川崎フロンターレ VS モンテディオ山形

〜 J2 第30節 〜



日   時 2001年9月5日 19:00
試合会場 等々力陸上競技場 (神奈川県川崎市)
天   候 晴れ
観 客 数 2,412人 (少ねぇ〜)
試  合  結  果
川    前  半 山   形
後  半
  延長前半  
  延長後半  
     
得   点   者
      8分 西山 哲平
      11分 根本 亮助






新潟戦で完敗を喫したフロンターレ。休息の間を迎える暇も無く、次の対戦を迎えてしまう。
相手はモンテディオ山形。順位・勝点共に中位のチームであるが、勝負強さには定評があり、J2後半戦の台風の目となりそうな存在だ。
フロンターレもアウェイの山形で惜敗を喫した相手。その時の悔しさを一掃すべく、是が非でも負けられない相手である。

平日はガラガラ

平日の等々力は、いつもガラガラ
先のナビスコ杯準決勝(私は欠席)のように
相手の人気に助けられれば
話は別なのだろうが
それはともあれ、この集客数では
将来の客層拡大が危ぶまれる
観客を呼び寄せるには、勝利が何よりだ



山形サポーター

はるばる川崎まで訪れた山形サポーター
規模的には先のアウェイでの
フロンターレーサポーターと同等か


競技場も予想外に涼しく、むしろ肌寒いほど。周囲は静寂に包まれ、早くも初秋のたたずまい。
いや、これは単にサポーターが少なく、声援が控えめな影響じゃないか。平日で仕事の疲れもピークだが、気分は高揚し、疲れの感覚は消え去った。
サポーターも2階席最前列に集結。人数は少ないが、懸命の応援だ勝利を呼ぶぞ!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜


のっけから山形が斜めに切れ込む。試合開始から30秒もたたぬ間に、ファーストシュートを浴びせてくる。
山形は序盤から飛ばしているのか、フロンターレゴール前に盛んにパスを放り、得点への意欲は満開だ。
フロンターレディフェンスの頭上を、盛んにボールが飛び交う。予想外とも思える攻撃的な山形の姿勢に対し、フロンターレの守りはまごつき気味だ。

フロンターレは混戦でもボールを制し切れない。執拗な山形のプレッシャーに対し、ゴール付近でスローインを与えてしまう。
フロンターレの中途半端なプレーが気が気でならない。山形の動きがシャープな分、フロンターレ側の消化不良がより強調されてしまう。

2階席最前列に集結するサポーター

いつもは人気がまばらな、2階席の最前列部
サポーターの少なさをフォローするためか
今日に限りここに集結


フロンターレもセンターサークルの右側で、フリーキックのチャンスが。山形ゴール前に高いボールを蹴るものの、GK鈴木選手(背番号1)にキャッチされる。
フロンターレは守備面ですら煮え切らない。堀井選手(背番号14:FW)の突破を許し、あわやゴール前に迫られる場面を迎えてしまう。
ここは山形のパスが乱れ、ボールはゴールラインを割った。が、その後が最悪だ。
笹原選手(背番号21:GK)の平凡なゴールキックは、何故か味方が不在の左サイドへ。ボールは敢え無くタッチラインを割り込み、サポーターからは失望の声が漏れる。
ササさん、どうして毎試合単純なミスばっかりするのぉ・・・。

ピッチでは山形の積極果敢なプレーが目立つ。多少のミスは気にせずに、スピード感溢れるプレーで攻める。
足元のボール回しも非常に早い。フロンターレのスローインを奪い取り、混戦にも関わらず巧みな足技で、ボールをうまくキープする。
早くも劣勢のフロンターレに、悲劇が訪れるのは遅くは無かった。フロンターレゴール正面で、混戦から反撃を試みるも、あっさりと西山選手(背番号10:MF)にボールを奪われる。
小刻みなドリブルを経た後、冷静沈着にシュートを決める。まだ試合が始まってから、10分すら経過していないのに・・・。

西山選手の先制ゴール

あれよと言う間に、先制点を喫してしまう


試合はまだ始まったばかり。時間はたくさんあるし、ここから一気に逆転だ!
オオオー、オオオオオ〜
フォルツァ〜フローンタレー!

