今年も天皇杯の季節が到来、J1勢は4回戦からの参戦となる
JFLの佐川急便東京SCを迎え撃つ等々力のピッチには
センターサークルに不思議と鳩が群れを成す
企業チームの佐川急便であるが、アウェイ側に人影を確認
純粋なサポーターというよりかは、社員が正解なのだろうか
天皇杯となると観客数の減少に悩むものの
熱心に足を運ぶサポーターはその限りではない
Gゾーンの中心からゴール裏にかけ、サポーターが帯を成す
（もっともGゾーンの隅は閑散としていたが）
さぁ、待望のキックオフ、フロンターレはほぼベストメンバー
勝負への意気込みが感じられるのは、実に喜ばしい限り
佐川はかつては名古屋グランパスを大差で下した曲者
実力差は明らかであるものの、油断は禁物
勝利を目指し、熱き応援がスタート
アーレ〜、アーレ〜、アーレー、フロンターレ〜
アレ〜〜、アレアレ〜、アーレー、フロンターレ〜
自力に勝るフロンターレ、早速佐川に先制攻撃
右サイドを深く切れ込み、ジュニーニョ選手が狭い角度からシュートを放つ
佐原選手（背番号3：DF）も積極的にプレスを仕掛ける
中盤から空中戦に挑み、佐川に試合の主導権を渡さない
早くも攻勢を強めるフロンターレ
だが、佐川の最終ラインも冷静に待ち構え、ボールを奪取
続けて速攻から反撃開始、易々と侮れる相手ではなさそうだ
佐川の大久保選手（背番号23：FW）が
フロンターレの隙を見逃さず、中央突破を図る
中盤の空中戦はフロンターレが優位な反面
佐川のスピードに対し、どうも反応が鈍い
直後、アウグスト選手（背番号4：MF）ファウルを犯してしまう
主審がすかさずイエローカードを掲出
序盤での警告は実に勿体ない、リーグ戦の影響も心配される
セットプレーの危機到来に、声援にも力が入る
佐川がどんな攻撃を仕掛けるのか興味を覚えたが
この場面はミスキックに終わり、フロンターレのゴールキックで試合再開
実力差では明らかにフロンターレが勝るのだろうが
佐川の積極性を前に、フロンターレの守備は精彩を欠く
守備も距離を開け過ぎる嫌いがあるのか
佐川から思ったようにボールを奪えない
反面、攻撃はまずまずのリズム
テクニックでは佐川を圧倒、巧みに繋ぎ左へと展開
アウグスト選手の粘りから、フリーキックのチャンスを得たフロンターレ
続けてコーナーキックから佐川に圧力を加えるものの
セットプレーの詰めは甘く、先取点には至らない
やがて佐川が反撃開始、左サイドにロングパスを供給
この場面は森選手（背番号25：MF）が、猛ダッシュで追いかけ
ボールをゴールラインへと逃がす
試合開始から15分以上は経過しただろうか
フロンターレのリズムは依然とぎこちなく、攻め切れない場面が続出
全体的に集中力も欠いているのか
一瞬の油断から、大久保選手に突破を許してしまう
大久保選手の危険なパスが、堀選手（背番号22：FW）へと渡ってしまった
佐原選手が慌てて戻るものの
捨て身のスライディングは及ばず、シュートを許してしまう
相澤選手（背番号28：GK）のセーブも届かず
堀選手のシュートが、フロンターレゴールに吸い込まれてしまった
佐川にまさかの先制点を献上してしまうとは・・・
よもやの失点に、場内はどよめきを隠せない
だが、この失点で応援の眠気は覚めたのか
声援に鋭さと緊張感が一気に増した
さぁ、ここから同点に追いつくぞ！
オ〜〜〜、フロンターレ〜
オ〜〜〜、川崎オオ〜〜〜
ピッチ上の選手達も尻に火がついたのか、佐川を猛然と攻め立てる
だが・・・、天皇杯独特のリズムの悪さは残っている
我那覇選手（背番号9：FW）が
富山選手（背番号3：DF）の顔を何故かわしづかみ
それでもジュニーニョ選手（背番号10：FW）の調子は徐々に上昇
佐川の厳しいマークに遭遇するも、最後はシュートで締めくくる
先制点を決めた佐川だが、攻撃意欲はなおも旺盛
フロンターレのオフサイドをばねに、一気に逆襲を狙う
フロンターレも伊藤選手（背番号2：DF）が空中戦に対応
