我がレンズ殿堂 〜 手放したレンズ達 〜
(2020.12.20 最終更新)
こちらは私がすでに手放したレンズに関するページです。
注:「お勧め度」はCanon APS-C機との組み合わせに限定。筆者個人的な評価とし、星5つが最高点です。
詳細な画像情報に関しては、オリジナル画像のExif情報をご覧ください。
RAWからJPEGへの変換は、Digital Photo Professionalを利用(最高画質、シャープネス無し、色温度は撮影時のまま)。
レンズの価格は、いずれも税別です。発売日はキヤノンマウント用です。
現在保有中のレンズについては、こちらをご覧ください。
〜 キヤノン EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 〜
発売時期 | 2004年11月 |
発売時価格 | 98,000円 |
焦点距離 | 10mm〜22mm (Canon APS-C機装着時:16.0mm〜35.2mm相当) |
最小F値/絞り | 3.5〜4.5 / 22〜27(1/3段表示の場合:22-29) |
最短撮影距離 | 0.24m |
レンズ構成 | 10群13枚 |
絞り羽根枚数 | 6(円形絞り) |
サイズ | 83.5mm(最大径) X 89.8mm(長さ) |
重量 | 385g |
フィルタ径 | 77mm |
フード | 別売(キヤノン EW-83E) |
コメント | キヤノンが満を持して開発した、APS-C専用の超広角レンズ。 登場当時は「EF-Sマウント=兼価」なイメージが蔓延。そんな一般論を覆すべく、非球面レンズやスーパーUDレンズをふんだんに採用、EF-Sレンズ初の「本気」たる性能を目指して開発された。 その描画力は極めて高い。軽量&コンパクトさを維持しつつ、Lレンズと互角の性能を誇るとしても過言では無い。 画質に関しては弱点を探すのは困難。シャープさと柔らかさが良好なバランス感を演出。 適度な色合いも加わり、素直に良い写り。周辺域の滲みや流れは最小限に抑制され、「キヤノンのレンズは広角域が弱い」評は、このレンズには該当しない。 逆光撮影時も、僅かなゴーストが確認される程度。最小F値は焦点距離により可変するが、主用途と考えられる風景撮影時等では絞っての撮影が多い点から、特段気になる点とは言えない。 1510万画素の50Dや1800万画素の7Dでも破綻は皆無。将来の高画素化(余り歓迎はしないが・・・)にも十分に耐えうる性能と思う。 使い勝手の面でも問題は見受けられない。フォーカスリングも操作性は悪くなく(超広角レンズなので大半がAFになると思うが)、比較的軽量なのでKissクラスのボディでもバランス感は確保。 巨大なフードはかさばるが、鏡筒の保護には役立つ。フード装着時は鏡筒と接地面への接触は避けられるので、手荒に扱っても傷が付く心配も低い。 このクラスの超広角レンズは実力派揃い。描画力だけであれば必ずしも純正品を選ぶ理由は無いが、使い勝手や安定性を考慮すると優位なのも事実。 満足感は極めて高い。「買って良かった」と素直に思える、キヤノンが誇る銘玉と言えよう。 [追記] 後日EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMを購入。両者を比較したらEF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMがあらゆる面で圧倒。 最新鋭の安価なレンズに完敗。時の流れには勝てなかった・・・。 |
長所 | USM採用によるAFの高速性&正確性。超広角レンズにしてはズーム域が広い。 |
短所 | EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMと比べると画質が劣る。 |
お勧め度 | [EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMが登場した今、新品で購入する理由はほぼ無くなった。] |
手放した理由 | EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM購入のため。 |
〜 キヤノン EF 28-135mm F3.5-5.6 IS USM 〜
発売時期 | 1998年2月 |
標準小売価格 | 78,000円 |
焦点距離 | 28mm〜135mm (Canon APS-C機装着時:44.8mm〜216mm相当) |
最小F値/絞り | 3.5〜5.6 / 22-36 |
最短撮影距離 | 0.5m |
レンズ構成 | 12群16枚 |
絞り羽根枚数 | 6 |
サイズ | 78mm(最大径) X 97mm(長さ) |
重量 | 540g |
フィルタ径 | 72mm |
フード | 別売(キヤノン EW-78BII) |
コメント | 手ぶれ補正機能(IS)を搭載した、キヤノンの中核的存在ズームレンズ。ヨーロピアン・レンズ・オブ・ザ・イヤー '98-'99受賞。 焦点距離と価格面のバランスが良く、かつてのベストセラー。比較的安価ながらも手ぶれ補正機能を搭載し、このクラスでは貴重な存在であった。 USMとフルタイムマニュアルフォーカスの採用で、ピントあわせは実に快適。だが、肝心の写りとなると、正直「この程度?」と落胆。 F値の割には明るいのはプラスポイント。反面撮影画像は全体的に眠く、デジタルカメラとの相性はもう一歩と言わざる得ない。 絞ってもシャープさは改善に程遠い。ISも完全に旧世代、あらゆる点で最新のレンズに劣る。 「純正」の安心感はあるが、もはや選択の理由は無い。広角側も28mmと時代遅れ、早々にディスコンされるべき存在である。 |