・・・が、相変わらず山形にやられ放題。守備・攻撃共に、積極性で明らかに劣る。
そう悩みだした矢先、フロンターレが速攻に転ず。山形の一瞬の間をぬい、低いパスで一気に前線へ。
最後は浦和から移籍したての、盛田選手(背番号9:FW)が豪快な一撃。鋭いボールは、山形ネットに低く突き刺さり、ネットを強く揺らしたてる。
やったぞ!移籍後初ゴール!!僅かな間に同点に追い付き、サポーターもだ!

・・・が、妙に様子が変だ。しばらく時間が経過すると、山形のゴールキックで試合が再開しているでは!
先制ゴールと思いきや、どうやらオフサイドの判定。サポーターも「えっ?」とまさかの表情。
フロンターレサポーターの気持ちが整理されぬまま、更なる追い討ちが襲う。山形が左サイドを圧倒的なドリブルで攻め立て、フロンターレを崩しにかかる。
フロンターレもスライディングで、タッチラインに逃れるのが精一杯。山形のスローインからプレーが再開し、直後鋭いクロスが、フロンターレゴールに迫ってくる。
ゴール正面の根本選手(背番号20:FW)が、痛快なヘッドで叩き込む。あっという間に、2点のビハインド。
一瞬にして天国から地獄へ。2階席には失望の空気と、しらけムードが蔓延してしまう・・・。

盛田選手の幻のゴール

主審も得点のジャッジをしていたのだが・・・
ぎりぎりオフサイドの判定を受けてしまった模様



山形のクロス

山形の選手が体をひねりながら
痛快なクロスボールを放つ



山形の2点目が決まる

根本選手がヘッドで対応
僅かな間に、痛恨の2点目を献上してしまう


・・・・・・・・・・・・・・・
フロンターレサポーターも呆れ返ったのか、2階席は沈黙に包まれる。調子に乗った山形は、最前線の堀井選手を軸に、どんどん攻撃を仕掛けてくる。
フロンターレも中盤までボールを戻し、右サイドの林選手(背番号33:MF)へ。タッチラインに沿ってドリブルで切れ込むも、高度な集中力の山形ディフェンスを、とても振り切るには至らない。
山形にあっさりとボールを奪われてしまい、素早いボール回しに手を焼いてしまう。それでもパスミスをカットするも、山形のマークが実に厳しく、中盤以降に攻め込む隙が無い。
フロンターレも打つ手が乏しいのか、右サイドのスペースにロングパスを放つ。だが、ボールに合わせる選手が誰もおらず、ボールはタッチラインを割るのが関の山。

攻撃が失敗続きで、鬱憤が蓄積されたのか、フロンターレは中盤でラフプレーが目立つ。
おいおい、エジミウソン選手(背番号8:MF)よ、主審に度が過ぎたアピールでは、イエローカードを受けてしまうぞ。
その後も山形の圧倒的優位が続く。セットプレーからの空中戦も、フロンターレは完全に高さに負けている。
まだ試合開始から15分しか経っていないのに、フロンターレの選手はとにかく鈍く、山形の選手とまともに応対出来ないのが現実だ。

