川崎フロンターレ VS サガン鳥栖

〜 J2 第12節 〜



日   時 2001年5月19日 16:00
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 晴れのち雨
観 客 数 3,470人 (これでもJ2集客第2位?)
試  合  結  果
川    前  半 鳥   栖
後  半
     
     
     
得   点   者
林 晃平 13分   52分 矢部 次郎
渡辺 匠 40分       
エメルソン 41分       
林 晃平 44分       
エメルソン 44分       
エメルソン 49分       



エメルソン選手よ、ハットトリック連続世界記録を打ち立てろ〜
(最高は磐田の中山選手で4試合)


過酷なJ2も第2クールに突入。フロンターレの対戦相手はサガン鳥栖。
未だ勝ち星に恵まれず、苦戦を強いられる鳥栖。すっきりと90分で勝利をおさめ、3連勝を飾りたいところだ。
大量得点で豪快な勝ち星を重ねる反面、この試合で勝ったとしてもようやく5分に戻ったのみ。J1復帰を目標に掲げる以上、勝利と勝点3が絶対条件だ。

強風(その1)

今日も強風が吹き荒れる・・・
今にも旗が破れそうだ



強風(その2)

半端じゃない風が吹き付ける・・・



ガラガラのアウェイ側

アウェイ側は相変らずのガラガラ
ボランティアスタッフ意外、誰一人としておらず
これじゃ閑古鳥すら鳴かない



フロンターレのサポーター

こうなったら私が侵入
アウェイ側2階席から
フロンターレサポーターを激写!?
ウチもたいした数じゃないのだが


台風を彷彿させる強風がピッチを襲う。風に掻き消されぬよう、懸命の応援だ!
オ〜、フ〜ロンタ〜レー!
オ〜〜川崎オ〜オー!!

エメルソン選手(背番号9:FW)のキックオフで試合開始。序盤は大方の予想に反し、鳥栖が優位な試合運び。
中盤でボールをキープし、サイドを有効に突いてくる。右サイドから松田選手(背番号5:DF)がドリブルで駆け上がり、オーバーラップを図った逆サイドの有村選手(背番号2:DF)にロングパス。
これはうまく繋がらず、フロンターレが逆襲。鳥栖エリアに一気に侵入し、ゴール前でボールを素早く回し、鳥栖に揺さぶりをかける展開だ。

松田選手のドリブル

鳥栖の松田選手(左)が
オープンスペースをドリブル
フロンターレの守備は、些か及び腰だ



フロンターレの守備は不安が覗く。久野(背番号23:DF)・小島(背番号29:DF)両選手の連携が悪く、クリアが遅れて余計なピンチも招く。
笹原選手(背番号1:GK)のキックも精度が悪い。鳥栖の選手のプレッシャーを外してキックするも、強風に煽られてしまい、ボールがタッチラインを割り込む場面も。
飯島選手(背番号31:DF)のボールコントロールも今ひとつ。だが攻撃陣は早くもエンジン全開だ。
エメルソン選手の俊足は健在。しかし鳥栖にサイドを突かれるなど、期待と不安が入り混じる。

飯島選手の守備

飯島選手(左)が体を張って
鳥栖の攻撃を食い止めたものの
ファウルの判定でフリーキックを献上してしまう


鳥栖の攻撃を食い止めたフロンターレは、一気に前線へ。エメルソン選手がシュートを放ち、ボールは鳥栖のGK山口選手(背番号16)の胸元に食い込む。
この攻撃は長続きせず、再び鳥栖のサイド攻撃を食らう。ライン際で危険なスライディングを犯し、フリーキックのピンチを迎えてしまう。
ボールは笹原選手がセーブするも、彼が蹴ったボールは風に流される。誰かが懸命に止めようとしたが、またもやタッチラインを割ってしまう。
う〜ん、ダメだなぁ・・・もつかの間、フロンターレがなおも攻め続け、コーナーキックを得る。
そのシーンの撮影を済ませ、視線をピッチに戻すや否や、フロンターレのサポーターが絶叫しているぞ。
どうやら視線が反れた間に、林選手(背番号33:FW)がボールを押し込み、先制点をあげたようだ。
試合開始からまだ10分前後。幸先の良い先制点に、思わずニッコリだ。

林選手の得点

写真を見ると、一目瞭然
ゴールを決めた林選手が
ガッツポーズだ!