長所 | 手ぶれ補正機能搭載。 USM&フルタイムマニュアルフォーカス採用による、ピントあわせのやり易さ。 |
短所 | 全体的にシャープさに欠ける画質。特に暗所では劣化が激しい。 手ぶれ補正機能搭載の過信は禁物。 |
お勧め度 | [あらゆる意味で時代遅れ。このレンズの存在意義は正直無い。] |
手放した理由 | とにかく写りが悪かった。購入したレンズの中でもダントツにワースト。 各社から魅力的なレンズが増えた今、存在意義はもはや失せた存在。 純正を選ぶなら、無理をしてもEF24-105mm F4L IS USMなどを選択すべき。 |
〜 キヤノン EF 28mm F2.8 〜
発売時期 | 1987年4月 |
標準小売価格 | 38,000円 |
焦点距離 | 28mm (Canon APS-C機装着時:44.8mm相当) |
最小F値/絞り | 2.8 / 22 |
最短撮影距離 | 0.3m |
レンズ構成 | 5群5枚 |
絞り羽根枚数 | 5 |
サイズ | 67.4mm(最大径) X 42.5mm(長さ) |
重量 | 185g |
フィルタ径 | 52mm |
フード | 標準添付(キヤノン EW-65II) |
コメント | キヤノンの安価な単焦点レンズ。写真のレンズは中古店で14,800円で購入。 設計年度も古く単焦点であるためか、ズームレンズ全盛の昨今、殆ど着目されない地味な存在。 だが、写りはさすが単焦点。通常クラスのズームレンズと比較すると、画像の鮮明さと立体感は格段に優れ、見た目の頼りなさが信じ難い実力の持ち主。 背景のボケ具合も(当然)ズームレンズ以上。絞ると全域シャープな画像が得られ、APS-C機であれば周辺の光量落ちも皆無に等しい。 APS-C機に装着すると、焦点距離は44.8mm相当。これは人間が意識する視野角に最も近いとの説もあり、風景と主体としたスナップ撮影にはもってこいの画角。 古いが最新のデジタル一眼レフカメラとの相性も良好。中古店では安価で流通しており、単焦点入門として1本持つ価値はある。 F値は2.8と比較的明るく思えるが、設計年度が古く最新レンズよりは劣るので注意が必要。 |
長所 | 安価だが単焦点のシャープさ、軽量かつコンパクトでスナップには最適。 |
短所 | モーターがUSMで無いのでうるさく、AFが遅い。 フードの取り付けがガタつぽい。 シグマの同レベルのレンズと比較すると、F値と最短撮影距離が劣る。 |
お勧め度 | [ズームレンズとは異次元な鮮明な世界を手軽に楽しめる。] |
手放した理由 | 周辺部の描画の甘さとAF速度の遅さ。 |
〜 キヤノン EF 75-300mm F4-5.6 IS USM 〜
発売時期 | 1995年9月 |
発売時価格 | 90,000円 (販売終了) |
焦点距離 | 75mm〜300mm (Canon APS-C機装着時:120mm〜480mm相当) |
最小F値/絞り | 4〜5.6 / 32-45 |
最短撮影距離 | 1.5m |
レンズ構成 | 10群15枚 |
絞り羽根枚数 | 8 |
サイズ | 78.5mm(最大径) X 138.2mm(長さ) |
重量 | 650g |
フィルタ径 | 58mm |
フード | 別売(キヤノン ET-64II) |
コメント | 世界初の手ぶれ補正機能(IS)搭載レンズ。比較的安価で入手出来るため、APS-C機ユーザにも人気が高く、中古店では入荷即売却の回転率。 写真のレンズは当時中古店で42,800円で購入。レンズを光りに当てると多少埃っぽくも感じるが、写り自体の悪影響は見られなかった。 写りは結構良好。Lレンズと比較すると解像度は劣るが、十分なシャープさを誇る。 最近のキヤノン製レンズと比較すると、比較的こてっとした色合い。デジタル一眼レフユーザからは様々な厳しい意見が目立つレンズであるが、実力は決して低くない。 筆者はサッカーの撮影に多用。AFが遅めなのが弱点であるが、置きピンと併用すればカバー出来る範疇であり、軽さも手伝い一脚で振りやすく重宝した。 暗めのレンズなので、夜間撮影は不得手。但し、ISO感度を400〜800程度に上げれば手ぶれ補正機能の効果も手伝い、必要十分なシャッタースピードを確保可能。 現在は後継レンズのEF 70-300mm F4-5.6 IS USMが登場。このレンズを選ぶ理由はもはや無く、中古市場で探すのすら困難であろう。 |
長所 | 旧式とは言え、手ぶれ補正機能は効果大。 比較的軽量なので、日中であれば手ぶれ補正と併用で手持ち撮影もOK。 APS-C機との組み合わせだと、480mm相当の望遠撮影が手軽に堪能。 晴天時の描画性能の高さ。 |
短所 | USM搭載とは信じがたいAFの遅さ。特に前後に早い動体は苦手。 筐体が簡単に伸びてしまう。ズームロックが欲しい。 F値が高いので暗所は苦手。ISO値を上げてカバーしたい。 |
お勧め度 | [後継のEF 70-300mm F4-5.6 IS USM等を選びましょう。] |
手放した理由 | 突然テレ端の色収差が酷くなり、調整に出す時間が得られず売却。 でも、純正故かそこそこの高値で売れた。 |
〜 キヤノン EF28-80mm F2.8-4L USM 〜
発売時期 | 1989年4年 |
発売時価格 | 160,700円 (販売終了) |