山形の猛攻

2点リードの山形ではあるが
攻撃の意欲は衰える術も無い
いや、より磨きがかかったかのようだ


不利な判定続きのフロンターレだが、遂にイエローカードを受けてしまう。劣勢なのは誰の目にも明白だ。
まずい・・・、何とか山形を打ち破り、負けん気をどんどん見せてくれ!
俺たちのフロンターレ、今ここに〜
を倒すんだ、さあ〜いこう〜
サポーターの真摯な願いは通じない。若干の反撃もあっさりと防御され、更なる攻撃を受けてしまう。
山形のシュートを何本も許すに留まらず、今度は箕輪選手(背番号5:DF)イエローカードを受けてしまう。
エジミウソン選手も頭に血がのぼったのか、主審に対し盛んにアピール。サポーターも興奮の余り、強烈なブーイングが飛び交う始末。
遂には一部サポーターがプッツンしたのか、突如西コールまで起きてしまう。これこれ、今は試合中なので、敵に塩を盛る行為は駄目ょ。
無用な興奮は避けなければ。劣勢な今だからこそ、逆転に向けて全力を尽くすのみ。
山形のセットプレーを耐え凌ぎ、再び右サイドの突破を図る。が、山形の守備は極めて強固で、これも簡単に防御されてしまう。
フロンターレは反撃の機会が少ないばかりではなく、その組み立て方法も単純過ぎる。こんな調子では、いつまでも山形に追いつけないぞ〜。
守備も脆弱さも相変わらず。ディフェンス同士のパスも弱く。箕輪選手はあわや堀井選手にボールを奪われそうになるなど、観る方まではらはらしてしまう。

主審にアピールするエジミウソン選手

判定に納得行かないエジミウソン選手(右端)が
主審に盛んにアピールしている
余り度が酷いと、無用なイエローを受けかねない


劣勢続きのフロンターレにも、ようやくチャンスが巡って来た。中盤で久野選手(背番号23:MF)が、山形のプレッシャーを巧みに外し、左サイドに滑らかな縦パス。
インサイドの伊藤彰選手(背番号19:FW)がボールに追い付き、ゴールライン付近からコーナーキックのチャンスを作り出した。
さあ、先ずはセットプレーから1点を叩き出すぞ!山形ゴール前の混戦から、再びフロンターレのコーナーキック。
ゴール前ではフロンターレの選手と鈴木選手(GKの方)が激しく接触しつつ、鈴木選手が懸命のパンチング。
こぼれ球をフロンターレが拾い、山形ゴールに迫る。最後は一応シュートまで持ち込んだのか、鈴木選手にボールは当たり、三度フロンターレのコーナーキックを迎える。
今度こそは・・・と期待するも、フロンターレの得点は遠し。こぼれ球を何とか繋いで振り向きざまのシュートを放つ。
これは鈴木選手が抑えてしまい、惜しくもゴールならず。それでも勢いはフロンターレに傾きつつあるぞ。

伊藤彰選手がからむ

伊藤彰選手?がシュート(したのか??)
が、山形もGK鈴木選手が捨て身の防御
フロンターレには1点が、どうしても遠い
(1本目のコーナーキック直後のシーン)


オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜

この攻撃をきっかけに、ようやくフロンターレも上向き加減。山形の速いパスを盛んにカットし、守備面でも冴え渡る。
が、この調子も長続きせず。中盤での乱雑なプレーは収まらず、再び山形にフリーキックを与えてしまう。
この辺りから、雲行きが怪しくなってきた。選手のスピードが徐々に低下し、山形の突破に対して応対が苦しくなる気配が感じられる。
久野選手もボールを持った山形の選手にまとわり付くも、あっさりと振り切られてしまう。堀井選手がフリーで抜け出すと同時に、鮮やかなパスが彼に渡る。
そのままドリブルから、低いシュートが襲う。絶体絶命のピンチを覚悟したが、ここは笹原選手の素晴らしい飛び出しで、ボールを弾き返す。

フロンターレも再び山形ゴール前に迫り、決定的な場面へ。シュートの体勢まで持ち込んだようだが、これまた山形の堅守に阻まれてしまった。
反撃の手を緩めずに、中盤から今野(背番号18:MF)>鬼木(背番号7:MF)へと繋ぐ。
鬼木選手が右サイドへドリブルを仕掛、ポストプレーを絡めて更に右へ。
しかし、山形のマークも極めて厳しく、前にパスを送れない。最後は山形の圧力に屈し、ボールを奪われてしまった。
山形の強固な守備に対し、フロンターレは隘路に迷いつつあるようだ。チェックのスピードも極めて早く、崩しようが無いのだろうか。

