サンフレッチェ広島 VS 川崎フロンターレ

J1 セカンドステージ 第9節



日   時 2000年8月12日 19:03
試合会場 広島ビッグアーチ (広島県広島市)
天   候 晴れ
観 客 数 6,339人(これで満足したくはないが・・・)
試  合  結  果
広   島 前 半 川   崎
後 半
延長前半
     
得   点   者
川崎:中谷 勇介(94分)






J1セカンドステージも、オリンピックの中断期間まで残すところ僅か2試合。
フロンターレのこの日の対戦相手は、サンフレッチェ広島である。
広島戦で思い浮かぶのは、ファーストステージの無残な敗戦。プロ同士の激突とは信じ難い退屈な試合運びで、終了間際に悪夢のPKを屈し、敗れ去っている。
フロンターレは奇跡のJ1残留に向けて、是が非でも落とす訳にはならない。
負けようものなら、全てが終幕。私も東京駅から、13時間半もバスに揺られた身。この試合に全霊全能を注ぐ覚悟だ。
選手同様、疲れをもろともしない応援で、最後まで戦い貫きたい。

路面電車

広島の風物詩、ゆったりと走る路面電車
色とりどりの列車が縦横無尽に
市民と観光の足で大活躍
※この写真と下の原爆ドームの画像をクリックすると
別の拡大画像がご覧いただけます。



原爆ドーム

この季節の広島で、これを忘れちゃ駄目です
原爆ドームと原爆資料館は必須の見学コース
資料館の中は、全身火傷を負った人の写真など
言葉で表現不能な惨状を再認識させられる


競技場には試合開始1時間半前に到着。場内は閑散としており、人影は疎ら。
特にフロンターレサポーターの姿が異常に少ない。ゴール裏を見渡しても数名しか確認出来ない。
まあ、バスツアー組みは今の時間帯、自由行動である筈だ。
もう少々待てばきっと来る・・・あれれぇ??試合開始が近づこうと、一向に人数が増えないぞ。
登録選手の紹介とスタメンの紹介を過ぎる。なのにサポーターが増える気配はない。
ピッチに選手が登場するが、応援グループは、かけらも姿を現さない。
これは何を意味するのか?遠方なのでバスツアーはご破算となったのか?

誰もいない

試合開始1時間30分前のゴール裏風景
一瞬事態を呑み込めなかった


異常な事態。ゴール裏では数名のサポータからなる孤独なフロンターレコールが空しく響くのみ。
もはやこれまでか・・・、単独で応援する覚悟が固まり、試合が始まる直前、突如後方の入り口から、サポーターが続々となだれ込む。
帰省ラッシュにつかまり、この時間までずれ込んだので、到着が遅れた模様。
いずれにしろ、準備は整った。数は僅かでも、サンフレッチェに応援は負けないぞ!
フローンターレ!フローンターレ!!
(でもちょっと空しかった・・・)

これだけで応援?

いくら遠方のアウェイ戦とはいえ
この頭数は極端に少ない
周囲には焦りの空気が流れる



ようやく人数がそろった

試合開始直前、バスツアー組が到着
長丁場ご苦労さまでした


序盤はホームで、応援数も長けている(それでもたがが知れている)サンフレッチェが攻勢。
シャープで小刻みなチームプレーで、立ち上りの悪いフロンターレに盛んにプレッシャーを与える。
フロンターレも指を咥えてばかりではない。早いサンフレッチェのパスワークに割り込み、果敢に反撃を試みる。
だが、想像どおりちぐはぐな展開。攻撃につながりを欠け、折角持ち込んだボールを、最後はやすやす逃がしてしまう。
選手間の呼吸も今一つ。再度チェンジ気味のパスも、ラインを割り込んでしまう。
サンフレッチェもミスが落ち着きを欠き、コーナーキックなどのチャンスが転び込むが、チームプレーの粗雑さはお互い様である。

中谷選手の守備

相手選手の突破を防ぐ
フロンターレの中谷選手(背番号22:DF)
今日の守備の出来は、もう少々か



新デジカメ効果?

デジタルカメラを新しくしたので
割と遠方の風景もシャープに撮影出来る
新デジカメ様さまである


応援の数も少ないなぁ。それならいつも以上に大声を上げるより他ないぞ。
おーおおー、レッツゴ−川崎〜!
おーおおー、フローンターレ〜!
サンフレッチェの攻撃は手ごわい。フロンターレのミスからセットプレーを頂戴し、プレス攻撃を仕掛けてくる。
狙うは長身の久保選手(背番号10:FW)のヘッド。だが、フロンターレの守りも徐々に落ち着きを戻しつつあるようだ。
と思いつつ、久保選手の足元にスルーパスを通り、センタリングを送り込もうとする。
フロンターレは久野選手(背番号23:MF)が踏ん張り、自らの足にボールを当てて、ゴールチャンスを作らせない。
(それにしても?足元のプレーが身上の久保選手に、どうして空中戦を仕掛けたの:サンフレッチェ殿)

