浦和レッズ VS 川崎フロンターレ
〜 第85回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝 〜
日 時 | 2005年12月24日 13:04 | |||
試合会場 | 埼玉スタジアム2002 (埼玉県さいたま市) | |||
天 候 | 晴れ | |||
観 客 数 | 27,589人 | |||
試 合 結 果 | ||||
浦 和 | 0 | 前 半 | 0 | 川 崎 |
2 | 後 半 | 0 | ||
2 | 計 | 0 | ||
得 点 者 | ||||
マリッチ | 68分 | |||
堀之内 聖 | 83分 |
天皇杯も準々決勝、元日決戦を目指し8強が激突
ここ、埼玉スタジアム2002でも、浦和から勝利を飾るべく
フロンターレサポーターは開門前から長蛇の列を成す
クリスマス決戦で、場内のムードも最高潮・・・
一部はそんな感じとしても、容赦なく木枯らしで寒さも倍増
そのせいかは知らぬとしても、大旗が観客席から落下
アウェイゴール裏の狭い空間は、瞬く間に埋め尽くされた
あの戦いの借りを果たすべく、観客席の熱気も高まりを感じる
刻一刻と決戦の時が近づきつつある
タイトル獲得を目指す浦和サポーターの気迫が、じわじわと厚みを増す
タイトル獲得の熱き願いは、フロンターレサポーターも同じ
勝利への想いを胸に、キックオフの時を迎えた
浦和から悲願の勝利を目指し、力強い声援がピッチへと響く
声援の後押しを受けるかのように、左サイドを攻め立てるフロンターレ
フッキ選手(背番号19:FW)の自慢のドリブルが早くも炸裂
浦和の混戦を切り裂き、セットプレーのチャンスを掴む
浦和の反撃をいなし、フロンターレが序盤から攻勢を見せる
伊藤選手(背番号2:DF)と箕輪選手(背番号5:DF)も
センターラインを超え、プレッシャーから浦和のリズムを削ぐ
浦和もサイドアタックから反撃開始
森選手(背番号25:MF)の警告を誘い、セットプレーの危機が到来
森選手は興奮しているのか、中村選手(背番号14:MF)が
袖を掴み、集中を促しているかのように見えた
ピンチの場面ともなれば、大旗の出番
浦和の選手の集中力を奪うべく、水平に大きな波を打つ
浦和のセットプレーは不発に終わり、フロンターレが反撃開始
右サイド最前線をフッキ選手が粘るものの
坪井選手(背番号2:DF)の守備力に、粘りは通用せず
直後、浦和のカウンターが炸裂
右サイドから岡野選手(背番号30:FW)の強烈なクロス
フロンターレゴール前は一気に緊迫感が高まるも
箕輪選手が側面から足を伸ばし、ボールを奪い取った
サイドの狭い空間で、両者が激しい主導権争い
浦和は続けてアウトサイドからロングクロスを繰り出すが
マルクス選手(背番号11:MF)が前方へクリア
フロンターレは中盤の混戦を経て、右サイドへ展開
浦和のファウルを誘い出し、セットプレーのチャンスを掴む
マルクス選手のキックにあわせ、前方に腕を突き出すサポーター
・・・うわっ、逆光が凄すぎてまともに撮れぬ
フロンターレはこのチャンスは逃したものの、こぼれ球を拾い次の一手を狙う
箕輪選手から相馬選手(背番号23:MF)へ繋ぎ
鮮やかなサイドチェンジでチャンスを伺う
相馬選手は守備でも本領発揮
岡野選手の突破に対し、前方を塞ぎボールをクリア
浦和も寒さに慣れてきたのか、攻撃に激しさを増してきた
中盤の混戦地帯も巧みにつなぎ
三都主選手(背番号8:MF)のセンタリングに翻弄される
浦和のコーナーキックからの危機を耐え、フロンターレのカウンターが爆発
我那覇選手(背番号9:FW)が器用にボールを止め
右サイドのフッキ選手へ鮮やかなパス