クレヨン×んちゃん

おやおや、絶叫するサポーターの頭上に
クレヨン×んちゃんバルーンが登場だ
そんなの何処から拾ってきたものか・・・


このゴールが効いたのか、リスタート後もフロンターレのペース。風の流れに沿って、右サイドを盛んに突いてくる。
中央に折り返し、久野選手が強烈なシュート。鳥栖の山口選手も懸命に弾き、ここは追加点ならず。
フロンターレの守備はゾーン気味。鳥栖の選手に無理なプレッシャーをかけず、ディフェンスの守備範囲で攻撃を食い止める魂胆のようだ。

しかし油断は禁物。鳥栖も無理に攻め込まず、一度中盤に戻してミドルシュート。
ボールはフロンターレのDFに当り事なきを得る。だが鳥栖の勢いはなお強い。
強風をもろともせず、高いボールを盛んに放る。フロンターレの背後を狙っているのだろうか。
フロンターレの守備はチェックが甘く、鳥栖の選手を自在にする傾向が。そんな中、小島選手がひとり火を吐き、密着マークで鳥栖の猛攻を阻む。

鳥栖の攻撃

チェックが甘くなるや、鳥栖もそこを狙い撃ち
守備にもっと厳しさが欲しい


前半も20分近くを経過。一見すると中盤で両者が競い合う展開だが、些かスピードと緊迫感に欠け、やや退屈な空気が流れる。
鳥栖の攻撃は勢いが今ひとつ。だがフロンターレの中盤も足元が落ち着かず、無理な守備でイエローカードを受けてしまう。

鳥栖はなお左サイドを突く。飯島選手の守備力の弱さを突破口にするのだろうか。
ここはフロンターレも攻撃を食い止め、スローインで前へ。だが鳥栖にすかさずボールを奪われ、再びシュートを浴びるなど、右バックラインの脆弱さを露呈してしまう。
また、小島選手も鳥栖のロングボールを止め損ね、浮き球が鳥栖の選手に渡るなど、随所で油断が見え隠れしてしまう。

守備に課題

渡辺選手(背番号30:MF)と
飯島選手が鳥栖に抜かされる
この辺りの守備は、なお課題が残る



久野選手のクリアも・・・

久野選手のクリアボールも
鳥栖の選手に渡ってしまう
連日の大量得点で、守りが緩んでいるのか


フロンターレの攻撃は奮わず、中盤止まり。守備も淡白で、唯一小島選手が積極的に鳥栖の選手に絡み、幾度もピンチの芽を摘むばかり。
それでも小島選手の闘志が他の選手に伝わったのか、じりじりと反撃開始。鳥栖に攻め込まれても、笹原選手がロングキックを放ち、前線のエメルソン選手に一気にパス。
だが、鳥栖の守備も研究している。うまくボールに回り込み、やすやすとボールを与えず、前節のように容易く失点を許さない。

鳥栖はなおも反撃し、コーナーキックを得る。ボールは風で変化したのか、笹原選手とディフェンスが互いにボールを見送る。
そこを鳥栖の選手が突っ込み、あわや失点の危機。更に鳥栖の猛攻は続き、サポーターからは悲鳴が上がる。
続けて空きスペースが生まれ、鳥栖に狙われる。またもやドリブルで攻め込まれ、最後はシュートを放たれたが、ここは伊藤宏樹選手(背番号25:DF)がシュートコースを塞ぎ、ボールはゴールを捕らえなかった。

鳥栖のコーナーキック

鳥栖のコーナーキックが
フロンターレゴールを右から左に横切る
鳥栖の選手がボールに突進し
一歩遅れたら失点の危機



小島選手のスライディング

小島選手がファイト溢れるプレー
スライディングで鳥栖のドリブルを
見事に食い止めた



エメルソン選手がGKを振り切る

その直後、フロンターレもビッグチャンス
エメルソン選手にボールが渡り
ドリブルでGK山口選手を振り切る



林選手のシュートは入らず

・・・が完全に振り切れず
続けて林選手がシュート
浮いたボールは惜しくもゴールにならず


林選手のシュートを皮切りに、フロンターレも猛攻撃を展開。立て続けにフリーキックのチャンスを迎え、詰めの甘さは残るものの、徐々にリズムが乗ってきた。
守備も大分まとまってきた。中盤では渡辺選手が積極的にボールを奪い、小島選手も見事なスライディングで、鳥栖の逆襲を封じ込める。
こうなればフロンターレのものだ。鳥栖の攻撃が一段落するや、右サイドを一気に攻撃し、フリーキックをゲットだ。
続けてのプレーで、渡辺選手が角度の無い位置から豪快なシュート!。見事に決まって2点目だ!!
おおおーおお、おーおおーおお、おおおお〜、ソーレ匠
おおおーおお、おーおおーおお、おおおお〜、ソーレ匠
たーくみ!たーくみ!たーくみ・・・ヘイ!ヘイヘイヘイへい!!