フロンターレゴール前の攻防


サンフレッチェは、セットプレーから
徹底的に空中戦狙い
対するフロンターレは
低めのカウンター狙いと、両者対照的


前半20分を過ぎても、フロンターレのプレーはいささかぎこちない。
相手の動きを上手く読み、中盤でパスを奪取。試合の主導権を握りかける。
だが、いかんせん連携不足。よって中央を強引にドリブル突破など、選手間に絡む攻撃はお目にかかれない。
数少ないカウンターも慌てているのか、選手の押し上げと息が合わず、とことんチャンスを潰してしまう。
それでもサンフレッチェゴール前では、足元で散々粘るプレーを見せるなど、勝負に対する執念も、同時に感じさせる。

中谷選手のスライディング

サンフレッチェの捨て身のセンタリングを
中谷選手が身を投げ出し、足に当てて防ぐ



コリカ選手のクロス

ただ、相手にコーナーキックを与え過ぎか
うかうかしていると、コリカ選手(背番号34:MF)
も豪快にクロスを上げてくるぞ
この後、サンフレッチェのシュートが
フロンターレゴール正面へ飛ぶ


試合も30分を過ぎようとしている。動きのシャープさでは、依然サンフレッチェが一歩上手。
まったく寂しい競技場だ。両者のサポータ共に数が少ないのには閉口ばかり。
それでもサンフレッチェは、手拍子の代わりにしゃもじを叩き、背景の山々に響き渡る。
反撃するは応援のみだぞ〜。
オオーオオオオオー、フォルツァーフローンタレー

それにしても、フロンターレのプレーに余裕がないなぁ。
プレー全体が窮屈過ぎる。だからファイルが多いのではないか。それを審判に責任転嫁しても、何ら意味はないぞ。
お、ゴール右脇でフリーキック。それを蹴るのは原田選手(背番号34:MF)
ボールは誰かの頭に当たり、ヘッドで地面に叩き付けるが、それをシュートにする者がいなく、これも得点ならず。
フロンターレの攻撃は、どうも何処かでずれている。だから形が見出せないのだろうか。

リカルジーニョ選手が倒れる

この接触プレーで
リカルジーニョ選手(背番号37:MF)が
地面に倒れ、担架で退出(後に復帰)



サンフレッチェの攻撃

サンフレッチェも丁寧にボールを繋ごうとするも
フロンターレ同様、連携が乱れがち


フロンターレの攻撃は今だ的を得ない。左右にボールを振ることから、サイド突破とも見受けられるが、意図不明である。
対するサンフレッチェも、久保選手の頭にボールを集中するも、足元のプレーが持ち味である特徴を殺した、理不尽な攻撃でしかない。
シュートミスが連発し、フロンターレサポーターから「久保に集めろ」と皮肉が飛び出す始末。
互いに決定力を失せたまま、無得点で前半の45分が終える。試合の緊迫感はもうひとつで、少々退屈だ。
サポーターの大多数は、長時間バスに揺られながらも、ここまで追いかけた。
その割には、期待を多少裏切る試合内容。後半の奮起を待つばかりだ。

松本社長あらわる

後半開始直前、松本球団社長が突如登場
サポーターに声をかけ、瞬く間に立ち去る
社長業の辛さははかり知れないと存じますが
何とかチームに留まってくださ〜い


試合は後半へ。立ち上りはサンフレッチェに幸運が。
いきなりコーナーキックを得、前線の選手の頭に向け、鋭いボールが飛ぶ。
その後はフロンターレが押し戻し、我那覇選手(背番号27:FW)の鋭い抜け出しで得点を狙うものの、オフサイドに阻まれる。

サンフレッチェのコーナーキックより

サンフレッチェの空中戦狙いは前半と同様か
フロンターレの守備も身体能力がそこそこ高いので
序盤のスピードプレーの方が良いのでは?



我那覇選手はやや機能せず

フロンターレは我那覇選手の抜け出しに期待するも
この日の動きは、特筆し難い
スルーパスからの飛び出しで
オフサイドを受けるシーンも未だ目立つ
(正面の選手はDF川島選手:背番号16)


フロンターレはカウンター一本狙い。ただ選手の疲労は無視出来ないのか、前半の運動量は、徐々に影を潜めるようになる。
ちょっと流れがまずいか。ここは応援でリズムを入れ換えるぞ!
アヴァンティーおお、川崎おお、ららーらららーららーら!!
正直、サンフレッチェサポーターのしゃもじ音には負けている。さすがに応援の頭数が不足しているのか・・・。

新規サポーター大歓迎

意外だったのは、顔の知らない
サポーターが割と交わっていること
サポーターの新規開拓は、順調?
(新規参入大歓迎、だれでも当初は素人です
ただし、×竹を鳴らさなければ)


後半も10分余り経過。フロンターレはサンフレッチェの攻撃に苦慮し、何度もコーナーキックのピンチを迎えてしまう。
攻撃を防ぐも、サンフレッチェの桑原選手(背番号4:MF)が跳ね返りをシュート。
一見大きくゴールから反れた様だが、フロンターレの選手にボールが当たったようで、再びコーナーキックの局面を迎える。
このピンチを凌いだフロンターレは、一気に反撃。イジドーロ選手(背番号35:FW)から、我那覇選手に、流れるようなスルーパスが通り、ゴール正面は相手GK一人のみ。
シュートだ!!その前に無情のオフサイドだ・・・。
それでもフロンターレはなお押している。リカルジーニョ選手の足元に、相手の鋭い跳ね返り?が当たるが、勢いが強すぎて、惜しくも最高のチャンスを逃す。