続けてマルクス選手へ託したものの、惜しくもパスは通らなかった
続けて浦和を攻め立てるも、浦和の勢いは徐々に増す
ポンテ選手(背番号10:MF)に対し、マルクス選手が守備に奮闘
中村選手のロングパスで、一気に前線へと駒を進める
だが、浦和の守備も安定度を保ち、中々崩すには至らない
三都主選手の突破にも、中村選手は動揺の素振りを見せない
浮き球を見逃さず、素早く体を差しだしボールをカット
この時間帯は中村選手の活躍が光る
速攻を基点に自ら切れ込み、強烈なシュートを放つ
中村選手の健闘に、応援も勢いが加速する
木枯らしを吹き飛ばすべく、熱い声援がゴール裏に響き渡る
お〜〜〜、なかむら〜、ケンゴ、なかむら〜
お〜〜〜、なかむら〜、ケンゴ、なかむら〜
浦和のゴールキックを目掛け、箕輪選手が宙を舞う
この高さはやはり大きな武器、浦和の選手も太刀打ち不能
最前線ではフッキ選手の奮闘が光る
だが、孤立無援の場面も多く、浦和の堅守を崩すには至らない
浦和が速攻を仕掛け、フロンターレの守備は乱れが生じる
危険なクロスボールが繰り出されるも
箕輪選手が渾身のヘッド、勇敢な守備でピンチをしのぐ
続けて浦和のコーナーキック、貪欲に先取点を狙いにかかる
ゴール前の大混戦を懸命に耐え抜いたフロンターレ
最後は三都主選手のファウルを誘い、絶体絶命のピンチを断ち切った
フロンターレもお返しとばかりに、左サイドを一気の突破
フッキ選手が鮮烈なクロスを繰り出したものの
惜しくも誰にも呼応せず、ボールは転々と流れ去る
浦和の猛攻に対し、フロンターレは体を張った守備を披露
フロンターレも時折反撃は見せるものの
浦和の攻撃のペースに、段々と飲まれつつある
辛抱を強いられたフロンターレではあるが
浦和のファウルを誘発し、セットプレーのチャンスを掴む
久々の好機到来に、声量もぐっと厚みを帯びる
立て続けにセットプレーの好機を得るも、得点の形には至らない
逆に浦和の猛反撃を食らってしまう
三都主選手のクロスボールに危機感が高まるものの
伊藤選手が瀬戸際のヘッドで難を逃れた
時間の経過と共に、浦和の攻撃は厳しさを帯びてきた
箕輪選手もピッチを縦断、激しい守備で奮闘を見せる
接触プレーの連続で何度もかがみ込むも、不屈の精神で立ち上がる
浦和の左右の揺さぶりに、フロンターレの守備は乱れを隠せない
長谷部選手(背番号17:MF)のミドルシュートを浴びてしまうも
相澤選手(背番号28:GK)がしっかりとセーブ
今までの鬱憤を晴らすが如く、フロンターレが猛然と反撃開始
マルクス選手のコーナーキックを皮切りに
浦和ゴール前で混戦に挑むものの、後一歩押し切れない
一旦は浦和に流れが傾きかかるも
フロンターレはフッキ選手の執念のキープで
絶好の位置でのフリーキックを得た
浦和の3枚の壁を前に、集中力を高めるフッキ選手
サポーターの真摯な期待を後押しに、フッキ選手のキックが炸裂!
これは三都主選手を直撃、続けてコーナーキックのチャンス
だが、せっかくの好機も逃してしまった
逆に浦和が猛反撃、ポンテ選手の危険なパスが
フロンターレゴール前に供給されるも、箕輪選手が気迫のスライディング
浦和の猛攻を必死に耐え抜くフロンターレ
前半も終了に近づいた矢先、フロンターレに悲劇が襲い掛かる
森選手が三都主選手の行く手を塞ぎ、痛恨のファウル
2度目の警告で、まさかの退場処分になってしまった
前半の残る僅かな間、堅実に守り抜いたフロンターレ
前半は両者無得点で終了
後半の爆発を期待しただけに、森選手の退場劇は痛恨の極み
重苦しい空気が漂う中、瞬く間に後半開始を迎えてしまう
圧倒的な浦和サポーターを背後に
10人のフロンターレは如何なる戦いを挑むのか?