焦点距離 | 28mm〜80mm (Canon APS-C機装着時:44.8mm〜128mm相当) |
最小F値/絞り | 2.8〜4 / 22 |
最短撮影距離 | 0.5m |
レンズ構成 | 11群15枚 |
絞り羽根枚数 | 8 |
サイズ | 84mm(最大径) X 119.5mm(長さ) |
重量 | 945g |
フィルタ径 | 72mm |
フード | 標準添付(キヤノン EW-79) |
コメント | キヤノンのかつてのハイエンドレンズ。受注生産により発売当初はマニア垂涎の的だったとか。 その由緒高きLレンズも、中古市場ではエントリークラスのレンズと同価格。以前保有していたものは中程度?のコンディションで、49,800円で購入。 登場から相応の年数が経過し、今では中古市場に出回る機会も稀である。 写りは順光時に限れば、まさに「Lレンズ」の風格。EF-S 18-55mm F3.5-5.6 USMをあっさり上回り、緻密かつニュートラルで正確な色合いは、登場から20年以上経た今も一線級と思う。 但し、逆光性能はかなり劣る。少しでも光が差し込もうものなら猛烈なフレアに苦しみ、最新のコーディング性能の足元には及ばない。 製造開始から20年以上を経過し、故障時は修理不可という問題も抱える。ただ、条件が揃えば描画力は同価格帯のレンズに勝る可能性は高い。 運良く現物が入手出来るのであれば、手に取るのも一案である。 |
長所 | 古いレンズとは思えぬ描画性能。 「Lレンズ」なので、周囲に自慢出来る?。 |
短所 | 1Kg近い重量。EOS Kiss Digitalに装着すると、レンズの重量でCF挿入口が多少きしむ。 USMにしてはAF速度が遅め。 |
お勧め度 | [描画性能は文句無し。ただ、故障時のリスクはお忘れなく。] |
手放した理由 | 重く遅いAFがネックで、使用頻度が激減。売却を決意。 描画性能は極めて高かったが、逆光下で盛大に発生するフレアに我慢ならなかった。 |
撮影サンプル(画像をクリックすると実サイズで表示されます) | ||
列車1 Kiss Digital F9,1/40秒,AWB ISO 100相当 JPEG Large Fine |
列車2 Kiss Digital F5.6,1/200秒,太陽光 ISO 100相当 JPEG Large Fine |
夜景 Kiss Digital F4,1/60秒,AWB ISO 200相当 JPEG Large Fine |
〜 キヤノン EF 35mm F2.0 〜
発売時期 | 1990年2月 |
標準小売価格 | 41,500円 |
焦点距離 | 35mm (Canon APS-C機装着時:56mm相当) |
最小F値/絞り | 2.0 / 22 |
最短撮影距離 | 0.25m |
レンズ構成 | 5群7枚 |
絞り羽根枚数 | 5 |
サイズ | 64.4mm(最大径) X 42.5mm(長さ) |
重量 | 210g |
フィルタ径 | 52mm |
フード | 別売(キヤノン EW-65 II) |
コメント | 数少なき35mmの単焦点。上位にはF1.4のLレンズも存在するが、非常に高価で重量もあり、比較的安価で入手可能なこのレンズは貴重な存在。 実物はとにかくコンパクト。それでもMFリングは幅広く、作りに手抜きは見られない。 この小ささでF2.0は驚嘆の一言。画質はEF50mm F1.8 IIと比較すると若干劣るものの、幾分絞ると改善される。 APS-Cサイズの一眼レフデジタルカメラでは周辺部の光量も十分。しかし設計が古い影響からか周辺部の歪みは目立ち、この点では最新のズームと比較しても劣る。 遅く迷いが多いAF、発色は青みが多く若干不自然さを感じるなど、問題視すべき点はあるのは事実。 だが、このレンズで無ければ撮れないシチュエーションがあるのも事実で、ある意味評価が難しいレンズ。 絞り羽根は5枚と少ない。円形絞りでは無く時には光源などが五角形を帯びるが、個人的には嫌味は感じない。 USMが非採用なのは残念。デジタル時代を意識した工学設計の見直しに加え、USMの採用を切望。 |
長所 | 軽量&コンパクト。ちょうど良い画角で、お散歩レンズとしても向いている。 最短距離0.25mは特筆もの。被写界震度の浅さも加え、ボケを強調した撮影も思いのまま。 |
短所 | 逆光にはやたら弱く、フレア・ゴーストが盛大に出やすい。 F2.0にしては暗所に弱い、特に夜間撮影では眠い画像に注意。 |
お勧め度 | [やや玄人向けのレンズ、どちらかと言えばMF向け。] |
手放した理由 | タムロン SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACROと 描画力が大差なく、使用頻度が低くなったため。 AFの精度が低いのも難点。F値と最短撮影距離では有利にしても、 利用状況も少なく、存在意義が失せてしまった。 |
撮影サンプル(画像をクリックすると実サイズで表示されます) | ||
列車その1 20D F10.0,1/1000秒 太陽光,ISO 200相当 RAW (JPEG変換) |
列車その2 20D F3.2,1/60秒 太陽光,ISO 200相当 RAW (JPEG変換) |
ネイチャー 20D F4.0,1/2000秒 太陽光,ISO 100相当 RAW (JPEG変換) |
〜 キヤノン EF80-200mm F2.8L 〜
発売時期 | 1989年9年 |
発売時価格 | 160,200円 (販売終了) |
