋め尽くされ
サポーターの気合も高まった
熱い声援と拍手の中、試合開始のホイッスルが響く
サポーターの気迫とは裏腹に、両者様子見の立ち上がり
かと思いきや、仙台がホームの利を生かし
積極的なパス回しから、強烈なミドルシュートを放つ
仙台は右サイドを、財前選手（背番号10：MF）が攻め立てる
対するフロンターレは、久野選手（背番号8：MF）が応対
クロスボールを体に当て
更にはうまく体を入れ替え、こぼれ球を見事に奪取
ああ、この守備センスがサハラにもあれば・・・
仙台の攻撃なおも続き、コーナーキックから
ヘディングシュートを放たれる
シュートは幸いにも、吉原選手（背番号17：GK）の正面
その後は写真のように、フロンターレはDFラインでボールを回す
反撃の機会を見極めているのか
このような消極性では、試合の主導権は奪えない
仙台の小気味の良いパスワークから
再びミドルシュートを許し、フロンターレに好機は到来しない
ここでは、伊藤宏樹選手（背番号2：DF）が
仙台の佐藤選手（背番号11：FW）の突破を防いだものの・・・
仙台の攻撃の多彩さに、フロンターレの守備は一向に落ち着かない
ああっ！フリーの佐藤選手にパスが通ってしまう
振り向きざまに鋭い一撃、仙台に痛恨の先制ゴール
・・・と一度は観念したが、幸運にもオフサイドで命拾い
一瞬沈黙のサポーターも、副審のオフサイドフラッグを見るや
熱い応援を即座に再開
サポーターの数では仙台に劣るのは当然にしても
勝利に対する執念は勝るに劣らない
フロンターレの反撃は散発的で、時間帯も限定される
中央を突破し、アウグスト選手（背番号4：MF）から
左サイドのマルクス選手（背番号11：MF）にパスを供給
マルクス選手はシュートを放つものの
仙台ゴールには届かなかった
対する仙台は、組織的な攻撃が光る
コーナーキックから高い打点を生かし
鋭いヘディングシュートが炸裂
ベルデニック監督の組織力重視のサッカーが
ようやく浸透が進んだ証拠であろうか？
その後もクロスからシュートを放つなど
フロンターレゴール付近での攻防戦が続く
フロンターレはどうも攻めあぐねているのか
得意の積極性が影を潜める
中村選手（背番号14：MF）も
思い切ったプレーが控えめで、面白みに欠く展開だ
試合の流れが変わる前に、撮影位置を何度も移動
しかし、どうしてもマシな写真が撮れない
観客席が狭く、撮影の自由度の制約も原因だが
どうもシャッターが重く、ボタンの押した際の歯切れが悪い
数万枚撮影をした事だし
そろそろシャッターユニットの交換時期か？
・・・と、その直後にピッチで異変が走る
仙台ゴール前でプレーが中断
仙台サポーターのブーイングの嵐の中を
ジュニーニョ選手が何故かゆっくりと走り
両腕を天に伸ばして歓喜のポーズ
一瞬状況が理解出来ぬものの
それはジュニーニョ選手が決めた先取点
ゴールを確認したサポーターは
沈黙から開放されるや、喜びを爆発させた
超アウェイの仙台も、フロンターレがようやく主導権を握る
・・・筈も無く、リスタート後も攻撃のリズムは悪いまま
ジュニーニョ選手の背後から
森川選手（背番号19：DF）が潰しに掛かり
仙台の徹底マークに苦しめられる
その後も試合状況に、優位な変化は見られない
フロンターレもセットプレーのチャンスを掴むなどしたが
どれも好機に恵まれず、追加点の気配は薄いまま
状況は混沌としたまま、前半を終了
サポーターは高度な緊張感を保ち
後半の試合開始を静かに迎える
色とりどりのゲートフラグが掲げられ