根本選手のドリブル

根本選手がドリブルで飛ばす
フロンターレは飯島選手(背番号31:DF)も
振り切られ、なす術も無い


前半も時間が減少するにつれ、フロンターレの突破力は低下。中盤までが精一杯で、それ以上の前進が中々図れない。
苦し紛れのロングパスも、繋ぐ選手が不在で、結局は山形にチャンスボールを与えるも同然だ。
それでも山形のディフェンスが、ゴールラインに逃れ、一度はコーナーキックのチャンスが巡る。数少ないセットプレーだけに、ここは絶対にゴールを挙げたい。
弧を描いたボールは、箕輪選手の頭にドンピチャ・・・、の筈だったがボールの底を叩いてしまったのか、山形のゴールに収まるには至らない。

チャンスを殺したフロンターレに待ち受けるは、山形の反撃。お返しとばかりにセットプレーを基軸に、再三ピンチを迎えてしまう。
判定までも味方しない。タッチライン付近に山形のパスが送られ、堀井選手と飯島選手が競い合う。
ここは堀井選手が飯島選手を押したぞ・・・。あれれぇ?どうした事か、飯島選手のファウルと判定されてしまい、山形のフリーキックからプレーが再開だ。
不満を覚えたフロンターレサポーターも、容赦無いブーイング。ホワーィ?何故ぇぇぇぇぇファウルなのぉぉぉぉぉ???

何故か飯島選手のファウル

飯島選手(右)と堀井選手(左)が
ボールを激しく競り合う
どうしたことか、これは飯島選手の
ファウルとなってしまったようだ
(興奮したので、詳細は覚えていないのですが・・・)


笹原選手がフリーキックを抑えたところで、前半を終了。後半の奮起を促したいが、山形とフロンターレ、ここまででは、実力的に雲泥の差は誰の目にも明白過ぎる。
これで本当に追いつけるのか、2点もリードを許しているのに。
ああ、気持ちは重くなる一方だ・・・。

ふろん太君を発見

ハーフタイム中に
ふろん太君をようやく発見
この日のイベントは、キックターゲット
私もやった事あるが
素人には結構難しい
蹴るコース以外にも、力加減が重要か


さて、間もなく後半のキックオフ。この日のフロンターレも、相手チームに先立ち、ピッチで円陣を組む。
オーロラビジョンで確認すると、何かしら熱心に話し合っている。選手たちの表情は緊張に満ち溢れている。
何はともあれ、先ずは1点返して欲しい。さあ、いよいよ後半が始まるぞ!
オ〜〜〜、フーロンターレ!
オ〜〜〜、川崎オーオ〜

応援開始と前後して、クラッカーが鳴り響く。あれあれ?観客席でクラッカーを鳴らして良いのかな??
(私は以前国立でクラッカーを持ち込んだら、係員に没収された事があった)

盛田選手

フロンターレ初スタメンの盛田選手(右)
まだチームに馴染んでいない感じだが
積極性もあり、結構小技も使えそう
他選手との連携が取れれば
かなりの戦力になりそうな気配


後半も山形のペースに変化は見られない。フロンターレの選手は動きが鈍く、山形のスピードに対応出来にくい点は、前半と何ら変わりは無いようだ。
唯一積極的なのは新加入の盛田選手。ただ、他選手との呼吸がもうひとつなのか、それともスピードに違いがあるためか、ボールを受けても孤立無援な場面も少なくない。