マルクス選手を下げ、原田選手(背番号35:MF)を
投入した関塚監督の狙いは果たして・・・?
厳しい局面は免れぬも、サポーターも決意を新たにする
北風に負けぬ声援と共に、後半開始のホイッスル
フロンターレの先制攻撃は、フッキ選手のサイドアタック
浦和は細貝選手(背番号32:DF)が、冷静な守備で突破を止めた
箕輪選手のスローインから、中村選手が巧みなステップ
浦和の守備を巧みにかわし、中央へパスを折り返すも
1人少ない影響からか、呼応する選手は見当たらない
程なく、浦和がサイド攻撃を仕掛けてきた
両サイド守備が手薄なフロンターレ、三都主選手への応対も遅れてしまい
大きな旋回からクロスを許してしまう
三都主選手のクロスは、マリッチ選手の頭を狙うも
伊藤選手がヘッドでクリア、危機からは一旦免れた
後半開始から投入された原田選手、浦和の動きを見定めパスを供給
だが、他選手との微妙なズレが見え隠れする
前線へのパスが冴えないフロンターレ、フッキ選手の突破が鍵を握る
この場面は浦和の守備網に、急ブレーキを強いられる
サイドラインへと何とか逃げ切りを図るも
孤軍奮闘は通じず、最後は三都主選手にボールを奪われてしまった
浦和は右サイドへと進路を取る
岡野選手が相馬選手のスライディングに
バランスを崩しつつも、粘り腰でセンタリングを繰り出した
無謀とも思えたクロスボールに、マリッチ選手が飛び込む
シュートは辛くも外れたが、浦和の身体能力に驚きを隠せない
フロンターレは左サイドの突破を図るも、人手が足りず中盤止まり
逆に浦和が攻勢を強め、ポンテ選手もシュートを繰り出す
10人で戦うフロンターレ、攻撃面での苦境は明らかだ
フッキ選手も必死で突破を図ろうとするも
浦和の安定した守備陣に、対抗の術は見出せない
ならば、中村選手−我那覇選手のホットラインに期待
得意のロングパスが中村選手から繰り出された
・・・が、細貝選手に見抜かれてしまい、我那覇選手へは繋がらない
1人少なく、苦境が明白なフロンターレではあるが
サポーターの気持ちに揺るぎは無い
元日の国立の舞台に立つ夢を抱き、力の限り声援を送る
浦和の攻撃を跳ね返し、右サイドの広大な空間へパスが供給された
我那覇選手が一気に前進、浦和のGK山岸選手(背番号1)を
ゴールエリアから引き寄せ、パスの供給先を見定める
折り返したボールを中村選手がシュートを放つが・・・、一歩遅かった
長谷部選手に前方を塞がれ、シュートの精度は大幅に低下
苦境からの脱出には程遠いも、サポーターに出来るのは応援だけ
寒空の下盛大な拍手、ピッチ上の選手に英気を注ぐ
サポーターの切なる期待を感じ取ったのか
フロンターレはサイド攻撃で活路を探す
しかし坪井選手の堅守に、有効な打開策は見出せない
ならば、逆サイドで相馬選手の左足が吼える
日本代表時代を髣髴させる、渾身のクロスを繰り出すも
中央に走りこむ選手は誰もいない・・・
フッキ選手の自慢のドリブルも、坪井選手の前には完全に無力
疲労の蓄積からか、一向に打開策が見出せないフロンターレ
時間の経過と共に、単調な攻めが垣間見える
尋常でない寒さはサポーターをも蝕むのか
徐々に声量の低下が感じられた
ここは最大の正念場、気持ちだけでは負けてはならない
懸命の応援を裏切るかのように、遂に均衡が破れてしまった
浦和のコーナーキックに、マリッチ選手が鮮やかなヘッド
再三に渡り攻守を見せた相澤選手のセーブも及ばず
浦和に先制ゴールを献上してしまった・・・