ベンチに向かう渡辺選手

得点を決めた渡辺選手は
その足でベンチに一直線
あれ?誰かに隠れてしまった・・・


サポーター席は興奮の渦に。前半も残り時間僅かであるが、選手たちはなお攻め続ける。
するとその直後、エメルソン選手がシュート。これもあっさり決まり3点目。
エーメーゲットゴール〜〜。エメルソン選手の勢いは誰にも止められない。ガンガン前進し、強烈なシュートの連続。
鳥栖もループシュート?を放ち、笹原選手がパンチング。コーナーキックのピンチを迎えるが・・・、こうなれば怖くは無い!
コーナーキックの跳ね返りを、フロンターレがカウンター。右サイドのフリースペースを一気に突いて、山口選手が飛び出したところを、林選手がすっと交わして4点目!!
・・・のつかの間。瞬く間にエメルソン選手が追加点!!!これで驚きの5点目だ!!!!!

怒涛の得点劇で、サポーターは極度の興奮状態。私自身何が何だか、状況を把握出来ない状態。
余りのスピードで、まともに撮影すらおぼつかない。いや、この場面は冷静さを失い、歓喜に浸ってしまった。
興奮が冷めやまぬまま、前半を終了。5点リードで中盤を折り返すなんて、サポーターを始めて以来、かつてない快進撃だ。

落下したクレヨン×んちゃん

興奮でクレヨン×んちゃんが舞い上がり
強風に煽られ場内に落下
無残に横たわる×んちゃんの姿が



落ちるなよ〜

ハーフタイムに突入と同時に
多くのサポーターが覗き込む
子どもたちよ、一緒に落下するなよ〜


これだけリードすると、集中力が途切れそう(実際浮かれてしまった)。しかし勝負はまだ決着していない。
心の緩みを引き締め、残り45分、懸命の応援で鳥栖を突き放すぞ!
オ〜、フ〜ロンタ〜レー!
オ〜〜川崎オ〜オー!!

開始早々フロンターレの攻撃が光る。鳥栖も守勢に回り、攻撃を止める代償がイエローカード。
おや?周囲が見る見る暗くなる。空は暗雲に覆われ、一瞬ピカッと光るや否や、ゴロゴロゴロ・・・と雷鳴が響き渡る。
と同時に、土砂降りの雨が。ピッチの状態はよそに、サポーター・観客は雨宿りに精を出す。
私の周囲にも黒山の人が。たまたま最上段席にいたお陰で、移動しなくて済んだのですが。

雨宿り

突如夕立が等々力を襲う
観客も急いで、屋根下に避難


この状態では、ますます試合に集中不能。大粒の雨が容赦なく降り、ピッチ状態を把握するのすらおぼつかない。
・・・いけないぞ、ここで集中力を切らしては。ふと我に返り、応援再開だ。
おーおおー、レッツゴ-川崎〜
おーおおー、フローンターレ〜
天候の急変に選手も驚いたのか、しばらく散漫なプレーが続く。だがボールがエメルソン選手に渡るや、瞬く間に鳥栖ゴールに前進だ。
山口選手を振り切り、6点目をゲット。もう勝利は確実だ!!

エメルソン選手の得点

これまた面白いように決まったぞ!
ビバ!エメルソン、ビバ!エメルソン


大粒の雨音をよそに、サポーターは絶叫。もはや何も恐れるものは無い。
オレ!オレ!オレ!か・わ・さ・き、オレ!
サンバのリズムで得点を祝福・・・。いや、鳥栖も1点を返し、ふと我に返る。
いけないぞ、まだ試合は続いている。何とか集中力を保ち、最後の最後まで応援だ。
黙っていては雨音に声援が掻き消される。気持ちを入れ換えて、応援再開だ。
おおーおおおおおー
フォルツァーフローンタレー!