フロンターレは左サイドに狙いを定めたのか、中盤付近から縦パスへ前へ。山形DFの頭上を通過するつもりも、うまく体を入れてクリアされてしまう。
センターサークル内では細かいミスがありつつも、再び左サイドに進路を取る。ボールは盛田選手の足元に渡り、じっと足元でキープ。
フロンターレの選手が背後から駆け上がるや、すかさずパスを送る。一気のスピードで突破を図るも、渡辺選手(背番号5:DF)が悪質なファウルでイエローを受ける。
久野選手のフリーキックは、山形ゴール前に落ちる。鈴木選手が必死のパンチで対抗。再びフロンターレが反撃に転じ、フリーの今野選手に鮮やかなパスが通る。
山形のディフェンスも慌てて対応。ペナルティエリアの境界線で、両者が激しく交錯だ。
よし!PKだ!!・・・んんん??多くのサポーターが山形のファウルと信じたものの、何故かプレーを中断せず。
今野選手は不可解な判定と思ったのか、両腕を広げ盛んにアピール。
フロンターレサポーターも激しいブーイングで、怒りをあらわに。絶好のチャンスだっただけに、いささか不可解な判定だ。

魔法の手?

久野選手のコーナーキックを
山形のGK、鈴木選手が必死に対応
あ、伊藤宏樹選手(背番号25:DF)が
右腕を激しく振っている
もしや・・・「魔法の手」の再来か??



PKならず

今野選手が接触プレーで横転
「もしやPK」と期待が高まったが
主審は何故かアドバンテージと判断
う〜ん、写真で確認するだけだと
山形の選手が今野選手に
かぶさっているではないか


後半も10分以上経過すれど、山形のスピードは衰えない。それどころかフロンターレのスピードが落ちており、相対的には向上している感じすら受ける。
前半以上に、山形のドリブルが冴え渡る。対するフロンターレは守備一辺倒で、失点を防ぐので精一杯。
山形はセットプレーも高精度。中央前より右サイドからのフリーキックも、フロンターレゴール前ですっと落下。
それを最前線の選手がヘディングシュート。幸運にもゴール枠から外れたものの、試合の主導権は完璧に山形が掌握している。

山形は続けてコーナーキック。ショートコーナーのボールをフロンターレが奪い取り、一気に中盤へ。
鬼木選手から右サイドの今野選手へ。よし、今野選手のドリブルで、山形をかき乱すぞ!
・・・が、永井選手(背番号8:MF)の執拗なマークに阻まれる。今野選手は勝負を避けたのか、思い切ったバックパスでディフェンスにボールを戻してしまった。
そりゃバックパスならボールは奪われないだろうが・・・。同点に追いつくためにも、前進しなくてどうするつもりなのか。

余りの不甲斐なさに、フロンターレサポーターにしらけが充満。そして呆れたように、小規模なブーイングが起きる。
この試合を物語る、象徴的な場面であった。

鬼木選手

山形のミスに乗じて、フロンターレも大反撃!
鬼木選手から、サイドの今野選手にパスだ



今野選手がつかまってしまう

が、今野選手がつかまりかける
マークを振りほどく目的で
中盤から前にもかかわらず
思い切ってDFにバックパス
このプレーひとつで
サポーターは一気にしらけてしまった



少ない観客

百万都市川崎なのに
たった2,000人台しか
観戦に訪れない
もっと意欲的なプレーをしなければ
既存のファンまで見放されないかと
心配でならない


後半も20分前後で、盛田選手は選手交代。フロンターレでの初戦にしては悪くなく、もう少々様子を見ても良かったかな・・・と思う交代劇であった。
代わりに塩川選手(背番号24:MF)が投入されど、チーム全体の調子は向上せず。選手の動きが山形と比較すると、とにかく遅い。
懸命に応援すれど、サポーターの気持ちがピッチに届かないのか。2階席には諦めムードが拡散し、もうお手上げしたい気分になりつつある。

でも勝負は終わっていない。応援グループとは別に、どこかの子どもが懸命に、独特のリズムで「フロンターレ」コールをしているぞ。
その子たちの為にも、選手たちには奮起を促したい。気持ちが萎えてしまったら、もうこの試合は終わってしまう。
個々の選手は懸命だろうが、もはや連携の乱れは修正しようもない。無理なドリブル突破などで、自滅するシーンも決して少なく無い。