焦点距離 | 80mm〜200mm (Canon APS-C機装着時:128mm〜320mm相当) |
最小F値/絞り | 2.8 / 32 |
最短撮影距離 | 1.8m |
レンズ構成 | 13群16枚 |
絞り羽根枚数 | 8 |
サイズ | 84mm(最大径) X 185.7mm(長さ) |
重量 | 1330g |
フィルタ径 | 72mm |
フード | 標準添付(キヤノン ES-79) ES-79 IIも使用可能 |
コメント | キヤノンの定番焦点域のLレンズ。現行70-200mmの旧モデルに相当する。 20年以上を経て中程度の中古品が程度にもよるが5万円から入手可能と、幸運にも実物があればお値打ち感は高い。 モータは非USMであるが、比較的高速かつ静粛。AF速度は現在でも高速な部類で、ヘタなレンズメーカのモータよりはるかに快適と言える。 フルタイムマニュアルフォーカスが非搭載なのが惜しまれるが、F2.8の明るさ故かファインダーも見やすくMFも比較的楽にこなす。 逆光時ではそれなりにフレアが発生。それでも許容範囲の範疇である。 弱点はその重量。1.3Kgと相応に重く、手持ちでは手ぶれの危険性が増す。 安定した撮影結果を得るには、三脚or一脚は必須。F2.8と明るいレンズではあるが、開放付近はぶれの心配も高く、本領を発揮するにはF5.6以下に絞りたい。 中古流通品ではフード欠品も目立つ。現行製品ではES-79IIが装着可能なので、是非とも揃えたい(と言うより必須と考えたい)。 製造中止から相応の期間が経過し、メーカでは既に修理不能のリスクも抱えるが、それも承知で出費を抑え、とにかくLレンズが欲しい方にはおすすめのレンズ。 ひとつ注意点を挙げるならば、一部のボディによる連写速度の制限。手持ちでは50Dは非USMレンズでAI Servoを使用すると、ボディ側の仕様?により、連写性能が抑制される感がある(秒コマ3ぐらいまでに低下)。 動体撮影時は注意が必要と言える。 |
長所 | 20年以上前のレンズだが、現代にも通用する描画性能。 |
短所 | 1Kgを超える重量。重量による手ぶれの心配、 高画素化が進んだ現在、手持ち撮影には向いていない。 フォーカスリングの感触がいまひとつ掴みにくい。 F2.8はおまけと考え、多少暗くとも絞っての使用を推奨。 |
お勧め度 | [描画性能は相応に高いが、手ぶれには十分注意したい。] |
手放した理由 | 老朽化が心配につき、キヤノン EF 70-300mm F4-5.6L IS USMを購入したのが直接の理由。 手元に残すことも検討したが、お蔵入りよりも他の方に使ってもらいたかったので手放しました。 |
〜 キヤノン EF300mm F4L IS USM 〜
発売時期 | 1997年3月 |
標準小売価格 | 203,000円 |
焦点距離 | 300mm (Canon APS-C機装着時:480mm相当) |
最小F値/絞り | 4.0 / 32 |
最短撮影距離 | 1.5m |
レンズ構成 | 11群15枚 |
絞り羽根枚数 | 8 |
サイズ | 90mm(最大径) X 221mm(長さ) |
重量 | 1,190g |
フィルタ径 | 77mm |
フード | 内蔵(組み込み式) |
コメント | キヤノンのIS(手ぶれ補正機能)搭載レンズの第2弾。300mmながらF4.0のスペックに抑え、1Kg強と比較的軽く何とか手の届く価格帯が魅力。 描画力は「さすが」の一言。開放付近からシャープかつ色彩豊かな画質が得られ、望遠効果を生かした背景のボケ具合も優れている。 F4と多少暗めであるが、ファインダーの見易さも十分。フルタイムマニュアルフォーカス搭載で使い勝手も優れ、「絶対にF2.8!」と追求しない向きには十分過ぎる性能。 中古市場でも時折見かけ、実売10万円強。決して安くないレンズであるが、その実力を考慮すれば、むしろ安い位と錯覚。 目立った弱点は存在しないが、AFは遅く迷う傾向はある(特に30Dの場合)。 スポーツ撮影など被写体の動きが激しい場合、ピントを外すと復帰までに時間を要するのには注意が必要。 IS搭載レンズなので、レンズ枚数は単焦点としては11群15枚と多い。そのため光学性能の低下が若干感じられるものの、得られる画質はクリアで、まさに「単焦点のL」。 F4.0の制約はあるものの、屋外撮影がメインであれば文句なしにお奨めの1本。 300mmと長い焦点距離につき、空気中の微粒子を見事に拾う事もあり、早朝時等の撮影は思わぬ配慮が必要になる。 |
長所 | 「単焦点のL」に相応しい高次元な画質。旧世代であるがISは強力。 下手なマクロレンズと匹敵する接写性能。最短撮影距離1.5mは凄い。 |
短所 | ISが旧世代なためか、消費電力の高さは注意。IS非搭載レンズと比べると、駆動時間が3割程度は短い感触を受ける。 直射日光をまともに受けると、猛烈なフレアを発生する場合がある。 50DのAI Servo AFの相性がいまいち。動体追随性が宜しくない。 登場からかなりの年数が経過しており、リニューアルを望みたい。 |
お勧め度 | [300mmの焦点距離が必要で、静体撮影が主であれば、今でも推奨出来る。] |
手放した理由 | 高性能なキヤノン EF 70-300mm F4-5.6L IS USMの購入により、鉄道撮影での利用機会は失せてしまった。 スポーツ撮影用の予備で保管していたが、亡き父からキヤノン EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USMを譲り受け(単に実家から持ち帰っただけですが)、これまた想像以上の描画力。 このため出番は完全に喪失。防湿庫の空きスペースも厳しい事から、手放すのを決断した次第。 ・・・と書きつつも、その後100-400mm F4.5-5.6L IS USMも手放してしまいましたが(苦笑い)。 |