不安要素が残る中、佐川の反撃を食い止める
だが、フロンターレのリズムはなおも乱れがち
相手に波長を合わせる悪い癖が、どうしても修正されない
攻撃も連携ミスが目立ち、守備もプレッシャーが弱く
佐川の勢いを断ち切るには及ばない
一旦は佐川に攻め込まれるも、フロンターレも何とか反撃に移る
リズムが乱れつつも、外国人を主体に深く攻め込む
最後は混戦からマルクス選手（背番号11：MF）がセンタリング
ジュニーニョ選手を狙ったかに見えたが（実際にはシュートらしいが）だが
惜しくも相手GKの正面を突く
とは言え、未だ緊張感が微塵なフロンターレ
安直なオフサイドも頻発、攻撃の緻密さはもうひとつ
試合の流れは徐々にフロンターレに傾きつつあるが
佐川も中盤の甘さを見逃さない
左サイドを駆け上がる榎本選手（背番号14：MF）に
森選手が懸命に追いつき、スライディングで好守備を見せた
是が非でもゴールが欲しいフロンターレ
右サイドに深く展開するも、マルクス選手が佐川の厳しいマークに遭遇
さすがのマルクス選手も耐え切れず、ボールを奪われてしまった
直後、佐川の速攻を許してしまう
フロンターレの手薄な中盤を突かれ
山本選手（背番号10：MF）がミドルシュートを繰り出した
同点ゴールを決めるどころか、逆にコーナーキックの危機が到来
未だ冴えないピッチ上の選手達に、活を注ぐかのように
ゴール裏の大旗が盛大に波を打つ
その後も佐川に詰め寄られるも、カウンターを狙うフロンターレ
だが、ジュニーニョ選手頼みの単調な攻撃は
いくらJFLでも易々と通用しない
佐川はジュニーニョ選手からボールを奪い取るや、左サイドに展開
一度はフロンターレが食い止めたものの
連携ミスから佐川にボールが渡ってしまい
大久保選手にミドルシュートを許してしまう
決定的な危機は辛うじて免れたものの
依然として緊張感と緻密さが乏しいフロンターレ
前半も残り時間が僅かとなった中
観客席からは心配そうな視線と、叱咤の声援が飛び交う
前半も遂にロスタイムに突入
このまま無得点で折り返してしまうのか・・・
いや、ジュニーニョ選手が佐川のファウルを誘い
フリーキックのチャンスが巡ってきた
マルクス選手のフリーキックは、佐川の選手がクリア
だが、こぼれ球を空中で繋ぎ
最後は我那覇選手が押し込み、同点ゴールをゲット！
程なくして前半終了の時を迎えた
フロンターレは好守のリズムが悪く、不安感が募る試合運びであったが
終了間際の同点ゴールで、幾分救われた思いがした
そろそろ後半開始が迫る
ふろん太君も旗を振っているし（！？）、選手達の奮起に期待したい
・・・て、今日のふろん太君は試合そっちのけでテンションが高い
Gゾーンにも続々とサポーターが戻ってきた
場内にもうひとつ緊迫感が欲しいところだが
サポーターの声援が後押しするに違いない、きっと
オーオー、フロンターレ〜
フロンターレ〜、オオオオーオ〜
早速フロンターレが攻撃開始
中盤からのパスに呼応し、我那覇選手がサイドの飛び出しを図る
・・・が、ここは不覚のオフサイドの判定
安直なオフサイドが前半から頻発するのが、どうも気になってしまう
これも緊張感が乏しい故の現象なのか
逆に佐川の反撃から、セットプレーを与えてしまう
フリーキックを頭で合わされてしまったが
プレッシャーが利いたのかシュートの勢いは弱く、相澤選手が冷静にキャッチ
守備面では振るわない原田選手（背番号35：MF）だが
攻撃で一矢報いるべく、佐川に対し鋭い突進を見せる
だが、ここは伊藤選手（背番号5：DF）の
素晴らしいスライディングに阻まれてしまう
中村選手（背番号14：MF）も、依然として緊張感が乏しい印象
中盤では不用意なパスミスを犯し
守備面でも見出すところは無いし、どうもダメだなぁ・・・
・・・と嘆いていたら、我那覇選手のパスを受け
起死回生のミドルシュートを披露
フロンターレも攻撃の形が、徐々に向上しつつある
試合の主導権を握るべく、ピッチでは両者のせめぎ合いが続く