この失点で、窮地へ立たされたフロンターレ
だが、国立決戦を諦めるのは早過ぎる
奇跡の逆転勝利を目指し、即座に応援が再開された
我那覇選手ゴールを、久々に味わいたい
中盤で浦和のチェックに苦しむものの
持てる力を振り絞り、直向にボールを追い回す
懸命のプレーが通じたのか、待望のセットプレーの場面
同点に追いつくには、このチャンスは絶対に逃せない
勝利への願いを乗せ、鋭いキックが繰り出された
寺田選手が渾身のヘッドで押し込むものの・・・
浦和ゴールの枠を、どうしてもとらえない
僅か1点のリードにも関わらず、浦和の選手には余裕が見える
前線の選手の体力温存と時間稼ぎからか
バックラインの選手が悠然とボールを回す
さりとて、浦和は攻撃を放棄した訳ではない
フロンターレの消耗は完全に見抜かれたのか
ゴール前の混戦も、完全に主導権を握られてしまう
浦和は攻撃に一区切りがつくや、再びバックラインでボールを回す
露骨な試合運びに、フロンターレサポーターからは激しいブーイング
ゴール裏の雰囲気も、徐々に険悪さを増してきた
得点の望みは、もはやセットプレーに限定されるのか
中村選手のキックにあわせ、箕輪選手が空中戦に挑もうとするも
坪井選手に袖口を掴まれ、作戦は呆気なく失敗
そして、再び浦和の一方的展開へ
三都主選手のスピード・判断力に陰りは見えず
憎らしいほどの安定度を保っている
フロンターレは疲労が色濃い我那覇選手に代わり
黒津選手(背番号24:FW)を投入し、起死回生を図る
・・・だが、その効果を確かめる間もなく
浦和に追加ゴールを献上してしまった
よもやの2失点で、窮地に立たされたフロンターレ
だが、最後まで絶対に諦めぬ
落ち込みそうになりつつも、懸命に気持ちを振り絞り
最後の応援へと突入する
大逆転を引き出すべく、黒津選手が奮闘を見せた
しかし、浦和も堅守が勝り、黒津選手の勢いを封印
伊藤選手が弓矢の如く、鋭いロングパスを繰り出した
中村選手が一気に飛び出し、鮮やかなトラップから
豪快なボレーシュートを繰り出した
足を引きずりながらも奮闘する中村選手に、盛大な拍手が沸き起こる
このまま天皇杯を終わってなるものか!
時間が許されるその瞬間まで、全力で浦和ゴールを奪いにかかる
最後の最後まで戦いを挑む、ピッチ上の逞しき選手達
だが、どうしても浦和ゴールを奪えない
いたずらに時間だけが流れ去り、終焉を迎えつつある・・・
激戦は程なく終焉を迎えた、浦和に2失点で完敗
大歓声に包まれる中、長きシーズンが静かに幕を閉じた
無念の表情を浮かべ、サポーターに挨拶に訪れる選手たち
浦和からの悲願の勝利は、翌年へと持ち越されてしまった
関塚監督も加わり、今年最後の挨拶
悔しさはどうしても否めぬが、今は疲れを癒して欲しい
サポーターの盛大な声援にこたえ、相馬選手が大きく手を振った
現役生活もこの日限りかと思うと、寂しさは募るばかりであるが
日本サッカー界の発展のために、今後の活躍に大いに期待
ピッチから去り行く選手を、静かに見送るサポーター
また来年もお会いしましょう、そして全力でシーズンを戦おう
この雪辱は来年、必ずや・・・
<フロンターレの出場メンバー> |
GK:相澤 DF:伊藤・箕輪・佐原 MF:森・中村・相馬・谷口・マルクス FW:我那覇・フッキ SUB:下川・佐原・原田・長橋・黒津 |
<フロンターレの選手交代> |
マルクス>原田(45分) 谷口>長橋(76分) 我那覇>黒津(82分) |