〜 シグマ 18-50mm F3.5-5.6 DC 〜
発売時期 | 2004年11月 |
標準小売価格 | 20,000円 |
焦点距離 | 18mm〜50mm (Canon APS-C機装着時:28.8mm〜80mm相当) |
最小F値/絞り | 3.5〜5.6 / 22-36 |
最短撮影距離 | 0.25m |
レンズ構成 | 8群8枚 |
絞り羽根枚数 | 8 |
サイズ | 67.5mm(最大径) X 62mm(長さ) |
重量 | 250g |
フィルタ径 | 58mm |
フード | 標準添付(シグマ LH630_02) |
コメント | レンズメーカの雄、シグマが輩出したデジタルカメラ専用の安価なズームレンズ。 ASP-Cサイズの受光素子を持つ一眼レフデジタルカメラ専用。それ以外機種では撮影画像周囲にケラレが生じ、実質的に使用不可なので要注意。 徹底的な割り切りの反面、基本的部分は手抜きは見られない。マウントも頑丈な金属製、ズームリングもしっかりと設けられ、MF時の操作性も悪くない。 その描画性能は素晴らしく、とても実売価格が1万円半ばと思えない高性能。 全域で均一かつシャープな画質は驚愕の一言。隅々までくっきりと描画され、旧世代の単焦点レンズを一蹴。 あらゆる被写体をそつなくこなし、フレア・ゴーストの耐久性も十分。キヤノンと比較するとやや暖色系の色合いは、深みもあり好感触。 僅かな弱点は、ワイド端の描画が若干甘い程度。テレ端方向にズームリングを回すと解像力は更に増し、絞った際の画像は高級レンズにも肉薄。 AF速度がEF-S 18-55mm F3.5-5.6 USMよりは劣る。けれども一般的用途では十分な速度、特にハンデとはならない。 このレンズはずばり「買い」。Kiss Digitalレンズキットをお持ちの方も、揃えて損の無い実力派。 価格から信じ難い高性能には、賞賛の言葉以外浮かばない。「画質優先=純正」を覆す、数少ない好例。 極めてコストパフォーマンスが高い一本、シグマの奮闘に拍手を送りたい。 |
長所 | 価格を超越した描画性能、周辺分まで均一な画質は、純正品を寄せ付けない。 しっかりとしたレンズフードが付属、周辺光の影響も万全。 |
短所 | ワイド端のシャープさがやや物足りない。願わくばもっと明るければ・・・。 |
お勧め度 | [暗さを除けばほぼ満点、デジタル時代を切り開いた画期的レンズ。] |
手放した理由 | ズームの使用頻度が低いため、惜しみつつも中古屋へ。 いいレンズなので使ってくれるユーザの下、第二の人生を歩め。 |
〜 シグマ 20mm F1.8 EX DG ASPHERICAL RF 〜
発売時期 | 2001年1月 |
標準小売価格 | 70,000円 |
焦点距離 | 20mm (Canon APS-C機装着時:32mm相当) |
最小F値/絞り | 1.8 / 22 |
最短撮影距離 | 0.20m |
レンズ構成 | 11群13枚 |
絞り羽根枚数 | 9 |
サイズ | 88.6mm(最大径) X 87mm(長さ) |
重量 | 500g |
フィルタ径 | 82mm |
フード | 標準添付(シグマ LH875_02) |
コメント | シグマの超広角単焦点レンズ。スペック面では純正以上のF値1.8が特徴。 明るい描画力と開放付近のボケ具合は絶品。最短撮影距離も200mmと、ヘタなマクロレンズをも上回る。 被写体に相当接近し、ちょっとしたマクロレンズの代用にもなる。 絞った際の画質は更に素晴らしい。隅々まで均一で安定し、F8付近でのシャープさは、ズームレンズとは無縁の素晴らしさ。 ただし、弱点も相当多い。遅くうるさいAFは閉口、その精度もお世辞にも悪い部類。 安心感は純正の比では無いのは事実。けれどもこのレンズの魅力はスペックで片付けられず、使えば使うほど愛着が増す。 抜群の描写力を引き出すのは容易くない。単純にフルオートで撮影しても、結果に明らかなばらつきがあり、いつも良好な画質を得られるとは限らない。 使いこなしは難しい部類に属し、最良の結果を引き出すのは困難を極める。 けれども使いこなしは不思議と楽しく、シャッターを切るうちにとことん使い込みたくなる。 MFの操作性も良好。開放付近ではAFに頼らず、積極的にMFを活用したい。 ズームレンズが当然の今、このレンズは貴重な存在。高スペックの割には安価であり、シグマの心意気は憎い限り。 巨大なボディではあるが、重量はKiss Digitalとほぼ同じ。故に重量バランスは良好で、想像以上に重さを感じさせない。 スナップ撮影には最適な存在。Kiss Digital装着時は32mm相当と画角は狭まるが、一般的には十分広角と言えよう。 フードも堅牢そのもの。しっかりとした花形フード付属も高く評価出来る。 |
長所 | 超広角レンズとは思えない背景のボケ具合。絞った際のシャープさも絶品。 純正とは一味異なる、落ち着きがありしっとりとした描画。 |
短所 | 時代遅れのAF。実質MFレンズと認識すべき。 レンズを交換すると、1枚目は露出が乱れる場合がある。 フィルタ径82mmはちょっぴり抵抗感あり。 |
お勧め度 | [風景・スナップ派には悪くないが、古さは否めない。] |