フロンターレは更にアイルトン選手(背番号10:FW)を投入。得意のフリーキックから、ゴールを奪う目論見だ。
だが、これも問屋は卸さない。フリーキックのチャンスが訪れるが、キックは鈴木選手の正面。
やることなすこと全てうまく行かず。焦りを誘うように、残り時間だけがだんだん減ってゆく。

鈴木選手がボールを抑える

塩川選手も切れ込むが
ここは山形の鈴木選手に押さえ込まれる
ファイトかつ正確なセーブは
フロンターレにとって鬼門なのか



アイルトン選手のフリーキック

アイルトン選手にフリーキックの場面が
彼にとっては良い位置と思う
さあ、是非とも決めてくれ!



鈴木選手がセーブ

ボールは一直線に山形ゴールへ
が、これも鈴木選手が難なくキャッチ
これが駄目なら、もう手段すら思い当たらない


後半も刻一刻と時間が過ぎ去る。正確かつスピード溢れるパスを、ワンタッチで繋ぐ山形の攻撃。
対するフロンターレは、連携がばらばら。両者が余りに対極的であり、応援する方も降参寸前だ。
でもまだ諦めない。最後の最後まで、ゴールを信じて。
ヴァーモーおおーおおーフロンターレ〜
ヴァーモーおおーおおーフロンターレ〜
おおおー、おおおおーおーお、おーおおお、おーお
ララーラララーラララーラララーララ〜〜ラ〜


残り時間が5分前後に差し掛かる。山形のコントロールミスから、フロンターレにコーナーキックが巡って来た。
もうチャンスは少ない。久野選手がコーナーエリアに小急ぎだ。
ふわっと浮いたボールを、ヘッドで繋ぐ。箕輪選手まで山形ゴール前に迫り、貪欲にヘッドを狙いにかかる。
続けて右サイドの鬼木選手へ。ゴール前の様子をじっと見つつ、タイミングを見計らってセンタリング。
が、これも鈴木選手が冷静にキャッチ。攻撃に突破点が見出せぬまま、ロスタイムに突入してしまう。
サポーターも半ば諦めたのか、応援のテンポは徐々に遅くなる。ピッチ上の選手たちに、鎮魂歌(レクイエム)を捧げるかのように。

試合終了直前に、アイルトン選手が一撃を放つ。鈴木選手が弾いてコーナーキックになるも、ゴールは遠かった。
そのまま静かに試合を終了。山形に一矢報いる事無く、屈辱的な敗戦を喫してしまった。
余りの実力差(勝負に対する意気込みも含め)に、悔しさを通り越した脱力感が。それと同時に、2階席一帯は軽蔑の念で溢れかえる。
選手が挨拶に訪れど、拍手もまばらでブーイングも僅か。大半のサポーターは怒る気力も失せたのか、軽蔑ムードが周囲を支配するばかり。
選手とサポーターの信頼関係まで崩れかねない、最悪の結末を迎えてしまいました。

アイルトン選手のシュート

アイルトン選手がシュートを放つ
しかし、これも鈴木選手が防御
結局このまま、無得点で完敗



引き上げるフロンターレの選手たち

バックスタンドへの挨拶を終え
ゴール裏に向かうフロンターレの選手たち
表情はやつれ、精気は失せきっている



早々と帰り支度をするサポーター

が、挨拶を前に、サポーターはシラケ一色
挨拶中も帰り支度をしたり
嘲笑で出迎えたり・・・
あらゆる意味で最悪の結末を迎えてしまった


ウチってこんなに弱かったのかな。正直言ってこの試合は、勝つ見込みは0%だった。
8月の快進撃は幻だったのか。その勢いはもはや見る影も無く、弱小チームに舞い戻ってしまったのか。
過酷な9月の連戦を、このまま乗り切れるのか。下位のチームも調子を上げており、このままでは敗戦ロードに突入し兼ねない。
ただただガッカリの一戦。今期ワーストの試合と結論付けたいです。


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