イジドーロ選手のプレー

イジドーロ選手の貢献度は非常に高い
彼抜きでは、フロンターレの前線は成り立たない


フロンターレの選手は、徐々に動きが鈍くなる。サポーターからは特に中谷選手に対する注文が続出。
それが彼の耳に入ったのか、折角のスローインもややぶっきらぼう。
ボールは彼の元に戻り、僅かな間もなくセンタリングを送るが、これまた素っ気無い。
気のせいかも知れないが、ちょっと気になったプレーである。
それと同時に、選手が疲れていながら、交代に踏み切らない今井監督に関する不満も、サポーター間では交錯するようになる。

イジドーロ選手のプレー

イジドーロ選手のドリブルも
いささか滑らかさに失せるようだ


試合は退屈な時間帯へ。フロンターレのショートコーナーも、三角パスが通っただけで、以後のメリットは未だに理解出来ない。
フロンターレの守りは集中している。中盤のチェックも悪くないし、ゴール前でクロスを送られても、大概はボールを体に当てるなどし、サンフレッチェの決定的な場面に持ち込ませない。
中盤の攻守の切り替えが早いのだが、やはり前線に選手が存在しなく、闇雲にパスを送っても、意味をなさないのは残念だ。

対するサンフレッチェは、ピッチを左右に広げ、さまざまな角度からの攻撃を試みが、当初のスピードは見る影も無い。
それでも決定力不足は否めず、最後はフロンターレ守備陣の術中にはまる。
両者決め手は無い。時間ばかりが経過するばかりだ。
・・・と思っていたら、右サイド付近をイジドーロ選手が突破を図る。
サンフレッチェは、イジドーロ選手の足をペナルティエリア内で引っ掛けてしまう。
よっしゃ!PKだ!!・・・のはずだが、プレーは続行してしまう・・・。

フロンターレのコーナーキックも・・・

フロンターレも、コーナーキックを生かせず
余り難しいことを考えず
シンプルなプレーを心がけた方がいいのかも



サイド付近の攻防

サイドライン付近を激しく責め合う
サンフレッチェ澤田選手(背番号3:DF 左)と
フロンターレ中谷選手(右)



イジドーロ選手のクロス

サンフレッチェ桑原選手(左)を掻い潜り
クロスを放ったイジドーロ選手(右)


その後は両者均衡。素早いカウンターの応酬シーンなど、互いに責めあぐね、攻撃のリズムも不安定。
両チーム得点はまったく入らず、遂に延長戦に突入。J1残留には勝ち点3が絶対に欲しかったのでで、やや不本意な延長でもある。
だが、先ずは勝つこと。勝ち点をひとつでも多く重ね、J1残留争いに関わる上位のチームに、自らプレッシャーを与える必要がある。
少ないサポーターがさらに集結。周囲の熱気はうなぎ上り。
長旅の疲れが残る中、必死の応援だ!
おおおおお、おおおおお、おおおおー、そーれ川崎
おおおおお、おおおおお、おおおおー、そーれ川崎
川崎!川崎!川崎!!・・・ヘイ、ヘイヘイヘイヘイ!!!

延長に突入

勝利の女神は、どちらに微笑むのか?


延長も両者決め手が無い。この均衡事態を打破するのは、サンフレッチェかフロンターレか?
その回答は早かった。僅かな隙を突き、フロンターレがドリブルで持ち込み、押し問答の末、最後は中谷選手が押し込みVゴール!
やったぞ!勝ったぞ!!!

大石選手のVゴール

中谷選手のシュートが吸い込まれる
鬱憤を晴らす一撃がVゴール



歓喜に浸るサポーター

その瞬間サポータは疲れを忘れ
狂乱し、叫び、抱き合う



選手をお出迎え

選手を横一列で出迎えるサポーター
神戸でのアウェイ戦を思い出すなぁ


延長Vゴール勝ちで勝ち点2をゲット。欲を申せば、90分間で完勝したかったのは本音である。
だが、勝利に対する執着心は特筆出来る。今までの理不尽な戦いは幻だったのかとも錯覚してしまう。
現実の厳しさは相変わらず。この1勝でJ2降格ラインから脱出した訳ではない。
しかし、フロンターレは踏み止まった。そして勝負を諦めていなかった。
オリンピックの中断期間まで、残り試合は1。次節の対戦相手は、J2降格争いに関わるジェフユナイテッド市原。
絶対に勝つ。そしてJ1で今シーズンを終える。
もう奇跡ではない。選手とチームを信じ、応援に専念するばかりです。

厳島神社の大鳥居

おまけですが、翌日宮島に渡った際に撮影した
厳島神社の大鳥居です
迫力満点、ただし干潮になると藻が干上がってしまい
結構磯臭かったりして



試合結果一覧に戻る