手放した理由 | APS-C機では焦点距離が中途半端につき、利用頻度が稀なため。 この焦点距離のズームレンズの描画性能が飛躍的に向上した点もあり、利便性が低い単焦点レンズの存在価値は、厳しさを増しつつある。 最近のデジタル一眼は高感度特性も上がったので、F値の優位性も薄れつつあるのも理由。 |
〜 タムロン SP AF11-18mm F/4.5-5.6 Di II LD Aspherical [IF] (Model A13) 〜
発売時期 | 2005年5月25日 |
標準小売価格 | 78,000円 |
焦点距離 | 11mm〜18mm (Canon APS-C機装着時:17.6mm〜28.8mm相当) |
最小F値/絞り | 4.5 / 22 |
最短撮影距離 | 0.25m |
レンズ構成 | 12群15枚 |
絞り羽根枚数 | 7 |
サイズ | 83.2mm(最大径) X 78.6mm(長さ) |
重量 | 345g |
フィルタ径 | 77mm |
フード | 標準添付 |
コメント | タムロン初のAPS-Cフォーマット専用、超広角デジタル対応レンズ。 焦点距離は11-18mmと他社の同クラスと比較するとズーム幅が狭いが、比較的軽量・コンパクトな設計。 とは言え、フィルタ径は77mmもある。APS-Cフォーマット専用ながら、それなりのサイズは否めない。 発色は如何にもタムロンらしく、比較的暖色系。シャープ感はさほど強くは無いが、F8前後まで絞ると申し分無い描画性能が得られる。 超広角レンズの宿命うえ、四隅は流れるが許容範囲。周辺部は若干の減光は見られるも、特段問題視するレベルでは無いと思う。 逆光性能はそこそこ強い範疇。直射日光をまともに受けると虹状のフレアが発生するが、量も少なく嫌みは感じられない。 画素数が1,510万の50Dでも十分な性能。今後登場が予想される多画素機種にも、余裕を持って対応可能と思われる。 MFの操作性も良好。超広角レンズの特性から基本的にはAF専用だろうが、手抜き感が見られぬのは評価したい。 最大の弱点はズーム幅の狭さだろう。時には「もうちょっとズームが出来たらなぁ」と思わせ、特に望遠側ではその感が強い。 F値の暗さもいささか辛い。しかしながら、タムロンからは後続の製品として、SP AF10-24mm F/3.5-4.5 Di IIが登場。これらの問題点の解決策は示されている。 手元のレンズは中古で購入。購入後1年もしないうちに絞りが故障したが、2週間弱で修理が完了。 タムロンのアフターサービスの良さも特筆出来る。 |
長所 | 軽量設計。同クラスの他社製品と比べると最軽量。 |
短所 | 遅めのAF、ズーム幅にもう少し余裕が欲しい。 被写体によっては、パープル状の滲みが出やすい。 |
お勧め度 | [既に過去の存在、EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMを選びましょう。] |
手放した理由 | 一度故障し修理したものの、1年も経たずに別の個所に不具合発生。 これ以上の修理代を払うのは得策で無いと判断し、手放すのを決意。 焦点距離の幅も中途半端なので、純正の10-22mmへと切り替えました。 |
〜 トキナー AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5(IF) 〜
発売時期 | 2006年9月8日 |
発売時価格 | 86,100円 |
焦点距離 | 10mm〜17mm (Canon APS-C機装着時:16mm〜27.2mm相当) |
最小F値/絞り | 3.5〜4.5 / 22 |
最短撮影距離 | 0.14m |
レンズ構成 | 8群10枚 |
絞り羽根枚数 | 6 |
サイズ | 70.0mm(最大径) X 71.1mm(長さ) |
重量 | 350g |
フィルタ径 | 使用不可 |
フード | 標準添付 |
コメント | トキナーのAPC-C専用フィッシュアイ(魚眼)レンズ。ペンタックスとの共同開発により誕生。 本来はペンタックスのKシリーズ用の純正レンズとして登場、後にキヤノン及びニコン用としてリメイクされたのが当レンズである。 フィッシュアイでありながらズームを備え、発売当時としては珍しき存在。ワイド端ではフィッシュアイ特有の湾曲収差を存分に発揮、方やテレ端では歪みは大幅に抑制され、超広角レンズの代用にもなり得るレベル。 APC-C専用のレンズであるが、APS-Hのカメラであれば裏技的にテレ端でケラレが発生せず(保証外の使用法ですが)、設計が古い純正のフィッシュアイの代用で愛用した人も少なくないようである。 画質に関しては何ら申し分無い。解像感、発色、ヌケのいずれにも優れ、欠点を見つけるのは率直に困難。 AFのスピードは標準的だが、精度は十分。レンズ先端部から約2.5cmまで被写体に接近可能、マクロ的な撮影もお手のもの。 逆光性能にも長けており、描画面での弱点を探すのは困難。純正レンズと比較すると若干露出が高めなので、標準より1/3程度暗めの設定を推奨。 製品の質感も高く、所有欲もなかなかのもの。 鏡筒の作りもしっかりとしており(マウントの3本ネジはイマイチだが)、レンズ前面はWR(Water-repellent)コートが施され、キズにも強く汚れも簡単に拭き落とせるのは便利。 フォーカスリングの操作性も悪くない。ズームリングの回転方向が純正と逆だが、これは慣れの範疇。 フィッシュアイは好き嫌いが明確に出るが、このレンズは間違えなく楽しめる1本。 ラインナップに加えると撮影の楽しさが大幅アップは請け合いなし、広くオススメしたいレンズです。 |