勝ち点3への執念を強くアピール
フロンターレは早々にフリーキックのチャンスが到来するも
アウグスト選手の強烈な一撃は、クロスバーに弾かれた
その後は両者互角の展開
中盤では壮絶な空中戦が演じられた
後半も何度か撮影場所を移動
観客席上部から、サポーターを見下ろしての撮影
狭い一角は、等々力のGゾーンを髣髴させる密集度
仙台独自の雰囲気も加味され
ゴール裏の熱気は更に上昇
ジュニーニョ選手に対し、仙台は3人で止めに入る
得意の突破力もこれでは通用しない
攻撃の機運が今一歩高まらない要因のひとつか
カンチカメラマンは、観客席を更に移動
応援に必要不可欠な、軽快かつ鮮やかな打音は
彼らの積み重ねられた努力が生み出している
さて、ピッチに目を戻そう
場面はマルクス選手のフリーキック
ボールを放ったその先には・・・
後方からアウグスト選手が突進を図る
仙台の守備はフロンターレのFWに集中力を裂かれたのか
アウグスト選手へのマークが甘かった
ほぼフリーの体制から放たれた一撃は
仙台ゴールを深くえぐる
待望の2点目に、アウグスト選手は大興奮
写真には無いがユニフォーム下より
「イエス キリスト」直筆入りのアンダーシャツをお披露目
他の選手がピッチに戻ろうとしても
小躍りで喜びをあらわにする
それにあわせて、サポーターも大満足
前回対戦の屈辱を晴らす時が、ついに到来
勝ち点3への執念は燃え盛り、応援は一層ヒートアップ
苦境に立たされた仙台は、強引な中央突破を敢行
フロンターレからボールを奪うや
狭い空間を素早く繋ぎ、前進を図る
仙台のまさかの対応に、不意打ちを受けた
フロンターレディフェンス慌ててしまい
ラフプレーが続出、伊藤宏樹選手が警告を受ける
苦境に追い込まれたのは、観客席のサポーターも然り
フラストレーションが蓄積したのか
木村選手が負傷し、担架で搬出されるや
木村選手目掛けて水が飛び
ペットボトルと思しき物体まで投入された
正直、これはマナー違反で遺憾の念
（ウチもたまに同様になるので、大きな口叩けないが・・・）
2点リードを保ったまま、後半は終盤へ突入
フロンターレは黒津選手（背番号24：FW）を投入
疲れが見え始めた仙台を、かき乱す作戦か
フロンターレの攻撃意欲は衰えを知らない
マルクス選手がラストパスを放ち
ジュニーニョ選手が前線に飛び出す
ブラジルトリオの華麗なる演出は
高桑選手（背番号22：GK）の飛び出しに封印するが
2点リードも手伝い、勝利がほのかに見えてきた
スタジアムを支配する異様な雰囲気とはよそに
関塚監督は平静さを保つ
後半も間もなくロスタイムに突入
采配面での変化も見受けられず
監督も勝利を確信したのであろうか
そう、その後訪れる「悪夢」を
誰も予想できぬままに・・・
「悪夢」は余りに突然で
他に適当な表現技法が浮かばない
出来事だけ述べれば、ロスタイムに佐藤選手の一撃が決まり・・・
応援も止まらぬまま、リスタート直後
再び佐藤選手の一撃が決まってしまった
一瞬の間の2失点で、まさかの同点劇
これを「悪夢」として、他の表現が適当なのだろうか
スタジアムに仙台サポーターの絶叫が乱舞する中
無情にも試合終了を迎えてしまった
最後の最後での転落を、何と結論付ければいいのか
強いて述べれば、試合はドローで負けてはいない
終了直後は呆然としたサポーターも
最後は暖かい拍手で選手を出迎え
選手もそれに応じ、観客席間際まで挨拶に訪れてくれた
J1昇格を目標とした選手・サポーターの
信頼関係は確固たるもの
それだけは確実なものと確信した