鳥栖も勝負を諦める気配は皆無。雨足は強くなる一方、選手の闘志は決して衰えない。

鳥栖の闘志は衰えず

鳥栖も勝負を捨てていない
懸命にボールを追いかけ
フロンターレに揺さぶりをかける
雨足は一向に衰えない


フロンターレの攻撃は精彩に欠く。前回対戦時で感じた事だが、雨が降ると途端にトーンダウン。
エメルソン選手も足元が気になるのか、前半の爆発力は影を潜める。
それでも優位に変化は見られず。渡辺>久野選手の連携が成功し、ゴールライン付近に迫る。
鳥栖も守るものの、ルーズボールはフロンターレへ。すかさずボールはエメルソン選手に渡り、足元が多少不安定ながらもシュートを放つ。
これは鳥栖の選手に当たりコーナーキックへ。鳥栖も懸命に反撃するが、フロンターレの守備は集中し、確実に防御する。

雨も酷く、周囲も騒然。この状態では試合に集中不能に近いが、応援を止めてなるものか。
せめてモチベーションだけでも維持したい。だからこそ応援を止める事は許されないのだ。
お・お・おおーおおーフロンターレ〜
お・お・おおーおおーフロンターレ〜
おおおー、おおおおーおーお、おーおおお、おーお
ララーラララーラララーラララーララ〜〜ラ〜

手を振る応援

この応援も、ようやく板に付いたようだ



強烈な夕立

雨足は輪をかけて強くなる
雨の影響で、ピントもずれまくり
これほどの夕立は、J1に昇格した年の
対山形戦以来ではなかろうか


鳥栖も懸命な反撃。足元がおぼつかぬ中、必死なプレーで健闘。
フロンターレも攻撃を凌ぐや反撃開始。前線のエメルソン選手にボールが渡り、前線でキープ。
足元で粘り、最後は林選手にパス。彼の特徴である切れのあるシュートを放ち、サポーターはどっと沸く。
続けてフリーキックのチャンス。低いボールに誰かが滑り込むも、僅かに届かず、ボールは鳥栖の山口選手の元へ。
鳥栖もすかさず反撃し、お返しとばかりにスライディングシュート。両者ピッチの滑りを逆に生かし、飽くなき得点意欲を見せ付ける。

フロンターレのシュート

誰が滑り込んだのだろうか・・・
よく見ると、全然届いていないか(笑)



松田選手のスライディング

エメルソン選手に対し、鳥栖の松田選手が
必死のスライディング
若き闘士の直向さが、ひしひしと伝わる


後半も30分辺りを経過したのか。フロンターレは林選手が体勢を崩しながらもシュートを放つ。
鳥栖の反撃も衰えない。時折雲の隙間から閃光が光るものの、ピッチの選手たちは落雷を恐れず、プレーを続行。
鳥栖はコーナーキックから、セットプレーのチャンス。雨の影響か連携が乱れてしまう。
対するフロンターレは、攻め疲れてしまったのか、徐々に勢いが失せてくる。
サイドチェンジが成功し、中央に折り返す。一呼吸置いてシュートを放つが、ゴール枠から大きく外れる。
残り時間は徐々に減少。鳥栖も最後まで諦めず、渾身の反撃に執念を燃やす。

鳥栖のシュート

鳥栖の選手がシュートを放つ
笹原選手も最後まで油断ならない



勝利を確信したサポーター

サポーターは勝利を確信
クレヨン×んちゃんも復帰し、高く宙を舞う
※動画バージョンはここです
一度ダウンロードしてからお楽しみください
(MPEG1形式 897K)


ピッチでは5点差とは思えぬ熱戦が。鳥栖の選手も歯を食いしばり、最後の最後まで食い下がらない。
ふと、ピッチに夕焼けが。強い夕立も幾分和らぎ、濃紅の日差しが降り注ぐ。
それと同時に試合終了。鳥栖の反撃に苦しみながらも、前半の貯金で大勝でした。

日差しが戻る

等々力を覆っていた暗雲が去り
鮮やかな夕焼けが



賞を受ける小島選手

この日の「あんたが大将」は
鋭い守備に冴えた小島選手
ふろん太君もバンザイだ


とにかく安心の一戦。両チームの戦力差は明白で、事実歴然たる試合結果。
エメルソン選手も合計16得点。これで堂々たる得点王だ。
フロンターレの選手はもとより、最後まで勝負を諦めなかった鳥栖の選手にも、惜しみない拍手を贈りたい。
陥り易いが、冷静に振り返ると、まだ5分に戻っただけ。まだ上位グループに復帰した訳では無い。
大量得点におごらず、危機感を忘れず、着実に勝利と勝ち点を重ねたい。

次節の京都戦、そして来週の湘南戦こと、フロンターレにとって試金石の試合となるであろう。
そこで勝利を飾ってこそ、真なる上位への追撃体勢が整う。
J1復帰への戦いはまだこれから。喜びはともあれ、気を引き締めひたすら応援するのみです。


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