長所 | とにかく面白い一本。撮影の楽しさは倍増。 ズームの利便性の高さも見逃せない。テレ端であれば歪みは殆ど無いので、超広角レンズとしても活用可能。 |
短所 | 暗所でのAFの不正確さ。 純正と比べると露出が高めなのはやや使いづらい。 |
お勧め度 | [フィッシュアイの面目躍如。] |
手放した理由 | 一生に二度と撮れないのでは?という場面で持ちだしたところ、暗所でAFが全く合わずに撮り逃した苦い経験が。 あまりの悔しさで純正の8-15mmを衝動買いしたため引退させましたが、通常用途では特に問題は無いわけでして・・・。 |
〜 キヤノン EF50mm F1.8 II 〜
発売時期 | 1990年12月 |
標準小売価格 | 12,000円 |
焦点距離 | 50mm (Canon APS-C機装着時:80mm相当) |
最小F値/絞り | 1.8 / 22 |
最短撮影距離 | 0.45m |
レンズ構成 | 5群6枚 |
絞り羽根枚数 | 5 |
サイズ | 68.2mm(最大径) X 41mm(長さ) |
重量 | 130g |
フィルタ径 | 52mm |
フード | 別売(キヤノン ES-62) |
コメント | キヤノン純正で最安価なレンズ(現行製品時点)。実売価格は1万円を切り、単焦点初心者にも手を出しやすい。 Kiss Digital発売と同時に人気爆発。価格に似合わない描画力と高評価を受け、一時期は売り切れ続出の大ヒット。 現在では入手性は回復しているが、製造国は日本から海外製へシフト。一部では製造品質の低下を危ぶむ声もあるが、具体的な品質低下の指標には至っていない。 実物は極めてコンパクト。重量は130gと軽く、常用しても苦にはならない。 描画性能は単焦点としては中程度。濁りの無いシャープさは単焦点そのものだが、鮮明さは然程優れない。開放付近では周辺域の歪みと光量不足も気になる。 フレア・ゴーストも強めに出る傾向があり、設計年度の古さは隠せない。巷の評価はいささか過大の感じは否めない。 円形絞りは不採用なので、照明を撮ると五角形の光軸が発生する場合があるが、この特性は好みが分かれる部分。 しかし、F5.6以上に絞ると評価一変。全域で均一な画質が得られ、満足度は急上昇。 ただ、デジタル前提での焦点距離を考慮すると本来はスナップ・風景向きでは無く、ポートレート等で用いるのが正解。 本来ならば余り絞らず、F1.8の明るさを生かすのが正解だろう。私はポートレートは撮影の範疇外につき、イレギュラーな用途での評価と思って欲しい。 発色はあっさり系なので、必要に応じレタッチ等で濃い目に調整したい。 |
長所 | とにかく安く描画力も十分、暗い室内でも活用できるF1.8の性能。 F5.6以上に絞り込むと、高級レンズに匹敵する描画力を発揮。 |
短所 | 遅いAF、マニュアルフォーカスリングは細く、操作性は悪い。 プラスチックマウントなので、耐久性に難あり。最短撮影距離が45cmと長め。 |
お勧め度 | [後継機のEF50mm F1.8 STM購入を推奨。] |
手放した理由 | カメラバックからの落下による衝撃で壊れてしまったため。 |
〜 タムロン SP AF28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A09) 〜
発売時期 | 2003年4月21日 |
標準小売価格 | 55,000円 |
焦点距離 | 28mm〜75mm (Canon APS-C機装着時:44.8mm〜120mm相当) |
最小F値/絞り | 2.8 / 32 |
最短撮影距離 | 0.33m |
レンズ構成 | 14群16枚 |
絞り羽根枚数 | 7 |
サイズ | 73mm(最大径) X 92mm(長さ) |
重量 | 510g |
フィルタ径 | 67mm |
フード | 標準添付 |
コメント | 誰もがその実力を認める、タムロンの銘作。デジタル対応の冠をあらわす Di(Digitally Integrated Design)のスペック恥じる事無く、素晴らしい描画性能を誇るレンズ。 発色も自然で透明度の高い画質を誇り、解像力もかなり高い。 ワイド端は歪みが目立つが、ズームレンズとしては許容範囲、フルサイズで使用しない限りは大きな弱点には至らない。 35mm以上の望遠寄りでは、周囲の歪みも解消される。14群16枚と多レンズ構成ながら、逆光にもめっぽう強い。 直射日光が直接入りかねないシーンでもフレアの発生は最小限に抑制され、並みの単焦点にも匹敵する実力を持つ。 フルサイズ対応ながら、純正の半分の重量&コンパクトさには驚く。今となっては他社から同様なコンセプトのレンズも登場しているが、発売当時はまさに画期的であった。 発売開始からしばらくは品質にばらつきが多かったようだが、製造工程が安定化したのか、最近は悪評は余り耳にしない。 エンジニアリング・プラスチックを多用した外装だが、本体の強度は十分確保。ピントリングの操作性も長けており、大口径レンズならではのピント合わせも容易である。 しっかりとした花形フードも付属し、好感を持てる。ただAPS-Cサイズの一眼レフデジタルカメラでは浅い印象もあり、オプションでも良いのでAPS-Cサイズに特化したフードが欲しい。 とにかく実売2万円後半〜4万弱と、コストパフォーマンスは抜群。デジタル対応レンズが続々と登場する中、依然として最高性能を誇る。 その魅力は依然として色あせる事なく、現在も一級クラスの実力だ。 |