試合の流れを引き寄せるべく、サポーターも声を枯らす
じわじわと前進を図る佐川に対し、佐原選手がファウルを犯してしまう
嫌な場面でのフリーキック、集中力が要求される場面を迎えてしまう
キックの瞬間、フロンターレの壁に挟まれた大久保選手が
腰を崩しシュートコースがぽっかりと開く
あわや失点・・・の緊張が漂うも、ボールは相澤選手の正面を突く
しっかりと腹でボールを抑え、ゴールを守り抜いた
さぁ、フロンターレが一気に反撃開始
我那覇選手のパスを受け、森選手が猛然と突破を図る
だが、ここは森選手がファウルの判定
判定に釈然としない森選手、観客席からは激しいブーイング
だが、ジュニーニョ選手が後に続く
アウグスト選手のパスを受けるや、怒涛のドリブルで佐川ゴールに急接近
そのまま冷静に蹴り込み、逆転のゴール！
余裕の投げキッスで喜びをあらわにする
そしてゆりかごダンス・・・と思いきや、
他の選手に促され、メインスタンド方面へ走り去る
ベンチ脇に駆け寄り、改めてゆりかごダンスを披露
誰を祝福しているのかさっぱり分からぬも
勝利の風を引き寄せるゴールに、場内も魅了
逆転ゴールを喫した佐川は、必死に反撃を試みるものの
どうしたことか、攻撃の形が突如崩れる
フロンターレの堅守にも手を焼き、決定機の演出には至らない
追加点を狙うべく、我那覇選手の視線も鋭さを増す
疲れが見える佐川の中盤を、ドリブルで一気に振り抜いた
森選手のサイド攻撃も、佐川に脅威を与える要素
自ら突破を図ると見せかけ、意表を突いたバックパス
中盤から駆け上がった中村選手が、得意のミドルシュート
得点には至らぬも、佐川に確実にダメージを与える
佐川も必死に攻め込むものの、完全にバテ気味の様相
右サイドをフロンターレの守備に囲まれてしまい
苦し紛れにサイドチェンジをするものの
続く選手が急ブレーキ、フロンターレに脅威を与えない
ピッチは圧雲で覆われ、僅かに肌寒さを感じるものの
応援は快調に続行、後は追加点が欲しいところ
佐川のマークも甘くなり、マルクス選手も自らドリブル突破を図る
追加点の気配は、ますます高まってきた
森選手も後に続けとばかりに、サイドアタックから鋭いクロスを繰り出す
窮地に立たされた佐川はファウルを連発、一層窮地へと追い込まれる
こうなると、悪質なファウルにも要注意
佐川の厳しいチャージに、アウグスト選手が転倒
苦悶の表情を浮かべるマルクス選手に
サポーターも心配の表情を浮かべる
一矢報いたい佐川も、コーナーキックから同点ゴールを狙う
高いボールから空中戦に挑むものの
相澤選手の安定した守備に、なす術をもたない
残り時間が10分前後になると
フロンターレは久野選手（背番号8：MF）を投入
持ち前の積極性を武器に、磨耗した佐川の中盤にダメージを与える
そして、フロンターレのゴールラッシュに突入
スローインからのボールを繋ぎ、我那覇選手が3点目を叩き出す
続けてジュニーニョ選手がドリブル突破
一気に佐川ゴールへと迫りつつ、佐川の選手を引き寄せる
厳しい角度であったものの、絶妙のパスを供給
それをマルクス選手が押し込み、4点目をゲット！
佐川も強引に攻め込むものの、フロンターレの勢いは決定的
ジュニーニョ選手がペナルティエリアに侵入するや
佐野選手（背番号1：GK）がたまらずファウル
PKを自ら蹴り込み、5点目をゲット！
オーロラビジョンの時間表示はとうに消え、後半ロスタイムに突入していた
後は冷静に時間が過ぎ去るのを待つばかり
そして、試合終了の時を迎えた
佐川に1点を先制されたが、結果は圧勝であった
90分間戦い抜き、笑顔を浮かべる選手たち
浦和戦のショックもこれで払拭された・・・かな？
次の対戦は横浜F・マリノス、遠路長崎での対決となる
今シーズンは連勝を飾った相手ではあるが
DFを中心に実力者も揃い、厳しい戦いが予想される
だが、今の勢いを保てば勝機も十分
元日決戦を目指し、残るリーグ戦も全力で戦おう