長所 | 価格からは信じ難い高画質、(円形絞りらしく)ボケも綺麗、F2.8を生かした作例も自由自在。 |
短所 | 不規則に動く動体に不得手なAF。古い世代のレンズのため超音波モーターは非搭載。 |
お勧め度 | [古さは目立つがF2.8の標準ズームとしては圧倒的に安いため、一本持つのも悪くはない。] |
手放した理由 | AF動作不良による故障に加え、標準域のズームレンズはEF24-105mm F4L IS USMで必要十分と判断したため。 |
〜 キヤノン EF200mm F2.8L II USM 〜
発売時期 | 1996年3月 |
標準小売価格 | 118,000円 |
焦点距離 | 200mm (Canon APS-C機装着時:320mm相当) |
最小F値/絞り | 2.8 / 32 |
最短撮影距離 | 1.5m |
レンズ構成 | 7群9枚 |
絞り羽根枚数 | 8 |
サイズ | 83.2mm(最大径) X 163.5mm(長さ) |
重量 | 765g |
フィルタ径 | 72mm |
フード | 別売(キヤノン ET-83B II) |
コメント | 200mmと一般的な望遠単焦点レンズ。このクラスでは70-200mmの着目度が高く、いまひとつ地味で注目されない存在。 単焦点らしく、その描画力は極めて高い。ズームレンズとは一段違うシャープさと、適度な柔らかさを兼ね備える。 背景のボケ方が極めて自然。デジタル一眼レフの場合は望遠の圧縮効果も生かせ、立体的な作例も容易に得られる。 適度に絞るとシャープさは更に向上。動体撮影やポートレートはもとより、適度な色のりから風景撮影にも適している。 手ぶれ補正が当たり前の昨今、ISが非搭載なのが惜しまれるところ。その半面、レンズ構成が7群9枚と控えめで、ISレンズにありがちな若干の濁りやフレアの発生とはほぼ無縁。 70-200mmクラスのズームと比較すると半分程度の重量で取り回しも容易。全長もコンパクトにまとめられ、荷物がかさばらないのが嬉しい。 別売りのフードもしっかりとした構造。装着感もあり安心感が高い。 軽量がゆえに撮影時の手ぶれには注意であるが、手ぶれを克服すれば素晴らしい描画が得られる。 USMも俊敏かつ静粛、AIサーボを効かした連写もハマってくれ、実に快感。 登場から相当の年月が経過するが、実力はなおも一線級。1800万画素の7Dと組み合わせても、抜群の画質を誇る。 Lレンズとしては安価な部類なのも嬉しく、珍しく?キヤノンの良心を感じる。 |
長所 | 単焦点らしい透明感あふれる画像。高速なAFによりAIサーボとの相性も抜群。 軽いので機動性も高い。 |
短所 | 軽い反面手ぶれは発生しやすい。できれば一脚or三脚が欲しい。 |
お勧め度 | [ズームに目が向きがちなところだが、Lレンスにしては安価なので選択の余地あり。] |
手放した理由 | キヤノン EF 70-200mm F2.8L IS II USM購入で出番がなくなったため。 |
〜 キヤノン EF 100mm F2.0 USM 〜
発売時期 | 1991年10月 |
標準小売価格 | 69,000円 |
焦点距離 | 100mm (Canon APS-C機装着時:160mm相当) |
最小F値/絞り | 2.0 / 22 |
最短撮影距離 | 0.9m |
レンズ構成 | 6群8枚 |
絞り羽根枚数 | 8 |
サイズ | 75mm(最大径) X 73.5mm(長さ) |
重量 | 460g |
フィルタ径 | 58mm |
フード | 別売(キヤノン Et-65 III) |
コメント | キヤノンの代表的な中望遠レンズ。100mmの焦点距離はポートレートで重宝される。 シャープさと柔らかさが絶妙のバランスを保ち、人物撮影には持って来いの一本であるが(実際撮ると大変美しい描画を見せる)、私の場合もっぱら列車撮影専用レンズと化している。 車体全体と風景を巧みに交えるには、都合の良い焦点域。迫力ある撮影には不適であるが、構図のバランスは悪くない。 Lレンズと比較すると地味な存在だが、描画性能は十分。撮影画像はズームレンズでは絶対に得られない透明感を有し、背景のボケ具合も極めて自然。 シャープネスではLレンズに僅かに劣るものの、十分な解像力を兼ね備える。発色はあっさり系であるが、原色の再現性は極めて高い。 本体の操作性も優秀。フルタイムマニュアルフォーカスも備え、ピントリングも適度な硬さ。 AFは一見すると遅めに思えるが、実際の撮影では気にならないレベル。動体予測AFとの相性は悪くは無いが、7Dとの組み合わせはいまひとつ。 フードも大型で深く安心感が高い。登場から20年近く経過するが、現在でも一流の実力を誇る。 キヤノンの100mmではハイブリットISを搭載したマクロレンズが筆頭格。けれども、このレンズももっと着目されてしかるべき存在だ。 |
長所 | 100mmの割には軽量&コンパクト。 単焦点にふさわしい自然な描画と背景のボケ具合。 意外と流し撮りがしやすい。 |
短所 | 強い光源下では、発色が不自然になる傾向がある。 最短撮影距離が0.9mはいささか長い。 暗所ではAFが迷う傾向が強い。7Dとの相性はイマイチ? |
お勧め度 | [EF 135mm F2L USM等の影に隠れて地味なレンズだが、デジタル一眼レフと組み合わせても高い実力を誇る。] |
手放した理由 | キヤノン EF 70-200mm F2.8L IS II USMの購入で出番がなくなったため・・・だが、今でも買い直したい気持ちは残る。 |